要点国民年金法94条の2は、基礎年金の給付費用に充てるため、厚生年金保険の実施者たる政府が基礎年金拠出金を負担し、実施機関たる共済組合等が納付すると定める。額は加入者数で按分される。
Q · 給与から引かれている厚生年金保険料は、全部が自分の厚生年金になるんですか?
一部は基礎年金拠出金として国民年金の会計へ送られます
国民年金法94条の2により、厚生年金保険の実施者たる政府は毎年度、基礎年金の給付費用に充てるため基礎年金拠出金を負担し、実施機関たる共済組合等はこれを納付します。つまり厚生年金保険料の相当部分は、老齢厚生年金ではなく全国民共通の基礎年金の財源に回っています。ただし、あなたが将来受け取る老齢基礎年金も同じ会計から支払われるため、一方的な持ち出しではありません。拠出金の額は各制度が抱える20歳以上60歳未満の加入者数で按分され、未納者は算定の頭数に含まれません。
給与明細の控除欄に並ぶ厚生年金保険料、あの金額はまるごとあなたの厚生年金のために積み立てられているわけではない。相当部分が「基礎年金拠出金」という名前で毎年度、国民年金の会計へ送金されている。94条の2はその送金を義務づける条文だ。負担するのは厚生年金保険の実施者たる政府、納付するのは共済組合等の実施機関。額は各制度がかかえる20歳以上60歳未満の加入者の頭数で按分される。ここに一般に知られていない仕掛けがある。国民年金保険料を払っていない未納者は、この頭数に最初から入っていない。だから未納が増えても厚生年金側の負担は1円も増えない。損をしているのは未納者自身の将来の年金だけである。逆に全額免除の承認を受けた人は頭数に入るため、拠出金と国庫負担であなたの老齢基礎年金の一部が残る。未納と免除の決定的な差は、この按分ロジックの中で生まれている。
国民年金法94条の2は、基礎年金の財源を制度横断で調達する仕組みを定める規定である。厚生年金保険の実施者たる政府が毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため基礎年金拠出金を負担し、実施機関たる共済組合等がこれを納付する。同条第3項は、財政検証が作成される際に厚生労働大臣が拠出金の将来にわたる予想額を算定すべきことを定めている。
厚生年金保険の実施者たる政府と実施機関たる共済組合等が、基礎年金の給付費用に充てるため毎年度負担・納付する費用のことです。国民年金法94条の2が根拠で、制度をまたいで基礎年金を共同で支える仕組みです。
国民年金法94条の3が算定方法を定めます。基本は各制度が抱える20歳以上60歳未満の加入者数による按分で、保険料水準の高低ではなく頭数が負担割合を動かします。未納者は算定人数に含まれません。
国民年金法85条が国庫負担を定め、平成21年4月以降の期間については給付費の2分の1が国庫負担とされています。保険料免除期間でも、この国庫負担分に相当する年金額が残ります。
保険料を徴収する権利は2年で時効消滅します(国民年金法102条)。時効にかかった月はもう納付できず、老齢基礎年金にも反映されません。免除の遡及申請も直近2年1か月分までです。
配偶者の退職や本人の収入増で第1号へ切り替わったのに届出をしないと、その期間は未納として積み上がります。年金事務所は自動では切り替えないため、事業主経由の届出が必要です。
増えません。学生納付特例(国民年金法90条の3)は受給資格期間には算入されますが、年金額には反映されません。承認の日の属する月前10年以内に追納すれば年金額を回復できます。
国民年金法94条により、追納できるのは承認の日の属する月前10年以内の期間に限られます。承認から3年度目以降は加算額が上乗せされるため、早いほど負担が軽くなります。
平成27年(2015年)10月の被用者年金一元化により、共済年金は厚生年金に統合されました。共済組合等は廃止ではなく「実施機関」として存続し、基礎年金拠出金の納付主体となっています。
全額がそうではない。毎年度、その一部は基礎年金拠出金として国民年金の会計へ移される(94条の2第1項)。ただしあなたが将来受け取る老齢基礎年金も同じ財布から出るので、一方的な持ち出しでもない。業界裏話ヒント:按分の基礎は各制度の20歳以上60歳未満の加入者の頭数であって、保険料の高低ではない。つまり「どの制度に何人いるか」が負担率を直接動かす
誤りである。拠出金の算定に使われる第1号被保険者の人数は保険料を納めた人と免除を受けた人で数えられ、未納者は最初から算入されない。だから未納が増えても厚生年金側の拠出金は増えない。業界裏話ヒント:報道される「未納率」は第1号被保険者の中の割合であり、公的年金加入者全体で見た割合はずっと小さい。数字の母集団を確認するだけで、この手の不安の大半は消える
全額免除なら拠出金の頭数に入るため老齢基礎年金に国庫負担分が反映され、障害基礎年金・遺族基礎年金の納付要件も満たす。未納はどれもゼロで、事故に遭った日に障害基礎年金が出ない事態が起こりうる(85条、90条)。業界裏話ヒント:免除は本人・配偶者・世帯主の所得で審査されるので、実家暮らしだと世帯主の所得で落ちることがある。その場合は50歳未満向けの納付猶予に切り替えて申請する
配偶者の勤め先が個別に負担しているのではなく、厚生年金と共済の加入者全体が拠出金として頭数按分で負担している(94条の2、7条)。第3号被保険者本人に納付義務がないのはこの仕組みがあるからだ。業界裏話ヒント:配偶者が退職したり本人の収入が基準を超えた瞬間、第3号から第1号への種別変更届が必要になる。年金事務所は自動では切り替えず、届出漏れの月がそのまま未納として積み上がる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 定めている内容 | 94条の2:基礎年金拠出金を負担・納付する義務そのもの | — |
| 主体 | 厚生年金保険の実施者たる政府(負担)/実施機関たる共済組合等(納付) | — |
| 金額の決まり方 | 条文は義務のみを定め、額は94条の3に委ねる | — |
| 個人への影響 | 未納か免除かで拠出金の算定人数に入るかが分かれる | — |
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