国民年金法 第94条(保険料の追納)
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- 被保険者又は被保険者であつた者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)は、厚生労働大臣の承認を受け、第八十九条第一項、第九十条第一項又は第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料及び第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料(承認の日の属する月前十年以内の期間に係るものに限る。)の全部又は一部につき追納をすることができる。ただし、同条第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料については、その残余の額につき納付されたときに限る。
- 2.前項の場合において、その一部につき追納をするときは、追納は、第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料につき行い、次いで第八十九条第一項若しくは第九十条第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料又は第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につき行うものとし、これらの保険料のうちにあつては、先に経過した月の分から順次に行うものとする。ただし、第九十条の三第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料より前に納付義務が生じ、第八十九条第一項若しくは第九十条第一項の規定により納付することを要しないものとされた保険料又は第九十条の二第一項から第三項までの規定によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料があるときは、当該保険料について、先に経過した月の分の保険料から追納をすることができるものとする。
- 3.第一項の場合において追納すべき額は、当該追納に係る期間の各月の保険料の額に政令で定める額を加算した額とする。
- 4.第一項の規定により追納が行われたときは、追納が行われた日に、追納に係る月の保険料が納付されたものとみなす。
- 5.前各項に定めるもののほか、保険料の追納手続その他保険料の追納について必要な事項は、政令で定める。
この条文の基本情報
保険料の追納とは何ですか?
定義保険料の追納とは、国民年金法第94条に定められた規定で、「被保険者又は被保険者であつた者(老齢基礎年金の受給権者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第94条(保険料の追納)は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第94条の条文原文は「被保険者又は被保険者であつた者(老齢基礎年金の受給権者を除く。」で始まります。
- 国民年金法第94条は第六章に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第94条の前の条は国民年金法第93条です。
- 国民年金法第94条の次の条は国民年金法第94条の2です。
- 国民年金法第94条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第94条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第94条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/94
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法94条は、免除や学生納付特例の承認を受けた保険料を、承認の日の属する月前10年以内に限り追納できると定める。老齢基礎年金の受給権者は追納できない。
Q · 学生時代に免除してもらった国民年金、いまから払い直せますか?
免除の承認があれば10年分、未納なら2年しか戻れません
国民年金法94条により、法定免除・申請免除・一部免除・学生納付特例で納付を要しないとされた保険料は、厚生労働大臣の承認を受けて追納できます。対象は承認の日の属する月前10年以内の期間に係る分に限られ、1か月経過するごとに最も古い1か月が窓から外れます。承認月の前々年度以前の分には政令で定める加算額が上乗せされます(94条3項)。老齢基礎年金の受給権者は追納できず、繰上げ受給を請求した時点で資格を失います。
解説
学生時代、日本年金機構から「学生納付特例が承認されました」という紙が届いたことを覚えているだろうか。あれは免除ではなく、支払いの先送りにすぎない。国民年金法94条は、その先送りした保険料を、承認を受けた月から10年前まで遡って払い直す権利をあなたに与えている。ここに決定的な非対称がある。手続きを踏んで免除や猶予の承認を取った月は10年遡れるのに、何もせず放置した未納の月は納期限から2年の時効で消え、二度と取り戻せない。しかも学生納付特例と納付猶予の期間は、受給資格期間には数えられるのに老齢基礎年金の額には1円も反映されない。追納しない限り、その空白は一生あなたの年金額に残り続ける。そして老齢基礎年金の受給権者になった瞬間、この権利は消滅する。繰上げ受給を請求すれば、その日に扉は閉まる。
法的な位置づけ
国民年金法94条は保険料の追納を定める規定であり、免除又は納付猶予の承認を受けた被保険者等が、厚生労働大臣の承認を得て、承認の日の属する月前10年以内の期間に係る保険料を事後に納付できる制度を規律する。追納が行われた月は保険料が納付されたものとみなされ、老齢基礎年金の額の算定に反映される。
手順
- 1.免除・猶予の種類と承認年月を月単位で洗い出す ねんきんネットまたは年金事務所で被保険者記録を取得し、学生納付特例・納付猶予・全額免除・一部免除・法定免除のどれが何年何月分にあるかを一覧化する。年金額に反映されない学生納付特例と納付猶予の月を最優先で特定する
- 2.10年の窓と加算額の境目をカレンダーに並べる 承認の日の属する月から前10年という94条1項の範囲を月単位で図示し、どの月分がいつ対象外になるかを確認する。あわせて承認月の前々年度以前かどうかで、加算額が乗る月と乗らない月を色分けする
- 3.年金事務所に追納申込書を提出して承認を受ける 国民年金保険料追納申込書に、追納したい期間と種類を記入して住所地の年金事務所に提出する。94条1項の厚生労働大臣の承認を経て、月単位の納付書が交付される
- 4.所得の高い年度に納付を寄せて社会保険料控除に載せる 追納した保険料は実際に支払った人の社会保険料控除になる。所得税率が高い年度に納付を集中させ、その年の年末調整または確定申告で控除申告する。年度をまたぐ場合は加算額と節税額を必ず比較する
- 5.繰上げ受給を検討するなら請求前に追納を完了させる 老齢基礎年金の受給権者になると94条1項の括弧書きで追納資格が消滅する。繰上げ受給の請求書を提出する前に、追納したい月分の納付をすべて終える。請求と追納の順序を逆にすると権利は戻らない
よくある質問 AI による整理
Q1国民年金の追納とは何ですか?
