商業登記法 第144条(審査請求事件の処理)
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登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。
この条文の基本情報
審査請求事件の処理とは何ですか?
定義審査請求事件の処理とは、商業登記法第144条に定められた規定で、「登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第144条(審査請求事件の処理)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第144条の条文原文は「登記官は、処分についての審査請求を理由があると認め、又は審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるときは、相当の処分をしなければならない。」で始まります。
- 商業登記法第144条は第四章に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第144条の前の条は商業登記法第143条です。
- 商業登記法第144条の次の条は商業登記法第145条です。
- 商業登記法第144条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第144条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第144条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/144
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法144条は、登記官が審査請求を理由があると認めたときは、自ら相当の処分をしなければならないと定める。理由がないと認めた場合は3日以内に法務局長へ送付される。
Q · 登記を却下されたとき、審査請求を出すと誰が最初に判断するの?
却下したその登記官本人が、自分で処分を直す義務を負う
商業登記法144条により、審査請求を受けた登記官は、その請求を理由があると認めたとき、又は審査請求に係る不作為について処分をすべきものと認めたときは、上級庁の判断を待たず、自ら相当の処分をしなければなりません。審査請求書はまず登記官を経由して提出されるため(143条)、最初の読者は却下をした当の登記官です。理由がないと認めた場合に限り、3日以内に意見を付して監督法務局又は地方法務局の長へ送付されます(145条)。誤りが明白な事案は、この自庁処理により数日で決着することがあります。
解説
登記が却下された、あるいは申請してから何週間経っても処分がない。そこで審査請求を出すと、その書面はまず監督法務局の長ではなく、あなたを却下したその登記官の手元に届く(商業登記法143条)。奇妙に見えるが、ここに144条の急所がある。登記官は、自分の処分が誤りだったと認めたときは、上司の判断を待たずに自分で相当の処分をしなければならない。役所の決定を覆すには裁判が必要だと思われがちだが、商業登記の世界では書面一通で数日以内に決着することがある。理由がないと判断されて初めて、3日以内に意見を付して法務局長へ送られる(145条)。あなたの審査請求は、二段構えの回路に乗っている。
法的な位置づけ
商業登記法144条は、登記官の自庁処理義務を定める規定である。登記官は、自らがした処分についての審査請求を理由があると認めるとき、又は審査請求に係る不作為について処分をすべきものと認めるときは、監督法務局又は地方法務局の長の判断を待たず、自ら相当の処分をしなければならない。審査請求の経由規定(143条)および理由なしと認めた場合の送付義務(145条)と一体で機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.却下理由通知書の文言と根拠条文を特定する 却下理由通知書に記載された文言を一字残らず記録し、根拠とされた商業登記法24条のどの号かを特定する。号が特定できないと、審査請求で何を争うのかが定まらない
- 2.補正で足りるか法解釈の対立かを切り分ける 書面の不備なら取下げと再申請、または登録免許税の再使用証明の可否を法務局に確認する。登記官の法解釈そのものを覆したい場合にのみ審査請求へ進む
- 3.登記官が自ら引き返せる審査請求書を作る 審査請求書は登記官を経由して提出するため(143条)、最初の読者は処分をした本人である。担当者への非難ではなく、事実関係と条文適用の誤りを淡々と並べ、144条による相当の処分を求める形にする
- 4.3日を目安に自庁処理の有無を確認する 登記官が理由ありと認めれば144条により自ら相当の処分をする。3日を過ぎても連絡がなければ、145条により事件が法務局長へ送付された可能性が高く、以後の窓口は法務局長側に移る
よくある質問 AI による整理
Q1登記の自庁処理とは何ですか?
審査請求を受けた登記官が、上級庁の判断を待たず自分の処分を是正することです。商業登記法144条が根拠で、理由があると認めたときは義務として相当の処分をしなければなりません。
Q2商業登記の審査請求はどこに出しますか?
監督法務局又は地方法務局の長宛てですが、書面は登記官を経由して提出します(商業登記法143条)。そのため最初に内容を読むのは処分をした登記官本人です。
Q3登記の審査請求に期限はありますか?
商業登記法上の審査請求は、是正を求める利益が存続する限り期間制限がないとされます。ただし却下処分の取消訴訟は処分を知った日から6か月が原則で、実務上はこれが壁になります。
Q4登記官が何もしてくれない不作為も争えますか?
