河川法 第37条(河川管理者の工作物に関する工事の施行)
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河川管理者は、第二十六条第一項の許可を受けた者の委託があつた場合においては、同項の許可に係る工作物に関する工事を自ら行うことができる。
この条文の基本情報
河川管理者の工作物に関する工事の施行とは何ですか?
定義河川管理者の工作物に関する工事の施行とは、河川法第37条に定められた規定で、「河川管理者は、第二十六条第一項の許可を受けた者の委託があつた場合においては、同項の許可に係る工作物に関する工事を自ら行うことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第37条(河川管理者の工作物に関する工事の施行)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第37条の条文原文は「河川管理者は、第二十六条第一項の許可を受けた者の委託があつた場合においては、同項の許可に係る工作物に関する工事を自ら行うことができる。」で始まります。
- 河川法第37条は第一款 通則に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第37条の前の条は河川法第36条です。
- 河川法第37条の次の条は河川法第37条の2です。
- 河川法第37条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第37条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第37条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/37
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法37条は、26条1項の許可を受けた者から委託があれば、河川管理者が許可工作物の工事を自ら行えると定める。引受けは義務ではなく、完成後の責任は別に定まる。
Q · 川に樋管を造る許可が下りたけど、堤防の工事は役所に頼めるの?
頼める。ただし引受けは管理者の判断で、責任は移らない
河川法37条により、26条1項の許可を受けた者は、許可に係る工作物の工事を河川管理者に委託でき、管理者は自ら工事を行うことができます。ただし条文は「できる」と定めるだけで、引き受けるかは管理者の判断です。費用は委託者負担が前提で、完成後の所有・維持管理の帰属は委託の取り決めや河川法3条2項の同意など別の手当てで決まります。
解説
堤防に穴を開ける工事は、許可を取った本人ではなく、川を管理する役所そのものに頼むことができる。河川法37条が定めているのはこれだけに見えるが、実務への影響は大きい。川に橋脚、取水口、排水樋管(堤防を貫いて水を通す管)などを造るには、26条1項の許可(役所が個別に出す「造ってよい」という決定)が必要になる。ところが堤防は流域住民の命を預かる構造物であり、民間業者が掘って埋め戻しに失敗すれば、次の洪水で決壊の起点になりかねない。そこで本条は、許可を受けた者から委託があれば、河川管理者(一級河川なら原則として国土交通大臣、二級河川なら都道府県知事)が自分で工事を施行できる道を用意した。押さえておきたいのは「できる」という文言である。引き受ける義務はなく、断られることもある。また工事を任せたからといって、費用負担、完成後の工作物の所有や管理責任が当然に管理者へ移るわけではない。委託の取り決めを詰めずに頼めば、「壊れたら誰が直すのか」という争いの種を自分で埋めることになる。
法的な位置づけ
河川法37条は委託による工事施行を定める規定であり、同法26条1項に基づき工作物の新築等の許可を受けた者から委託があった場合に、河川管理者が当該許可工作物に関する工事を自ら施行できる旨を規定する。堤防など公共の治水施設と一体となる工事の品質を管理者自身が確保する余地を設けるもので、引受けは管理者の裁量に属し、工作物の帰属や管理責任を変更する効果はない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.許可の名義人と委託範囲を確定する 委託できるのは河川法26条1項の許可を受けた者に限られる。許可書の名義人を確認し、堤防横断部分など管理者に委ねたい工事の範囲を図面上で特定する
- 2.事前協議で委託方式を持ち出す 許可申請前または許可直後の事前協議で、委託施工を希望する旨を河川事務所に伝える。管理者の標準仕様に合わせた設計にしておくと、引受けの判断が得やすい
- 3.委託の取り決めを書面化する 費用負担(概算払い・精算)、工期、出水期の扱い、引渡し時期、完成後の維持管理者、不具合時の対応、将来の撤去費用を明記させる。署名前のこの段階が責任分担を決める唯一の機会となる
- 4.完成後に引渡しと管理区分を記録する 工事完了時に引渡し記録を受け取り、工作物の管理者を確認書の形で残す。河川管理施設とする場合は河川法3条2項の同意手続を別途確認する
よくある質問 AI による整理
Q1河川法37条とはどんな規定ですか?
