行政事件訴訟法 第42条(訴えの提起)
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民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。
この条文の基本情報
訴えの提起とは何ですか?
定義訴えの提起とは、行政事件訴訟法第42条に定められた規定で、「民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第42条(訴えの提起)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第42条の条文原文は「民衆訴訟及び機関訴訟は、法律に定める場合において、法律に定める者に限り、提起することができる。」で始まります。
- 行政事件訴訟法第42条は第四章 民衆訴訟及び機関訴訟に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第42条の前の条は行政事件訴訟法第41条です。
- 行政事件訴訟法第42条の次の条は行政事件訴訟法第43条です。
- 行政事件訴訟法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法42条は、民衆訴訟と機関訴訟を、法律が定める場合に、法律が定める者に限り提起できると定める。自己の損害がなくても公益のために行政の違法を正す客観訴訟の入口である。
Q · 自分が損していなくても、税金の無駄遣いを裁判で正せるの?
条件付きで可能。法律が認めた民衆訴訟なら住民の資格で訴えられる
行政事件訴訟法42条は、民衆訴訟と機関訴訟という客観訴訟を、法律が定める場合に、法律が定める者に限って提起できると定めます。自己の損害がなくても、住民や選挙人という資格だけで行政の違法を正せる入口です。代表例が地方自治法の住民訴訟(242条の2)と公職選挙法の選挙訴訟で、いずれも別の法律が入口を開いています。逆に法律が入口を開いていない分野では、どれだけ公益にかなっても提起できません。
解説
市役所が不可解な随意契約で業者に税金をばらまいている、そう感じても、普通の裁判では訴えられない。あなた個人の財産や権利が侵されたわけではないからだ。日本の裁判所は原則として「自分の権利が侵害された人」しか相手にしない(裁判所法でいう法律上の争訟)。ところが行政事件訴訟法42条は、その壁に二つの抜け穴を用意している。民衆訴訟と機関訴訟だ。前者は、自分が損をしていなくても、有権者や住民という資格だけで行政の違法を正せる訴訟。後者は、役所同士、国と自治体が法廷で争う訴訟。ただし条文は冷たくこう釘を刺す。これらは「法律に定める場合において、法律に定める者に限り」提起できる、と。つまり誰でも・いつでも使えるのではなく、地方自治法の住民訴訟、公職選挙法の選挙訴訟のように、別の法律が入口を開けてくれた場面でしか使えない。あなたが知っておくべきは、その入口がどこにあるか、そして自分がその「定められた者」に当たるかだ。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法42条は、民衆訴訟および機関訴訟という客観訴訟の提起要件を定める規定である。これらは自己の権利利益の侵害を前提とせず、選挙人や住民の資格、または行政機関相互の地位に基づき、公益や法秩序の維持のために提起される。提起できるのは、法律が特に定めた場合に、法律が定めた者に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が使える入口(根拠法)を特定する 公益のために行政を正したいとき、まず根拠法を探す。自治体の財務会計上の違法なら地方自治法の住民訴訟、選挙の効力なら公職選挙法の選挙訴訟というように、42条自体ではなく個別法が入口を開いている。法律が入口を開いていない分野では提起できない
- 2.違法の証拠を情報公開請求で固める 住民訴訟を狙うなら、契約書・起案書・支出命令書・議会議決の記録を情報公開請求で先に入手し、違法性を裏付ける時系列を作る。証拠固めを後回しにすると監査請求の説得力が落ちる
- 3.1年以内に住民監査請求を提出する 違法行為があった日から1年以内に住民監査請求(地方自治法242条)を監査委員に提出する。この前置を踏まないと住民訴訟への道が閉じる。期限が迫る場合は証拠が不完全でも先に請求を出して期間を確保する
- 4.監査結果から30日以内に住民訴訟を提起する 監査結果の通知から30日以内に住民訴訟を提起する(地方自治法242条の2第2項)。請求の型(差止め、取消し、怠る事実の違法確認、4号請求=市長に業者への賠償請求をさせる義務付け)を選び、被告は業者ではなく自治体の長になる点に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1民衆訴訟とは何ですか?
自己の権利利益の侵害がなくても、選挙人や住民という資格で行政の違法を正せる客観訴訟です。住民訴訟や選挙訴訟が代表例で、行政事件訴訟法5条が定義します。
Q2機関訴訟とは何ですか?
国と地方自治体、または行政機関相互の権限の存否や行使をめぐる争いを裁判で解決する客観訴訟です。私人は当事者になれません。行政事件訴訟法6条が定義します。
Q3住民訴訟を起こす前に何が必要ですか?