争えます。商業登記法142条により不作為も審査請求の対象で、144条は「審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるとき」も自庁処理の義務を課しています。
Q5審査請求が認められたら申請日はどうなりますか?
144条により当初の申請について相当の処分がされれば、当初の申請が生きます。再申請の場合は申請日が後日になるため、登記懈怠の評価や証明書提出期限で差が出ます。
Q6登記官が理由なしと判断したらどうなりますか?
商業登記法145条により、請求の日から3日以内に意見を付して監督法務局又は地方法務局の長へ送付されます。以後の判断主体は法務局長側に移ります。
Q7審査請求と取消訴訟はどちらを先にすべきですか?
審査請求前置ではなく自由選択です。行政事件訴訟法3条以下の取消訴訟を直ちに提起できますが、費用と速度の点で144条ルートを先に試す実務が一般的です。
Q8不動産登記でも同じ手続ですか?
同じ構造です。不動産登記も審査請求は登記官を経由し、登記官の自庁処理が先に働きます。相続登記の却下でも同一の回路が動きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1却下されたんですけど、審査請求と再申請、どっちが早いですか?
書面の不備なら再申請が圧倒的に早い。144条ルートは登記官が理由ありと認めれば数日で終わるが、認めなければ3日以内に法務局長へ送付され(145条)、そこから数週間以上かかる。実務のポイント:却下されると登録免許税は還付請求になり、現金が戻るまで時間がかかる。取下げなら再使用証明を受けて次の申請にそのまま充てられる場合があるため、実務家は却下決定が出る前に取り下げる。決定を待つか先に引くかで、資金と日数の両方が変わる
Q2うちの会社に勝手に入れられた役員登記、審査請求で消せますか?
原則として難しい。登記官の審査権は形式的で、完了した登記を職権で抹消できるのは商業登記法24条の一定の号に該当する場合に限られる(同法25条の職権抹消手続)。議事録が偽造かどうかは登記官の判断領域外であり、会社法830条や831条の訴えで争うことになる。実務のポイント:訴訟は時間がかかるが、その間も第三者との取引は積み上がる。役員の職務執行停止と職務代行者選任の仮処分は登記される(会社法917条)ため、外部への牽制としては本案判決を待つより遥かに速い
間違えやすい点 AI による整理
- 「審査請求は上級庁に出すものだから、登記官の目には触れない」という前提そのものが誤っている。審査請求は登記官を経由しなければならず(商業登記法143条)、最初の読者は処分をした登記官本人である。担当者を非難する感情的な文面を書けば、その相手が最初にそれを読む
- 登記官の審査権が形式的なものにとどまることは、知っている人が多い。だがその深刻度は正しく理解されていない。書面が整っていれば実体が虚偽でも登記は通り、逆に実体が正しくても書面が一枚欠ければ却下される。144条で是正できるのは書面審査の誤りであって、実体の真偽ではない
- あなたから見れば「不当な却下との長い戦い」だが、登記官の側から見れば「理由ありと認めて自分で処理するか、3日以内に意見を付して送るか」という短期の判断である(商業登記法145条)。この時間感覚の落差を知らないと、電話一本と補正で終わったはずの案件を、数か月の不服申立てに変えてしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が判断するか | 144条:処分をした登記官自身が判断し是正する | 143条:登記官は経由機関にすぎず、審査庁は法務局長 145条:登記官が理由なしと認めた後は法務局長が判断 |
| 発動要件 | 審査請求を理由があると認めたとき、又は不作為につき処分をすべきものと認めるとき | 審査請求をするときは必ず登記官を経由すること 審査請求を理由がないと認めたとき |
| 時間軸 | 法定期限なし。実務上は数日で決着しうる | 経由時点、審査請求書の提出時 請求の日から3日以内に意見を付して送付 |
| 争える範囲 | 形式的審査の誤り。実体の真偽は対象外(24条各号の判断) | 手続の入口であり内容判断はしない 法務局長は146条により相当の処分を命ずることができる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も訴願書を原処分機関経由で提出させ、原処分機関に先行的な自己審査を義務づける。理由ありと認めれば自ら処分を撤銷・変更できる点で日本の144条と構造が酷似する
韓国も審判請求後に被請求人が自ら処分を取り消し・変更できる制度を置く。登記官の処分については상업등기법上の異議手続が併存する
