河川法 第78条(許可を受けた者等からの報告の徴収及び立入検査)
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- 国土交通大臣又は河川管理者は、この法律を施行するため必要がある場合においては、この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定により許可、登録若しくは承認を受けた者から河川管理上必要な報告を徴し、又はこの法律による権限を行うため必要な限度において、その職員に当該許可、登録若しくは承認に係る工事その他の行為に係る場所若しくは当該許可、登録若しくは承認を受けた者の事務所若しくは事業場に立ち入り、工事その他の行為の状況又は工作物、帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。
- 2.前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
- 3.第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のため認められたものと解してはならない。
この条文の基本情報
許可を受けた者等からの報告の徴収及び立入検査とは何ですか?
定義許可を受けた者等からの報告の徴収及び立入検査とは、河川法第78条に定められた規定で、「国土交通大臣又は河川管理者は、この法律を施行するため必要がある場合においては、この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定により許可、登録若…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第78条(許可を受けた者等からの報告の徴収及び立入検査)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第78条の条文原文は「国土交通大臣又は河川管理者は、この法律を施行するため必要がある場合においては、この法律若しくはこの法律に基づく政令若しくは都道府県の条例の規定により許可、登録若…」で始まります。
- 河川法第78条は第四章 監督に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第78条の前の条は河川法第77条です。
- 河川法第78条の次の条は河川法第79条です。
- 河川法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法78条は、河川管理者が許可等を受けた者に報告を求め、職員に事務所等を立入検査させる権限を定める。職員は証明書を提示し、犯罪捜査には使えない。
Q · 河川の占用許可を受けたら、役所が事務所まで検査に来ることはあるの?
ある。許可等に係る範囲で報告徴収と立入検査の対象になる
河川法78条により、国土交通大臣又は河川管理者は、許可・登録・承認を受けた者に河川管理上必要な報告を求め、職員を工事現場だけでなく事務所や事業場にも立ち入らせて、帳簿・書類・工作物などを検査させることができます。職員は証明書を携帯・提示しなければならず(2項)、この権限は犯罪捜査のためのものではありません(3項)。実力で踏み込むことは認められていませんが、正当な理由なく拒めば罰則の対象になります。
解説
河川敷の駐車場、川底からの砂利採取、農業用水の取水口、橋の下のバーベキュー場。これらはどれも河川管理者の許可があって成り立っている。河川管理者とは、一級河川なら国土交通大臣、二級河川なら都道府県知事のことだ。そして許可を受けた時点で、あなたは河川法78条の対象になる。役所は「河川管理上必要な報告」を求めることができる。職員を工事現場だけでなく事務所や事業場にも行かせ、帳簿や書類を検査させることもできる。ただし、この力には三つの枠がある。一つ目に、対象は許可・登録・承認を受けた者と、その許可に係る行為・場所に限られる。二つ目に、職員は身分証明書を持ち歩き、関係者に見せなければならない。三つ目に、この検査は犯罪捜査のための権限ではない。検査を拒めば罰則の対象になるが、職員が力ずくで扉を開けることは本条では認められていない。罰則という間接的な圧力で協力させる仕組みだ。この構造を知っているかどうかで、検査当日の対応はまるで変わる。
法的な位置づけ
河川法78条は、河川管理者等による報告徴収及び立入検査を定める規定である。対象は同法、同法に基づく政令又は都道府県の条例により許可・登録・承認を受けた者に限られ、検査は許可等に係る工事その他の行為の場所、事務所又は事業場において、権限行使に必要な限度で行われる。職員の証明書提示義務と、犯罪捜査目的の否定が併せて規定されている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.求めの文書と許可条件を突き合わせる 報告を求める文書が届いたら、報告事項・期限・根拠条文を確認し、手元の許可書(占用・採取・工作物設置など)の許可条件と照合する。許可量や許可範囲を超えた月がないかを先に洗い出す
- 2.帳簿と一致した報告書を期限内に提出 月別の採取記録・工事日報・施設管理記録など帳簿と一致する数値で報告書を作成し、指定期限内に提出する。不一致がある場合は是正計画を添えて自ら説明する
- 3.立入検査当日は証明書を確認して記録 職員が来訪したら78条2項の証明書の提示を求め、所属・氏名・来訪日時を記録する。検査対象となる許可の範囲と根拠条項を確認し、やり取りをメモに残す
- 4.許可に係る範囲の書類・物件を提示 許可に係る工事その他の行為の状況、工作物、帳簿、書類など必要な物件を提示する。範囲外と思われる要求があれば、その場で根拠を尋ね、記録したうえで対応を相談する
- 5.指摘事項には監督処分前に是正計画を出す 検査で違反を指摘されたら、監督処分(75条)を受ける前に是正計画を自主的に提出する。不利益処分の前には行政手続法に基づく聴聞・弁明の機会があるため、必要に応じて弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1河川法78条とは何を定めた条文ですか?
