商業登記法 第11条(登記事項の概要を記載した書面の交付)
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何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。
この条文の基本情報
登記事項の概要を記載した書面の交付とは何ですか?
定義登記事項の概要を記載した書面の交付とは、商業登記法第11条に定められた規定で、「何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第11条(登記事項の概要を記載した書面の交付)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第11条の条文原文は「何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる。」で始まります。
- 商業登記法第11条は第二章 登記簿等に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第11条の前の条は商業登記法第10条です。
- 商業登記法第11条の次の条は商業登記法第11条の2です。
- 商業登記法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法11条は、何人も手数料を納付して登記簿の記録事項の概要を記載した書面の交付を請求できると定める。利害関係の疎明は不要だが、概要書面に証明力はない。
Q · 他人の会社の登記って、関係者じゃなくても取れるんですか?
取れます。理由の説明も相手の同意も不要です。
商業登記法11条は「何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求することができる」と定めています。請求権者に限定はなく、利害関係の疎明も請求理由の記入も不要で、請求されたことが対象会社に通知される仕組みもありません。ただし交付されるのは「概要」であり登記官の認証がないため、裁判所への提出や金融機関の審査、他の登記申請の添付書面には使えません。それらの用途には同法10条の登記事項証明書が必要です。
解説
取引先の会社が本当に存在するのか、代表者は誰なのか、資本金はいくらか。それを確かめるのに、あなたは相手の許可も、正当な理由の説明も、何ひとつ要らない。商業登記法11条が「何人も」と書いているのは、そういう意味だ。手数料さえ納めれば、日本国内のどの会社についても、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面(概要記載書面)の交付を請求できる。理由を聞かれない、断られない、相手に通知もされない。これが日本の商業登記制度の骨格である。注意すべきは、この11条が交付するのは「概要」であって、登記事項証明書(10条)そのものではないという点だ。概要書面は証明力を持たない参考資料であり、裁判所や金融機関に提出する場面では10条の登記事項証明書を取る必要がある。用途で使い分けるべき二つの窓口があると知っているかどうかが、無駄足の有無を分ける。
法的な位置づけ
商業登記法11条は、商業登記簿の一般的公開を定める規定であり、何人も手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面の交付を請求できる旨を規定する。請求権者は限定されず、利害関係の疎明を要しない。証明力を有する登記事項証明書の交付請求(同法10条)および利害関係を要する附属書類の閲覧(同法11条の2)とは区別される。
手順
- 1.対象会社の商号と本店所在地を正確に特定する 名刺、請求書、契約書、ウェブサイトの会社概要から、商号(株式会社の前後位置まで)と本店所在地を確定する。同一・類似商号が多いため、所在地または会社法人等番号まで押さえると誤取得を防げる
- 2.用途から請求する書面の種類を決める 取引前の実在確認や社内稟議の参考なら商業登記法11条の概要書面で足りる。訴訟提起、金融機関への提出、他の登記申請の添付書面として使うなら、証明力のある同法10条の登記事項証明書を選ぶ
- 3.請求窓口を選択する 法務局・地方法務局の窓口なら管轄外の会社でも請求できる。画面上での確認で足りる場合はオンラインの登記情報提供サービスが早い。証明書が必要な場合は窓口・郵送・オンライン交付請求のいずれかを選ぶ
- 4.手数料を納付して交付を受ける 登記手数料令に基づく手数料を納付して交付を受ける。請求理由の説明は求められない。役員変更や本店移転の経緯まで追う必要があるときは、現在事項ではなく履歴事項全部証明書を指定する
- 5.自己申告との突合を行う 設立年月日、資本金の額、代表者の氏名、目的、本店移転や商号変更の履歴を、相手の説明や求人票・提案資料の記載と突き合わせる。齟齬があれば、その説明を求めるか契約条件の交渉材料にする
よくある質問 AI による整理
Q1会社の登記簿は誰でも見られますか?
