災害対策基本法 第86条の6(避難所における生活環境の整備等)
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- 災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、法令又は防災計画の定めるところにより、遅滞なく、避難所を供与し、避難者の数、避難所の生活環境その他の避難所の運営状況に関する情報を把握するとともに、当該避難所に係る必要な安全性及び良好な居住性の確保、当該避難所における食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布、保健医療サービス及び福祉サービスの提供、情報の提供その他避難所に滞在する被災者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
- 2.災害応急対策責任者は、前項の情報の把握及び提供に当たつては、情報通信技術その他の先端的な技術の活用に努めなければならない。
この条文の基本情報
避難所における生活環境の整備等とは何ですか?
定義避難所における生活環境の整備等とは、災害対策基本法第86条の6に定められた規定で、「災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、法令又は防災計画の定めるところにより、遅滞なく、避難所を供与し、避難者の数、避難所の生活環境その他の避難所の運営状況…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第86条の6(避難所における生活環境の整備等)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第86条の6の条文原文は「災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、法令又は防災計画の定めるところにより、遅滞なく、避難所を供与し、避難者の数、避難所の生活環境その他の避難所の運営状況…」で始まります。
- 災害対策基本法第86条の6は第一款に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第86条の6の前の条は災害対策基本法第86条の5です。
- 災害対策基本法第86条の6の次の条は災害対策基本法第86条の7です。
- 災害対策基本法第86条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第86条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第86条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/86_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法86条の6は、災害応急対策責任者に対し、避難所の供与と、居住性・物資・保健医療・福祉・情報提供など生活環境の整備に努めるよう求める努力義務規定。
Q · 避難所の環境って、法律でどこまで整えることになっているの?
努力義務だが、居住性・物資・医療福祉・情報まで列挙
災害対策基本法86条の6は、市町村長などの災害応急対策責任者に、避難所を供与するだけでなく、避難者数や生活環境を把握し、安全性と良好な居住性の確保、食糧・衣料・医薬品等の配布、保健医療・福祉サービスや情報の提供に努めるよう求めています。法的には「努めなければならない」という努力義務で、個人が直接請求できる権利ではありませんが、内閣府の取組指針とあわせ、避難所運営の水準を測る物差しとして機能します。
解説
2016年の熊本地震では、建物の倒壊などによる直接死が50人だったのに対し、避難生活の負担などによる「災害関連死」はその4倍以上にのぼった。命を奪ったのは揺れそのものより、その後の数週間の暮らしだったことになる。本条は、市町村長などの災害応急対策責任者(法令で災害直後の対応を担う機関。国・自治体のほか、ライフライン企業など指定公共機関も含む)に対し、避難所を開くだけで終わらせず、安全性と居住性、食糧・衣料・医薬品、保健医療・福祉サービス、情報提供まで整えるよう求めている。ただし法的には「努めなければならない」という努力義務であり、あなたが裁判で直接要求できる権利ではない。それでも、行政が何をすべきかの物差しは条文と内閣府の取組指針に書かれている。体育館の床で黙って耐える人と、その物差しを手に「段ボールベッドと福祉スペースの要望」を運営本部に出す人とでは、2週間後の体調が違ってくる。
法的な位置づけ
災害対策基本法86条の6は、避難所における生活環境の整備等を定める規定であり、災害応急対策責任者に対し、災害発生時に避難所を遅滞なく供与し、運営状況を把握するとともに、安全性・居住性の確保、生活関連物資の配布、保健医療・福祉サービスおよび情報の提供に努める義務を課す。第2項は情報の把握と提供における先端技術の活用を努力義務とする。
手順
- 1.受付で避難者名簿に登録する 避難所に入ったら、まず受付で家族全員を避難者名簿に登録する。在宅避難や車中泊の場合でも登録しておけば、物資配布や情報提供の対象として把握される
- 2.必要な配慮を備考欄・書面で伝える 持病、服薬、介護、妊娠、アレルギーなど必要な配慮を名簿の備考欄か書面に記載し、保健師の巡回や福祉避難所への移送を要請する。発災後3日以内が目安
- 3.生活環境の問題を運営委員会の議題にする トイレ、寝床、プライバシー、女性専用スペースなどの問題は個人の苦情として伝えるのではなく、避難所運営委員会の議題として提出し、条文と取組指針を根拠に改善を求める
- 4.体調変化を日付入りで記録する 家族の体調悪化、受診、避難所の状況を日付入りで記録し写真も残す。災害関連死の認定申請や事後の検証で重要な資料となる
よくある質問 AI による整理
Q1災害対策基本法86条の6とは?
