商業登記法 第134条(抹消の申請)
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- 登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当事者は、その登記の抹消を申請することができる。
- 一第二十四条第一号から第三号まで又は第五号に掲げる事由があること。
- 二登記された事項につき無効の原因があること。ただし、訴えをもつてのみその無効を主張することができる場合を除く。
- 2.第百三十二条第二項の規定は、前項第二号の場合に準用する。
この条文の基本情報
抹消の申請とは何ですか?
定義抹消の申請とは、商業登記法第134条に定められた規定で、「登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当事者は、その登記の抹消を申請することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第134条(抹消の申請)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第134条の条文原文は「登記が次の各号のいずれかに該当するときは、当事者は、その登記の抹消を申請することができる。」で始まります。
- 商業登記法第134条は第十節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第134条の前の条は商業登記法第133条です。
- 商業登記法第134条の次の条は商業登記法第135条です。
- 商業登記法第134条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第134条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第134条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/134
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法134条は、24条の却下事由がある登記、又は登記事項に無効の原因がある登記について、当事者が抹消を申請できると定める。訴えでのみ無効を主張できる類型は除かれる。
Q · 偽の議事録で役員が書き換えられた登記、裁判をしないと消せないのですか?
決議不存在型なら窓口で申請可、決議取消し型は訴えのみ
商業登記法134条1項2号により、登記された事項に無効の原因があるときは、当事者が登記所へ直接抹消を申請できます。株主総会が実際には開かれていない決議不存在型はこの入口に入ります。ただし但書により、設立無効や決議取消しのように訴えをもってのみ無効を主張できる類型は除外され、裁判所の専管です。また2号ルートは132条2項の準用で無効の原因を証する書面の添付が必要で、登記官は形式的審査しかできないため、実務では確定判決や関係者全員の同意書のレベルが求められます。
解説
登記簿に載った嘘は、放置しても勝手には消えない。開かれてもいない株主総会の議事録が作られ、代表取締役の欄が別人に書き換わっている。そんなとき、まず訴訟という発想は必ずしも正しくない。商業登記法134条は、当事者が登記所へ直接「この登記を抹消せよ」と申請する入口を用意している。使えるのは二つの場合。手続上の瑕疵(管轄違い、登記すべき事項でない、既に登記されている等、24条の却下事由に当たるのに通ってしまった登記)と、登記された事項そのものに無効の原因がある場合だ。ただし但書が効く。設立無効、新株発行無効、合併無効、決議取消しのように「訴えをもつてのみ無効を主張することができる」類型は、この入口から入れない。裁判所の専管領域だからである。さらに無効原因を理由にするなら、それを証する書面の添付が要る(132条2項準用)。登記官に実質的な調査権はない、そこが実務の壁になる。
法的な位置づけ
商業登記法134条は登記の抹消申請を定める規定であり、24条所定の却下事由に該当する登記、及び登記された事項に無効の原因がある登記について、当事者が登記所に抹消を申請できる手続を規律する。訴えをもってのみ無効を主張できる類型は但書により除外され、無効原因を理由とする場合は132条2項の準用により、無効の原因を証する書面の添付を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.履歴事項全部証明書と申請書類を確認する 問題の登記が記録された履歴事項全部証明書を取得し、法務局へ当該登記の申請書類の閲覧を請求する(利害関係の疎明が必要)。誰が、どの添付書面で申請したかを特定する
- 2.1号ルートか2号ルートかを切り分ける 瑕疵が24条1号から3号・5号の却下事由(管轄違い、登記すべき事項でない、既に登記されている等)に当たるなら1号ルート。当たらず実体に無効原因があるなら2号ルート。1号で構成できれば証明書面が不要になるため、先に1号の可能性を検討する
- 3.但書の除外類型に当たらないかを確認する 設立無効、新株発行無効、合併無効、決議取消しなど、訴えをもってのみ無効を主張できる類型は134条の入口に入れない。特に決議取消事由は会社法831条1項の3か月の出訴期間が走るため、判定を最優先する
- 4.無効の原因を証する書面を揃えて申請する 2号ルートでは132条2項準用により無効の原因を証する書面が必要。決議不存在なら確認の訴えの確定判決が最短で、関係者全員の同意書で足りる場合もある。書面を添えて管轄法務局へ抹消を申請する
- 5.並行して出血を止め、職権手続の期間を守る 係争中も登記は公示され続けるため、職務執行停止の仮処分や主要取引先への通知で被害を止める。登記官の職権抹消手続に入っている場合は、135条の通知に定める一月をこえない期間内に書面で異議を述べる
よくある質問 AI による整理
Q1登記の抹消申請とは何ですか?
