商業登記法 第31条(営業又は事業の譲渡の際の免責の登記)
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- 商法第十七条第二項前段及び会社法第二十二条第二項前段の登記は、譲受人の申請によつてする。
- 2.前項の登記の申請書には、譲渡人の承諾書を添付しなければならない。
この条文の基本情報
営業又は事業の譲渡の際の免責の登記とは何ですか?
定義営業又は事業の譲渡の際の免責の登記とは、商業登記法第31条に定められた規定で、「商法第十七条第二項前段及び会社法第二十二条第二項前段の登記は、譲受人の申請によつてする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商業登記法第31条(営業又は事業の譲渡の際の免責の登記)は、日本の商業登記法に含まれる条文です。
- 商業登記法第31条の条文原文は「商法第十七条第二項前段及び会社法第二十二条第二項前段の登記は、譲受人の申請によつてする。」で始まります。
- 商業登記法第31条は第二節 商号の登記に置かれています。
- 商業登記法の公布日は昭和38年7月9日です。
- 商業登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商業登記法第31条の前の条は商業登記法第30条です。
- 商業登記法第31条の次の条は商業登記法第32条です。
- 商業登記法第31条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第31条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000125 - 本サイト収録
商業登記法(昭和三十八年法律第百二十五号)第31条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/338AC0000000125/31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商業登記法31条は、商号続用の譲受人が責任を負わない旨の登記(免責の登記)を単独で申請できると定め、申請書には譲渡人の承諾書の添付を要求する。
Q · 屋号ごと店を買ったら前の店主の借金も背負うって本当?切り離す登記はどうやるの?
譲受人が単独で申請できるが、譲渡人の承諾書が必ず要る
商業登記法31条1項により、免責の登記は譲受人の単独申請で足ります。ただし2項が譲渡人の承諾書を必須の添付書面としているため、売主の協力がなければ登記は受理されません。承諾書を確保できる現実的な機会は事業譲渡のクロージング時であり、決済後に依頼しても交渉材料は残っていません。承諾書が取れない場合は商法17条2項後段・会社法22条2項後段の個別通知に切り替えることになりますが、免責が及ぶのは通知が届いた債権者のみです。
解説
ラーメン店を居抜きで買い取り、看板も屋号もそのまま引き継いだ。その瞬間、あなたは前の店主が抱えていた仕入先への未払金まで背負っている。商法17条1項・会社法22条1項が、商号を続用する譲受人に譲渡人の債務の弁済責任を負わせるからだ。この配線を切る手段の一つが「責任を負わない旨の登記」であり、その申請ルールを定めるのが商業登記法31条である。申請できるのは譲受人、つまりあなた自身の単独申請でよい。ただし申請書には譲渡人の承諾書を添付しなければならない(2項)。ここが急所だ。譲渡代金を払い終えたあとで売主が押印を渋れば、登記は一枚も通らない。承諾書を取る安全な瞬間は、譲渡契約のクロージングと同時、それ以外にない。
法的な位置づけ
商業登記法31条は、商号を続用する事業譲受人が、譲渡人の債務について責任を負わない旨の登記を申請する手続を定める規定である。申請人は譲受人に限られ(1項)、申請書には譲渡人の承諾書を添付しなければならない(2項)。実体法上の根拠は商法17条2項前段および会社法22条2項前段に置かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事業譲渡契約に承諾書の交付義務を書き込む ドラフト段階で「譲渡人は、商法17条2項前段・会社法22条2項前段の登記に必要な承諾書を、クロージング時に譲受人へ交付する」旨の条項を入れる。決済後に頼み事として依頼した瞬間、交渉材料は消える
- 2.クロージングで承諾書の原本を受領する 譲渡代金の最終支払と引き換えに、譲渡人の承諾書原本を引渡書類一式に含めて受け取る。譲渡人が法人なら代表者の記名押印と印鑑証明書の要否を、管轄登記所に事前照会して確定させておく
- 3.営業所所在地を管轄する登記所へ単独申請する 商業登記法31条1項により譲受人の単独申請で足りる。申請書に譲渡人の承諾書を添付し(同条2項)、商業登記法1条の3に従って営業所の所在地を管轄する登記所に提出する
- 4.添付書面の不備で却下されないか確認する 承諾書の記載が不十分だと商業登記法24条の却下事由になる。免責の対象となる譲渡の特定(譲渡日・対象事業・続用する商号)が承諾書上で読み取れるかを提出前に点検する
- 5.承諾書が取れない場合は個別通知へ切り替える 登記が物理的に出せない以上、商法17条2項後段・会社法22条2項後段の個別通知を主要債権者へ発送する。免責は通知が届いた債権者にしか及ばないため、取引先リストの網羅性が結果を決める
- 6.登記完了後に登記事項証明書を保管する 免責の登記が完了したら登記事項証明書を取得し、譲渡契約書とセットで保管する。旧債務の請求が届いたとき、登記日と譲渡日を並べて支払義務の有無を自分で線引きできる状態を作る
よくある質問 AI による整理
Q1免責の登記とは何ですか?
