国民年金法 第89条
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- 被保険者(第八十八条の二、前条第一項及び第二項並びに第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける被保険者を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その該当するに至つた日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。
- 一障害基礎年金又は厚生年金保険法に基づく障害を支給事由とする年金たる給付その他の障害を支給事由とする給付であつて政令で定めるものの受給権者(最後に同法第四十七条第二項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態(以下この号において「障害状態」という。)に該当しなくなつた日から起算して障害状態に該当することなく三年を経過した障害基礎年金の受給権者(現に障害状態に該当しない者に限る。)その他の政令で定める者を除く。)であるとき。
- 二生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による生活扶助その他の援助であつて厚生労働省令で定めるものを受けるとき。
- 三前二号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める施設に入所しているとき。
- 2.前項の規定により納付することを要しないものとされた保険料について、被保険者又は被保険者であつた者(次条から第九十条の三までにおいて「被保険者等」という。)から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があつたときは、当該申出のあつた期間に係る保険料に限り、同項の規定は適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第89条は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第89条の条文原文は「被保険者(第八十八条の二、前条第一項及び第二項並びに第九十条の二第一項から第三項までの規定の適用を受ける被保険者を除く。」で始まります。
- 国民年金法第89条は第六章に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第89条の前の条は国民年金法第88条の3です。
- 国民年金法第89条の次の条は国民年金法第90条です。
- 国民年金法第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第89条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/89
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法89条は、障害基礎年金の受給権者や生活扶助を受ける人の保険料を申請なしで免除すると定める。ただし免除期間が老齢基礎年金に反映されるのは2分の1である。
Q · 障害年金をもらい始めたら、国民年金保険料は自分で申請しないと免除されないの?
申請不要で当然に免除されます。ただし将来の年金は半分です
国民年金法89条1項により、障害基礎年金等の受給権者、生活保護法の生活扶助等を受ける人、厚生労働省令で定める施設の入所者は、該当した日の属する月の前月から保険料の納付を要しません。申請も所得審査も不要で、要件に該当した時点で当然に効力が生じます(法定免除)。窓口へ出すのは審査を求める申請ではなく該当の届出です。ただし免除期間が老齢基礎年金額に反映されるのは2分の1(平成21年3月以前の期間は3分の1)にとどまり、第2項の申出納付または94条の追納で補うことができます。
解説
障害基礎年金の1級または2級を受け取り始めると、その月の前月から国民年金保険料は納めなくてよくなる。申請書も審査もいらない、要件に当たった瞬間に条文が自動で効く。これが法定免除である。生活保護の生活扶助を受けている間も同じ扱いになる。ただし、ここに数十年放置される落とし穴が埋まっている。免除された期間が将来の老齢基礎年金に反映されるのは満額の2分の1(平成21年3月以前の期間は3分の1)にとどまる。障害が回復して障害基礎年金が止まった日、手元に残るのは痩せた老齢基礎年金だけになる。だから第2項がある。免除された期間についても「やはり納めます」と申し出れば、その月の保険料を納付できる。払わない権利と、払う側へ戻る権利。89条はその二つを同時にあなたへ渡している。
法的な位置づけ
国民年金法89条は保険料の法定免除を定める規定であり、障害基礎年金等の受給権者、生活保護法による生活扶助等の受給者、厚生労働省令で定める施設の入所者について、該当する月の前月から該当しなくなる月までの保険料の納付義務を、申請および所得審査を要さず当然に消滅させる。第2項は、本人の申出により当該期間の保険料を月単位で納付することを認める。
よくある質問 AI による整理
Q1法定免除とは何ですか?
国民年金法89条により、障害基礎年金等の受給権者や生活扶助の受給者の保険料納付義務が、申請も所得審査もなく当然に消滅する制度です。90条の申請免除と異なり、要件該当だけで効力が生じます。
Q2法定免除はいつから適用されますか?
要件に該当するに至った日の属する月の「前月」からです。該当しなくなる日の属する月まで続きます。届出が遅れても効力の開始時期は変わらず、遡って納付不要と扱われます。
Q3障害厚生年金3級でも法定免除になりますか?
なりません。3級には障害基礎年金がなく、89条1項1号が前提とする障害の状態に届かないためです。この場合は90条の申請免除または納付猶予を検討することになります。
Q4生活保護の医療扶助だけでも免除されますか?
されません。条文が要件としているのは生活扶助その他厚生労働省令で定める援助であり、医療扶助や住宅扶助のみでは89条の射程外です。所得審査のある90条へ回ります。
Q5法定免除の届出はどこに出しますか?
住所地の市区町村の国民年金窓口または年金事務所です。年金証書や生活保護の決定通知など、該当を示す書類を添えて速やかに提出します。審査申請ではなく該当の届出です。
Q6法定免除なのに払ってしまった保険料は返ってきますか?