災害時に避難所を供与し、安全性・居住性、物資、保健医療・福祉サービス、情報提供など避難所の生活環境を整えるよう行政等に求める努力義務規定です。
Q2災害応急対策責任者とは誰のこと?
国の機関、都道府県、市町村のほか、指定公共機関・指定地方公共機関など、法令で災害応急対策を担う者を指します。避難所の現場では主に市町村長です。
Q3避難所 段ボールベッド 法律で決まってる?
条文に段ボールベッドの文字はありませんが、「良好な居住性の確保」が求められ、内閣府の取組指針で簡易ベッドの活用が示されています。
Q4福祉避難所とは?
高齢者や障害者など、一般の避難所での生活が難しい要配慮者を受け入れるため、特別な配慮をした避難所です。本条の福祉サービス提供と結びつきます。
Q5避難所 いつまでいられる?
本条に期間の定めはありません。災害救助法の基準で供与期間の目安が示され、状況に応じ延長されることがあります。仮設住宅への移行時期と連動します。
Q6避難所の運営状況を把握する義務はある?
あります。本条は避難者の数や生活環境など運営状況に関する情報の把握を求めており、第2項で情報通信技術の活用にも努めるとしています。
Q7避難所 マイナンバーカード 使える?
受付での読み取りによる避難者把握が各地で試行されています。第2項の先端技術活用が根拠の一つですが、導入の有無は自治体によって異なります。
Q8避難所の環境が悪いのは違法?
直ちに違法とはいえません。努力義務のため、著しく不合理な不作為がない限り国家賠償の違法性は認められにくいですが、検証報告等で問題視されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1避難所の環境がひどすぎるんですけど、市を訴えられますか?
本条は「努めなければならない」という努力義務なので、条文だけを根拠に損害賠償を勝ち取るのは実務上かなり難しい。国家賠償法1条の違法性が認められるのは、著しく不合理な不作為があった場合に限られる。実務のポイント:訴訟より効果があるのは、災害関連死の認定申請(災害弔慰金の支給等に関する法律)である。避難生活の過酷さを具体的に記録しておくと、遺族への弔慰金の判断で重要な事実として扱われる
Q2旅行中に被災したんですが、地元の人じゃなくても避難所に入れますか?
入れる。災害救助法による救助は住民票ではなく、被災した現在地を基準に行われ、旅行者や外国人も対象になる。本条の措置も「避難所に滞在する被災者」全体が対象である。実務のポイント:観光地の自治体は帰宅困難な旅行者向けの一時滞在施設を別に指定していることが多い。受付で「旅行者です」と伝えると、帰宅ルートの情報が早く手に入ることがある
Q3ペットを連れて避難所に入れないって言われたんですが、法律でどうなってるんですか?
本条はペット同行について直接定めていない。受け入れの可否は各自治体の避難所運営マニュアルや地域防災計画で決まり、環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」は同行避難を推奨している。実務のポイント:「同行避難」はペットと一緒に避難所まで行くことで、同じ部屋で過ごす「同伴避難」とは別物である。この区別を知らずに揉める例が多い。平時に自分の地域の避難所がどちらに対応しているか確認しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 避難所は「とりあえず屋根がある場所」で、不便は我慢するものと思われがちである。しかし条文は、安全性、居住性、物資、保健医療、福祉、情報提供まで列挙している。段ボールベッドや女性専用スペースは特別待遇ではなく、法律が想定している標準装備の一部である
- 努力義務なのだから行政は何もしなくても責任を問われない、という理解は半分しか正しくない。努力義務違反だけで国家賠償が認められることは実務上ほぼないが、災害関連死の審査や事後の検証報告、議会での追及では、取組指針を満たしていたかが物差しとして使われる。法廷の外での責任は、思っているより重い
- 「避難所の運営は役所の仕事」と考える人が多いが、現場では、職員だけで24時間運営することは人数的に不可能である。内閣府の取組指針も避難者による自主運営を前提にしている。待っているだけの避難者と運営委員会に入る避難者では、要望が通る速さがまるで違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 86条の6:避難所に滞在する被災者の生活環境 | 86条の7:避難所以外の場所に滞在する被災者への配慮 49条の7:指定避難所の平時の指定 |
| 時点 | 災害発生後の応急対策段階 | 災害発生後の応急対策段階 平時(災害前の準備) |
