要点国民年金法94条の3は、基礎年金拠出金の額を、算定対象額に被保険者総数に対する各制度の被保険者数の比率を乗じて算定すると定める。頭数に数える範囲は政令で決まる。
Q · 基礎年金拠出金って、結局だれがいくらを、どういう計算で出しているんですか?
各制度が自分の被保険者の頭数比で出す
国民年金法94条の3第1項により、基礎年金拠出金の額は、保険料・拠出金算定対象額に、被保険者総数に対する当該政府及び実施機関に係る被保険者総数の比率として毎年度政令で定める率を乗じて算定されます。厚生年金保険の実施者たる政府は第一号厚生年金被保険者である第2号被保険者とその第3号被保険者、共済組合等は自らに係る被保険者の頭数分を負担します。第2項により、頭数に数える範囲は「政令で定める者」に限られ、率そのものは条文に書かれていません。
毎月の給与から引かれている厚生年金保険料。その一部は、あなた自身の厚生年金ではなく、自営業者や専業主婦(夫)も含めた全国民の基礎年金の財源へ回っている。その回し方の計算式が、この条文である。仕組み自体は単純で、基礎年金の給付に必要な額から国庫負担分を除いた残り(保険料・拠出金算定対象額)を、被保険者の頭数の比率で、国(厚生年金)と各共済組合等へ割り振る。効いてくるのは第2項だ。頭数は全員ではなく「政令で定める者」を基礎に数える、と書いてある。政令は、保険料を納めていない第1号被保険者や全額免除者を、この頭数から外している。つまり国民年金の未納が増えても、厚生年金側が納める拠出金は増えない。未納は本人の将来の給付が減る形で完結する。「厚生年金が国民年金の赤字を穴埋めしている」という説明を聞いたことがあるなら、その真偽は、この頭数の定義を見れば確かめられる。
国民年金法第94条の3は、基礎年金拠出金の算定方式を定める規定である。保険料・拠出金算定対象額に、当該年度の被保険者総数に対する政府及び実施機関に係る被保険者総数の比率として政令で定める率を乗じた額を拠出金額とし、その頭数の範囲は被保険者の適用の態様の均衡を考慮して政令で定める。共済組合等に係る納付の細目も政令に委任される。
全国民共通の基礎年金給付の財源として、国(厚生年金)と各共済組合等が国民年金の勘定へ納付する負担金です。国民年金法94条の3が算定方式を定めています。
保険料・拠出金算定対象額に、当該年度の被保険者総数に対する自分の制度に係る被保険者総数の比率として政令で定める率を乗じます。率そのものは条文に書かれていません。
厚生年金保険の実施者たる政府と、国家公務員共済組合連合会・地方公務員共済組合連合会・日本私立学校振興・共済事業団などの実施機関たる共済組合等です。
基礎年金の給付に要する額から国庫負担分などを控除した、保険料と拠出金で賄うべき残額を指す概念です。この額が按分の分配元になります。
本人は納付しませんが、94条の3では配偶者が属する制度(厚生年金または各共済)の被保険者数に計上されます。負担しているのは被用者年金の加入者集団です。
条文に固定の数字はありません。毎年度、政令の定めに従って被保険者数の比率から算定されます。確認すべきは率ではなく、頭数の範囲を定める政令です。
厚生年金保険の実施者たる政府のほか、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団などを指します。
94条の3第2項を受けた政令により、保険料を納めていない第1号被保険者や全額免除者は按分の頭数から除かれています。
上がらない。94条の3第2項を受けた政令で、保険料を納めていない第1号被保険者や全額免除者は、拠出金を按分する頭数から除かれている。未納は本人の基礎年金額が減る形で完結する。業界裏話ヒント:全額免除者は保険料ゼロでも基礎年金の2分の1(国庫負担相当)を受け取れる。申請をせず未納のまま放置すると、その2分の1すら消える。同じ「払っていない」でも、免除申請の有無で結果は正反対になる(最新の改正状況をご確認ください)。
2015年10月の被用者年金一元化後も共済組合等は実施機関として残り、94条の3第1項により、自分の組合に係る第2号被保険者とその第3号被保険者の頭数比に応じた基礎年金拠出金を納付している。納付の細目は第3項が政令に委ねている。業界裏話ヒント:この仕組みは各制度が自前の頭数分を出すだけで、制度間の穴埋めではない。一元化を「公務員優遇の解消」と説明する記事は多いが、基礎年金の財政面では一元化前から同じ按分方式が動いていた。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 94条の3:拠出金額の算定方式(按分の計算式) | — |
| 決まる内容 | 算定対象額に乗じる率と、頭数に数える者の範囲 | — |
| 政令への委任 | 率の算定(1項)、頭数の範囲(2項)、納付の細目(3項) | — |
| 金額への影響 | 分母・分子の定義が動くと制度ごとの負担額が大きく動く | — |
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