商業登記法 第72条(職権による解散の登記)
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会社法第四百七十二条第一項本文の規定による解散の登記は、登記官が、職権でしなければならない。
この条文の基本情報
職権による解散の登記とは何ですか?
定義職権による解散の登記とは、商業登記法第72条に定められた規定で、「会社法第四百七十二条第一項本文の規定による解散の登記は、登記官が、職権でしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第72条(職権による解散の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第72条の条文原文は「会社法第四百七十二条第一項本文の規定による解散の登記は、登記官が、職権でしなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第72条は第五節 株式会社の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第72条の前の条は商業登記法第71条です。
- 商業登記法第72条の次の条は商業登記法第73条です。
- 商業登記法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法72条は、会社法472条1項本文によるみなし解散の登記を、登記官が職権でしなければならないと定める。会社の申請は不要で、登録免許税もかからない。
Q · 何年も登記していない会社は、本当に登記所の職権で解散させられるのですか?
はい。申請なしで登記官が職権で解散登記を入れます
最後の登記から12年を経過した株式会社は、法務大臣の官報公告から2か月以内に「事業を廃止していない旨の届出」も登記もしなければ、その期間満了の時に解散したものとみなされます(会社法472条1項本文)。商業登記法72条は、この解散の登記を登記官が職権でしなければならないと定めており、会社の申請も同意も不要です。解散とみなされた日から3年以内であれば、株主総会の特別決議で会社を継続できます(会社法473条)。
解説
登記所の職員が、あなたの会社を勝手に解散させる。そんな条文が日本には実在する。会社法472条1項本文は、最後の登記から12年が過ぎた株式会社(休眠会社)について、法務大臣が官報で公告し、2か月以内に「まだ事業を廃止していない」と届け出なければ、その期間満了の時に解散したものとみなすと定める。そして商業登記法72条が、その解散の登記を「登記官が、職権でしなければならない」と命じる。申請は不要、あなたの同意も不要、登録免許税もかからない。毎年12月中旬、全国で数千社の登記簿に一斉に「解散」が刻まれる。厄介なのは通知書が登記簿上の本店にしか送られない点だ。本店を実際に移したまま登記していない会社、代表者が引っ越した会社には、通知は永遠に届かない。届かなくても手続は止まらない。そして解散扱いになった瞬間、取締役は全員清算人へ、代表取締役の登記は職権で消え、許認可は失効し、融資審査は止まる。
法的な位置づけ
商業登記法72条は、会社法472条1項本文により解散したものとみなされた休眠会社について、登記官が職権で解散の登記をしなければならない旨を定める職権登記の規定である。当事者の登記申請を要件とせず、登記官の職務上の義務として登記が実行される点で、商業登記の申請主義に対する明文の例外を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で「12年時計」を確認する 法務局またはオンラインで履歴事項全部証明書を取得し、最後にされた登記の日付を確認する。役員変更・本店移転・目的変更など、どの登記でもよいので直近の年月日を数え、12年に近づいていないかを判定する
- 2.官報公告と法務省の整理作業案内を確認する 例年10月頃に法務大臣が官報公告を行い、法務局から登記簿上の本店へ通知書が発送される。通知が届かない前提で、毎年秋に法務省サイトの休眠会社・休眠一般法人の整理作業のページを自分から確認する
- 3.2か月以内に届出または登記を1件入れる 事業を継続しているなら「まだ事業を廃止していない旨の届出書」を本店所在地の管轄登記所へ提出する。同じ期間内に役員変更登記を申請すれば、解散回避と登記懈怠の解消を一度に片づけられる
- 4.すでに解散登記が入っていたら「みなし解散の日」を確定する 履歴事項全部証明書の解散の記録から、解散とみなされた日を正確に読み取る。この日が継続可否を分ける起算点であり、3年以内かどうかで取れる選択肢が完全に変わる
- 5.3年以内なら株主総会の特別決議で会社を継続する 会社法473条により株主総会の特別決議で継続を決議し、決議の日から2週間以内に継続の登記と取締役等の選任登記を申請する(会社法915条1項)。並行して未申告分の税務処理と、失効した許認可の再取得可否を所管官庁に確認する
よくある質問 AI による整理
Q1休眠会社とは何ですか?
最後の登記から12年を経過した株式会社を指します(会社法472条1項)。実際に営業していても、12年間登記を一件も入れていなければ制度上は休眠会社として扱われます。
Q2みなし解散の登記に登録免許税はかかりますか?
