商業登記法 第142条(審査請求)
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登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。
この条文の基本情報
審査請求とは何ですか?
定義審査請求とは、商業登記法第142条に定められた規定で、「登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第142条(審査請求)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第142条の条文原文は「登記官の処分に不服がある者又は登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局又は地方法務局の長に審査請求をすることができる。」で始まります。
- 商業登記法第142条は第四章に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第142条の前の条は商業登記法第141条です。
- 商業登記法第142条の次の条は商業登記法第143条です。
- 商業登記法第142条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第142条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第142条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/142
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法142条は、登記官の処分に不服がある者と、不作為に係る処分を申請した者が、監督する法務局または地方法務局の長へ審査請求できると定める。訴訟前に使える救済手段である。
Q · 会社の登記が却下されたり、いつまでも動かないとき、文句を言える窓口はありますか?
監督する法務局または地方法務局の長へ、費用ゼロで審査請求できます
商業登記法142条により、登記官の処分に不服がある者と、登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局または地方法務局の長に審査請求をすることができます。審査請求書は当該登記官を経由して提出し(同法143条)、登記官が請求に理由があると認めれば自ら相当の処分をするため、上級庁の判断を待たずに結論が覆ることもあります。手数料や印紙は不要で、代理人も必須ではありません。ただし却下理由が単なる書面不備であれば、補正・再申請の方が結果的に早い場合があります。
解説
会社の登記を申請したら、法務局の窓口で「この申請は却下します」と言われた。あるいは、申請してから何週間経っても何の音沙汰もない。ここで多くの経営者は「登記官が決めたことなら仕方がない」と諦め、司法書士に頼み直して一からやり直す。だが商業登記法142条は、その諦めを不要にしている。あなたには、その登記官を監督する法務局または地方法務局の長に対し、審査請求(役所の上級機関に「その判断はおかしい」と正式に申し立てる手続)をする権利がある。しかもこの条文が守備範囲に入れているのは処分だけではない。「不作為」、つまり登記官が何もしないことそのものも対象だ。申請が宙に浮いたまま放置されている状態は、法的には争える状態である。そして商業登記の審査請求には、行政不服審査法の一般的な期間制限が及ばないという、他の行政分野にはない特徴がある。
法的な位置づけ
商業登記法142条は、登記官の処分に対する不服申立て(審査請求)の根拠規定である。登記官の処分に不服がある者、および登記官の不作為に係る処分を申請した者は、当該登記官を監督する法務局または地方法務局の長に審査請求をすることができる。行政不服審査法の一般手続に対する特則として、商業登記固有の簡易な救済経路を構成する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.却下決定書・通知書から理由と根拠条文を特定する 受け取った書面の理由欄を読み、どの条文(多くは商業登記法24条の却下事由)に当てはめられたかを特定する。理由が「書面不備」なのか「法令解釈」なのかを切り分けることが、この後の全ルートを決める
- 2.再申請と審査請求のコストを比較する 再申請には登録免許税が改めて発生する場合がある。審査請求は手数料・印紙とも不要。書面不備なら補正・再申請、解釈の争いなら審査請求という基準で、司法書士に依頼する前に自分で方針を決める
- 3.不作為の場合は時系列を証拠化する 受理も却下もされない状態が続いているときは、申請日・受付番号・照会日・担当者の回答を時系列表にまとめ、相当期間を超えていることを示せる形にする。この表がそのまま審査請求書の中核になる
- 4.審査請求書を作成し、当該登記官を経由して提出する 宛先は監督する法務局または地方法務局の長。提出は当該登記官を経由する(商業登記法143条)。書面には「どの法令解釈が誤りか」を条文単位で具体的に書き、登記官が自ら引き取って是正できる形に整える
- 5.期限のある取引は並行して手当てする 契約締結や資金調達のクロージングが迫る場合、審査請求の結論を待つだけでは間に合わないことがある。登記完了の見込み時期を書面で照会し、相手方には登記遅延の事情を説明して期日調整を交渉しておく
よくある質問 AI による整理
Q1登記の審査請求とは何ですか?
登記官の処分や不作為に納得できないとき、その登記官を監督する法務局または地方法務局の長に是正を求める不服申立ての手続です。商業登記法142条が根拠で、訴訟より軽量な救済窓口として位置づけられます。
Q2登記が却下されたら再申請と審査請求のどちらが早いですか?