免除や納付猶予の承認を受けて払わなくてよくなった保険料を、後から納め直す制度です。根拠は国民年金法94条で、厚生労働大臣の承認が必要になります。
Q2追納の手続きはどこでできますか?
住所地を管轄する年金事務所に「国民年金保険料追納申込書」を提出します。承認されると月単位の納付書が発行され、金融機関やコンビニで納付する流れです。
Q3追納の加算額はいくらつきますか?
94条3項により、各月の保険料額に政令で定める額が加算されます。加算は承認を受けた月の前々年度以前の期間に係る分に発生し、2年度以内なら当時の額のまま納付できます。
Q4追納はいつまでにすればいいですか?
承認の日の属する月前10年以内の期間に係る保険料が対象です。期限が一括で来るのではなく、1か月経つごとに最も古い1か月分が対象から外れていきます。
Q5追納できない人はいますか?
老齢基礎年金の受給権者は94条1項の括弧書きで除外されます。繰上げ受給を請求した日に受給権者となるため、その時点で追納資格を失います。
Q6一部免除の期間も追納できますか?
できますが条件があります。94条1項ただし書により、一部免除の残余額(納付すべき部分)が納付済みであることが前提です。残余額が未納のままだと追納の対象になりません。
Q7全額免除の期間も追納した方がいいですか?
全額免除は国庫負担分が年金額に反映されるため、反映割合ゼロの学生納付特例や納付猶予より優先度は下がります。資金が限られるなら特例・猶予の月を先に追納する方が効率的です。
Q8追納は分割して払えますか?
納付書は月単位で発行されるため、実質的に月ごとの分割納付ができます。ただし納付する月を先送りすると10年の窓から外れたり、年度をまたいで加算額が乗る月が出ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1学生納付特例って、追納しなかったら年金いくら減るんですか?
1か月分の追納で老齢基礎年金はおよそ年1,700円増える計算になる。24か月なら年約4万円、20年受け取れば80万円以上の差だ。学生納付特例期間は受給資格期間には入るが年金額には反映されないため、追納しない限り空白のまま残る(年金額は毎年度改定されるため最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:年金事務所は聞かれれば答えるが、10年の窓が今月どこまで閉じたかを個別に知らせてはくれない。承認年月は自分で管理するしかない
Q22年前に払えなかった分、いまから払えますか?
免除や猶予の承認を受けていた月なら94条の追納で払える。何の手続きもしていない単なる未納なら、納期限から2年で時効消滅し(102条)、原則もう払えない。同じ「払っていない2年間」でも、当時申請したかどうかで遡れる期間が5倍違う。実務のポイント:収入が落ちて払えないと悟った時点で、まず免除や猶予の申請だけは出しておく。承認さえ取れば、その後10年間ずっと払い直す選択肢が手元に残る
Q3親が子どもの追納分を払っても問題ないですか?
問題ない。社会保険料控除は実際に支払った人の所得から控除されるため、親が払えば親の控除になる(所得税法74条)。所得税率の高い親が負担すれば、家計全体の実質負担は下がる。実務のポイント:追納の納付書は月単位で複数枚発行される。控除枠と税率を見ながら年度をまたいで配分する手もあるが、年度をまたぐと加算額が乗る月が出る。その加算と節税額を必ず比べてから決める
Q4免除の種類がいくつも混ざっている場合、どれから払われるんですか?