ドイツは商業登記を裁判所(Registergericht)が担当し、Beschwerde を受けた原審裁判所が理由ありと認めれば自ら是正する。判断主体が行政官でなく裁判官である点が日本との最大の差
米国では州務長官(Secretary of State)が書類受理を拒否した場合、裁判所への不服申立てが用意される。行政庁内部の自己是正義務を明文化する条文構造は一般的でない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 役員変更の登記が、添付書面の不備を理由に却下されたとしたら? 却下を受け入れて再申請すれば、申請の日は再申請の日になる。審査請求が理由ありと認められて当初の申請について相当の処分がされれば、当初の申請が生きる。この差は登記懈怠の評価や取引先への説明期日に直結する。金融機関に登記事項証明書を提出する期限まであと10日、という状況では、どちらのルートを選ぶかを当日中に決める必要がある
- 本店移転の登記を申請して1か月、補正の連絡も処分もない。不作為も審査請求の対象になる(商業登記法142条)。144条は、その不作為の是正すら、動かなかった登記官自身の手にまず委ねている
- あなたの会社に、身に覚えのない役員就任登記が入っている側だとしたらどうか。登記を消せと審査請求を出しても、登記官が職権で抹消できる範囲は限られており(商業登記法24条各号、25条)、実体の真偽は登記官の審査権の外にある。ここで審査請求に固執すると、会社法831条の決議取消しの訴えや職務執行停止の仮処分という本来の戦場に立つのが数か月遅れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 却下理由通知の文言を一字残らず記録し、根拠とされた商業登記法24条の号を特定する2. 補正で足りるのか法解釈の対立なのかを切り分ける。前者なら取下げと再申請、または再使用証明の可否を法務局に確認3. 後者なら審査請求。最初の読者は登記官本人(143条)なので、事実関係と条文適用の誤りを淡々と並べ、144条による相当の処分を求める4. 3日を過ぎても連絡がなければ、事件が法務局長へ送付された可能性が高い(145条)。以後の窓口は法務局長側に移る
訴えられた側:登記を維持したい側、または審査請求の相手方となった側の手順。1. 争われている登記が形式的審査で通ったものか、職権抹消事由(商業登記法24条各号、25条)に触れるかを最初に判別する2. 職権抹消事由に当たらないなら、審査請求で覆される可能性は低い。その旨を書面で示し、実体の争いは訴訟の場であると位置づける3. 実体そのものを争われているなら、会社法831条や830条の訴え、職務執行停止の仮処分に備え、議事録と招集手続の原本を保全する
時効(請求できる期限):商業登記法上の審査請求には、行政不服審査法の審査請求期間の規定が適用除外とされており、是正を求める利益が存続する限り期間制限はないとされる(適用除外条文の現行内容はご確認ください)。ただし却下処分そのものについては取消訴訟の出訴期間(行政事件訴訟法14条、処分を知った日から6か月、処分の日から1年)が並行して進むため、実務上は6か月が事実上の壁になる。登記官が144条で自庁処理をするかどうかの判断自体に法定期限はないが、理由がないと認めたときは請求の日から3日以内に法務局長へ送付される(商業登記法145条)
学説
通説:登記官の審査権は形式的審査にとどまるため、144条の自庁処理は書面審査の誤りの是正に限られる。実体関係の真偽を争う場面では、会社法上の訴えや仮処分によるべきであり、審査請求は機能しないと解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)公布、平成28年(2016年)4月1日施行 行政不服審査法の全部改正に伴う整備で改正。異議申立てが廃止され審査請求に一元化されるとともに、不作為についての審査請求が制度化されたことを受け、登記官が自ら是正すべき対象に「審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるとき」が加えられた
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法の制定に伴い、登記官の処分に対する審査請求と、登記官自身による是正の枠組みが整備された
- 2.平成26年(2014年)公布・平成28年(2016年)4月1日施行 改正:行政不服審査法の全部改正に伴う整備。異議申立てが廃止され審査請求に一元化されるとともに、不作為についての審査請求が制度化されたことを受け、自ら是正すべき対象に「審査請求に係る不作為に係る処分をすべきものと認めるとき」が加えられた
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