却下理由が押印漏れなど単純な書面不備なら補正・再申請が早いです。法令解釈の食い違いが理由なら審査請求を先に検討します。再申請すると登録免許税が改めてかかる点も判断材料になります。
Q3登記の審査請求に期限はありますか?
商業登記法145条が行政不服審査法の適用関係を調整しており、登記官の処分に対する審査請求は一般の3か月ルールとは扱いが異なるとされます。ただし実務上は速やかに動く方が救済の実益が大きいです。
Q4審査請求書はどこに提出しますか?
宛先は監督する法務局または地方法務局の長ですが、提出先は当該登記官を経由します(商業登記法143条)。この経由段階で登記官自身が是正することがあり、結論が早く出る場合があります。
Q5審査請求が認められたら登記はいつの日付になりますか?
却下処分が是正されれば、元の申請の受付を前提に処理されるのが実務の考え方です。だからこそ再申請より先に審査請求の可否を検討する順序が、登記の効力発生時期に影響します。
Q6登記官の処分は裁判でも争えますか?
争えます。行政事件訴訟法3条の取消訴訟や不作為の違法確認訴訟という別ルートがあります。ただし費用と時間がかかるため、まず無料の審査請求を通すのが順序として合理的です。
Q7不動産登記の審査請求と商業登記の審査請求は同じですか?
枠組みはよく似ています。不動産登記法にも同趣旨の審査請求制度があり、いずれも登記官を経由して監督法務局長へ申し立てます。対象が会社等の登記か不動産の登記かで根拠条文が分かれます。
Q8審査請求をすると他の登記手続は止まりますか?
審査請求そのものが会社の他の手続を自動的に停止させるわけではありません。取引の期限が迫る場合は、審査請求と並行して登記完了見込みの照会や別の登記申請の段取りを進める判断が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審査請求って、お金と弁護士は必要ですか?
手数料も印紙も不要で、代理人も必須ではありません。本人または会社の代表者名で書面を出せます(商業登記法142条、143条)。実務のポイント:司法書士は再申請の方が確実で早いと勧めることが多い。それは事務としては正しいが、登録免許税が再度かかる点は説明されないことがある。却下理由が解釈の争いなら、費用ゼロの審査請求を先に検討する価値がある。
Q2登記官が何もしてくれないんですが、これも文句を言えるんですか?
言えます。142条は「登記官の不作為に係る処分を申請した者」を明示的に対象にしています。申請が受理も却下もされず放置されている状態そのものが、審査請求の対象です。実務のポイント:不作為の背景には、第三者からの上申書や登記官の照会待ちがあることが多い。審査請求の前に、受付番号を伝えて審査状況を照会すると、停滞の理由が判明して自力で解消できるケースがある。
間違えやすい点 AI による整理
- 「審査請求は形式的な手続で、どうせ却下されるだけ」と思われている。だが商業登記の審査請求には他の行政分野にない仕組みがある。審査請求を受けた登記官は、請求に理由があると認めれば自ら相当の処分をする(商業登記法143条以下)。つまり監督法務局長の判断を待たずに、登記官段階で結論がひっくり返ることがある。
- 審査請求といえば「不服申立ての期間は3か月」という一般ルールを思い浮かべる人が多い。しかし商業登記法145条は行政不服審査法の適用関係を調整しており、登記官の処分に対する審査請求については、その状態が続く限り請求できるという扱いになっている。期間の考え方が一般の行政処分と同じだという前提そのものが、ここでは成り立たない(最新の改正状況をご確認ください)。
- 「却下されたら裁判しかない」と考えるのは、選択肢の順序を誤っている。審査請求は無料で、印紙も不要、代理人も必須ではない。訴訟に踏み込む前の段階で、費用ゼロで判断を争える窓口が制度として開いている。この段階を飛ばして訴訟に行くのは、コストの面で不合理なことが多い。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争う対象 | 商業登記法142条:登記官の処分そのもの、および不作為 | 商業登記法132条:既に入っている登記の錯誤・遺漏(更正) 行政事件訴訟法3条:処分の違法性、不作為の違法性 |
| 申立先 | 監督する法務局または地方法務局の長(提出は登記官経由・同法143条) | 登記官(更正の申請または職権更正の促し) 裁判所 |
| 費用 | 手数料・印紙とも不要、代理人も必須ではない | 更正の内容により登録免許税が生じる場合がある 訴訟費用および弁護士費用が発生 |
| 使いどころ | 却下理由が法令解釈の誤りのとき、申請が宙吊りのとき | 登記は入ったが記載内容が間違っているとき 審査請求で救済されなかったとき、実体判断まで必要なとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には登記官の処分に特化した審査請求制度がなく、登記の却下等は一般の訴願を経て行政訴訟へ進む。日本のように登記官経由の自庁是正を組み込んだ構造は持たない
