受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 7 分7 分7 分

商業登記法 第137条

クイックジャンプ

登記官は、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記を抹消しなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 商業登記法第137条は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
  2. 商業登記法第137条の条文原文は「登記官は、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記を抹消しなければならない。」で始まります。
  3. 商業登記法第137条は第十節に置かれています。
  4. 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
  5. 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 商業登記法第137条の前の条は商業登記法第136条です。
  7. 商業登記法第137条の次の条は商業登記法第138条です。
  8. 商業登記法第137条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第137条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125
  • 本サイト収録商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第137条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/137

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点商業登記法137条は、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記官が登記を抹消しなければならないと定める。裁量はなく、一月の異議期間が過ぎれば抹消は実行される。

Q · 法務局から職権抹消の通知が来て何もしなかったら、登記はどうなりますか?

異議を出さず期間が過ぎれば、登記官は登記を抹消します

商業登記法137条により、異議を述べた者がないとき、又は異議を却下したときは、登記官は登記を抹消しなければなりません。義務規定であるため、放置すれば抹消は確実に実行されます。争える土俵は134条の通知で定められた一月以内の異議期間に限られ、抹消後は142条の審査請求や行政訴訟で、すでに消えた登記を相手に争うことになります。なお職権抹消の対象は24条1号から3号及び5号の形式的な却下事由に限られます。

解説

法務局から一通の通知が届く。「この登記は商業登記法24条の却下事由に当たるので抹消する。異議があれば一月以内に書面で述べよ」。その通知を放置したとき何が起きるかを定めるのが137条である。異議を述べた者がないとき、または登記官が異議を却下したとき、登記官は登記を抹消しなければならない。「できる」ではなく「しなければならない」、つまり裁量はゼロである。押さえるべき点は二つ。第一に、抹消の引き金を引くのは裁判所ではなく登記官であり、その異議を裁くのも同じ登記官(136条)である。自分の判断への不服を自分で審査する構造になっている。第二に、争う土俵は一月の異議期間にしか用意されていない。期間が過ぎれば抹消は実行され、その後はすでに消えた登記を相手に審査請求(142条)や行政訴訟で戦うことになる。かかる時間も費用も、まったく別物になる。

法的な位置づけ

商業登記法137条は、登記官による職権抹消の実行を定める規定である。24条1号から3号及び5号の却下事由に該当する登記について、134条の異議申述通知を経たうえで、異議を述べた者がないとき、又は136条により異議が却下されたときは、登記官は当該登記を抹消しなければならない義務を負う。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.通知の到達日と期間の末日を固定する 134条の通知が届いたら、封筒と通知書を保管し、到達日と定められた一月の末日をカレンダーに赤で記入する。137条は義務規定であり、期間経過後は抹消が実行されるため、日付の管理が最優先になる
  2. 2.指摘された却下事由が24条の何号かを特定する 通知に記載された理由を読み、管轄違い(1号)、登記できない事項(2号)、二重登記(3号)、無権限者の申請(5号)のどれに当たるかを特定する。あわせて登記事項証明書と申請書類の写しを取り寄せ、事実関係を突き合わせる
  3. 3.期間内に書面で異議を述べる 理由が完全に固まっていなくても、期間内に書面で異議を述べる。異議が出れば登記官は136条の決定を出す義務を負い、却下決定という処分が生まれてはじめて142条の審査請求が使える。通知直後、できれば一週間以内が望ましい
  4. 4.並行して自社側で瑕疵を解消できないか検討する 二重登記のように当事者側で一方を抹消申請できる類型なら、争うより先に瑕疵そのものを消したほうが速い。更正登記・抹消登記・正しい管轄への再申請の可否を司法書士に確認し、抹消の前提事実を消す方向も同時に走らせる
  5. 5.却下決定が出たら142条の審査請求を検討する 136条の却下決定を受けたら、決定書を保管し、142条の審査請求に進むかを判断する。取消訴訟を選ぶ場合は行政事件訴訟法14条の出訴期間の制約がかかるため、処分を知った日を起点に逆算して方針を決める

よくある質問 AI による整理

Q1商業登記法137条の職権抹消とは何ですか?

