商業登記法 第135条(職権抹消)
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- 登記官は、登記が前条第一項各号のいずれかに該当することを発見したときは、登記をした者に、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨を通知しなければならない。
- 2.登記官は、登記をした者の住所又は居所が知れないときは、前項の通知に代え官報で公告しなければならない。
- 3.登記官は、官報のほか相当と認める新聞紙に同一の公告を掲載することができる。
この条文の基本情報
職権抹消とは何ですか?
定義職権抹消とは、商業登記法第135条に定められた規定で、「登記官は、登記が前条第一項各号のいずれかに該当することを発見したときは、登記をした者に、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第135条(職権抹消)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第135条の条文原文は「登記官は、登記が前条第一項各号のいずれかに該当することを発見したときは、登記をした者に、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨…」で始まります。
- 商業登記法第135条は第十節に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第135条の前の条は商業登記法第134条です。
- 商業登記法第135条の次の条は商業登記法第136条です。
- 商業登記法第135条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第135条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第135条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/135
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法135条は、登記官が職権で登記を抹消する前に、一月をこえない期間内に書面で異議を述べないときは抹消する旨を通知すべきことを定める。住所不明なら官報公告に代わる。
Q · 法務局から「登記を抹消すべき旨」の通知が来たら、もう登記は消えてしまうんですか?
通知の期間内に書面で異議を出せば止まります
商業登記法135条により、登記官は登記を職権で抹消する前に、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは抹消する旨を通知しなければなりません。期間内に異議を述べれば、登記官は異議について決定をする必要があります(136条)。沈黙すれば登記は抹消され(137条)、その後は登記官の処分に対する審査請求へ土俵が移ります。なお登記をした者の住所又は居所が知れないときは、通知は官報公告に代えられます(同条2項)。
解説
登記が一度通れば安泰、と思って登記事項証明書をファイルに綴じた人がまず知るべきことがある。登記官は、完了した登記でも職権で消せる。ただし、いきなり消えるわけではない。商業登記法135条は登記官に、「一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨」を先に通知する義務を課した。つまりこの通知書が、あなたに与えられた唯一の正面からの防御機会である。放置すれば、その沈黙が同意として計算される。さらに重いのは2項だ。登記官から見てあなたの住所または居所が知れないときは、通知は官報公告に置き換わる。官報を毎朝めくる経営者はいない。本店を移したのに登記を直さなかった会社は、誰も見ていない紙面の上で、防御の1か月を静かに失う。
法的な位置づけ
商業登記法135条は、職権抹消手続における事前通知を定める規定である。登記官は、登記が同法134条1項各号に該当することを発見したとき、登記をした者に対し、一月をこえない一定の期間内に書面で異議を述べないときは登記を抹消すべき旨を通知しなければならず、住所又は居所が知れないときは官報公告をもってこれに代える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書の期限と対象登記を最初に確認 封を切ったら本文より先に、異議申述の期間(一月をこえない範囲で登記所が定めた日)と、抹消の対象とされている登記事項を特定する。延長は期待できないため、残日数から逆算して作業を組む
- 2.134条1項のどの事由かを切り分ける 通知の根拠が24条の却下事由型か、訴えによらず主張できる無効原因型かを判別する。会社法828条の訴え専属類型に当たるなら、そもそも職権抹消の対象外である旨を異議で主張できる
- 3.裏づけ資料を集めて異議書面を作る 書式は法定されていない。対象登記の表示、抹消に同意しない理由、裏づけ資料(株主総会議事録、株主名簿、就任承諾書、契約書など)を添付し、代表者名義で作成する
- 4.期間内に管轄登記所へ提出する 内容が固まりきっていなくても、期間内に出すことを最優先する。期間内の異議は登記官の決定手続(136条)に乗るが、期間経過後は同じ主張を審査請求の土俵でやり直すことになる
- 5.決定が出た後の経路を準備する 異議が却下された場合に備え、監督法務局長への審査請求(商業登記法142条)、さらに行政訴訟までの想定線表を作る。並行して登記簿上の本店・住所を現況に合わせ、次回の通知が確実に届く状態にする
よくある質問 AI による整理
Q1登記の職権抹消とは?