還付の対象になりえますが、還付を受ける権利は2年で時効消滅します(国民年金法102条)。裁定が遡及した人ほど失う額が大きいため、証書が届いたらすぐ窓口で確認してください。
Q7法定免除はいつ終わりますか?
要件に該当しなくなる日の属する月までです。障害の状態に該当しなくなった日から3年経過すると法定免除は終了し、通知なく納付義務が復活します。収入が戻らないなら90条へ切り替えます。
Q8免除中に iDeCo や付加保険料は使えますか?
保険料免除を受けている第1号被保険者は原則 iDeCo に加入できず(確定拠出年金法62条)、月400円の付加保険料も納められません。まず89条2項の申出納付で納付側に戻る必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1障害年金をもらってるんですが、国民年金って払った方が得なんですか?
障害が生涯続く見込みなら、65歳以降も障害基礎年金を選び続けるので老齢基礎年金を厚くしても使わない可能性が高い。逆に回復の見込みがあるなら、免除期間の反映が2分の1にとどまる分が直撃するので、89条2項の申出納付や94条の追納を検討する価値がある。実務のポイント:年金事務所の窓口は手続を案内するだけで損得の試算はしてくれない。ねんきんネットで免除のまま置いた場合と納めた場合の見込額を自分で並べた人だけが、根拠のある判断ができる
Q2生活保護を受けています。払わなくていいのは分かりましたが、将来の年金はどうなりますか?
法定免除期間は受給資格期間(10年)にはそのまま算入され、年金額には満額の2分の1が反映される(平成21年3月以前の期間は3分の1)。保護中に89条2項の申出納付をしても保護費から捻出することになり現実的ではない。実務のポイント:保護が廃止されて収入が戻った後でも、10年以内の免除期間なら追納できる(94条)。自立後の家計が落ち着いた時点が本当の勝負どころで、ケースワーカーはここまで教えてくれないことが多い
Q3申出納付と追納って、結局どう違うんですか?
89条2項の申出納付は、免除された期間の各月について「納付する」と申し出て、その期間の保険料をそのまま納める仕組み。94条の追納は、いったん免除で確定した過去の期間を後から納める仕組みで、承認された年度の3年度目以降は加算額が上乗せされる。実務のポイント:総額で見ると、後から追納するより申出納付で当期に納める方が加算額の分だけ安く済む。払える時期に来ているなら、追納を待つ理由はほとんどない
間違えやすい点 AI による整理
- 「免除でも年金がゼロになるわけではない」ことは多くの人が知っている。知られていないのは、その半分がいつ牙を剥くかだ。障害が生涯続けば障害基礎年金を受け続けるので影響は表面化しない。だが障害等級から外れた瞬間、選べる選択肢は半分に痩せた老齢基礎年金だけになる。免除期間の長さが、回復した人ほど重くのしかかるという逆説がある
- 「免除の申請はどこですればいいのか」という問いの立て方自体がずれている。89条の免除は申請によって与えられるものではなく、要件に該当した時点で当然に生じる。市区町村や年金事務所へ出すのは要件審査を求める申請ではなく該当の届出であり、出す前から法律上はすでに免除されている。だからこそ「出し忘れて引き落としが続いた」という事故が起きる
- 生活保護を受けていれば保険料は全部免除、と理解されがちだが、条文が指しているのは生活扶助であって保護全体ではない。扶助の種類が一つ違うだけで、自動で効く89条の世界から、審査のある90条の世界へ移る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の仕方 | 89条:要件該当で当然に免除。申請も所得審査も不要(窓口へは該当の届出) | 90条:本人の申請と前年所得の審査が必要。申請しなければ免除されない 88条:原則どおり保険料の全額納付義務が続く |
| 対象要件 | 障害基礎年金等の受給権者、生活扶助等の受給者、厚生労働省令で定める施設の入所者 | 前年所得が政令の基準以下であること(全額・一部免除の段階あり) 第1号被保険者一般 |
| 老齢基礎年金への反映 | 満額の2分の1(平成21年3月以前の期間は3分の1) | 全額免除は2分の1、一部免除は免除割合に応じて減額(納付が条件) 納付済期間として満額反映 |
| 後から埋める手段 | 89条2項の申出納付(月単位)+ 94条の追納(10年以内) | 94条の追納(10年以内、3年度目以降は加算額) 該当なし(すでに納付済) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重度障害者や低所得世帯の保険料を政府が全額負担または補助する仕組みを置くが、補助は資格認定を前提とする点で日本の当然免除とは発動要件が異なる
韓国は所得のない期間について納付例外を申請ベースで認め、後に追納(추납)で期間を回復させる構造。日本の89条+94条の組合せに近いが、例外期間は原則として給付算定に入らない点が異なる
