要点商業登記法10条は、何人も手数料を納付すれば登記事項証明書の交付を請求できると定める。利害関係の証明は不要で、2項により管轄外の登記所でも請求できる。
Q · 取引先の会社の登記簿は、関係者じゃなくても取れるんですか?
取れます。理由も利害関係も証明不要です
商業登記法10条1項は「何人も、手数料を納付して」登記事項証明書の交付を請求できると定めています。請求理由の説明も、利害関係の疎明も不要で、請求されたことが会社側に通知されることもありません。2項により本店を管轄しない他の登記所の登記官にも請求でき、札幌の会社の証明書を東京の窓口で受け取れます。ただし定款や株主総会議事録などの附属書類の閲覧は11条の2の管轄で、利害関係を有する部分に限られます。
「何人も」という三文字が、商業登記法10条のすべてを決めている。取引先の会社の登記事項証明書を、あなたは理由を告げず、利害関係を証明せず、手数料を払うだけで手に入れられる。相手に拒否権はなく、誰が取ったかの通知も相手には届かない。そして同じことが、あなたの会社にも起きている。設立年月日、本店移転の履歴、役員の入れ替わり、資本金の増減、目的欄の変遷、そのすべてが誰の目にも開かれている。2項がさらに効く。かつては本店を管轄する法務局まで出向く必要があったが、今は原則としてどこの登記所の登記官にも請求できる。札幌の会社の証明書を那覇の窓口で受け取れる。3項が法務省令に委ねているのは記載事項の中身で、そこで現在事項、履歴事項、閉鎖事項、代表者事項という種類が分かれる。どれを選ぶかで、見える景色がまるで違う。
商業登記法10条は登記事項証明書の交付請求権を定める規定であり、請求権者を限定せず「何人も」に開き、手数料の納付のみを要件とする。2項は管轄外の登記所の登記官への請求を認め、3項は記載事項を法務省令に委ねる。利害関係の疎明を要する附属書類の閲覧(同法11条の2)とは制度が区別される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記簿に記録された事項を登記官が証明した公的書面です。商業登記法10条1項が根拠で、認証文と登記官の職印により証明力を持ちます。俗に登記簿謄本とも呼ばれます。
登記所の窓口、郵送、オンライン請求のいずれかで請求します。会社の正確な商号と本店が分かれば、手数料の納付だけで誰でも交付を受けられます(商業登記法10条1項)。
手数料額は登記手数料令で定められ、窓口請求とオンライン請求、受取方法によって異なります。改定されることがあるため、最新額は法務局の案内でご確認ください。
現在事項は現に効力を有する事項のみ、履歴事項は請求日の3年前の1月1日以降の変更履歴まで載ります。沿革を追う調査では履歴事項を選びます。
できます。10条2項により管轄外の登記所にも請求でき、登記・供託オンライン申請システムを使えば窓口に出向かず郵送または窓口受取で取得できます。
会社が解散・清算結了した場合や、本店移転・商号変更で古い記録が閉鎖された場合に必要です。履歴事項に載らない古い沿革はここで追います。
商業登記法10条に有効期限の定めはありません。「発行後3か月以内」等は提出先である金融機関や入札制度の側が課す要件です。
商業登記の証明書はコンビニ交付の対象外です。登記所の窓口、郵送、またはオンライン請求で取得します(住民票等の市区町村証明とは制度が異なります)。
10条1項が「何人も」と定めており、理由の説明も利害関係の証明も不要で、相手に通知も行かない。取られた側が誰の請求かを知る手段もない。業界裏話ヒント:ただし定款や株主総会議事録などの附属書類は11条の2の管轄で、利害関係を有する部分に限り閲覧が認められる。ここを混同したまま「登記所に行けば全部見られる」と考えて動くと、窓口で止められる。
調べるだけなら十分だが、提出には使えない。登記情報提供サービスは電気通信回線による登記情報の提供に関する法律に基づく閲覧サービスで、認証文と登記官の職印がなく証明力がない。10条の登記事項証明書とは別物である。業界裏話ヒント:調査は安価なオンライン閲覧、提出は証明書、と最初から使い分けると年間の調査コストが目に見えて下がる(手数料額は最新の改正状況をご確認ください)。
履歴事項全部証明書に載るのは、請求日の3年前の1月1日以降の履歴である。それより古い記録や閉鎖された会社は閉鎖事項全部証明書で追う。記載事項の細目は10条3項を受けた法務省令(商業登記規則)が定めている。業界裏話ヒント:起算点が「3年前の1月1日」なので、1月に請求するのと12月に請求するのとでは見える範囲が最大で1年近く違う。急がない調査なら年末に取る方が情報量が多い。
令和6年(2024年)10月1日から、株式会社の代表取締役等の住所について、申出により一部を非表示にできる措置が始まっている(商業登記規則31条の3)。10条の公開原則そのものは変わらないが、印字される範囲を絞れる。業界裏話ヒント:実務上、非表示にすると金融機関の審査や不動産取引の本人確認で追加資料を求められる例が報告されており、運用はまだ固まりきっていない。融資予定がある時期は、申出のタイミングを金融機関と先に相談する。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 請求できる人 | 10条:何人も(利害関係不要) | — |
| 対象となる情報 | 10条:登記簿に記録された登記事項 | — |
| 請求先の柔軟性 | 10条2項:管轄外の登記所でも可 | — |
| 典型的な使い道 | 10条:与信調査、入札、訴訟前の相手方特定 | — |
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