見られます。商業登記法11条は「何人も」と定めており、株主でも取引先でもない第三者が、日本国内のどの会社についても登記事項の概要書面を請求できます。
Q2他人の会社の登記を取るのに理由は必要ですか?
不要です。利害関係の疎明も使用目的の記入も要件とされていません。不動産登記法119条の不動産登記と同じく、日本の登記制度は原則として無条件公開です。
Q3会社の登記はどこで取れますか?
全国どの法務局・地方法務局の窓口でも請求できるほか、オンラインの登記情報提供サービスでも取得できます。会社の本店を管轄する法務局に出向く必要はありません。
Q4会社の登記を取る手数料はいくらですか?
手数料の額は登記手数料令で定められ、書面か電子か、概要書面か登記事項証明書かで異なります。改定されることがあるため、法務局または登記情報提供サービスの最新の案内で確認してください。
Q5会社の登記に代表者の住所は載りますか?
株式会社の代表取締役は氏名と住所が登記事項とされ、原則として第三者に公開されます。一定の要件を満たす場合に住所を非表示とする措置の申出が可能で、最新の制度状況は法務局で確認してください。
Q6取引先が実在する会社か確認する方法は?
名刺や請求書の商号と本店所在地を特定し、商業登記法11条の概要書面またはオンラインの登記情報で照合します。商号・本店・設立年月日・代表者・資本金が自己申告と一致するかを確認します。
Q7登記の附属書類も誰でも見られますか?
見られません。定款や議事録などの附属書類の閲覧は、利害関係を有する者に限られます(商業登記法11条の2)。誰でも請求できるのは登記簿に記録された事項の側だけです。
Q8登記を見れば会社の経営状態は分かりますか?
分かりません。登記に記録されるのは商号・本店・目的・資本金・役員などの形式的事項で、債務超過、訴訟の有無、税の滞納は記載されません。登記が示すのは存在と形式であり健全性ではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社の登記を取ったら、相手にバレますか?
バレない。商業登記法11条の請求に際して請求者の氏名は法務局側の事務処理上記録されるが、対象会社に通知される仕組みはない。誰が請求したかを会社側が照会する制度もない。実務のポイント:与信管理を行う企業では、取引開始前に相手方の登記を取るのは日常業務である。「調べたら失礼」という感覚を持っているのは、むしろ調べない側だけだ
Q211条の書面と、登記事項証明書は何が違うんですか?
11条の書面は登記されている事項の『概要』を記載した参考資料で、証明文言も登記官の認証もない。裁判所への提出、金融機関の審査、他の登記申請の添付書面には使えない。それらの用途には商業登記法10条の登記事項証明書が必要になる。実務のポイント:実務では概要書面が使われる場面は限られ、多くの人は最初から10条の登記事項証明書を取る。窓口で用途を伝えれば適切な方を案内される
間違えやすい点 AI による整理
- 「他人の会社の登記を見るには利害関係が必要」と考える人が多いが、条文は「何人も」と定めている。利害関係の疎明も、理由の説明も、請求書への記入も要らない。不動産登記法119条の不動産登記も同じ構造で、日本の登記制度は原則として無条件公開である
- 公開されていることは知っているが、その深刻さを知らない人が多い。株式会社の代表取締役は氏名だけでなく住所も登記される。つまり自宅住所が事実上の公開情報になる。令和元年(2019年)の商業登記規則改正で、DV 被害等の一定の場合に住所非表示措置の申出が可能になったが、原則は依然として公開である(最新の制度状況をご確認ください)
- 「登記を取れば会社の信用が分かる」と思って請求する人がいるが、問いの立て方が誤っている。登記に記録されるのは形式的事項(商号、本店、目的、資本金、役員)だけで、債務超過か、訴訟を抱えているか、税金を滞納しているかは一切載らない。登記が教えるのは『存在と形式』であって『健全性』ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求できる人 | 商業登記法11条:何人も(利害関係不要) | 商業登記法10条:何人も(利害関係不要) 商業登記法11条の2:利害関係を有する者に限る |
| 証明力 | なし。登記官の認証文言がない参考資料 | あり。登記官が認証した公的証明書 閲覧が中心で、証明書の交付ではない |