登記官が申請によらず自ら登記を消す手続です。商業登記法134条の事由に該当する場合に限られ、135条の事前通知と異議期間を経て137条で抹消されます。
Q2登記の抹消通知が届いたらどうする?
まず記載された期限を確認し、期間内に書面で異議を述べます。対象登記の表示、抹消に同意しない理由、裏づけ資料を添えて管轄登記所へ提出するのが基本形です。
Q3登記の異議申出はいつまで?
通知書に記載された期間内です。一月をこえない範囲で登記官が定めます。期間を過ぎると登記は抹消され、争う経路は登記官の処分に対する審査請求へ移ります。
Q4官報公告で登記が抹消されることはある?
あります。登記をした者の住所又は居所が知れないときは、通知に代えて官報で公告されます(135条2項)。本店移転を登記しないと通知が手元に届きません。
Q5職権抹消できない登記はある?
あります。会社法828条のように訴えをもってのみ無効を主張できる類型は職権抹消の対象外です。その場合の争いの場は法務局ではなく裁判所になります。
Q6登記を勝手に消されたら違法?
134条の事由があり135条の通知手続を踏んでいれば適法です。手続に瑕疵があると考えるなら、監督法務局長への審査請求で処分の当否を争います。
Q7異議が却下されたらどうなる?
登記官は異議について決定をします(136条)。却下決定に不服なら監督法務局長への審査請求、さらに行政訴訟へと段階が上がっていきます。
Q8異議申出に決まった書式はある?
法定の書式はありません。対象登記の表示、抹消に同意しない理由、議事録や契約書などの裏づけ資料を添えて期間内に提出すれば足ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記が通ってから何年も経ってるのに、いきなり抹消されることってあるんですか?
あり得る。135条の通知は登記官が134条1項各号に当たると「発見したとき」に発するもので、登記完了からの経過年数で切れる仕組みにはなっていない。対象は形式的な却下事由(24条の一部)と、訴えによらず主張できる無効原因に限られる。実務のポイント:実務家が古い登記を見て真っ先に確認するのは、それが会社法828条の「訴えをもつてのみ」類型かどうか。そこに入る登記は、どれほど怪しくても登記官は職権で消せない。消せないと分かった時点で、戦場は法務局から裁判所へ移る
Q2異議って、弁護士か司法書士に頼まないと出せない書類ですか?
法定の書式はなく、本人(会社なら代表者)名義で出せる。対象の登記、抹消に同意しない理由、それを裏づける資料を添えて期間内に提出すれば、登記官は異議について決定をしなければならない(136条)。実務のポイント:内容が薄くても期間内に出した異議は、期間経過後に出した完璧な主張より強い。抹消されてしまえば同じ主張を審査請求(商業登記法142条)と行政訴訟の土俵でやり直すことになり、時間も費用も別次元になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記が通った=法務局のお墨付き」という前提そのものが誤っている。登記官の審査は原則として形式的審査で、提出された書面の整合性しか見ない。だから完了後に無効原因が発見される余地が構造的に残り、134条・135条はその後始末のために置かれている。問うべきは「通ったかどうか」ではなく「後から崩される原因を残していないか」である。
- 通知を無視すれば抹消される、ここまでは知っている人が多い。知られていないのは、その前後の落差の大きさだ。期間内の異議なら書面一枚で登記官の決定手続(136条)に乗るが、抹消された後は監督法務局長への審査請求、さらに行政訴訟へと段階が上がる。同じ主張でも、期限の前日に出すか翌日に出すかで、必要な時間と費用が一桁変わる。
- あなたから見れば「通知が届かなかった」だが、法律から見れば「住所又は居所が知れないときは官報公告で足りる」(2項)。届かなかったという事実は、原則としてあなたの不利益として処理される。登記簿上の住所を放置することは、この落差を自分の手で作り出す行為に等しい。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 135条:抹消前の事前通知と異議機会の保障 | 134条:職権抹消の実体的事由(何が対象か) 137条:異議なきとき等の抹消の実行 |
| 登記官の行為 | 書面通知、住所不明なら官報公告(2項) | 24条該当・無効原因の発見と判断 抹消の登記を実行する |