住民監査請求(地方自治法242条)を先に行う前置が絶対条件です。これを飛ばすと、内容が正しくても門前払いになります。
Q4住民訴訟の出訴期間はいつまでですか?
監査結果の通知などから30日以内です(地方自治法242条の2第2項)。前提となる監査請求は違法行為から1年以内に行う必要があります。
Q5客観訴訟と主観訴訟の違いは何ですか?
主観訴訟は自己の権利利益の救済を目的とし、客観訴訟は公益や法秩序の維持を目的とします。民衆訴訟・機関訴訟は客観訴訟で、法律の定めがある場合に限られます。
Q6選挙訴訟は誰が起こせますか?
選挙人(有権者)という資格だけで提起できます。公職選挙法に基づく民衆訴訟で、出訴期間は選挙の種類により告示から14日や30日など極めて短いです。
Q7国地方係争処理委員会とは何ですか?
国の関与に不服な自治体が機関訴訟を起こす前に審査を申し出る機関です。この前置を経ずにいきなり提訴することは原則できません。
Q8民衆訴訟は誰でも起こせますか?
誰でも・いつでもではありません。42条は「法律に定める場合・法律に定める者に限り」と二重の制限をかけ、法律が入口を開いた分野でのみ提起できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1税金の無駄遣いを止めたいだけなのに、なんで普通に訴えられないんですか?
日本の裁判所は原則として『自分の権利・利益が侵害された人』の紛争しか扱わないからです(裁判所法3条のいう法律上の争訟)。無駄遣いに憤っても、あなた個人の権利侵害ではないため通常訴訟では門前払いになります。そこで42条が民衆訴訟という例外を用意し、地方自治法が住民訴訟として具体化しています。実務のポイント:住民訴訟の4号請求は、住民が直接業者にお金を請求するのではなく、市長に対して『業者へ賠償請求せよ』と義務付ける構造です。被告は業者ではなく自治体の長、この当事者構造を最初に理解していないと請求の組み立てを誤ります
Q2選挙でおかしなことがあったら、結果を裁判で引っくり返せるんですか?
争えます。公職選挙法の選挙訴訟・当選訴訟は42条のいう民衆訴訟で、有権者という資格だけで提起できます。ただし出訴期間が非常に短く、選挙の種類によって告示から14日や30日などで打ち切られます。実務のポイント:選挙訴訟は『選挙の効力』を争うもので、当選人個人を相手にするのではなく選挙管理委員会が被告になります。さらに『その違法が選挙の結果に異動を及ぼすおそれ』がなければ請求は認められない、という高いハードルがある。感情ではなく結果への因果を立証できるかが分水嶺です(最新の改正状況をご確認ください)
Q3国が自治体に命令してきたとき、自治体は黙って従うしかないんですか?
従う必要はありません。42条のいう機関訴訟として、地方自治法251条の5が国の関与に不服な自治体に訴訟の道を開いています。ただし、いきなり裁判ではなく、まず国地方係争処理委員会への審査申出を経るのが原則です。実務のポイント:機関訴訟は役所が役所を訴える特殊な類型で、私人は当事者になれません。辺野古をめぐる国と沖縄県の一連の訴訟がこの典型例で、関与の適法性そのものを司法が判断する仕組み。自治体法務の担当者にとっては、前置手続を一段でも飛ばすと訴え自体が不適法になる点が最大の落とし穴です
間違えやすい点 AI による整理
- 「税金の無駄遣いに腹が立っても、一市民には何もできない」と諦めている人が大半だが、これは問いの立て方が間違っている。問うべきは『自分に損害があるか』ではなく『住民という資格で使える訴訟があるか』だ。住民訴訟は、あなた個人が一円も損していなくても、住民であるという一点だけで提起できる
- 「住民訴訟も普通の裁判と同じで、いきなり訴状を出せる」と思われがちだが、実は住民監査請求(地方自治法242条)を先に通すことが絶対条件。この前置を飛ばすと、内容がどれだけ正しくても門前払いになる。手続の順番を知らないだけで、勝てる事件が始まる前に終わる
- 民衆訴訟は「みんなのための訴訟だから、誰でも・いつでも起こせる」と誤解されやすい。42条の文言は逆で、『法律に定める場合・法律に定める者に限り』という二重のロックがかかっている。法律が入口を開けていない分野では、どれだけ公益にかなっても提起そのものが不可能だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 訴訟の目的 | 民衆訴訟(42条・5条):公益・法秩序の維持(客観訴訟) | 機関訴訟(42条・6条):機関間の権限争いの解決(客観訴訟) 抗告訴訟(3条):自己の権利利益の救済(主観訴訟) |
| 原告適格 | 選挙人・住民など、法律が定める資格を持つ者 | 国・地方自治体・行政機関(私人は不可) 処分により自己の法律上の利益を侵害された者 |