| 主な用途 | 取引前の実在確認、社内稟議の参考資料 | 訴訟提出、金融機関の審査、他の登記申請の添付書面 定款・議事録など原資料そのものの確認 |
| 対象範囲 | 登記簿に記録されている事項の「概要」 | 登記記録の全部または一部(現在・履歴・閉鎖等) 登記申請書に添付された附属書類 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は中央主管機関が一定の登記事項をウェブで公開する一方、書類の閲覧・抄録については理由の疎明を求める場面があり、日本の「何人も」より条件的な構造をとる
韓国も「누구든지(何人も)」手数料を納付して登記事項証明書の交付を請求できるとし、日本とほぼ同一の無条件公開構造をとる
ドイツは商業登記簿および提出書類の閲覧を情報目的で誰にでも認め、handelsregister.de を通じたオンライン公開が原則。日本より書類側の公開範囲が広い
米国は連邦統一制度がなく州ごとに公開範囲が異なる。基本的な entity 情報は無償公開が多いが、実質的支配者情報の扱いは州法と連邦法で分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引の話を持ちかけてきた相手から「うちは資本金5000万の会社です」と言われた。裏を取りたいが、相手に「登記を見せてください」と言うのは角が立つ。言う必要はない。相手に一切知られず、法務局または登記情報提供サービス経由で会社の概要を確認できる。相手の同意も、あなたの理由説明も不要である
- 内定先の会社の実態が気になる。求人票に書かれた設立年と代表者名が、登記の記録と一致するか。一致しないなら、そこには説明されるべき何かがある。就職活動で登記を確認する学生はほとんどいないが、確認を禁じる法はどこにもない
- 未払いの請求書が積み上がっている。相手会社が本店を移転していないか、代表者が変わっていないか、あと5日で内容証明の宛先を確定させなければ発送が遅れる。宛先を間違えた内容証明は法的効果を持たない。登記の確認は、その5日の中で最初にやるべき一手である
- あなたが会社の代表者側だとしたら。あなたの氏名・住所を含む登記の内容は、誰からでも、あなたの知らないところで閲覧されている。「誰が自分の会社の登記を見たか」を知る手段は、原則としてあなたにはない。公示制度とは、そういう非対称の上に成り立っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の正確な商号と本店所在地を名刺・請求書・ウェブサイトから特定する2. 法務局窓口または登記情報提供サービス(オンライン)で概要書面を請求、理由の説明は不要3. ただし訴訟提起・金融機関提出・登記申請の添付書面として使うなら、11条の概要書面ではなく10条の登記事項証明書を請求する。概要書面には証明力がない4. 役員変更・本店移転の履歴まで追うなら、履歴事項全部証明書を指定する
訴えられた側:1. 自社の登記内容が現状と一致しているか定期的に確認する。変更登記を怠ると過料の対象になりうる(会社法976条) 2. 代表者の住所公開が問題となる場合、商業登記規則に基づく住所非表示措置の要件に該当しないか法務局に確認する3. 登記に誤りがある場合は速やかに更正・変更登記を申請する。誤った登記を放置すると、それを信じた第三者との関係で不利益を負う可能性がある(会社法908条)
時効(請求できる期限):請求自体に期限はない。特定の時効はないが、登記の内容は変更登記により随時更新されるため、取引の重要局面では直近の日付で取り直すこと。なお、変更が生じたときの登記申請期間は原則2週間である(会社法915条)
学説
通説:商業登記の公開は取引の安全を目的とする制度であり、請求権者を限定しないことそれ自体が制度の中核と解されている。役員の住所公開によるプライバシーへの負荷は、公開原則を維持したまま規則レベルの例外措置で調整すべき問題と整理されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商法および非訟事件手続法に置かれていた商業登記の手続規定を分離し、商業登記法として単行法化。登記簿の公開に関する規定もこのとき整備された
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