26条1項の許可を受けた者から委託があれば、河川管理者が許可工作物の工事を自ら行えるとする規定です。堤防に関わる工事の品質確保が狙いです。
Q2許可工作物とは何ですか?
河川法26条1項の許可を受けて河川区域内に新築・改築される工作物です。橋脚、取水口、排水樋管、桟橋などが典型で、所有者は許可を受けた者です。
Q3河川管理者は誰ですか?
一級河川は原則として国土交通大臣(河川法9条)、二級河川は都道府県知事(同10条)です。実務の窓口は各地の河川事務所や土木事務所になります。
Q4河川工事の委託は誰でもできますか?
できません。委託できるのは26条1項の許可を受けた者に限られます。まず許可の名義人が誰かを確認し、その名義で委託を申し込む必要があります。
Q5役所に委託した工事の費用はいくらかかる?
条文に金額の定めはなく、委託者負担が前提です。概算払いと完了後精算の形が取られることがあり、見積内訳と精算手順を書面で確認するのが基本です。
Q6河川管理者は委託を断れますか?
断れます。条文は「行うことができる」と定め、引受けを義務づけていません。設計資料、費用負担、工期の条件を整えて協議に臨むことが重要です。
Q7出水期に堤防工事はできる?
多くの河川では洪水期に堤防を掘削する工事を原則避ける運用がとられています。具体的な期間は河川ごとに異なるため、所管の河川事務所に確認が必要です。
Q8委託施工した樋管の管理責任は誰にありますか?
37条は施工の担い手を定めるだけで、管理責任は当然には移りません。委託時の取り決めや、河川法3条2項の同意で河川管理施設とされたかで判断が分かれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所に工事を頼んだら、費用はタダになるんですか?
なりません。37条は河川管理者が委託を受けて工事を施行できるとするだけで、費用は委託した側が負担するのが前提である。委託の取り決めで支払方法や精算の仕方を定めることになる。実務のポイント:概算で前払いし、完了後に精算する形が取られることがあるため、精算条項がないまま署名すると追加費用の根拠を争えない。見積の内訳と精算の手順を書面に残すことが第一歩である
Q2役所が造った樋門が壊れたら、役所に直してもらえますか?
当然にはそうならない。37条は施工を任せる規定であり、完成した工作物の所有や管理が自動的に河川管理者へ移るわけではない。河川管理施設として管理者が管理するには、河川法3条2項の同意などが別途必要である。実務のポイント:古い許可工作物では、管理者の区分が書類上はっきりしないものもある。更新許可や改築の機会に、管理区分を確認書の形で残しておくと、災害時の押し付け合いを防げる
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所に工事を委託すれば、完成した工作物も役所の管理になる」と考えがちだが、本条は施工を任せる仕組みにすぎない。許可工作物の所有者、管理者が変わるかどうかは別問題であり、河川管理施設として扱われるには河川法3条2項の同意など別の手当てが必要になる。工事の担い手と責任の担い手は別物である
- 許可を取ったのだから、委託すれば役所は当然引き受けるはずだと思うかもしれない。しかし条文は「行うことができる」と書いており、引き受けるかどうかは河川管理者の判断に委ねられている。申し込む権利があるかどうかを問うより、管理者が引き受けたくなる条件(設計資料、費用負担、工期の余裕)をどう揃えるかを考えるほうが現実的である
- 施主の側から見れば、委託は「面倒な工事を丸投げできる便利な制度」である。法律の側から見れば、堤防という公共の安全装置に民間が手を入れるリスクを、管理者自身の手で抑えるための仕組みである。この視点のずれに気づかないまま費用、工期、仕様について強く出ると、協議は長引くだけになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 河川法37条:許可工作物の工事を河川管理者が委託を受けて自ら施行 | 河川法26条:河川区域内の工作物の新築・改築・除却の許可 河川法3条:河川管理施設の定義(許可工作物は同意で河川管理施設に) |
| 誰が動くか | 許可を受けた者が委託し、河川管理者が施工 | 工作物を設けようとする者が申請し、河川管理者が許可 河川管理者が所有者の同意を得て管理施設として扱う |
