商業登記法 第11条の2(附属書類の閲覧)
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登記簿の附属書類の閲覧について利害関係を有する者は、手数料を納付して、その閲覧を請求することができる。この場合において、第十七条第三項に規定する電磁的記録又は第十九条の二に規定する電磁的記録に記録された情報の閲覧は、その情報の内容を法務省令で定める方法により表示したものを閲覧する方法により行う。
この条文の基本情報
附属書類の閲覧とは何ですか?
定義附属書類の閲覧とは、商業登記法第11条の2に定められた規定で、「登記簿の附属書類の閲覧について利害関係を有する者は、手数料を納付して、その閲覧を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第11条の2(附属書類の閲覧)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第11条の2の条文原文は「登記簿の附属書類の閲覧について利害関係を有する者は、手数料を納付して、その閲覧を請求することができる。」で始まります。
- 商業登記法第11条の2は第二章 登記簿等に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第11条の2の前の条は商業登記法第11条です。
- 商業登記法第11条の2の次の条は商業登記法第12条です。
- 商業登記法第11条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第11条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第11条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/11_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法11条の2は、登記簿の附属書類について利害関係を有する者が手数料を納付して閲覧を請求できると定める。誰でも取れる登記事項証明書と異なり、利害関係の疎明が必要となる。
Q · 会社の定款や株主総会議事録を、法務局で見せてもらうことはできますか?
利害関係を疎明できれば、手数料を納めて閲覧できます
商業登記法11条の2により、登記簿の附属書類(定款・株主総会議事録・就任承諾書・払込みを証する書面・印鑑届書など)は、利害関係を有する者が手数料を納付して閲覧を請求できます。登記事項証明書のように誰でも取れるわけではなく、株主・債権者・取引先・相続人など、法律上の権利義務が及ぶ関係を契約書や戸籍で疎明する必要があります。利害関係の有無は登記官が個別に判断し、閲覧できる範囲も利害関係の及ぶ部分に限られる運用です。電磁的記録は法務省令で定める方法により表示したものを閲覧します。
解説
登記事項証明書(登記簿謄本)は、誰でも、理由も告げずに、その場で取れる。ところがそこに印字されているのは商号・本店・役員の氏名・資本金といった「結論」だけだ。なぜその役員が就任したことになっているのか、定款に何が書かれているのか、増えた資本金は本当に払い込まれたのか。その結論を支えた生の書類、つまり申請書に添付された定款・株主総会議事録・就任承諾書・払込みを証する書面・印鑑届書は、登記簿の「附属書類」として法務局に眠っている。商業登記法11条の2は、その保管庫の鍵をあなたに渡す条文である。ただし条件が一つだけ付く。「利害関係」。誰でも入れる登記簿の一階と、利害関係者しか入れない書類庫。この二層構造を知っているかどうかで、取引先の与信判断も、株主としての追及も、相続財産の調査も、届く深さがまるで変わる。しかも利害関係の有無を判断するのは窓口の登記官であり、あなたが何をどう疎明するかで結論は動く。
法的な位置づけ
商業登記法11条の2は、登記簿の附属書類の閲覧請求権を定める規定である。附属書類とは登記申請書に添付された定款・議事録・就任承諾書・払込みを証する書面・印鑑届書等をいい、その閲覧は利害関係を有する者が手数料を納付して請求できる。電磁的記録については、法務省令で定める方法により表示したものを閲覧する方式による。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.見たい附属書類を特定する 定款か、株主総会議事録か、就任承諾書か、払込みを証する書面か、印鑑届書か。どの登記(設立・役員変更・増資)の添付書面かまで絞り込む。登記事項証明書を先に取得し、目的の登記の受付年月日・受付番号を控えておくと特定が速い
- 2.利害関係を形にする疎明資料を揃える 自分と会社の間の法律関係を紙にする。取引先なら取引基本契約書・請求書、債権者なら契約書や内容証明の控え、株主なら株主名簿の写しや配当通知、相続人なら戸籍謄本。口頭の事情説明ではなく、書面で関係が読み取れる状態にする
- 3.管轄法務局へ閲覧請求書を提出し手数料を納付 会社の本店所在地を管轄する法務局へ出向き、商業登記規則所定の方式で閲覧請求書に閲覧したい書類を明示して提出、疎明資料を添付して手数料を納付する。理由欄は長文で説得せず、関係を一行で書いて資料で裏づける
- 4.許否と閲覧範囲を確認する 許可されても閲覧できるのは利害関係の及ぶ範囲に限られる運用が定着している。同じ綴りの他人の印鑑届書や住所まで見られるとは限らないため、目的の書類が範囲に入っているかを窓口で確認する
- 5.拒否された場合は理由を書面で求め、別ルートへ その場で不許可の理由を書面で求める。理由が文字になれば、商業登記法142条の審査請求も、民事訴訟法226条の文書送付嘱託も、弁護士法23条の2の照会も、その理由を潰す形で組み立てられる
よくある質問 AI による整理
Q1登記簿の附属書類とは何ですか?