誤った登記を裁判によらず登記所へ申請して消してもらう手続です。商業登記法134条が根拠で、却下事由型と無効原因型の二つの入口があります。
Q2抹消の申請と更正の申請の違いは?
更正(132条)は登記の錯誤・遺漏を正しい内容に直す手続、抹消(134条)は登記そのものを消す手続です。134条2号は132条2項を準用します。
Q3抹消申請に必要な添付書類は?
134条1項2号の無効原因型は、132条2項準用により無効の原因を証する書面が必要です。1号の却下事由型では、その書面は要求されません。
Q4登記官による職権抹消はどんなときに行われますか?
登記官が24条各号の事由がある登記を発見したときに、135条以下の手続で当事者へ予告通知し、異議がなければ職権で抹消します。
Q5抹消申請が却下されたらどうなりますか?
登記官の処分に不服があるときは、142条により監督法務局または地方法務局の長へ審査請求ができます。並行して訴訟で実体関係を確定させる道もあります。
Q6登記を抹消すると履歴も消えますか?
消えません。抹消の登記は履歴事項全部証明書に記録として残ります。閉鎖された記載も含め、後日のデューデリジェンスで読まれます。
Q7決議取消しを理由に登記を抹消できますか?
できません。会社法831条の決議取消しは訴えをもってのみ主張できる類型で、134条1項2号の但書により除外されます。3か月の出訴期間に注意が必要です。
Q8抹消されるまで、その登記は有効ですか?
登記は抹消されるまで公示され続けます。会社に不実の登記を招いた落ち度があれば、会社法908条2項により善意の第三者へ無効を対抗できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勝手に役員変更の登記をされました。裁判をしないと消せませんか?
株主総会が実際には開かれていない(決議不存在)なら、無効の原因があるとして134条1項2号で抹消を申請できます。訴えでのみ争えるのは決議取消し(会社法831条)など形成訴訟の類型だけだからです。ただし132条2項準用で無効原因を証する書面が要ります。実務のポイント:登記官は形式的審査しかできないため、実務では決議不存在確認の勝訴判決を添付するのが最短です。判決なしで通せるのは関係者全員の同意書が揃う場合くらいです
Q2取引先の登記が明らかにおかしいんですが、こっちから抹消させられますか?
できません。134条の申請権者は「当事者」であり、第三者は含まれません。打てる手は、登記官に事情を伝えて135条以下の職権抹消手続の端緒を作ること、または実体関係を訴訟で確定させることです。実務のポイント:職権抹消は登記官が「発見したとき」に動く仕組みで、第三者の申出に応答義務はありません。反応を待つより、相手の登記を前提にした決済条件や表明保証を組み替えるほうが速く身を守れます
間違えやすい点 AI による整理
- 「誰が抹消を請求できるか」という問いの立て方から見直したい。134条の申請権者は「当事者」であって、利害関係のある第三者ではない。取引先の登記がおかしいと気付いた債権者は、自分の名で抹消を申請することはできず、登記官に事情を伝えて職権抹消手続(135条以下)の端緒を作るか、実体関係を訴訟で確定させるしかない
- 無効の原因があれば抹消できる、そこまでは知られている。知られていないのはその重さで、134条2項が132条2項を準用する結果、無効原因を証する書面を申請人が用意しなければならない。登記官は形式的審査しかしない以上、実務では確定判決か、関係当事者の同意を示す書面のレベルが求められる。「無効なのは明らかだ」という主張だけでは窓口で止まる
- あなたから見れば「偽の登記など当然に無効」である。だが会社法908条の公示制度の側から見ると、抹消されるまでその登記は世間に対して効力を持ち続ける。会社側に不実の登記を招いた、あるいは放置した落ち度があれば、同条2項により善意の第三者に対して「あれは嘘でした」と言えなくなる。この落差の間に結ばれた契約は、抹消しても巻き戻らないことがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 商登法134条:誤った登記そのものを消す | 商登法132条:登記の錯誤・遺漏を正しい内容に更正する 商登法135条:登記官が職権で抹消手続を開始する |
| 誰が動くか | 当事者の申請(第三者は申請できない) | 当事者の申請 登記官が事由を発見したとき職権で予告通知 |
| 必要な証明 | 1号は不要、2号は132条2項準用で無効の原因を証する書面 | 錯誤・遺漏があることを証する書面 通知に対し一月をこえない期間内の異議申述で争う |