| 主な内容 | 避難所の供与、運営状況の把握、居住性・物資・保健医療・福祉・情報提供 | 在宅避難・車中泊者等への物資・情報・保健医療サービスの提供等 市町村長が基準を満たす施設を指定避難所として指定 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では災害応変措置の一つとして被災者の臨時収容や弱勢族群の特殊保護が列挙されるが、避難所の居住性を個別に定める規定は日本ほど細かくない
米国では連邦の財政支援枠組みの下、シェルター運営は州・地方政府や赤十字などの非営利団体が担う比重が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 避難所3日目、寝たきりの母が床の冷えで眠れず食事も取らなくなった。高齢者が床生活を1週間続けると、エコノミークラス症候群や誤嚥性肺炎のリスクが一気に上がる。本条は「福祉サービスの提供」を明記しており、福祉避難所への移送や福祉スペースの確保を、要望として運営本部に正式に伝える根拠になる
- あなたは市役所の防災担当で、発災2日目に避難所が5か所開いている。どこに何人いて、どこで薬が足りないのか、紙の名簿では誰にも分からない。第2項は情報通信技術の活用を求めており、平時に避難者管理システムを準備していなかったことが、後の検証報告書で厳しく指摘されることになる
- もし旅行先の温泉地で被災し、地元の避難所に入ろうとして「住民優先」と言われたら、どうなる? 災害救助法の救助は住所地ではなく被災した場所を基準に行われるため、旅行者も救助の対象になる
- 車中泊を続けている家族に、配られるはずの食料も情報も届かない。避難所の外にいる被災者への配慮は86条の7が定めており、自分の存在を避難所の名簿に登録しておくことが支援を受ける入口になる
- トイレが1か所しか使えず、水分を控えるようになった高齢者が増えている。水分不足は関連死の典型的な入口であり、トイレの数と衛生は贅沢な要求ではなく、本条の「良好な居住性」の中核にあたる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受付で避難者名簿に必ず登録する。在宅避難や車中泊でも登録しておけば物資と情報の対象になる2. 持病、服薬、介護、妊娠、アレルギーなどは名簿の備考欄か書面で伝え、保健師の巡回や福祉避難所への移送を要請する3. トイレや寝床、プライバシーの問題は個人の苦情ではなく、運営委員会の議題として出す4. 体調悪化や死亡の経緯は日付入りで記録しておく。後の災害関連死の認定で重要な資料になる
訴えられた側:1. 自治体や運営側は、内閣府の取組指針と自治体の避難所運営マニュアルを照合し、平時に TKB(トイレ・キッチン・ベッド)の備蓄量と調達協定を確認しておく2. 発災後は避難者数と要配慮者の情報を日次で集約し、記録を残す3. 対応しきれない要望は、拒否するのではなく優先順位と理由を掲示する。事後の検証で、何を把握し、なぜその判断をしたかを説明できることが最大の防御になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。避難所の不適切な運営を理由に国家賠償を請求する場合は、国家賠償法4条により民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年、不法行為の時から20年である(民法724条、724条の2)。実務上の勝負は、物資の発注量と避難先の振り分けが固まる発災後72時間である
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年) 東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策基本法の改正で、避難所における生活環境の整備等を定める条文として新設された
- 改正時期は要検証 避難所の運営状況に関する情報の把握、福祉サービスの提供、第2項の先端技術活用の文言は、その後の改正(令和7年(2025年)改正の可能性あり)で加わったとみられる。年次と内容は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策基本法の改正により、避難所における生活環境の整備等に関する規定として新設された。その後の改正経過は要検証
- 災害対策基本法 第50条災害応急対策責任者の定義と応急対策事項
- 災害対策基本法 第49条の7指定避難所の指定、本条の受け皿
- 災害対策基本法 第86条の7避難所外に滞在する被災者への配慮
- 災害対策基本法 第49条の10避難行動要支援者名簿、要配慮者の把握
- 災害救助法 第4条救助の種類としての避難所の供与
- 災害弔慰金の支給等に関する法律 第3条災害関連死を含む弔慰金の支給
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