登記官の職権登記なので、解散登記そのものに会社の費用負担はありません。ただし後から会社を継続する場合、継続の登記と役員選任登記に登録免許税と専門家報酬がかかります。
Q3休眠会社の整理は毎年いつ行われますか?
例年10月頃に法務大臣が官報で公告し、2か月の届出期間を経て12月中旬に職権で解散登記が入る運用です。年度により日程は変わるため法務省サイトの案内で確認します。
Q4みなし解散を回避する方法はありますか?
公告から2か月以内に「まだ事業を廃止していない旨の届出」を提出するか、役員変更登記などを1件申請すれば回避できます。届出は用紙1枚で足ります。
Q5解散の通知はどこに届きますか?
登記簿上の本店所在地宛てに通知書が送付されます。本店移転を登記していない会社や代表者が転居した会社には届かず、届かなくても手続は止まりません。
Q6合同会社もみなし解散の対象ですか?
対象は株式会社(12年)と一般社団法人・一般財団法人(5年)です。合同会社などの持分会社は休眠会社整理の対象外で、職権解散登記は入りません。
Q7みなし解散されると登記簿にはどう記録されますか?
「会社法第472条第1項の規定により解散」と記録され、代表取締役の登記は職権で抹消されます。この記録は会社を継続しても履歴事項証明書に残り続けます。
Q8役員変更登記を怠ると過料はいくらですか?
会社法976条1号により100万円以下の過料で、裁判所から代表者個人あてに通知が届きます。会社の経費ではなく代表者個人の負担になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの会社、もう10年以上なんの登記もしてないんですけど、本当に勝手に解散させられるんですか?
されます。最後の登記から12年経過した株式会社は、法務大臣の官報公告から2か月以内に届出も登記もしなければ解散とみなされ(会社法472条1項本文)、その登記を登記官が職権で行います(商業登記法72条)。実務のポイント:登記所からの通知書は登記簿上の本店に普通郵便で送られるだけで、届いたかどうかは問われません。本店を移転したのに登記していない会社には永久に届かず、それでも手続は進む。毎年秋、法務省サイトの休眠会社整理作業の案内を自分から見に行く方が確実です
Q2解散させられた会社って、もう元に戻せないんですか?
解散とみなされた日から3年以内なら、株主総会の特別決議で会社を継続できます(会社法473条)。継続の登記に加えて取締役等の選任登記も必要で、役員の任期はそこからやり直しです。実務のポイント:継続しても、みなし解散の履歴は登記簿から消えません。履歴事項全部証明書には「会社法第472条第1項の規定により解散」の記録が残り続け、金融機関の与信審査や公共入札では履歴事項証明書の提出を求められる。10年後の融資交渉でその一行を説明させられる、というのが実務の現実です
間違えやすい点 AI による整理
- 「解散させられたら会社は消えてなくなるのか」という問いの立て方自体が的を外している。みなし解散で法人格は消滅せず、清算手続に入るだけで登記簿も閉鎖されない。実務で本当に効いてくるのは、代表取締役の登記が職権で消え、登記上「代表権のある者が誰もいない会社」になることだ。銀行も取引先も許認可官庁も、まさにそこを見る
- 休眠会社の整理制度そのものは知っている人でも、副作用の広がりまでは把握していないことが多い。建設業許可や宅建業免許のような許認可は解散によって失効し、再取得には一から要件を満たす必要がある。さらに、みなし解散に至るほど放置された会社はたいてい申告も止まっており、2期連続の無申告で法人税の青色申告の承認が取り消される(法人税法127条)。登記の怠慢が、許認可と税に同時に飛び火する
- 「実際に営業している会社なら、届出さえ出せば安全」と思われがちだが、解散を免れても12年分の登記懈怠が消えるわけではない。役員変更登記を怠った事実について、代表者個人あてに裁判所から過料の通知が届く(会社法976条1号、100万円以下)。しかもこの過料は会社の経費ではなく、代表者個人の負担である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記の端緒 | 商業登記法72条:登記官の職権(申請不要) | 商業登記法71条:会社からの解散の登記の申請 商業登記法73条:清算人の登記(申請) |
| 適用場面 | 会社法472条1項本文によるみなし解散に限定 | 定款所定の事由・株主総会決議などによる解散 解散後の清算人・代表清算人の就任および変更 |
| 会社の費用負担 | 解散登記自体は無償(職権のため登録免許税なし) | 登録免許税+申請書類の準備が必要 登録免許税+就任承諾書等の添付書面が必要 |