登記所が本来却下すべきだった申請を通してしまった場合に、登記官が自ら登記を消す事後是正の制度です。134条の通知と異議手続を経たうえで、137条により抹消が実行されます。

Q2職権抹消の異議はいつまでに出せますか?

134条の通知で定められた一月以内の期間内です。起算点は通知の到達日で、書面での申述が必要です。この期間を過ぎると137条により抹消が実行され、異議という手段は使えなくなります。

Q3異議を却下されたら次に何ができますか?

136条の却下決定という処分が生まれることで、142条の審査請求という次の階段が現れます。異議を出さなかった場合はこの階段自体が存在しないため、理由が弱くても異議を出す実益があります。

Q4職権抹消された登記は元に戻せますか?

自動では戻りません。142条の審査請求や行政訴訟で処分を争うか、瑕疵を解消したうえで改めて正しい登記を申請することになります。時間も費用も、抹消前に異議を出す場合とは別物になります。

Q5通知が届かなかった場合も抹消されますか?

抹消されます。通知先の住所や居所が不明な場合は135条により公告で代替され、そこから期間が起算されます。会社の登記上の住所を放置していると、知らないうちに手続が進みます。

Q6職権抹消と更正登記はどう違いますか?

更正登記は当事者が申請して誤りを直す手続、職権抹消は登記官が形式的却下事由のある登記を消す手続です。自分で更正・抹消申請ができる類型なら、争うより先に瑕疵を解消したほうが速いことがあります。

Q7職権抹消は融資や入札にどう響きますか?

会社法908条の対抗力が失われるほか、実務上は登記事項証明書を前提とする融資実行、入札参加資格、各種許認可の維持まで連鎖して足場が抜けます。資金繰りの期日を直撃する場面があります。

Q8職権抹消は登記事項証明書にどう記録されますか?

抹消された事項は現在事項には現れず、履歴や閉鎖事項を含む証明書で確認します。取引先の登記から支店や役員が消えている場合、通知を放置した可能性を読み取る手がかりになります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1法務局から異議を述べろって通知が来たんですが、無視したらどうなりますか?

一月の期間が過ぎれば、137条により登記官は登記を抹消しなければならない。義務規定なので、放置すれば登記は確実に消える。通知先が不明なら公告(135条)だけで手続は進む。実務のポイント:異議は理由が弱くても出す価値がある。異議が出れば登記官は136条の決定を出す義務を負い、却下という処分が生まれてはじめて142条の審査請求で上級庁に持ち込める。無視は、争う権利ごと捨てる行為である。

Q2登記の内容が事実と違うので、法務局に職権で消してもらえますか?

原則としてできない。職権抹消の対象は24条1号から3号と5号に限られ、管轄違い、登記できない事項、二重登記、無権限者の申請という形式的な瑕疵だけが射程である(134条)。決議の不存在などは会社法830条の訴えで判決を取る必要がある。実務のポイント:窓口で「おかしいので消してください」と言っても動かない理由がここにある。相談先を登記所ではなく訴訟を扱える弁護士に切り替えるだけで、解決が数か月早まる。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「登記が間違っているから登記所に直してもらう」という問いの立て方そのものが誤っている。職権抹消は間違い直しの窓口ではなく、登記所が本来却下すべきだった申請を通してしまった場合の事後是正制度である。だから対象は24条の形式的却下事由に限定され、実体の真偽は最初から射程外にある。
  • 異議期間が一月であることは知られていても、期間経過後に何が消えるかまでは意識されていない。消えるのは登記の記録だけではない。会社法908条が与えていた第三者への対抗力、登記事項証明書を前提とする融資実行、入札参加資格、各種許認可の維持まで連鎖して足場が抜ける。
  • 異議を却下されたら終わりだと見える。だが法律の側から見れば、却下決定こそが出発点である。決定という処分が生まれてはじめて142条の審査請求という次の階段が現れる。異議を出さなかった者には、その階段自体が存在しない。
比較の観点この条文ほかの条文
手続上の位置137条:抹消の実行(登記官の義務)134条:抹消前の通知と一月の異議期間
142条:抹消処分後の審査請求
主体登記官が職権で抹消する登記官が通知し、名義人が異議を述べる
処分に不服のある者が上級庁に申し立てる
発動の条件異議を述べた者がない、又は136条で異議を却下した24条1号から3号及び5号の却下事由に該当する登記
登記官の処分(却下決定・抹消)が存在すること
タイミングを逃した場合抹消が実行され、登記は記録から消える期間経過で異議という手段自体が消滅
取消訴訟を選ぶ場合は行政事件訴訟法14条の期間制約

