登記簿及びその附属書類に記録されている保有個人情報(個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第六十条第一項に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第五章第四節の規定は、適用しない。
要点商業登記法141条は、登記簿と附属書類に記録された保有個人情報について、個人情報保護法第五章第四節の開示・訂正・利用停止の規定を適用しないと定める規定である。
Q · 会社の登記簿に載った代表者の自宅住所、個人情報保護法で消してもらえるんですか?
消せません。商業登記法141条で個人情報保護法の請求が外れています
商業登記法141条により、登記簿およびその附属書類に記録された保有個人情報には、個人情報保護法第五章第四節(開示・訂正・利用停止および審査請求)の規定が適用されません。したがって、行政機関等への利用停止請求で登記上の住所を消すことはできません。代替ルートは商業登記法側にあり、記載の誤りは更正の登記(同法132条)、住所の秘匿は商業登記規則31条の3の住所非表示措置(2024年10月1日運用開始)で対応します。
個人情報保護法には、行政機関が握るあなたの情報を開示させ、訂正させ、利用をやめさせるという三点セットの請求権がある(同法第五章第四節)。だが登記簿の前では、その三つがまとめて外れる。それを一行で宣言しているのが本条である。株式会社の代表取締役なら、自宅住所は登記事項(会社法911条3項14号)として法務局に記録され、手数料さえ払えば誰でも登記事項証明書を取れる(商業登記法10条)。ストーカー被害から逃げて「この住所を消してほしい」と利用停止請求を出しても、入口で止まる。理由は窓口担当者の裁量ではなく、この条文がそう決めているからだ。ただし個人情報保護法の他の部分まで死ぬわけではない。代わりの是正ルートは商業登記法の側に置かれている。更正の登記、抹消の登記、そして2024年10月1日から使えるようになった商業登記規則31条の3の住所非表示措置。武器がないのではなく、武器箱が別の建物にあるだけだ。
商業登記法141条は、登記簿およびその附属書類に記録されている保有個人情報について、個人情報の保護に関する法律第五章第四節の規定を適用しないと定める適用除外規定である。ここでいう保有個人情報は同法60条1項の定義によるものであり、除外の対象には開示請求、訂正請求、利用停止請求およびこれらに関する審査請求の手続が含まれる。
登記簿とその附属書類に記録された保有個人情報について、個人情報保護法第五章第四節(開示・訂正・利用停止・審査請求)を適用しないと定める適用除外規定です。
個人情報保護法60条1項の用語で、行政機関等の職員が職務上作成・取得し、組織的に利用するために保有している個人情報を指します。登記簿の記録もこれに当たります。
登記事項証明書は何人も交付を請求できます(商業登記法10条)。住所は会社法911条3項に基づく登記事項のため、手数料を払えば第三者でも確認できます。
商業登記規則31条の3に基づく措置で、株式会社の代表取締役等が対象です。本店と自宅が異なることを示す書面等が必要で、登記申請と同時に申し出るのが原則です。
個人情報保護法の訂正請求は使えません。商業登記法132条の更正の登記を申請します。錯誤や遺漏が登記官の過誤による場合は職権更正の可能性もあります。
利害関係を有する者に限られます(商業登記法11条の2)。利害関係の有無を判断するのは登記官であり、請求者が自分で決められるものではありません。
個人情報保護法の審査請求ルートは本条で外れています。商業登記法が定める登記官の処分に対する審査請求や、裁判所への出訴を検討することになります。
登記事項証明書からの取得自体は適法です。ただし取得後の利用目的の特定・通知や第三者提供の制限は、民間事業者向けの個人情報保護法の規律が働きます。
個人情報保護法ルートは本条で完全に閉じている。使えるのは商業登記規則31条の3の住所非表示措置で、2024年10月1日から株式会社の代表取締役等について、証明書上の住所を最小行政区画(市区町村)までに絞れる。業界裏話ヒント:この申出は登記申請と同時に出すのが原則。次にいつ登記事項が動くかを逆算して準備した人だけが間に合い、そうでない人は最短でも数か月待たされる。
表示が絞られるだけで、登記記録そのものに住所は残る。しかも法務省自身が、金融機関の融資審査や不動産取引の場面で代表者の住所確認ができず不利益を受ける可能性があると注意喚起している。業界裏話ヒント:融資や新規口座開設、不動産の購入予定があるなら、申出の前に取引金融機関へ一本入れて運用を確認する。順番を逆にすると、身の安全と引き換えに資金調達が止まる。
言える場面はある。本条が外しているのは行政機関等に対する開示・訂正・利用停止の請求(同法第五章第四節)だけで、取得した民間事業者は個人情報取扱事業者としての義務を負い続ける。利用目的の特定も第三者提供の制限も生きている。業界裏話ヒント:攻める相手を法務局から民間事業者へ切り替えた瞬間、使える条文が入れ替わる。名簿として転売されている形跡があるなら、そちらは十分に争える。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法141条:個人情報保護法第五章第四節の適用を外す(入口を閉じる) | — |
| 使える場面 | 適用除外の宣言のため、個人が能動的に使う条文ではない | — |
| 手続の相手方 | なし(請求権が存在しない) | — |
| 限界 | 開示・訂正・利用停止だけでなく審査請求の款まで外れる | — |
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