ドイツの法定年金保険は就労を基礎とするため、日本のような全国民一律の定額保険料の免除制度は存在せず、保険料を要しない被保険者期間(Anrechnungszeiten 等)や保険義務からの免除で機能的に対応する
米国は保険料を免除するのではなく、障害期間を給付算定期間から凍結・除外することで平均賃金の低下を防ぐ。減額を『免除で受け入れる』日本と、『算定から外す』米国で設計思想が正反対
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 障害基礎年金2級の年金証書が届いた翌月、通帳から国民年金保険料がまた引き落とされていた。届出を出していないため機械的に引き落としが続いているだけで、要件に当たった月の前月分から本来は納付不要である。既に納めた分は還付の対象になりうるが、還付を受ける権利は2年で時効消滅する(国民年金法102条)。裁定が遡及して認められた人ほど、この2年で数十万円が消える
- 生活保護のうち医療扶助だけを受けている場合、法定免除になるのか。答えは「ならない」。条文が要件にしているのは生活扶助(および厚生労働省令で定める援助)であり、医療扶助や住宅扶助のみでは89条の射程外。この場合は90条の申請免除へ回るしかなく、こちらは所得審査があり、申請しなければ一円も免除されない
- 障害厚生年金3級を受給中。法定免除の対象外である。3級には障害基礎年金がなく、89条1項1号が想定する障害の状態に届かないためだ
- 障害の状態に該当しなくなり、障害基礎年金が支給停止になった。そこから3年が経過した時点で法定免除は終わり、保険料の納付義務が何の通知もなく復活する。気付かないまま未納が積み上がれば督促、延滞金、最終的には財産差押えまで進む。収入が戻っていないなら、支給停止の通知を受けたその月のうちに90条の申請免除へ乗り換える必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 年金証書や生活保護の決定通知が届いたら、速やかに市区町村の国民年金窓口または年金事務所へ法定免除該当の届出を出す2. 効力は該当月の前月分まで遡るので、既に納めた分の還付を同じ窓口で必ず確認する(還付の時効は2年) 3. 口座振替や前納をしている場合は停止手続を忘れない、放置すると引き落としが続く4. 将来の老齢基礎年金を厚くしたいなら、同じ窓口で89条2項の申出納付を月単位で選ぶ
訴えられた側:保険料を請求される側に戻る局面はこう動く。1. 障害の状態に該当しなくなった日から3年経過で法定免除は終了、その月から通常の納付義務が復活し、未納は督促、延滞金、差押えへ進む2. 収入が戻っていないなら空白を作らず90条の申請免除または納付猶予へ即日切り替える3. 生活扶助が廃止された場合も同じで、廃止決定の通知を受けた月のうちに次の免除申請を出す
時効(請求できる期限):法定免除そのものに申請期限はなく、該当した日の属する月の前月から当然に効力が生じる。時間圧は別のところにある。①既に納めた保険料の還付を受ける権利は2年で時効消滅(国民年金法102条)②免除期間の追納は10年以内(同94条、3年度目以降は加算額が付く)③障害の状態に該当しなくなってから3年経過で法定免除は終了。届出は該当後速やかに(期限の詳細は国民年金法施行規則、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:89条の免除は形成的な行政処分ではなく、要件該当により法律上当然に生じる効果であると解される。市区町村等への届出は効力発生要件ではなく、記録整備のための手続と位置づけられる。
制度論:免除期間の年金額反映が国庫負担相当分にとどまる設計は、拠出と給付の対応という拠出制の原則を維持しつつ最低保障を確保する妥協点である。平成26年施行の2項追加は、この妥協を制度側で固定せず本人の選択に開いた点に意義がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成26年(2014年)4月施行 第2項を追加し、法定免除の対象者でも本人の申出により当該期間の保険料を納付できることとした。従来は納めたくても納められず、将来の年金額が一律に2分の1へ固定されていた点を是正した改正である(施行時期の詳細は最新の改正状況をご確認ください)
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法制定。拠出能力を欠く被保険者について保険料納付義務を当然に解除する法定免除の枠組みが設けられた
- 2.平成21年(2009年) 改正:基礎年金の国庫負担割合が3分の1から2分の1に引き上げられ、これ以降の免除期間の年金額反映も3分の1から2分の1へ変わった(適用の詳細は最新の改正状況をご確認ください)
- 3.平成25年(2013年)改正・平成26年(2014年)4月施行 改正:第2項を追加し、法定免除の対象者でも本人の申出により当該期間の保険料を納付できることとした。従来は納めたくても納められず年金額が一律に減額されていた点を是正した
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