順序は自分では選べない。94条2項が、まず学生納付特例(90条の3)の分から、次いで法定免除(89条)・申請免除(90条)・一部免除(90条の2)の分へ、それぞれ先に経過した月から順に充てると定めている。実務のポイント:この順序は実は納付者に有利にできている。年金額への反映がゼロで最も損な学生納付特例を先に潰す設計だからだ。一部だけ追納するときほど、この順序があなたの味方になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「免除期間も年金額に反映されるから大丈夫」と聞いて安心している人は多い。半分は正しく、半分は危険だ。全額免除でも国庫負担分は年金額に反映される。だが学生納付特例と納付猶予は反映割合がゼロ、受給資格期間に数えられるだけで額には一切乗らない。同じ「払わなくてよい」という言葉の下に、老後の結果がまったく違う二つの制度が同居している
- 「追納すべきか、しないべきか」と迷っている時点で、問いの立て方が間違っている。正しい問いは「どの月分を、いつまでに払うか」である。10年の窓は毎月端から崩れ、2年度を越えれば加算額が乗る。判断を先送りすること自体が、静かに選択肢を削り取る行為になっている
- あなたの家計簿の上では、未納も免除も同じ「払っていない月」に見える。だが法律から見れば別の生き物だ。承認を受けた免除・猶予は94条の追納で10年遡れ、単なる未納は102条の時効で2年しか戻れない。この落差に気付かないまま「どうせ払えないから申請もしない」と決めた人が、10年後に最も損をする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる期間 | 94条:免除・猶予の承認を受けた月(承認日の属する月前10年以内) | 90条の3:学生納付特例として納付を要しないとされた月 102条:単なる未納の月(納期限から2年で徴収権が時効消滅) |
| 遡れる長さ | 10年 | 特例の承認自体は在学期間単位(追納は94条経由で10年) 2年 |
| 年金額への反映 | 追納すれば納付済期間とみなされ全額反映(94条4項) | 追納しない限り反映ゼロ、受給資格期間には算入 反映なし、受給資格期間にも算入されない |
| 上乗せコスト | 承認月の前々年度以前の分に政令加算(94条3項) | 在学中は加算なし、追納時に94条3項が適用 延滞金の対象、ただし時効後は納付自体が不可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も国民年金の保険料について一定期間内の補繳を認めるが、日本の学生納付特例に相当する在学中の一律猶予制度は持たず、所得基準による保険費補助が中心となる
韓国も納付예외期間の保険料を後から納める추납制度を持つ。追納可能月数に上限を設けた改正が行われており、日本の10年制限とは制動のかけ方が異なる
ドイツは養成教育期間について任意の追納を認める。日本のように免除の承認を前提とせず、期間の性質に着目して追納可能性を画する構造をとる
米国は社会保障税の遡及的な任意追納を認めず、稼得記録に基づくクレジット制で受給資格を判定する。追納という救済回路自体が存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 社会人5年目、ねんきんネットで学生納付特例が24か月分あることに気付いた。いま全部追納すれば老齢基礎年金は年間およそ4万円増え、20年受け取れば80万円以上の差になる(年金額は毎年度改定されるため最新の改正状況をご確認ください)。ただし1か月放置するごとに、最も古い1か月が10年の窓から静かに落ちていく
- もし、あなたが60歳で老齢基礎年金の繰上げ受給を請求したとしたら? その日からあなたは老齢基礎年金の受給権者となり、94条1項の括弧書きによって追納する資格そのものを失う。まだ10年の窓が5年分残っていても関係ない。請求書を出す順番を一つ間違えるだけで、権利は消える
- 大学生の子どもの学生納付特例を、親が代わりに追納した。社会保険料控除は実際に払った人の所得から引かれる。所得税率23%の親が2年分約40万円を払えば、住民税と合わせて十数万円が家計に戻る
- フリーランスとして独立した初年度、収入が読めず申請免除を受けた。3年目に案件が安定し追納しようとしたら、加算額が上乗せされた納付書が届いた。承認を受けた月の前々年度以前の分には政令で定める加算がつく。免除の翌年度中に動いていれば、当時の保険料額のまま払えた
- 転職の合間に2か月だけ第1号被保険者になり、そのまま払い忘れた。免除の申請も出していない。この2か月は94条の追納対象ですらなく、納期限から2年で時効消滅する。同じ「払っていない期間」でも、当時紙を一枚出したかどうかで救済期間は5倍違った
取るべき行動
被害を受けた側:1. ねんきんネットか年金事務所で、免除・猶予の種類と承認年月を月単位で洗い出す。年金額に一切反映されない学生納付特例と納付猶予の月を最優先で特定する2. 承認月から10年の窓が、どの月から閉じ始めるかを一覧にする3. 年金事務所に追納申込書を出して厚生労働大臣の承認を受ける(94条1項) 4. 所得が高い年度に納付を寄せ、その年の年末調整か確定申告で社会保険料控除に載せる5. 繰上げ受給を検討しているなら、請求前に必ず追納を完了させる
訴えられた側:無理に全額を追わない。10年の窓のうち、年金額に1円も反映されない学生納付特例と納付猶予の月だけを先に拾うのが費用対効果として最も高い(全額免除は国庫負担分が既に反映されている)。加算額が乗る前の2年度以内の分を優先し、残りは所得が伸びた年度に回す。手元資金が細いなら、追納より現在の保険料に新たな未納を作らないことを優先する。過去の穴を埋めるより、いま新しい穴を開ける方が損失は大きい
時効(請求できる期限):追納できるのは、承認の日の属する月の前10年以内の期間に係る保険料に限られる(94条1項)。1か月経過するごとに最も古い1か月が窓から落ちる。加算額は承認を受けた月の前々年度以前の期間に係る分に発生する(94条3項、国民年金法施行令10条)ため、2年度以内なら当時の保険料額のまま払える。老齢基礎年金の受給権が発生した時点で追納資格そのものが消滅し、繰上げ受給の請求日もこれに含まれる。免除の承認を受けていない単なる未納は追納の対象外で、納期限から2年の時効で消える(102条)
学説
通説:94条の追納は、免除制度による年金権の減縮を事後的に回復させる救済規定であり、10年という期間制限と3項の加算額は、賦課方式財政の予測可能性および免除の濫用防止という制度的要請から導かれる制動装置と理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法(昭和34年法律第141号)の制定に伴い、免除された保険料を事後に納付できる追納制度が設けられた。
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