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第9条第4項・商業登記法(台湾)

台湾では登記官ではなく中央主管機関(経済部)が撤銷・廃止の主体となり、行政処分として行政救済法の枠組みで争う点が日本と異なる

韓国
상업등기법(商業登記法)

韓国も登記官による職権抹消と異議申述の構造を持ち、日本法の継受色が強い。具体的な条番号と期間は現行法の確認を要する

ドイツ
§ 395 FamFG(Löschung unzulässiger Eintragungen)

ドイツでは登記裁判所(Registergericht)が主体となり、抹消前に関係人へ通知して Widerspruch の機会を与える。判断主体が裁判所である点が日本との最大の相違

アメリカ
Model Business Corporation Act § 14.20以下

米国は登記事項の個別抹消ではなく、州務長官による会社そのものの行政的解散という形をとる。回復手続(reinstatement)が明文化されている点が特徴

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 本店移転の登記を、移転先を管轄しない法務局に申請してしまった。二週間後、法務局から異議申述の通知が届く。残り一月、動かなければ登記は消える。
  • 取締役就任の登記が、実は選任決議のない架空のものだったとしたら、法務局は職権で消してくれるのか? 答えは原則ノーである。職権抹消の対象は24条1号から3号と5号、すなわち管轄違い、登記できない事項、二重登記、無権限者の申請という形式的な瑕疵に限られる。決議の不存在という実体の争いは、会社法830条の訴えで判決を取り、その嘱託によって登記を動かすのが正規ルートになる。窓口で何時間粘っても、この壁は動かない。
  • あなたが取引先の登記事項証明書を取ったら、半年前まであった支店の登記が消えていた。職権抹消であれば、その会社は法務局から通知を受けながら異議も出さず放置した可能性が高い。登記の履歴は、相手企業の管理体制を測る無料の診断書になる。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 通知の到達日と定められた期間の末日をカレンダーに固定する2. 指摘された却下事由が24条の何号かを特定し、登記事項証明書と申請書類の写しを取り寄せる3. 理由が固まっていなくても期間内に書面で異議を述べる。異議が出れば登記官は136条の決定を出す義務を負い、却下決定が出てはじめて142条の審査請求という次の手が使える4. 並行して、自社側の更正登記や抹消登記で瑕疵を解消できないか司法書士に確認する

訴えられた側:1. 取引先の登記が抹消された、または自社の登記が抹消対象だと分かったら、直ちに登記事項証明書の閉鎖事項を含む履歴を取得し、いつ何が消えたかを記録する2. 会社法908条により消えた登記事項は第三者への対抗力を失うため、契約の当事者が誰で代表権が誰にあったかを契約書と議事録で再確認する3. 自社の申請の瑕疵が原因なら、責任を追及される前に正しい登記を回復する手順を司法書士と組み、取引先へ経緯を書面で説明する

時効(請求できる期限):異議は134条の通知で定められた一月以内の期間内に書面で述べる必要がある。起算点は通知の到達日であり、通知先の住所や居所が不明な場合は135条の公告から起算される。抹消処分後の142条の審査請求には法定の出訴期間の定めがないと解されているが、取消訴訟を選ぶ場合は行政事件訴訟法14条により処分を知った日から6か月、処分の日から1年(最新の運用と改正状況をご確認ください)

学説

通説:職権抹消は登記所が本来却下すべきであった申請を看過した場合の事後是正制度であり、その対象は24条の形式的却下事由に限定される。実体関係の真偽の判断は登記官の審査権限の外にあり、訴訟によるべきものと解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記に関する手続規定を商業登記法として独立させ、職権抹消の通知・異議・決定・抹消という一連の手続を条文化した

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

商業登記法の全文を見る所属する編章節を開く:第十節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›