登記官は、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記を抹消しなければならない。
要点商業登記法137条は、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記官が登記を抹消しなければならないと定める。裁量はなく、一月の異議期間が過ぎれば抹消は実行される。
Q · 法務局から職権抹消の通知が来て何もしなかったら、登記はどうなりますか?
異議を出さず期間が過ぎれば、登記官は登記を抹消します
商業登記法137条により、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記官は登記を抹消しなければなりません。義務規定であるため、放置すれば抹消は確実に実行されます。争える土俵は134条の通知で定められた一月以内の異議期間に限られ、抹消後は142条の審査請求や行政訴訟で、すでに消えた登記を相手に争うことになります。なお職権抹消の対象は24条1号から3号及び5号の形式的な却下事由に限られます。
法務局から一通の通知が届く。「この登記は商業登記法24条の却下事由に当たるので抹消する。異議があれば一月以内に書面で述べよ」。その通知を放置したとき何が起きるかを定めるのが137条である。異議を述べた者がないとき、または登記官が異議を却下したとき、登記官は登記を抹消しなければならない。「できる」ではなく「しなければならない」、つまり裁量はゼロである。押さえるべき点は二つ。第一に、抹消の引き金を引くのは裁判所ではなく登記官であり、その異議を裁くのも同じ登記官(136条)である。自分の判断への不服を自分で審査する構造になっている。第二に、争う土俵は一月の異議期間にしか用意されていない。期間が過ぎれば抹消は実行され、その後はすでに消えた登記を相手に審査請求(142条)や行政訴訟で戦うことになる。かかる時間も費用も、まったく別物になる。
商業登記法137条は、登記官による職権抹消の実行を定める規定である。24条1号から3号及び5号の却下事由に該当する登記について、134条の異議申述通知を経たうえで、異議を述べた者がないとき、又は136条により異議が却下されたときは、登記官は当該登記を抹消しなければならない義務を負う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記所が本来却下すべきだった申請を通してしまった場合に、登記官が自ら登記を消す事後是正の制度です。134条の通知と異議手続を経たうえで、137条により抹消が実行されます。
134条の通知で定められた一月以内の期間内です。起算点は通知の到達日で、書面での申述が必要です。この期間を過ぎると137条により抹消が実行され、異議という手段は使えなくなります。
136条の却下決定という処分が生まれることで、142条の審査請求という次の階段が現れます。異議を出さなかった場合はこの階段自体が存在しないため、理由が弱くても異議を出す実益があります。
自動では戻りません。142条の審査請求や行政訴訟で処分を争うか、瑕疵を解消したうえで改めて正しい登記を申請することになります。時間も費用も、抹消前に異議を出す場合とは別物になります。
抹消されます。通知先の住所や居所が不明な場合は135条により公告で代替され、そこから期間が起算されます。会社の登記上の住所を放置していると、知らないうちに手続が進みます。
更正登記は当事者が申請して誤りを直す手続、職権抹消は登記官が形式的却下事由のある登記を消す手続です。自分で更正・抹消申請ができる類型なら、争うより先に瑕疵を解消したほうが速いことがあります。
会社法908条の対抗力が失われるほか、実務上は登記事項証明書を前提とする融資実行、入札参加資格、各種許認可の維持まで連鎖して足場が抜けます。資金繰りの期日を直撃する場面があります。
抹消された事項は現在事項には現れず、履歴や閉鎖事項を含む証明書で確認します。取引先の登記から支店や役員が消えている場合、通知を放置した可能性を読み取る手がかりになります。
一月の期間が過ぎれば、137条により登記官は登記を抹消しなければならない。義務規定なので、放置すれば登記は確実に消える。通知先が不明なら公告(135条)だけで手続は進む。業界裏話ヒント:異議は理由が弱くても出す価値がある。異議が出れば登記官は136条の決定を出す義務を負い、却下という処分が生まれてはじめて142条の審査請求で上級庁に持ち込める。無視は、争う権利ごと捨てる行為である。
原則としてできない。職権抹消の対象は24条1号から3号と5号に限られ、管轄違い、登記できない事項、二重登記、無権限者の申請という形式的な瑕疵だけが射程である(134条)。決議の不存在などは会社法830条の訴えで判決を取る必要がある。業界裏話ヒント:窓口で「おかしいので消してください」と言っても動かない理由がここにある。相談先を登記所ではなく訴訟を扱える弁護士に切り替えるだけで、解決が数か月早まる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続上の位置 | 137条:抹消の実行(登記官の義務) | — |
| 主体 | 登記官が職権で抹消する | — |
| 発動の条件 | 異議を述べた者がない、又は136条で異議を却下した | — |
| タイミングを逃した場合 | 抹消が実行され、登記は記録から消える | — |
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