| 当事者の打ち手 | 期間内に書面で異議を述べる | そもそも訴え専属類型であると主張し対象外に持ち込む 抹消後は142条の審査請求へ移行 |
| 沈黙したときの効果 | 沈黙が同意として扱われ抹消に直結 | 事由該当の判断は登記官が単独で行う 抹消が確定し、争う土俵が重くなる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は偽造・変造文書による登記について裁判確定後に主管機関が撤銷・廃止する構造をとり、通知・異議は行政程序法の陳述意見手続が受け皿となる。登記官が自ら期間を定めて通知する日本型とは、開始の主導権の置き場所が異なる。
韓国も登記官による職権抹消と、その前提としての通知・異議の枠組みを持つ。日本法の影響が強い領域であり、抹消前に異議機会を保障する構造は共通する。
ドイツでは登記裁判所が不適法な登記を職権抹消できるが、関係人に抹消予定を通知し、異議申立てのための相当な期間を定めなければならない。通知+期間+異議という骨格は日本の135条と極めて近い。
米国は登記の個別抹消よりも、州務長官による会社の行政的解散という形をとる。ここでも事前通知と是正期間が置かれ、期間内に是正しなければ効力が発生する点は同型である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 他人が偽造議事録で入れた役員変更登記について、会社側のあなたが法務局に事実を申し出た。登記官が134条1項2号の無効原因に当たると判断すれば、抹消の前にまず相手方へこの通知が飛ぶ。相手が異議を出せば勝負は書面の中身へ移る。
- 法務局からの封書に「一月以内に書面で異議を述べないときは抹消する」とある。残り11日。異議に決まった書式はなく、対象登記の表示と、抹消に同意しない理由、その裏づけ資料を添えて出すだけだ。それでも出さなければ沈黙が同意として扱われ、抹消された後は審査請求という一段重い土俵に移る。期限の日付を見た今日が、最も安く争える最後の局面になる。
- もし、本店を移転したのに登記簿上の住所を直さないまま、その古い住所へ職権抹消の通知が送られたとしたら? 登記官が「住所又は居所が知れない」と判断すれば、通知は官報公告に置き換わる(2項)。あなたは何も受け取らないまま1か月が過ぎ、増資や役員変更の登記が消える。取引銀行が登記事項証明書を取った瞬間に、それが発覚する。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身に覚えのない役員変更や本店移転が入っていたら、登記事項証明書と閉鎖事項を取得し、いつ誰がどの書面で申請したかを押さえる2. その無効原因が「訴えをもつてのみ主張できる場合」(会社法828条の各訴え)に当たるか切り分ける。当たるなら職権抹消の対象外で、本筋は訴訟3. 当たらない類型(決議不存在、申請書類の偽造など)なら、管轄登記所に事実を疎明して職権発動を促す申出をする。登記官に応答義務はないが、134条1項2号の端緒にはなる4. 並行して保全・訴訟の準備を止めない
訴えられた側:1. 通知書の期限を最初に確認する。一月を超えない範囲で登記所が定めた日が上限で、延長は期待しない2. 期間内に書面で異議を出す。書式は法定されていないので、対象登記の表示、抹消に同意しない理由、裏づけ資料(議事録、株主名簿、契約書)を添えて提出3. 異議が出れば登記官は決定をしなければならない(136条)。却下されたら監督法務局長への審査請求へ4. 沈黙は抹消に直結する。主張が固まりきっていなくても、まず異議だけは期間内に出す
時効(請求できる期限):通知書に記載された期間内(一月を超えない範囲で登記官が定める)に書面で異議を述べること。起算点は通知の到達時、住所または居所が知れず官報公告に代えられた場合は公告を基準に進む(135条2項、具体的な期間の運用は管轄登記所に確認)。期間を過ぎると登記は抹消され、争う経路は登記官の処分に対する審査請求へ移る
学説
通説:登記官の審査権限は原則として形式的審査にとどまるため、無効原因を含む登記が完了する余地が残る。134条・135条はこれを行政手続の内部で是正する制度であり、告知と異議期間を必須とすることで、抹消の迅速性と名義人の防御機会の均衡を図ったものと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)の制定により、職権抹消の事由(134条)と、その前提となる事前通知・官報公告(135条)が体系的に整備された。
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