商号を続用する事業譲受人が、譲渡人の債務について責任を負わない旨を登記所に登記するものです。商法17条2項前段・会社法22条2項前段が実体法上の根拠で、手続は商業登記法31条が定めます。
Q2免責の登記は誰が申請しますか?
商業登記法31条1項により、譲受人の申請によって行います。譲渡人との共同申請は不要で、譲受人の単独申請で足ります。ただし添付書面として譲渡人の承諾書が必要です。
Q3免責の登記に必要な添付書類は何ですか?
商業登記法31条2項が定める譲渡人の承諾書が必須です。これを欠く申請は添付書面の不備として却下事由になります(商業登記法24条)。事業譲渡契約書だけでは代用できません。
Q4免責の登記はいつまでにすればいいですか?
商法17条2項前段・会社法22条2項前段は「遅滞なく」とのみ定め、具体的な日数の明文はありません。ただし登記前に発生した請求には免責が及ばないため、遅れるほど責任の空白期間が残ります。
Q5免責の登記をすれば過去の債務は全部切れますか?
切れません。残存債権者を害することを知って事業を譲り受けた場合、会社法23条の2・商法18条の2により承継した財産の価額を限度に履行請求を受けます。債務引受けの広告をした場合も別途責任が生じます。
Q6個人事業の居抜き承継でも免責の登記は必要ですか?
屋号を続用するなら必要です。個人商店の売買であっても法的には営業譲渡+商号続用にあたり得るため、登記の有無で前オーナーの未払家賃や仕入代金の請求先が変わります。
Q7免責の登記があるかどうか確認する方法は?
登記情報提供サービスまたは登記事項証明書で、譲受人の商号登記を取得して確認します。取引先の屋号が同じまま経営者だけ替わった場合、債権者が最初に取るべき行動がこの確認です。
Q8免責の登記をしないとどうなりますか?
商法17条1項・会社法22条1項により、商号を続用する譲受人が譲渡人の事業上の債務について弁済責任を負い続けます。個別通知をした債権者にだけ免責を主張できる状態にとどまります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1承諾書、売主がハンコを押してくれなかったらどうすればいいんですか?
31条2項の必須添付書面なので、承諾書がなければ登記所は受理しない。代替手段は商法17条2項後段・会社法22条2項後段の個別通知で、通知した債権者にだけ免責が及ぶ。実務のポイント:実務では事業譲渡契約に「譲渡人は免責登記に必要な承諾書を交付する」と義務条項を入れ、承諾書原本をクロージングの引渡書類に含める。ドラフト段階で入れておかないと、後から頼んでも交渉材料が何も残っていない
Q2屋号をちょっと変えれば、この登記はいらないですよね?
商号を続用しなければ原則として商法17条1項・会社法22条1項の責任は生じず、免責登記も不要である。ただし「◯◯商店」を「◯◯商事」にした程度では続用と評価される余地があり、実務上、解釈が分かれる。加えて債務引受けの広告をすれば会社法23条・商法18条で責任を負う。実務のポイント:後日の裁判では看板・ドメイン・SNSアカウント・レシートの店名まで見られる。登記だけ変えて現場の表示が旧屋号のままなら、続用と言われる
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記は司法書士に任せるから、契約さえまとまれば後で出せる」という前提そのものが崩れている。31条2項は譲渡人の承諾書を必須の添付書面とする。クロージング後に売主と連絡が取れなくなれば、どれだけ優秀な専門家がいても登記は物理的に通らない。問うべきは「誰が出すか」ではなく「いつ承諾書を取るか」である
- 商号を続用すると債務が付いてくる、そこまでは多くの経営者が知っている。知られていないのはその射程だ。対象は譲渡人の営業(事業)によって生じた債務全般であり、把握済みの買掛金だけでなく、譲渡前の取引に起因する損害賠償債務や不法行為債務まで含まれうる。デューデリジェンスで拾い切れなかった簿外債務が、商号続用という一点だけを通路にして新オーナーの財布に流れ込む
- 免責の登記さえ打てば過去は全部切れると考えられているが、別ルートが残っている。残存債権者を害することを知って事業を譲り受けた場合、会社法23条の2・商法18条の2により、承継した財産の価額を限度に履行請求を受ける。免責登記はこのルートを塞がない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登記・通知の対象 | 商業登記法31条:譲渡人の債務につき責任を負わない旨(免責) | 商業登記法30条:商号そのものの譲渡による変更 商法17条2項後段・会社法22条2項後段:免責の個別通知 |
| 申請人・実行主体 | 譲受人の単独申請(1項) | 譲受人の単独申請 譲渡人および譲受人から債権者へ通知 |
| 必要書面 | 譲渡人の承諾書が必須(2項) | 譲渡人の承諾書が必須 書面要件の明文なし(実務上は内容証明郵便) |