登記申請書に添付された定款・株主総会議事録・取締役の就任承諾書・払込みを証する書面・印鑑届書などの原資料です。登記事項証明書に印字される「結論」を支えた生の書類が法務局に保管されています。
Q2定款を法務局で取り寄せる方法は?
会社の本店所在地を管轄する法務局に、商業登記法11条の2の閲覧請求書と利害関係を示す疎明資料を提出し、手数料を納付します。写しの交付ではなく閲覧が原則です。
Q3附属書類の閲覧に必要な手数料はいくらですか?
登記手数料令が定める額を納付します。金額は改定されることがあるため、請求前に法務局窓口または法務省の手数料一覧で最新額を確認してください。
Q4利害関係がなくても附属書類は見られますか?
見られません。商業登記法11条の2は「利害関係を有する者」に限定しています。同業他社の情報収集や単なる好奇心は、疎明資料がないため通りません。
Q5株主総会議事録は法務局で閲覧できますか?
役員変更登記などの添付書面として提出されていれば、附属書類として閲覧対象になります。株主であることを示す資料で利害関係を疎明してください。
Q6会社は附属書類の閲覧を拒否できますか?
できません。附属書類を保管しているのは法務局であり、許否を判断するのは登記官です。会社側に拒否権はなく、閲覧されうる前提で書類を作る必要があります。
Q7附属書類の閲覧を断られたらどうすればいいですか?
登記官の処分に不服がある者は監督法務局または地方法務局の長へ審査請求できます(商業登記法142条)。訴訟係属中なら文書送付嘱託(民事訴訟法226条)という別ルートもあります。
Q8代表取締役の住所は附属書類にも載っていますか?
就任承諾書や印鑑届書に住所が記載されている場合があります。令和6年10月開始の住所非表示措置は登記事項証明書の表示を伏せる仕組みで、附属書類内の記載までは消しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1利害関係って、どのくらいの関係があれば認めてもらえるんですか?
法律に定義はなく、登記官が個別に判断する(商業登記法11条の2)。実務では株主・債権者・取引先・相続人など、法律上の権利義務に影響が及ぶ関係を契約書や戸籍で疎明する。単なる好奇心や同業他社の情報収集は通りにくい。実務のポイント:司法書士や弁護士は請求書の理由欄に長文を書かない。関係を一行で書き、疎明資料を添える。文章で説得しようとするほど、登記官は判断を留保しやすくなる
Q2見せてもらえなかったら、そこで諦めるしかないんですか?
諦める必要はない。登記官の処分に不服がある者は監督法務局または地方法務局の長へ審査請求できる(商業登記法142条)。訴訟係属中なら文書送付嘱託(民事訴訟法226条)、代理人がいれば弁護士会照会(弁護士法23条の2)という別ルートもある。実務のポイント:断られたその場で「不許可の理由を書面でください」と求める。理由が文字になった瞬間、次の請求も別ルートも、その理由を潰す形で組み立てられる
Q3株主なんですが、法務局より会社に直接「議事録を見せろ」と言った方が早くないですか?
