受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 8 分8 分8 分

国民年金法 第23条(不正利得の徴収)

クイックジャンプ

偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。

この条文の基本情報

不正利得の徴収とは何ですか?

定義不正利得の徴収とは、国民年金法第23条に定められた規定で、「偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国民年金法第23条(不正利得の徴収)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
  2. 国民年金法第23条の条文原文は「偽りその他不正の手段により給付を受けた者があるときは、厚生労働大臣は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。」で始まります。
  3. 国民年金法第23条は第一節 通則に置かれています。
  4. 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
  5. 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 国民年金法第23条の前の条は国民年金法第22条です。
  7. 国民年金法第23条の次の条は国民年金法第24条です。
  8. 国民年金法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第23条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141
  • 本サイト収録国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/23

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国民年金法23条は、偽りその他不正の手段で給付を受けた者から、厚生労働大臣が受給額の全部又は一部を裁判所を経ずに徴収できると定める規定である。

Q · 年金の返還請求が届いたら、裁判で争ってから払えばいいの?

違う。先に審査請求が必要で、期限は3か月

国民年金法23条による不正利得の徴収は行政処分であり、厚生労働大臣は判決を得ずに徴収できます。金額や不正認定に不服があるときは、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求する必要があります(同法101条)。取消訴訟は審査請求の決定を経た後でなければ提起できません(同法101条の2)。放置すれば督促を経て95条・96条により国税滞納処分の例で預金や給与が差し押さえられます。

解説

「返還を求める」ではなく「徴収することができる」。この語尾の違いが、あなたの預金口座が守られるか差し押さえられるかを分ける。通常、払いすぎた金を取り戻す側は裁判を起こして勝訴判決を得なければならない(民法703条の不当利得返還請求)。ところが国民年金法23条が発動すると、厚生労働大臣は裁判所を一切通さずに徴収でき、しかも95条・96条により国税滞納処分の例で給与や預金へ直接手を伸ばせる。さらに「偽りその他不正の手段」は、あなたが積極的に嘘をついた場合だけを指すとは限らない。親の死亡後も振込を止めなかった、障害の状態が軽快したのに更新の診断書で触れなかった、遺族基礎年金を受けながら事実婚を始めたが届け出なかった。この「言わなかった」が不正と評価された瞬間、数年分の給付額が通知書一枚で一括請求として降ってくる。

法的な位置づけ

国民年金法23条は不正利得の徴収を定める規定であり、偽りその他不正の手段により給付を受けた者に対し、厚生労働大臣が受給額に相当する金額の全部又は一部を徴収できる旨を規定する。民法703条の不当利得返還請求に対する行政上の特則であり、徴収は裁量的処分として構成される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.通知書の処分年月日と教示欄を最初に確認 金額欄より先に、末尾の教示欄(不服申立ての方法と期限)と処分年月日を撮影して保全する。3か月の期限はこの日から進行するため、開封日を記録に残す
  2. 2.対象期間と給付種別を分解する 通知書の金額を、どの給付(老齢・障害・遺族)のどの期間に対応するかへ分解する。全期間が不正認定されているのか、一部期間だけかを特定しないと争点が立たない
  3. 3.年金事務所へ書面で理由と根拠資料の開示を求める 認定の根拠となった届出書・診断書・調査記録の写しを書面で請求する。届出は出ていたのに反映されなかった類型なら、不正ではなく行政側の過誤払いとなり23条の射程外という主張が立つ
  4. 4.3か月以内に社会保険審査官へ審査請求 処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求書を提出する。理由欄は数行で済ませず、金額の当否・不正認定の当否・時効の三点を書き切る。ここで出した主張が後の取消訴訟の土俵になる
  5. 5.督促状が出る前に納付相談を入れる 争う一方で、督促前に分割納付の相談を記録として残す。督促後は95条・96条の滞納処分手続が動き出し、同じ条件でも通る余地が細くなる

よくある質問 AI による整理

Q1国民年金法23条とは何ですか?

不正な手段で年金給付を受けた者から、厚生労働大臣が受給額の全部又は一部を徴収できると定める規定です。訴訟を経ずに行政処分として徴収できる点が特徴です。

Q2年金の不正受給はいくらから返還請求されますか?

金額の下限は条文にありません。23条は「全部又は一部」と定めるだけで、対象期間の受給額全体が起点になります。少額でも徴収対象になり得ます。

Q3年金の返還命令に不服がある場合はどうしますか?

処分を知った日の翌日から3か月以内に社会保険審査官へ審査請求します(101条)。決定に不服なら2か月以内に社会保険審査会へ再審査請求します。

Q4年金の過払いは全額返さないといけませんか?

23条は「全部又は一部」と規定し、全額徴収を義務づけていません。経緯と生活実態を書面で示せば、一部徴収や分割納付を検討させる余地があります。

Q5年金の返還を放置するとどうなりますか?

