河川法 第51条の2(ダム洪水調節機能協議会)
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- 河川管理者は、その管理する一級河川に設置された第四十四条第一項に規定するダム又は河川管理施設であるダム(次項及び次条において「利水ダム等」という。)の洪水調節機能の向上を図るために必要な協議を行うため、ダム洪水調節機能協議会を組織するものとする。
- 2.ダム洪水調節機能協議会は、次に掲げる者をもつて構成する。
- 一河川管理者
- 二利水ダム等に係る水利使用に関し第二十三条又は第二十六条第一項の許可を受けた者
- 三関係都道府県知事
- 四関係行政機関、関係市町村長その他の河川管理者が必要と認める者
- 3.第一項の規定によりダム洪水調節機能協議会を組織する河川管理者は、同項に規定する協議を行う旨を前項第二号及び第三号に掲げる者に通知しなければならない。
- 4.前項の規定による通知を受けた者は、正当な理由がある場合を除き、当該通知に係る協議に応じなければならない。
- 5.ダム洪水調節機能協議会は、必要があると認めるときは、その構成員以外の関係行政機関に対し、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
- 6.ダム洪水調節機能協議会において協議が調つた事項については、ダム洪水調節機能協議会の構成員はその協議の結果を尊重しなければならない。
- 7.前各項に定めるもののほか、ダム洪水調節機能協議会の運営に関し必要な事項は、ダム洪水調節機能協議会が定める。
この条文の基本情報
ダム洪水調節機能協議会とは何ですか?
定義ダム洪水調節機能協議会とは、河川法第51条の2に定められた規定で、「河川管理者は、その管理する一級河川に設置された第四十四条第一項に規定するダム又は河川管理施設であるダム(次項及び次条において「利水ダム等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第51条の2(ダム洪水調節機能協議会)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第51条の2の条文原文は「河川管理者は、その管理する一級河川に設置された第四十四条第一項に規定するダム又は河川管理施設であるダム(次項及び次条において「利水ダム等」という。」で始まります。
- 河川法第51条の2は第三款 ダムに関する特則に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第51条の2の前の条は河川法第51条です。
- 河川法第51条の2の次の条は河川法第51条の3です。
- 河川法第51条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第51条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第51条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/51_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法51条の2は、一級河川の河川管理者がダム洪水調節機能協議会を組織し、利水ダム等の洪水調節機能の向上を協議すると定める。合意には尊重義務があるが、罰則はない。
Q · 電力会社や農業用のダムも、大雨の前に水を流して洪水に備えてくれるの?
協議会で合意すれば、利水ダムも洪水調節に協力する
河川法51条の2により、一級河川の河川管理者は「ダム洪水調節機能協議会」を組織します。協議会には、発電や農業用水のダムで水利使用の許可を受けた者や関係都道府県知事などが参加します。通知を受けた利水者は、正当な理由がない限り協議を拒めず、調った合意は尊重しなければなりません。ただし罰則はありません。緊急時の強制力は、河川管理者がダム設置者に出す操作の指示(52条)が担います。
解説
大雨の夜、川の上流にあるダムが下流のあなたの家を守っているかどうかは、そのダムが誰のものかで大きく変わる。日本のダムの多くは、発電・農業用水・水道のための「利水ダム」である。治水のために造られたダムではないので、本来は水を貯めておくことが仕事だ。本条は、一級河川の河川管理者(原則として国土交通大臣)に「ダム洪水調節機能協議会」を組織させる。協議会には、ダムの水利権(川の水を使う許可)を持つ電力会社や土地改良区、関係都道府県知事などが入る。通知を受けた利水者は、正当な理由がない限り協議を断れない。決まった内容は構成員が尊重しなければならない。ただし「尊重」は「命令」ではなく、従わなかったときの罰則もない。大雨の前にダムの水位を下げておく「事前放流」がどこまで実際に行われるかは、この協議会での合意と各ダムの運用にかかっている。自分の住む地域の水系で何が合意されているかを確かめれば、ハザードマップだけでは分からない上流側の備えが見えてくる。
法的な位置づけ
ダム洪水調節機能協議会とは、河川法51条の2に基づき、一級河川の河川管理者が組織する法定の協議体である。河川管理者、利水ダム等に係る水利使用の許可を受けた者、関係都道府県知事などで構成され、利水ダム等の洪水調節機能の向上に必要な事項を協議する。協議が調った事項については、構成員が尊重義務を負う。
よくある質問 AI による整理
Q1ダム洪水調節機能協議会とは?
河川法51条の2に基づき、一級河川の河川管理者が組織する協議体です。利水ダム等を洪水調節にも活用するため、水利使用者や関係都道府県知事と協議します。
Q2事前放流とは何ですか?
大雨が予想されるとき、雨のピークより前にダムの水位を下げ、洪水を受け止める空き容量を確保する操作です。利水ダムでの実施内容は協議会での合意が土台になります。
Q3利水ダムと治水ダムの違いは?