| 完成後の責任への影響 | なし(施工の担い手が変わるだけ) | 許可を受けた者が工作物の所有者・管理者となる 河川管理施設となれば管理者側の管理対象に入る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も河川区域内の工作物設置に主管機関の許可を要する。許可を受けた者からの委託で管理機関自身が施工する旨の一般規定は確認できず、日本の37条に相当する明文の有無は要確認
韓国も河川の占用に許可を要する構造で日本と類似する。委託施工の規定の有無は要確認
ドイツは水域内外の施設を水管理法で規律し、州水法が許可・届出の詳細を定める
米国では連邦の治水施設を改変する工事に陸軍工兵隊の許可(Section 408)を要し、管理機関の品質管理を確保する発想は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 食品工場の排水を川へ流すため、堤防を横断する樋管の設置許可がやっと下りた。社内の設備担当は地元の土木業者に発注するつもりでいたが、河川事務所の担当者から「堤防部分はこちらで施工する委託方式も検討してください」と言われた。委託すれば堤防の品質リスクは減るが、工期と費用の主導権は役所側に移る。どちらを選ぶかで、操業開始日が数か月変わる
- 委託して河川管理者が造った樋門が、五年後に故障して工場が浸水した。修理するのは誰で、損害を負担するのは誰か? 工事をしたのは役所でも、工作物は許可を受けた会社のものであることが多い。答えは委託時の書面と、その工作物が河川管理施設として扱われているかどうかで分かれる
- 出水期が近い。多くの河川では、洪水の多い時期に堤防を掘る工事を原則として避ける運用がとられている。あと一か月で委託の協議がまとまらなければ、着工は秋以降にずれ込む
- 町内会長として、農業用水の取水口の改修を土地改良区から相談された。「役所に工事を頼めるらしい」という話を聞いたが、頼めるのは許可を受けた者だけで、申込みの窓口も費用の出どころも決まっていない。まず確認すべきは、誰が26条の許可の名義人かである
取るべき行動
被害を受けた側:許可を受けた側として委託を検討する場合:1. まず自分(自社)が26条1項の許可の名義人であることを確認する。委託できるのは許可を受けた者に限られる2. 事前協議の段階で、堤防部分などの委託範囲を図面で特定する3. 委託の取り決めでは、費用負担の方法(概算払い・精算)、工期、出水期の扱い、引渡し時期、完成後の維持管理者を明記させる4. 委託施工した工作物の不具合で損害が出た場合は、書面の責任分担と、工作物が河川管理施設として扱われているかを確認したうえで、民法717条や国家賠償法2条のどちらの筋で請求するかを弁護士と検討する
訴えられた側:許可工作物の所有者として、第三者から浸水等の責任を問われた場合:1. その工作物が委託施工か自社施工か、完成後の管理者が誰かを示す書類(許可書、委託の取り決め、引渡し記録)を直ちに集める2. 施工上の欠陥が原因と考えられる場合は、施工者側(委託先を含む)との責任分担を書面に基づいて主張する3. 河川管理者から是正を求められた場合は、監督処分(75条)に進む前に、修繕計画を自ら提出して協議に持ち込む4. 自社の管理責任を否定しきれない場合でも、保険の適用範囲を早めに確認する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。工作物の欠陥で第三者に損害が出た場合の不法行為責任は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年(民法724条、724条の2)。実務上は、許可期間の満了日と、各河川の出水期による工事の時期的制約のほうが先に効いてくる(最新の運用は所管の河川事務所にご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法(明治29年)を全面的に改め現行河川法を制定。許可工作物の工事を河川管理者が委託を受けて施行できる本条を設けた
- 河川法 第26条委託の前提となる工作物新築等の許可
- 河川法 第3条許可工作物を河川管理施設とする同意要件
- 河川法 第9条一級河川の管理者は国土交通大臣
- 河川法 第10条二級河川の管理者は都道府県知事
- 河川法 第75条許可工作物に対する監督処分
- 民法 第717条許可工作物の瑕疵による所有者等の責任
- 国家賠償法 第2条河川管理施設の瑕疵に対する公の責任
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