登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるときは、法務大臣は、必要な処分を命ずることができる。
要点商業登記法 9 条は、登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるとき、法務大臣が必要な処分を命ずることができると定める。命令の名宛人は登記所である。
Q · 法務局が被災しそうなとき、うちの会社が出した定款や議事録の原本はどうなるの?
法務大臣が登記所に必要な処分を命じられます
商業登記法 9 条は、登記簿又はその附属書類が滅失するおそれがあるときに、法務大臣が必要な処分を命ずることができると定めます。命令の相手は登記所であり、会社や司法書士に義務が生じるわけではありません。既に滅失した後の回復は同法 8 条、登記事務そのものの停止は同法 3 条が担い、この三つで危機時の対応が組まれています。会社側にできるのは、定款や議事録の控えを自社にも残しておくことです。
たった一行の条文だが、射程は思っているより広い。守られる対象は「登記簿」だけではなく「その附属書類」も含む。附属書類とは、あなたの会社が登記申請の際に提出した定款、株主総会議事録、取締役の就任承諾書、印鑑届書などの原本そのものである。会社の手元にあるのは控えで、提出済みの原本は登記所の書庫にある。第9条が動くのは、それらが滅びる「おそれ」の段階だ。既に滅失した後の回復命令は第8条、登記事務そのものを止めるのは第3条、この三つで災害対応が組まれている。そしてもう一つ知っておくべきは、この条文の名宛人があなたではないこと。法務大臣が命令する相手は登記所であり、行政組織の内部命令(役所が役所に出す指示)である。だから、あなたがこの命令に不服を申し立てる余地は原則としてない。あなたにできるのは、重要書類の原本が国の書庫にしか存在しない状態を最初から作らないことだ。
商業登記法 9 条は、登記簿又はその附属書類に滅失のおそれが生じた場合に、法務大臣が必要な処分を命ずることができる旨を定める規定である。名宛人は登記所であり、行政組織内部の命令として位置づけられる。滅失後の回復を定める同法 8 条の事前段階に対応する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登記簿やその附属書類が滅失するおそれがあるとき、法務大臣が必要な処分を命ずることができると定める規定です。滅失前の予防措置を根拠づける一行の条文です。
登記申請の際に登記所へ提出した定款、株主総会議事録、就任承諾書、印鑑届書などの書面です。会社の手元にあるのは控えで、提出した原本は登記所が保管しています。
9 条は滅失する「おそれ」の段階で必要な処分を命じる事前措置、8 条は既に滅失した後に期間を定めて回復に必要な処分を命じる事後措置です。時点が逆になります。
原則できません。本条の命令は登記所に向けられた行政組織内部の命令だからです。登記官の処分であれば審査請求(商業登記法 132 条)の道があります。
商業登記法 7 条により登記簿等の持出しは原則禁止ですが、事変を避けるための持出しは例外として認められています。災害時の退避はこの例外に支えられています。
法務省令が定める保存期間内に限られます。期間経過後は廃棄され、閲覧の対象そのものが存在しなくなります。具体的な年数は商業登記規則の最新版で確認してください。
なりません。登記は権利そのものではなく公示の手段です。会社の存在も取締役の地位も登記簿が失われたことで消滅せず、回復手続は公示を復元する作業にとどまります。
あります。登記記録は電磁的に管理され副本の備えもありますが、附属書類の相当部分は今も紙で登記所に置かれています。守られたのは結論であって根拠書類ではありません。
消えない。登記は会社の存在を公示する手段であって会社そのものではなく、滅失した場合は法務大臣が期間を定めて回復に必要な処分を命じる(商業登記法8条)、滅びるおそれの段階なら本条9条で事前の措置が命じられる。業界裏話ヒント:実務で本当に困るのは登記記録ではなく附属書類のほうだ。登記記録は電磁的に管理されているが、紙の定款や議事録は同じようには戻らない。登記を人に任せるときほど、添付書面一式の写しを自社に残す
利害関係を疎明すれば附属書類の閲覧を請求できる(商業登記法11条の2)。ただし法務省令の保存期間が経過すれば廃棄され、閲覧の対象自体が存在しなくなる。業界裏話ヒント:過去の株主総会が本当に開かれたかを争うとき、弁護士がまず走るのがこの閲覧請求だ。相手が握っている控えを信じるしかない状況を回避できるのは保存期間内だけで、提訴のタイミングを決める隠れた要素になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 発動する時点 | 9 条:滅失する「おそれ」が生じた段階(事前) | — |
| 命令の内容 | 必要な処分(退避、複製、保全措置など) | — |
| 守る対象 | 登記簿および附属書類の現物 | — |
| 利用者から見た可視性 | ほぼ見えない(働いた年は誰も気付かない) | — |
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