利水ダムは発電・農業用水・水道などのために水を貯めるダムで、治水ダムは洪水調節を目的とするダムです。利水ダムには、洪水用の容量がもともと確保されていないことが多いです。
Q4ダム洪水調節機能協議会のメンバーは誰?
河川管理者、利水ダム等の水利使用で河川法23条または26条1項の許可を受けた者、関係都道府県知事、河川管理者が必要と認める関係行政機関・市町村長などです。
Q5協議会への参加は断れる?
河川法51条の2第4項により、通知を受けた者は正当な理由がある場合を除き、協議に応じなければなりません。単に不都合だという理由では断れないと考えられます。
Q6ダム洪水調節機能協議会はいつできた?
令和3年(2021年)の流域治水関連法による河川法改正で新設されました。令和2年以降に一級水系で結ばれた治水協定を、法定の協議会として位置づけたものです。
Q7協議会の運営ルールは誰が決める?
本条7項により、法律に定めのない運営事項は協議会自身が定めます。開催頻度や議事の進め方などは、水系ごとに協議会が決めます。
Q8二級河川のダムも本条の対象?
本条が対象とするのは、河川管理者が管理する一級河川に設置されたダムです。条文上、二級河川は直接の対象として書かれていません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1事前放流のせいで農業用水が足りなくなったら、誰が責任とってくれるんですか?
本条は協議の場を作るだけで、補償の内容までは定めていない。国は事前放流のガイドラインで、放流した後に水位が戻らず利水に支障が出た場合の損失補填の仕組みを設けている。ただし対象と要件は限られている(最新の運用状況をご確認ください)。実務のポイント:補填の対象になるかどうかは、事前に合意した放流量と手順を守ったかどうかで分かれやすい。合意内容と実際の操作記録を必ず残しておくべきである。
Q2協議会で決まったことを電力会社が守らなかったら、罰則はありますか?
本条6項は構成員に「尊重義務」を課すだけで、罰則規定は置いていない。ただし、洪水被害が発生するおそれが大きく緊急の必要があるとき、河川管理者は52条にもとづき、ダムを設置した者に操作上の必要な措置を指示できる。実務のポイント:実務では、協議で決めた内容は合意としての重みで守られており、52条の指示は最後の手段と位置づけられている。この二段構えを知っていると、行政への質問の的が絞れる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「ダムがあるのだから下流は安全」と考えがちだが、前提が違う。日本のダムの多くは利水目的で造られており、もともと洪水を受け止めるための容量は確保されていない。洪水調節に使えるかどうかは、本条の協議会などで合意された事前放流の運用次第であり、ダムがあること自体は治水の保証にならない。
- 協議会の合意には法的強制力があると思われやすいが、本条6項が定めるのは「尊重しなければならない」という義務にとどまり、違反への罰則はない。実際に頼りになるのは、利水者自身の運用と、緊急時に河川管理者が出せる操作指示(52条)の二段構えである。この差を知らないと、責任の所在を問う場面で相手を取り違える。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 仕組みの性格 | 河川法51条の2:関係者による協議と合意(平時の合意形成) | 河川法52条:河川管理者によるダム操作の指示(緊急時の介入) 河川法47条:ダム設置者が定める操作規程(個々のダムの運用ルール) |
| 拘束力 | 協議に応じる義務と合意の尊重義務。罰則はない | 河川管理者が必要な措置を指示できる 河川管理者の承認を受けた規程に従って操作する |
| 発動場面 | 洪水調節機能向上のための協議を行うとき | 洪水災害が発生し、または発生のおそれが大きく、緊急の必要があるとき ダムを設置・運用する全期間 |
| 主な対象者 | 河川管理者、水利使用の許可を受けた者、関係都道府県知事など | ダムを設置する者 44条1項のダムを設置する者 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では水庫の管理・運用を水利法と関連の下位法令が規律する。日本の本条のような、利水者を協議に参加させる法定の協議会制度に当たるものは確認できていない
連邦資金で建設された貯水池について、陸軍工兵隊が洪水調節のための運用規則を定める。協議による合意を基本とする日本とは異なり、規則による一律の規律が中心である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の進路予報が出て、上流の発電ダムで事前放流が始まった。下流の住民が「放流で水位が上がった」と市役所に苦情を入れる。事前放流は、ダムに洪水を受け止める空き容量を作るために、雨のピークより前に水を流しておく操作である。その実施ルールの土台になっているのが、この協議会で調った合意だ。
- 農業用水ダムを管理する土地改良区の理事として、河川管理者から協議会への参加通知を受け取ったら、断れるのか? 本条4項により、正当な理由がない限り協議に応じる義務がある。一方で、事前放流をした後に水が戻らず、用水が足りなくなるという不安は協議の場で正面から出すべき論点である。黙って参加して合意に乗るのが一番危ない。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)流域治水関連法 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律により新設。令和2年(2020年)以降に一級水系で結ばれた治水協定(利水ダムの事前放流)を、法定の協議会制度として位置づけた
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律(流域治水関連法)により新設。令和2年(2020年)以降に一級水系で締結された利水ダムの事前放流に関する治水協定を、法定の協議会制度として位置づけた
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