災害対策基本法 第61条の6(市町村長による都道府県外広域避難の協議等)
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- 前条第一項に規定する場合において、市町村長は、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、要避難者の受入れについて、他の都道府県内の市町村の市町村長に協議することができる。
- 2.市町村長は、前項の規定による協議をするときは、あらかじめ、その旨を都道府県知事に報告しなければならない。ただし、あらかじめ報告することが困難なときは、協議の開始の後、遅滞なく、報告することをもつて足りる。
- 3.前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、速やかに、その内容を内閣総理大臣に報告しなければならない。
- 4.第一項の場合において、協議を受けた市町村長(以下この条において「都道府県外協議先市町村長」という。)は、同項の要避難者を受け入れないことについて正当な理由がある場合を除き、要避難者を受け入れるものとする。この場合において、都道府県外協議先市町村長は、都道府県外広域避難の用に供するため、受け入れた要避難者に対し指定緊急避難場所その他の避難場所を提供しなければならない。
- 5.前項の場合において、都道府県外協議先市町村長は、当該市町村の区域において要避難者を受け入れるべき避難場所を決定し、直ちに、その内容を当該避難場所を管理する者その他の内閣府令で定める者に通知しなければならない。
- 6.都道府県外協議先市町村長は、前項の規定による決定をしたときは、速やかに、その内容を第一項の規定により協議した市町村長(以下この条において「協議元市町村長」という。)に通知するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
- 7.協議元市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その内容を公示し、及び内閣府令で定める者に通知するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
- 8.前項の規定による報告を受けた都道府県知事は、速やかに、その内容を内閣総理大臣に報告しなければならない。
- 9.協議元市町村長は、都道府県外広域避難の必要がなくなつたと認めるときは、速やかに、その旨を都道府県外協議先市町村長及び第七項の内閣府令で定める者に通知し、並びに公示するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
- 10.都道府県外協議先市町村長は、前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、その旨を第五項の内閣府令で定める者に通知するとともに、都道府県知事に報告しなければならない。
- 11.第九項の規定による報告を受けた都道府県知事は、速やかに、その内容を内閣総理大臣に報告しなければならない。
この条文の基本情報
市町村長による都道府県外広域避難の協議等とは何ですか?
定義市町村長による都道府県外広域避難の協議等とは、災害対策基本法第61条の6に定められた規定で、「前条第一項に規定する場合において、市町村長は、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、要避難者の受入れについて、他の都道府県内の市町村の市町村長に協議することが…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第61条の6(市町村長による都道府県外広域避難の協議等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第61条の6の条文原文は「前条第一項に規定する場合において、市町村長は、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、要避難者の受入れについて、他の都道府県内の市町村の市町村長に協議することが…」で始まります。
- 災害対策基本法第61条の6は第三節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第61条の6の前の条は災害対策基本法第61条の5です。
- 災害対策基本法第61条の6の次の条は災害対策基本法第61条の7です。
- 災害対策基本法第61条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第61条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第61条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/61_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法61条の6は、緊急時に市町村長が他の都道府県内の市町村長へ要避難者の受入れを直接協議できると定める。協議先は正当な理由がない限り受け入れる。
Q · 大雨のとき、市が隣の県の市に直接「住民を受け入れて」と頼むことはできるの?
