被保険者は、出産の予定日(厚生労働省令で定める場合にあつては、出産の日。第百六条第一項及び第百八条第二項において「出産予定日」という。)の属する月(以下この条において「出産予定月」という。)の前月(多胎妊娠の場合においては、三月前)から出産予定月の翌々月までの期間に係る保険料は、納付することを要しない。
要点国民年金法88条の2は、出産予定月の前月から翌々月までの4か月(多胎妊娠は3月前から6か月)の保険料を免除し、その期間を保険料納付済期間として年金額に算入する規定である。
Q · 出産したら国民年金の保険料はどうなるの?
届出をすれば4か月分が免除され、年金額も減りません
国民年金法88条の2により、第1号被保険者は出産予定月の前月から翌々月までの4か月分(多胎妊娠は出産予定月の3月前からの6か月分)の保険料を納付する必要がありません。所得審査も資産審査もなく、要件は出産の事実だけです。さらに同法5条1項によりこの期間は保険料納付済期間に算入されるため、将来の年金額は減りません。ただし自動免除ではなく、市区町村の国民年金窓口への届出が必要です。届出は出産予定日の6か月前から可能で出産後に遡ることもできますが、既に納付した保険料の還付請求権は2年で時効消滅します(同法102条)。
国民年金の免除には、実は二種類ある。所得が低くて払えないから見逃してもらう免除(89条、90条)と、この88条の2だ。前者は将来の年金額が削られる。後者は削られない。出産予定月の前月から4か月間、多胎妊娠なら3か月前から6か月間、あなたの保険料はゼロになり、その期間は保険料納付済期間として満額の年金額に算入される(5条1項)。一円も払わずに満額を確保できる、国民年金で唯一の枠である。ただし落とし穴が一つ。自動では免除されない。市区町村の年金窓口に届出を出さなければ、納付書は今月も届き、口座からは引き落とされ続ける。届出は出産予定日の6か月前から可能で、出産後に遡って出すこともできる。しかもこの期間中は付加保険料を納められる。他の免除中は納められないので、ここも例外だ。
国民年金法88条の2は、第1号被保険者の産前産後期間に係る保険料の納付義務を免除する規定である。対象期間は出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までの4か月、多胎妊娠の場合は出産予定月の3月前から翌々月までの6か月であり、所得または資産の審査を伴わない。当該期間は同法5条1項により保険料納付済期間に算入される。
国民年金法88条の2に基づき、第1号被保険者の出産前後の保険料納付義務を免除する制度です。所得審査がなく、免除期間は保険料納付済期間として年金額に算入されます。
出産予定月の前月から出産予定月の翌々月までの4か月間です。多胎妊娠の場合は出産予定月の3月前から翌々月までの6か月間に拡大されます。
住民登録のある市区町村の国民年金窓口です。年金事務所ではなく市区町村が受付窓口である点に注意してください。出産予定日の6か月前から提出できます。
6か月です。開始が出産予定月の前月ではなく3月前に前倒しされます。窓口で多胎であることを申告しなければ4か月分しか処理されないため、必ず申告してください。
ありません。89条の法定免除や90条の申請免除と異なり、所得審査も資産審査も行われません。要件は出産という事実のみで、高所得者でも対象になります。
本条の対象は第1号被保険者です。会社員(第2号被保険者)は厚生年金保険法81条の2の2による産前産後休業期間の保険料免除が別途適用され、勤務先経由で手続します。
別制度です。根拠法も届出も窓口も異なり、年金の免除届を出しても国保は自動で減免されません。同じ庁舎内でも別の担当課に届出が必要です。
免除対象期間の納付済分は還付されます。ただし還付を受ける権利は2年で時効消滅するため(国民年金法102条)、出産月から24か月を過ぎた分は資格があっても戻りません。
産前産後の免除は減りません。国民年金法5条1項がこの期間を保険料納付済期間に含めると定めているため、満額計算にそのまま乗ります。所得による免除(89条、90条)が年金額を削るのとは設計が別物です。業界裏話ヒント:窓口で「免除になります」と言われたとき、どの条文の免除かを聞き返す人はほとんどいない。89条、90条か88条の2かで、受給額が一生分変わります
妊娠85日(4か月)以上であれば、死産、流産、早産、人工妊娠中絶も「出産」として扱われ、免除の対象になります。届出には医師の証明などが必要です。業界裏話ヒント:この取扱いは条文本体ではなく実務運用で示されているため、窓口担当者が即答できないことがある。断られても「妊娠85日以上の死産も対象のはずです」と一言添えれば、確認に回ってくれます
払えます。付加保険料を納められないのは89条、90条、90条の2、90条の3で免除された人であり(87条の2第1項)、88条の2はその除外リストに入っていません。業界裏話ヒント:付加保険料は月400円で、200円かける納付月数が一生上乗せされる。受給開始から2年で元が取れる設計なので、免除で浮いた保険料の一部をここへ回すのは国民年金で最も利回りのいい選択肢の一つです
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|---|---|---|
| 免除の要件 | 88条の2:出産という事実のみ。所得・資産審査なし | — |
| 将来の年金額への影響 | 保険料納付済期間に算入され、満額計算にそのまま乗る(5条1項) | — |
| 付加保険料の納付可否 | 納付できる(87条の2第1項の除外リストに含まれない) | — |
| 追納の要否 | 追納不要。免除のまま満額扱いとなるため追納の実益がない | — |
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