韓国も登記官の決定・処分に対する不服申立て制度を置くが、申立先が管轄地方法院とされる点で、行政組織内部で完結する日本の審査請求と分岐する
ドイツの商業登記簿(Handelsregister)は区裁判所の登記部門が管掌するため、不服申立ても当初から裁判所ルートとなる。行政庁内部の審査層という発想自体が存在しない
米国では州務長官(Secretary of State)が書類の受理を拒否した場合、裁判所への appeal が用意される。行政内部の二段階審査ではなく司法審査へ直行する設計
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本店移転の登記を申請したら、添付書面の議事録の押印が不十分だとして却下された。司法書士は「取り直して再申請しましょう」と言う。だが再申請には再度の登録免許税がかかる。却下処分が法的に誤りなら、審査請求で却下を取り消させ、元の申請日に遡って登記される道がある。この差は数万円と数週間になる。
- 取締役の就任登記が、他の株主から「その株主総会は無効だ」という上申書が出されたことで止まっている。登記官は受理も却下もせず、ただ動かない。この宙吊り状態こそが142条の言う「不作為」であり、監督法務局長に審査請求で動かせる。
- もし、あなたの会社の代表取締役が勝手に辞任登記をされ、しかもその登記が受理されてしまっていたら? 既に完了した登記に対しても、登記官の処分として審査請求の対象になる。ただし登記が実体と合致してしまっている場合の救済ルートは、更正・抹消の申請や訴訟と絡み合う。
- 商号変更の登記を急いでいる。取引先との契約締結が来月頭、それまでに登記事項証明書が要る。あと10日。却下されてから再申請では間に合わない。審査請求と同時に、登記官への職権是正を促す動きを並行させるかどうか、この判断が期限を左右する。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 却下決定書または通知書を保管し、却下理由と根拠条文を特定する2. 理由が法令解釈の誤りか、単なる書面不備かを切り分ける。書面不備なら補正・再申請の方が早い3. 解釈の争いなら、当該登記官を経由して監督法務局長宛の審査請求書を提出(商業登記法143条)。費用は不要4. 不作為の場合は、申請日・受付番号・経過期間を時系列で整理し、相当期間を超えていることを示す5. 並行して、期限が迫る取引がある場合は登記完了の見込み時期を書面で照会しておく
訴えられた側:登記の相手方(例:自分に不利な登記を申請された会社側)としては、1. まず登記事項証明書を取得し、どの登記が入ったかを事実として確定する2. 登記官の処分そのものを争うのが142条だが、実体上の権利関係を争うなら株主総会決議不存在確認の訴え等(会社法830条)という別ルートが本筋になる3. 手続を争うか実体を争うかで、行き先が法務局か裁判所かに分かれる。この選択を誤ると時間を丸ごと失う
時効(請求できる期限):商業登記法145条により行政不服審査法の一部規定の適用が調整されており、登記官の処分に対する審査請求は、その処分の状態が継続する限り申立てが可能とされる(最新の改正状況をご確認ください)。ただし実務上は、却下決定を受けてから速やかに動く方が、登記の遡及効を含めた救済の実益が大きい。不作為については、申請から相当期間が経過した時点が事実上の起算点になる
学説
通説:商業登記は形式的審査主義を前提とするため、登記官の審査権は申請書および添付書面の形式的適合性に限られる。本条の審査請求は、この限定された審査権の行使が適法であったかを問う制度であり、実体的な権利関係の確定機能は持たない
実務上の理解:商業登記法143条の登記官経由という構造は、単なる手続ではなく自庁是正の機会を制度に組み込んだものと理解される。審査請求書に法令解釈上の誤りを具体的に特定して記載することが、登記官段階での早期解決の実務的な鍵とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定により、それまで商法および非訟事件手続法に分散していた商業登記の手続規定が独立した法律として整理された。登記官の処分および不作為に対する審査請求の枠組みもこの時に体系化された
- 2.平成26年(2014年) 改正:行政不服審査法の全部改正(施行は平成28年)に伴う整備により、商業登記法における行政不服審査法の適用関係の調整が見直されたとされる。詳細な現行の適用範囲は e-Gov の最新版でご確認ください
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