制度上は早い。株主と債権者は営業時間内であれば株主総会議事録の閲覧謄写を請求でき(会社法318条4項)、定款も本店に備え置かれている(会社法31条)。ただし同族会社では担当者不在などを理由に引き延ばされることが多い。実務のポイント:会社への請求を内容証明で残し、出してこない事実を作ってから法務局へ行く。会社が拒んでいる経緯そのものが、閲覧の必要性を裏づける疎明資料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「利害関係がないと附属書類は見られない」ことは知っている人も多い。深刻なのはその先である。利害関係が認められても、閲覧できるのは利害関係の及ぶ範囲に限られるという運用が実務に定着している。株主として議事録を見たいと申し出た場合、同じ綴りに入っている他人の印鑑届書や住所の記載まで見せてもらえるとは限らない。「許可された=一件全部が見られる」ではない
- 「自分に利害関係があるかどうか」を頭の中で自問して悩む人が多いが、問いの立て方そのものがずれている。登記官が見ているのは、あなたの動機や困り具合ではなく、疎明資料の上で法律上の関係が形になっているかどうかだ。取引基本契約書、請求書、訴状、内容証明の控え、戸籍。手ぶらで事情を語れば門前払いになり、紙が一枚あれば通る。この差は熱意ではなく準備の差である
- 「登記に添付した書類なのだから、どうせ公開情報だ」と思われがちだが、実態は逆に近い。附属書類には役員個人の住所、生年月日、実印の印影、払込先の口座情報まで入りうる。だからこそ11条の2は利害関係というフィルターを噛ませている。裏返せば、あなたが会社を設立し登記申請をした時点で、あなた自身の印影と住所も、誰かが条件を満たせば届く場所へ収まっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求できる人 | 商業登記法11条の2:利害関係を有する者のみ | 商業登記法10条:何人でも(理由不要) 商業登記法12条:印鑑提出者本人等に限定 |
| 対象となる資料 | 登記簿の附属書類(定款・議事録・就任承諾書・払込証明・印鑑届書等) | 登記事項証明書(商号・本店・役員・資本金等の登記事項) 印鑑証明書(届出印の印影の証明) |
| 得られる情報の深さ | 登記という結論を支えた原資料そのもの | 登記された結論のみ、根拠は不明 印影の同一性の証明のみ |
| 拒否されたときの手段 | 商業登記法142条の審査請求、民訴226条の文書送付嘱託 | 拒否される場面がほぼない 資格要件を満たす書面を補完して再請求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も登記事項は広く公開する一方、主管機関保存書類の閲覧は請求者の範囲や対象を限定する。日本と同じく公示と秘匿の二層構造を採る
韓国も登記簿の閲覧・証明書発給と、添付書類へのアクセスを区別して規律している
ドイツは商業登記簿および登記所に提出された書類の閲覧を原則として何人にも認め、日本より公開度が高い。ただし個人データ保護(DSGVO)との調整が論点となっている
米国は州ごとに制度が異なり、Articles of Incorporation 等の提出書類は一般に公開されるが、内部の議事録は州登記所に提出されないため公的閲覧の対象にならない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 登記された資本金の増加分、本当に払い込まれたのかを確かめる方法はあるのか? ある。資本金の額の計上に関する証明書や払込みを証する書面は、附属書類として法務局に保管されている。継続的な取引基本契約書があれば利害関係の疎明材料になる。来週の与信会議まであと5日。謄本の数字だけで与信枠を広げるか、根拠書類まで見に行くかで、焦げつくかどうかが変わる
- あなたが会社の総務担当で、退任した元役員から「附属書類を見せろ」と迫られた。保管しているのは法務局であり、会社に拒否権はない。許すか断るかを決めるのは登記官であって、あなたではない
- 非上場の同族会社の株主なのに、株主総会に呼ばれた記憶がないまま役員変更の登記だけが進んでいる。議事録の上では、あなたは出席して賛成したことになっているかもしれない。株主であることを示す資料を持って閲覧を請求すれば、その議事録の記載を自分の目で確認できる。決議取消しの訴えを起こすかどうかの分水嶺は、この一回の閲覧にある
- 父が亡くなり、生前に代表取締役をしていた会社の株式が相続財産に入っているらしいと親族から聞かされた。戸籍で相続人であることを示せば利害関係の疎明になりうる。相続放棄の熟慮期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月。会社の実態を知らないまま期限を迎えれば、見えない負債ごと引き受けることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 見たい書類を特定する(定款か、株主総会議事録か、就任承諾書か、払込みを証する書面か)。2. 自分と会社の法律関係を示す紙を用意する。取引基本契約書、請求書、訴状、株主名簿の写し、戸籍。3. 会社の本店所在地を管轄する法務局へ閲覧請求書と疎明資料を出し、手数料を納付する。4. 断られたらその場で不許可の理由を書面で求め、商業登記法142条の審査請求、または訴訟中であれば民事訴訟法226条の文書送付嘱託へ切り替える
訴えられた側:1. 附属書類を保管しているのは法務局であり、会社側に拒否権はない。閲覧されうる前提で書類を作る。2. 議事録や添付書面に、登記に必要のない個人情報や取引条件を書き込まない。3. 登記事項証明書の住所非表示措置と、附属書類の中の住所記載は別問題だと理解する。4. 元役員や少数株主からの閲覧が予想される局面では、登記申請の段階で添付書類の記載粒度を司法書士と詰めておく
時効(請求できる期限):閲覧請求そのものに時効の定めはない。実益を決めるのは出口側の期限であり、株主総会決議取消しの訴えは決議の日から3か月(会社法831条)、相続放棄は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月(民法915条)。閲覧を拒否された場合の審査請求(商業登記法142条)は行政不服審査法の審査請求期間(処分を知った日の翌日から3か月)を意識して動くのが安全だが、登記官の処分について期間制限が及ぶかは実務上、解釈が分かれている
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