| 会社が取り得る対応 | 解散日から3年以内の継続決議(会社法473条)で立て直す | 解散の意思決定自体を株主総会でコントロールできる 清算人不在なら裁判所へ選任申立て(会社法478条2項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では登記官ではなく主管機関(経済部)が職権で登記の廃止や命令解散を行う。年限による自動的なみなし解散ではなく、個別の職権発動という設計になっている点が日本と異なる
韓国も休眠会社の解散擬制制度を持ち、公告と届出期間の構造は日本と近い。年限の設定など細部は独自に設計されている
ドイツは登記の経過年数ではなく、会社に資産がないこと(Vermögenslosigkeit)を要件として職権抹消を行う。登記懈怠そのものではなく実体の空洞化に着目する点が対照的
米国は年次報告書(annual report)の不提出や登録代理人の不在を理由に州務長官が行政的解散を行う。多くの州で一定期間内の reinstatement(復活)が認められ、日本の3年以内の継続に近い機能を果たす
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 最後の役員変更登記から12年が過ぎている会社、心当たりはないだろうか? 毎年10月頃に法務大臣が官報で公告し、そこから2か月。届出も登記もしなければ、12月中旬にはあなたの会社の登記簿に解散が職権で記録される。残された時間は最大60日、しかも通知書は登記簿上の本店にしか届かない。実際の事務所に届くとは限らない
- 新規取引先の登記事項証明書を取ったら「会社法第四百七十二条第一項の規定により解散」と記録されていた。相手の担当者は「うちは普通に営業しています」と言う。だが登記上そこに代表取締役はおらず、契約の相手方は清算中の会社である
- 父が20年前につくった会社を、名前だけ残して放置していた。ある年末、税理士から「登記簿が解散になっています」と連絡が来る。解散とみなされた日から3年以内なら株主総会の特別決議で継続できるが、継続の登記と役員選任登記の費用は自腹、役員の任期も全部リセットされる。3年を1日でも過ぎていれば、その道は閉じている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得し、解散の記録と「解散とみなされた日」を確認する2. その日から3年以内なら、株主総会の特別決議で継続を決議し、継続の登記と取締役等の選任登記を申請する(登録免許税と司法書士報酬が別途かかる) 3. 3年を過ぎていれば継続はできない。清算結了へ進むか、新会社設立に切り替える4. 並行して未申告分の税務処理と、失効した許認可の再取得可否を所管官庁に確認する
訴えられた側:1. 取引先が職権解散されていた場合、契約の相手方は清算中の会社である。代表取締役は登記上不在なので、清算人が誰かを登記簿で確認してから契約継続や支払の可否を判断する2. 清算人がいなければ、利害関係人として裁判所に清算人選任を申し立てる(会社法478条2項) 3. 債権があるなら清算手続の中で届け出て回収する。放置したまま清算結了に至ると回収の相手そのものが消える
時効(請求できる期限):官報公告から2か月以内の届出または登記で解散を回避できる(会社法472条1項)。解散とみなされた日から3年以内に限り、株主総会の特別決議で会社を継続できる(会社法473条)。継続の登記は決議の日から本店所在地で2週間以内(会社法915条1項)。職権による解散登記そのものに不服がある場合は登記官の処分に対する審査請求の道があるが、要件が厳しく、実務上は継続手続で立て直すのが通常
学説
通説(登記実務):商業登記法72条は申請主義の明文例外であり、職権行使の要件は会社法472条1項本文の場面に厳格に限定される。登記官は実体的な事業活動の有無を審査するのではなく、登記の経過年数と届出の有無という形式的要件のみを基準に登記を実行する
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 会社法の制定に伴い、職権解散登記の根拠が旧商法の休眠会社整理規定から会社法472条1項本文の引用へと改められた。改正回数および文言変更の詳細は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定により、商法から独立した商業登記手続法として成立。職権登記に関する規定が整備された(各条の当初文言は人的検証が必要)
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、職権解散登記の根拠が旧商法の休眠会社整理規定から会社法472条1項本文の引用へと改められた。改正回数と文言変更の詳細は人的検証が必要
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