督促を経て、95条・96条により国税滞納処分の例で預金や給与が差し押さえられます。判決も裁判所の関与も不要である点が民間債権と決定的に違います。

Q6届出忘れも不正受給になりますか?

なり得ます。行政は積極的な虚偽だけでなく、105条の届出義務に反する不申告も「偽りその他不正の手段」と構成する運用をとります。

Q7遺族基礎年金は事実婚でも失権しますか?

します。法律上の再婚だけでなく事実上の婚姻関係も失権事由です。届け出なければ23条の徴収と不正認定の対象になり得ます。

Q8年金の返還債務は相続されますか?

徴収金は一身専属ではないため、相続債務として承継されるのが原則です。相続放棄の可否は熟慮期間の起算点をどう主張するかにかかります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1全額返せば、警察沙汰にはならないですよね?

別軌道である。23条の徴収は金銭の回収であり、刑事責任は国民年金法111条の2や刑法246条の詐欺罪が担う(最新の改正状況をご確認ください)。全額返した後に立件された例もある。実務のポイント:分岐を左右するのは金額より「いつ返したか」。調査の照会文書が届いた段階で自ら申し出て返還計画を提出した案件と、催告を無視し続けた案件では、同額でも扱いが変わる。

Q2一括では払えません。放っておいたらどうなりますか?

督促を経て、国民年金法95条・96条により国税滞納処分の例で預金や給与が差し押さえられる。判決も裁判所の関与も要らない点が民間の債権と決定的に違う。実務のポイント:分割納付の相談は督促状が出る前に入れること。督促後は滞納処分の手続が動き出しており、同じ「月3万円ずつ」でも通る余地が細くなる。まず一報を入れて記録に残す。

Q3金額に納得がいきません。いきなり裁判を起こせますか?

起こせない。国民年金法101条の2により、社会保険審査官への審査請求の決定を経た後でなければ取消訴訟を提起できない審査請求前置である。期限は処分を知った日の翌日から3か月。実務のポイント:審査請求書の理由欄を数行で済ませる人が多いが、ここで出した主張と資料がそのまま後の訴訟の土俵になる。最初の一通に全部書く。

Q4亡くなった父宛の返還請求が私に来ました。払う義務がありますか?

徴収金は一身専属ではないため相続債務として承継されるのが原則である。ただし相続放棄の熟慮期間3か月(民法915条)の起算点は「自己のために相続の開始があったことを知った時」であり、債務の存在を知った時から起算した判例がある(最判昭和59.4.27)。実務のポイント:役所の担当者が「もう放棄できない」と言っても、それは法的判断ではない。通知を受け取った日付を保全し、家庭裁判所へ相談する。

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「届出をうっかり忘れた」だが、法律から見れば「偽りその他不正の手段」に該当しうる。行政は積極的な虚偽だけでなく、届け出るべき事実の不申告も不正と構成する運用をとる。この落差に気付かないまま「悪気はなかった」とだけ主張し続けると、争点を一つも作れないまま処分が確定する
  • 返せば終わりだと知っている人は多いが、その深刻度は知られていない。23条の徴収は金銭回収であって、刑事責任とは別軌道で進む。全額返還した後に国民年金法111条の2や刑法246条で立件される可能性は残る。逆に、返還の申出を早く出したことが刑事の情状として効く場面もある。返す・返さないの二択で考えている限り、この使い分けは見えない
  • 「年金は差押え禁止だから安心」という前提そのものが誤っている。差押えが禁止されているのは受給権(国民年金法24条)であって、いったん口座に振り込まれた預金債権は別物だ。しかも23条の徴収金の側は、95条・96条により国税滞納処分の例で強制執行できる。守られる側と攻められる側が入れ替わっている
比較の観点この条文ほかの条文
回収の根拠と手段国民年金法23条:行政処分として徴収(判決不要)国民年金法95条・96条:国税滞納処分の例による強制徴収
民法703条:訴訟提起し勝訴判決を得て執行
発動の前提偽りその他不正の手段による受給23条等による徴収金債権の存在と督促
法律上の原因なき利得と損失
争う土俵社会保険審査官への審査請求(3か月、101条)滞納処分に対する不服申立て・執行段階の争い
民事訴訟の被告として応訴
金額の裁量「全部又は一部」=処分庁の裁量あり確定した徴収金全額が対象
現存利益の範囲(善意受益者は減縮の余地)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
國民年金法第41條、勞工保險條例第24條

台湾も保険人が溢領・誤領給付を追還でき、給付からの控除も認める。ただし追還は行政処分+行政執行法による執行で、日本の国税滞納処分の例による徴収と機能的に対応する

韓国
국민연금법 제57조(급여의 환수)