| 提起できる場合 | 法律に定める場合に限る(地方自治法・公職選挙法など) | 法律に定める場合に限る(地方自治法251条の5など) 原則として処分・裁決があれば一般的に可能 |
| 準用規定 | 43条により取消訴訟等の規定が準用される | 43条により取消訴訟等の規定が準用される 取消訴訟の規定が本則として適用される |
他国ではどう定めているか 4 か国
公益維持のための訴訟(民衆訴訟)を、法律に特別の定めがある場合に限り認める点で日本と同じ構造。原告適格を法定する考え方が共通する。
민중소송・기관소송を同名で規定し、法律に定めがある場合に限り提起できるとする。日本法をほぼ平行的に継受した類型。
ドイツは伝統的に Popularklage を否定するが、環境分野等では団体訴訟により客観法の執行を例外的に認める。客観訴訟を限定的に開く点で発想が近い。
米国は連邦法が個別に市民訴訟条項を置き、私人による公益的執行を認める。ただし Article III の standing 要件との緊張がある点が論点。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの住む市が、使う当てのない箱物施設に十数億円を投じようとしている。一住民のあなたに損害賠償の当事者適格はないが、住民監査請求を経れば地方自治法242条の2の住民訴訟で、契約の差止めや、市長に対し業者への賠償請求をさせる訴えを起こせる。42条が認めた民衆訴訟の代表例だ
- もし投票日に開票で明らかな不正があったと感じたら、選挙結果を裁判で覆せるのか。覆せる。公職選挙法の選挙訴訟は42条のいう民衆訴訟で、有権者という資格だけで提起できる。ただし出訴期間は極端に短く、地方選挙なら結果告示から原則14日以内、ここを過ぎると永久に争えない
- 国が地方自治体に「この事務をこう処理せよ」と是正の指示を出してきた。自治体側がこれを違法だと考えるとき、国地方係争処理委員会の審査を経て、地方自治法251条の5の訴訟で国を法廷に引き出せる。これが機関訴訟、役所が役所を訴える特殊なルートだ
- あと数週間で、住民監査請求の1年の壁が来る。違法な支出があった日から1年を過ぎると、原則として監査請求ができず、住民訴訟への道も閉じる。証拠集めと請求書作成を、今夜から逆算しないと間に合わない
- 近所の人が「市の補助金の使い方がおかしい、一緒に訴えよう」と相談してきた。あなたが答えるべきは、まず誰が当事者になれて、どの入口を通るか。普通の損害賠償ではなく、住民監査請求を前置した住民訴訟というルートがある、と三分で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:提訴を考える住民・有権者の立場。1. まず自分が使える入口を特定する。自治体の財務会計上の違法なら住民訴訟、選挙の効力なら選挙訴訟というように、根拠法が別にある2. 住民訴訟なら、違法行為のあった日から1年以内に住民監査請求(地方自治法242条)を提出、これが訴訟の前提条件3. 監査結果の通知から30日以内に住民訴訟を提起(地方自治法242条の2第2項) 4. 請求の型(差止め、取消し、怠る事実の違法確認、賠償請求の義務付け)を選ぶ。証拠は情報公開請求で先に固めておく
訴えられた側:訴えられる自治体・機関の立場。1. まず原告が『法律に定める者』に当たるか、出訴期間内か、監査請求などの前置手続を踏んでいるかを精査、欠けていれば却下を求める2. 住民訴訟なら、当該支出・契約の適法性を裏付ける起案書・契約書・議会議決の記録を時系列で整える3. 機関訴訟なら、国地方係争処理委員会の審査経過を踏まえ、関与の法的根拠を明確にする4. 民衆訴訟・機関訴訟には行訴法43条で取消訴訟等の規定が準用される点を確認し、適用条文を取り違えない
時効(請求できる期限):民衆訴訟・機関訴訟そのものに統一の出訴期間はなく、各根拠法が個別に定める。住民訴訟は監査結果通知から30日以内(地方自治法242条の2第2項)、その前提の監査請求は違法行為から1年以内(同242条2項)。選挙訴訟は選挙の種類により告示から14日ないし30日など極めて短い(公職選挙法、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:民衆訴訟・機関訴訟は、個人の権利救済を任務とする司法権の例外としての客観訴訟であり、法律が特に認めた場合に限って許される。原告適格・出訴期間・請求の型はすべて根拠法が個別に定めるため、42条自体は入口の所在を示す案内規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法の制定により、民衆訴訟・機関訴訟を客観訴訟として類型化し、法律の定めがある場合・者に限り提起できる旨を明文化した。
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