緊急時なら、知事を通さず直接協議できる
災害対策基本法61条の6により、都道府県外への広域避難が必要で事態が緊急を要するとき、市町村長は他の都道府県内の市町村長へ直接、要避難者の受入れを協議できます。知事への報告は原則として事前に行いますが、困難なときは協議開始後に遅滞なく行えば足ります。協議を受けた市町村長は正当な理由がない限り受け入れ、避難場所を決めて提供します。決まった避難先は協議元の市町村長が公示します。
解説
県境は水には見えないが、役所の手続には見える。大雨で川があふれそうなとき、同じ県内の避難所より隣の県の高台のほうが近くて安全という地域は珍しくない。本条によれば、事態が切迫しているとき、あなたの市町村長は県知事の調整を待たずに、他県の市町村長と直接「住民を受け入れてほしい」と協議できる。知事への報告は、事前が難しければ協議を始めた後でもよい。協議を受けた市町村長は、正当な理由がない限り受け入れるものとされ、避難場所を用意しなければならない。決まった避難先は、あなたの市町村長が公示する(役所が正式に住民へ知らせること)。つまり、あなたの避難先が隣県の体育館になる道筋は、すでに法律で決められている。押さえておくべきなのは、この仕組みが災害の「発生前」を想定している点だ。被災後に別の自治体で一時的に滞在する「広域一時滞在」(86条の8)とは別の制度である。公示を見落として近所の避難所へ向かえば、渋滞と浸水に巻き込まれかねない。
法的な位置づけ
災害対策基本法61条の6は、都道府県外広域避難のうち緊急を要する場合の特例手続を定める規定である。市町村長は、都道府県知事を介した協議(61条の5)によらず、他の都道府県内の市町村長に要避難者の受入れを直接協議できる。協議先の市町村長は正当な理由がない限り受け入れて避難場所を提供し、決定内容は協議元の市町村長が公示する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.平時に広域避難の想定を確認する 自宅のハザードマップで浸水想定と指定避難所の位置を確認し、市町村が広域避難の計画や他自治体との協定を持っているかを防災サイトで調べる
- 2.予報段階で公示の有無をチェックする 台風や大雨の予報が出たら、防災アプリや市町村サイトで広域避難の公示(61条の6第7項)が出ていないかを確認する。公示前から給油や持ち出し品の準備を進める
- 3.避難先と経路を控える 公示で県外の避難先が示されたら、施設名・住所・移動経路をメモし、渋滞や冠水を避けられる出発時刻を逆算する。高齢者や要配慮者がいる家族は特に早く動く
- 4.移動して受入れを確認する 避難先に到着したら受付で居住地の市町村名を伝える。受入れを断られた場合は、自分の市町村の災害対策本部に連絡して別の避難先の調整を求める
- 5.解除の公示を確認して帰宅する 広域避難の必要がなくなった旨の公示(9項)を確認してから帰宅する。自宅周辺の被害状況や道路の通行止め情報もあわせて確認する
よくある質問 AI による整理
Q1広域避難とは何ですか?
災害が予想されるとき、住民を住んでいる市町村の区域外へ避難させることです。災害対策基本法は、県内の他市町村への避難と、他の都道府県への避難の両方を想定しています。
Q2県外への避難先はどこで確認できますか?
協議元の市町村長が公示します(61条の6第7項)。市町村の防災サイト、防災アプリ、防災行政無線、テレビのデータ放送などで確認するのが基本です。
Q3広域避難はいつ決まりますか?
災害の発生前、避難が必要と見込まれる段階で協議が行われます。台風や大雨の予報が出た時点から自治体の発表に注意しておく必要があります。
Q4市町村長が他県の市長と直接協議できるのはどんなとき?
都道府県外への広域避難が必要な場合で、事態に照らし緊急を要すると市町村長が認めるときです。平常時の手続は知事を通じた協議(61条の5)が原則です。
Q5広域避難の受入れを断ることはできる?
正当な理由があれば受け入れないことも可能です。受入れ側にも災害のおそれがある場合などが考えられますが、何が正当な理由にあたるかは条文に列挙されていません。
Q6広域避難が解除されたらどうなる?
協議元の市町村長が広域避難の必要がなくなったと認めると、受入れ先などへ通知し、その旨を公示します(9項)。公示を確認してから帰宅を判断します。
Q7県外の避難先で費用はかかる?
本条は費用負担を定めていません。避難所の供与など救助は災害救助法が適用されるかどうかで扱いが変わるため、市町村の案内を確認してください。
Q8広域避難の公示を見落としたらどうする?
まず自分の市町村の災害対策本部や防災サイトで最新の避難先を確認します。移動が危険な状況なら、無理に遠方へ向かわず近くの安全な場所への避難も検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1隣の県に避難しろって言われて行かなかったら、罰金とかあるんですか?
広域避難の公示や避難指示(60条)に従わなかったこと自体に罰則はない。ただし、市町村長が設定した警戒区域(63条)での立入制限や退去命令に違反すると、10万円以下の罰金または拘留の対象になる(116条)(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:広域避難は移動距離が長く、出発が遅れるほど渋滞や冠水で到着できなくなるリスクが上がる。判断の基準は罰則の有無ではなく、移動にかかる時間である
Q2受け入れ側の市って、本当に断れないんですか?