| 使えない場合 | 訴えをもってのみ無効を主張できる類型(会社法828・831条) | 登記の同一性を失わせる変更には使えない 実体の無効原因の実質判断には及ばない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は不実登記について主管機関(経済部)の撤銷・廢止処分という行政ルートが中心で、日本のような当事者申請+職権抹消の二本立てとは構成が異なる
韓国も日本法を継受した登記所主義・形式的審査主義を採り、登記の抹消と職権抹消の手続を置く。条番号は現行法で要確認
ドイツは不適法な登記の抹消を登記裁判所(Registergericht)が職権で行う構成で、日本の登記官職権抹消(135条以下)に近い
米国は州務長官への Articles of Correction 提出による是正が中心で、瑕疵ある会社行為は Delaware 一般会社法の追認手続など別系統で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先から「御社の代表者、変わってますよ」と登記事項証明書を送りつけられたら、あなたは何日で動けるか。偽の議事録で選任された新代表は、その肩書で口座を開き、融資を引き、在庫を売り払う。登記が生きている限り、外形上は正当な代表者として扱われる。134条1項2号の抹消申請と並行して、職務執行停止の仮処分(民事保全法23条2項)を打つかどうか、判断の猶予は数日しかない
- 申請した側に回ることもある。あなたが依頼して出した登記が、そもそも登記すべき事項でないものだったと後から判明した。24条2号に当たる登記だから、指摘される前に自分から抹消を申請して打ち直すほうが早い
- 友人から「元共同経営者が勝手に自分を取締役から外す登記をした、消してほしい」と相談された。確認すべきは一点、その瑕疵が決議不存在なのか、それとも決議取消事由なのかである。前者なら134条の抹消申請が視野に入り、後者は会社法831条1項の訴えを決議の日から3か月以内に起こすしかない。相談を受けた日に最初に聞くべきは、その3か月がいつ切れるかだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 履歴事項全部証明書を取り、当該登記の申請書類を法務局で閲覧請求する(利害関係の疎明が必要)。誰がどの書面で申請したかを特定する2. 瑕疵が24条の却下事由型(1号)か、実体の無効原因(2号)かを切り分ける3. 2号なら無効原因を証する書面を揃える。決議不存在なら確認の訴えの判決が最短4. 並行して職務執行停止の仮処分と主要取引先への通知で出血を止める5. 決議取消事由と判明したら134条は使えない、3か月の出訴期間を最優先する
訴えられた側:抹消申請の相手方に回ったら、入口要件から潰す。1. 申請人が本当に「当事者」か2. 主張されている瑕疵が無効原因か、それとも決議取消しのように訴えでのみ争える類型ではないか3. 添付された「無効の原因を証する書面」が実質を伴うか。登記官の職権抹消手続に入っている場合は、通知に定められた異議申述期間(135条、一月をこえない期間)を絶対に落とさない。黙って過ぎれば異議なしとして抹消される
時効(請求できる期限):134条の抹消申請自体に法定の申請期間はない。だが実質的な時計は二つ動いている。決議取消事由なら会社法831条1項の3か月(決議の日から起算)を過ぎた時点で争えなくなり、抹消の道も同時に閉じる。登記官の職権抹消手続に入った場合は、135条の通知に定める一月をこえない期間内に書面で異議を述べる必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・登記実務:134条1項2号の無効原因は、登記官が形式的審査により判断できる程度に証明書面上明白であることを要する。ゆえに決議不存在確認の確定判決を添付するのが実務上の標準経路であり、主張のみでは受理されない
但書の趣旨に関する通説:但書が形成訴訟類型を除外するのは、多数の株主・債権者・取引先の法律関係を対世効ある判決で画一的に確定する要請によるものであり、登記官の個別判断に委ねると効力範囲が不揃いになるためと説明される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定により、商法に置かれていた商業登記の手続規定が独立の法律へ分離され、抹消の申請と職権抹消の手続が体系化された
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