韓国も国民年金公団が不正受給分を還収し、還収金は国税滞納処分の例により徴収する。不正の場合は加算金を課す点で日本より制裁色が強い

ドイツ
SGB X § 45・§ 50

ドイツは受益的行政行為の職権取消(§45)と給付返還(§50)を分離し、受給者の信頼保護(Vertrauensschutz)を明文で審査する。日本の23条より受給者側の防御枠組みが条文上明確

アメリカ
42 U.S.C. § 404、20 C.F.R. § 404.506(waiver)

米国は過払いの回収に加え、受給者に帰責がなく回収が衡平に反する場合の免除(waiver)を明文化している。日本の「全部又は一部」の裁量に相当する部分が手続として制度化されている

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 一人暮らしの母が亡くなり、葬儀と実家の片付けに追われるうちに、年金事務所への受給権者死亡の届出(国民年金法105条)を出しそびれていたとしたら? 振り込まれ続けた年金を口座から生活費に回した時点で、あなたは23条の徴収対象になり、金額と経緯によっては刑法246条の詐欺の被疑者にもなる
  • 返還通知が届いた。記載された金額は480万円。争える期間は、処分があったことを知った日の翌日から3か月しかない
  • 障害基礎年金を10年受給してきたが、数年前から症状が安定し就労も始めていた。更新の診断書では主治医が従前どおりの記載をしていた。あなたに嘘をついた自覚はない。それでも行政側は、就労実態を申告しなかったことを不正の手段と構成してくることがある。この場面で戦う相手は「事実」ではなく「評価」である
  • 夫を亡くして遺族基礎年金を受けている友人から、新しいパートナーと同居を始めたが籍は入れていないので大丈夫だよね、と相談された。事実上の婚姻関係にあれば失権事由に当たる。住民票の世帯情報や健康保険の被扶養者記録から同居の実態は行政側に見えている。あなたが三分で伝えるべきは、バレるかどうかではなく、後から23条と滞納処分が来るという構造だ
  • 亡くなった父の過払い分の返還請求書が、相続人であるあなた宛に届いた。相続放棄の熟慮期間はとうに過ぎている、と役所の担当者は言う。この一言を鵜呑みにするかどうかで、数百万円の負担の有無が変わる

取るべき行動

被害を受けた側:身に覚えのない返還請求を受けたなら、まず通知書の処分年月日と末尾の教示欄を撮影し、対象期間とどの給付かを特定する。次に年金事務所へ書面で理由の開示を求め、認定の根拠となった届出書や診断書の写しを請求する。届出は出ていたのに事務処理側で反映されなかった類型なら、それは不正ではなく過誤払いであり、23条の射程外という主張が立つ。この線引きを明示したうえで、3か月の期限内に社会保険審査官へ審査請求する。

訴えられた側:支払う前に、金額の内訳と対象期間を必ず分解する。23条は全部又は一部であり、全額徴収は法律上の義務ではない。故意の詐取と届出漏れでは評価が違うので、経緯を時系列で書面化し、収入・資産の資料を添えて一部徴収または分割納付を申し出る。並行して、督促状が出る前に納付相談を入れておく。督促を放置すれば95条・96条により滞納処分へ移り、預金や給与が裁判所を経ずに差し押さえられる。

時効(請求できる期限):不服申立ては、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に社会保険審査官へ審査請求(国民年金法101条、社会保険審査官及び社会保険審査会法4条)、その決定に不服なら決定書謄本の送付を受けた日の翌日から2か月以内に社会保険審査会へ再審査請求。取消訴訟は審査請求の決定を経た後でなければ提起できない(国民年金法101条の2)。徴収権自体の消滅時効は国民年金法102条が定めるが、不正利得徴収金の期間と起算点については実務上、解釈が分かれている(最新の改正状況をご確認ください)。

学説

通説:23条の徴収は民法703条の不当利得返還請求権の行政法上の特則であり、自力執行力を伴う点に本質がある。「全部又は一部」の文言から、徴収範囲の決定は処分庁の裁量に属し、受給者の帰責性の程度と生活実態が考慮要素になると解される。

有力説:「偽りその他不正の手段」は詐欺罪に準ずる程度の悪質性を要すると解し、単なる届出遅滞による過払いは23条ではなく一般の不当利得の枠組みで処理すべきとする立場。行政の過誤払い類型と不正受給類型の峻別を求める。

改正沿革 AI による整理

  • 平成13年(2001年)中央省庁再編 中央省庁等改革に伴い、徴収権限の主体表記が「厚生大臣」から「厚生労働大臣」へ改められた。徴収の要件と効果自体に変更はない

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法の制定に伴い、不正受給に対する行政上の返還徴収規定として新設された
  2. 2.平成13年(2001年) 改正:中央省庁等改革に伴い、徴収権限の主体表記が「厚生大臣」から「厚生労働大臣」へ改められた。徴収の要件と効果自体に変更はない

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

国民年金法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 通則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›