本条4項は「正当な理由がある場合を除き、受け入れるものとする」と定める。受入れ側にも災害のおそれがある、施設に余力がないといった事情は正当な理由になりうるが、条文に列挙はなく解釈に委ねられている。実務のポイント:「ものとする」は「しなければならない」より一段柔らかい表現と解されることが多い。だからこそ、平時に自治体どうしの協定があるかどうかが、緊急時の受入れの速さを左右する
間違えやすい点 AI による整理
- 「避難所は自分の市町村の中にある」という前提でハザードマップを見ること自体がずれている。本条と61条の4、61条の5は、避難先が市外や県外になることを最初から制度に組み込んでいる。問うべきは「近所の避難所はどこか」ではなく、「自分の地域は広域避難の対象として想定されているか」である
- 県外への避難は、県知事どうしの調整が終わるまで決まらないと思われがちだ。実際には、緊急を要するときは市町村長が他県の市町村長と直接協議できる。知事への報告も、事前が難しければ協議開始後で足りる(2項ただし書)
- 受入れ側が「受け入れるものとする」とされていることは知っていても、無条件ではないことは見落とされがちだ。受入れ側にも災害のおそれがある、施設に余力がないといった事情は「正当な理由」になりうる。ただし、何が正当な理由にあたるかは条文に列挙されておらず、解釈に委ねられている。協議先が一つで足りるとは限らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 協議の経路 | 61条の6:市町村長が他県の市町村長へ直接協議 | 61条の5:市町村長が自県の知事に協議を求め、知事どうしで調整 86条の8:被災住民の受入れについて市町村長が他の市町村長へ協議 |
| 適用される時期 | 災害の発生前、緊急を要するとき | 災害の発生前、都道府県外への広域避難が必要なとき 災害の発生後、被災住民の一時滞在が必要なとき |
| 知事の関与 | 事前報告が原則、困難なら協議開始後に遅滞なく報告 | 知事が協議の主体となる 条文に従い報告等を行う(詳細は同条で確認) |
| 住民への周知 | 協議元の市町村長が避難先を公示(7項) | 決定後、市町村長が公示 一時滞在の内容を公示 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では避難勧告・強制撤離は直轄市・県市政府の権限とされる。県市をまたぐ受入れの直接協議を条文で定める日本型の規定は確認できず、中央の調整や相互支援協定に委ねられる
韓国では市長・郡守等が대피명령を発する。自治体間の応援要請の規定はあるが、発災前の越境避難受入れの協議手続を本条ほど細かく定めているかは要確認
米国では州間相互支援協定が広く用いられ、避難者受入れも協定ベースで調整される。法律で受入れ義務を課す日本とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風が来る前日、市の防災アプリに「〇〇県△△市の総合体育館へ広域避難」と出たら、本当にそこへ行っていいのか? 本条7項に基づいて公示された避難先なら、受入れ側の市長が場所を決め、施設の管理者にも通知が済んでいる。満員の近所の避難所に並ぶより、早めに県外へ移動したほうがよい場面がある
- あなたは隣県の市役所の防災担当である。深夜2時、県境の向こうの市長から直接、数千人規模の受入れ協議が来た。「うちの知事を通してほしい」という理由だけで断ることはできない。本条4項は、正当な理由がない限り受け入れるものとしている。避難場所を決めたら、直ちに施設の管理者などへ通知しなければならない(5項)
- 氾濫が予測される時刻まであと12時間。車で20分の隣県の高台か、40分かかる県内の避難所か。判断の基準は県境ではなく、公示された避難先である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 平時に、自宅のハザードマップと市町村の広域避難計画の有無を確認する。2. 台風などの予報が出た段階で、市町村の防災サイト、防災アプリ、公示を確認する。本条7項の公示で県外の避難先が示されたら、施設名と経路を控える。3. 移動手段と出発時刻を逆算する。高齢の家族や配慮が必要な人は特に早めに動く。4. 避難先で受入れを拒まれたら、自分の市町村の災害対策本部に連絡して調整を求める
訴えられた側:1. 協議を受けたら、断る「正当な理由」があるかをすぐに整理する。なければ受け入れる前提で動く。2. 避難場所を決めたら、直ちに施設の管理者などへ通知する(5項)。協議元の市町村長への通知と、知事への報告(6項)は時刻とともに記録に残す。3. 通知を受けた施設の管理者は、開設準備を進め、受入れ人数の上限を早めに共有する。4. 広域避難が不要になった旨の通知(9項、10項)を受けたら、関係者へ速やかに伝える
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。手続の期限は「速やかに」「遅滞なく」「直ちに」と定められており、日数での期限はない。避難対応に起因する損害を国家賠償で争う場合は、国家賠償法4条により民法が適用される。期間は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、または不法行為の時から20年である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:災害対策基本法の改正により、災害発生前の広域避難に関する協議の規定群が整備された。本条はそのうち、緊急時に市町村長が他県の市町村長と直接協議する手続を定める(改正法番号・現行条番号は e-Gov で要確認)
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