| 効力の及ぶ範囲 | 登記により全債権者に対抗できる | 商号の帰属を公示するのみで免責の効果はない 通知が到達した債権者にのみ免責が及ぶ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は商号続用を要件とする法定責任および免責登記の制度を持たない。承受の通知または公告により債務引受の効力が生じる構造で、免責は登記ではなく契約と通知で処理される
韓国も商号続用者の責任と免責登記を採用し、日本とほぼ同一の構造を持つ。登記または債権者への個別通知により免責を主張できる点も共通する
ドイツは本制度の起源。免責の合意は商業登記簿に登記され公告されるか、または第三者へ通知された場合にのみ第三者に対して効力を有する。日本法の二重ルートはここに由来する
米国は資産譲受人が原則として譲渡人の債務を承継しないことを出発点とし、例外法理として承継責任を課す。登記による一律免責という発想がなく、事案ごとに裁判所が判断する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、事業譲渡の実行日から一か月が過ぎ、売主が電話にも出なくなったとしたら? 承諾書が取れない以上、31条2項の壁で免責の登記は永久に出せない。残る道は商法17条2項後段・会社法22条2項後段の個別通知だけで、しかも通知が届いた債権者にしか効かない。取引先が三十社あるなら、三十通を今週中に出し切ることになる。
- あなたが売主側なら、承諾書は手元に残った最後のカードだ。押印を渋れば買主は免責登記を打てず、旧債務の請求は買主にも向かい続ける。だがそれは、譲渡代金の残額交渉ごと壊すカードでもある。
- 取引先の屋号は同じまま、経営者だけが入れ替わった。債権者であるあなたが最初にすべきは、登記情報を取って「免責の登記」の有無を見ることだ。登記があれば新経営者には請求できず、旧経営者の責任も事業譲渡から2年で消える(商法17条3項、会社法22条3項)。この2年を知らずに督促を先送りすると、請求先が両方とも消滅する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 屋号が同じまま経営者が変わったら、登記情報提供サービスで譲受人の商号登記を取り、免責の登記の有無を確認する2. 登記がなければ商法17条1項・会社法22条1項により譲受人にも請求でき、旧オーナーと並べて追える3. 登記があっても、譲渡が詐害的なら会社法23条の2・商法18条の2で承継財産の価額を限度に請求できる4. 譲渡人の責任は譲渡から2年で消滅するため、2年目に入っていたら督促より先に訴訟提起で時間を確保する
訴えられた側:1. 自分の商号が譲渡人の商号の「続用」にあたるかをまず検討、業種表示の付加や実質的同一性が争点になる2. 免責の登記が済んでいれば登記事項証明書を示して抗弁する3. 未登記でも、その債権者へ個別に責任を負わない旨を通知していれば商法17条2項後段・会社法22条2項後段で対抗できる4. 承諾書が取れず登記できないなら、譲渡契約の協力義務条項を根拠に譲渡人へ請求しつつ、主要債権者への個別通知を先行させる
時効(請求できる期限):登記の時期は「営業(事業)を譲渡した後、遅滞なく」(商法17条2項前段、会社法22条2項前段)。日数の明文はないが、遅れた分だけ免責の及ばない期間が残る。譲渡人自身の責任は譲渡日から2年で消滅(商法17条3項、会社法22条3項)。承諾書の取得自体に法定期限はないが、実務上はクロージング時が唯一の確実な機会である
学説
通説:商業登記法31条は、免責の登記を譲受人の単独申請とすることで手続の迅速性を確保しつつ、譲渡人の承諾書を必須とすることで譲渡および免責合意の真実性を担保する折衷的な設計と解される。共同申請にすれば真実性は高まるが手続負担が重くなる
実務上の理解:承諾書は事業譲渡のクロージング書類に組み込むべきものとされる。譲渡完了後は譲渡人に協力インセンティブがなく、事実上取得が困難になるため、契約書に交付義務条項を置くことが標準的な実務対応とされている
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備(要人的検証) 会社法の制定と商法の現代語化により、引用先が旧商法の規定から現行の商法17条2項前段および会社法22条2項前段へと整理されたと解されるが、改正回数および文言変更の詳細は原資料での確認を要する
改正の年表
- 1.昭和38年(1963年) 新設:商業登記法(昭和38年法律第125号)の制定に伴い、商号続用者の免責登記の申請手続を定める規定として置かれた
- 2.平成17年(2005年)以降 改正:会社法の制定および商法の現代語化に伴い、引用先が現行の商法17条2項前段および会社法22条2項前段へ整理された。改正回数および文言変更の詳細は原資料での確認を要する
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