河川管理者が、河川法等に基づく許可・登録・承認を受けた者に報告を求め、職員に現場・事務所・事業場を立入検査させる権限を定めた条文です。
Q2河川管理者とは誰のことですか?
一級河川は原則として国土交通大臣、二級河川は都道府県知事が河川管理者です。実際の窓口は国の河川事務所や都道府県の河川担当課になります。
Q3河川法の報告徴収の対象になるのはどんな人?
河川法、同法に基づく政令、都道府県の条例により許可・登録・承認を受けた者です。流水・土地の占用、土石採取、工作物設置の許可を受けた者などが含まれます。
Q4立入検査の職員が証明書を見せなかったらどうする?
78条2項は職員に証明書の携帯と関係人への提示を義務づけています。まず提示を求め、所属と氏名を記録してから応対するのが基本です。
Q5河川法の報告で虚偽の内容を出したらどうなる?
虚偽の報告は河川法の罰則の対象になりえます。さらに許可条件違反が発覚すれば監督処分(75条)の判断材料にもなるため、帳簿と一致させることが重要です。
Q6河川法の立入検査に弁護士は立ち会える?
立会いを禁じる規定は本条にありません。事前に依頼して同席してもらうことは可能ですが、立会いを理由に検査を不当に遅らせると忌避と見られるおそれがあります。
Q7河川法の立入検査で自宅まで入られる?
検査場所は許可等に係る行為の場所と、許可等を受けた者の事務所・事業場に限られます。許可と無関係な私的住居は本条の立入り対象として規定されていません。
Q8報告の求めに応じないと監督処分になる?
報告を怠っただけで直ちに処分とは限りませんが、罰則の対象になりうるうえ、許可条件の遵守状況を確認できなければ監督処分(75条)に進む可能性が高まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1河川事務所の立入検査、今日は都合が悪いって断ってもいいの?
日程の調整を頼むこと自体が直ちに違法になるわけではない。ただし、正当な理由なく拒む・妨げる・避けると、河川法の罰則(罰金)の対象になる(最新の改正状況をご確認ください)。78条は、拒否に罰則を科すことで協力させる間接強制型の規定である。実務のポイント:日程変更は電話で済ませず、理由と代わりの日程を書面で出しておくと、「忌避」(検査を避けたこと)と見られにくい
Q2検査で見せた帳簿が、あとで警察に回ることってある?
78条3項は、立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものではないと明記している。だから、捜査目的でこの権限を使うことは許されない。ただし最高裁は、他の法律の同種の規定について、得た資料が後に刑事手続で使われうることだけで検査が違法になるわけではないとしている(最決平成16.1.20)。実務のポイント:公務員には、職務上犯罪を知ったときの告発義務がある(刑事訴訟法239条2項)。検査そのものは捜査ではないが、捜査のきっかけにはなりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入検査は断れば入ってこられない、だから断ればいい」という理解は、半分だけ正しい。職員が実力で踏み込むことは本条では認められていない。しかし、拒むこと・妨げること・避けること自体が罰則の対象になり、許可の取消しなど監督処分を判断する材料にもなりうる。断る自由はあるが、その代償は高い
- 「河川法の検査は、川で工事している建設業者だけの話」という問いの立て方そのものが誤っている。対象は河川法などに基づいて許可・登録・承認を受けた者全般である。土地の占用許可を受けて河川敷で駐車場やイベント施設を運営する事業者、流水の占用許可を受けた取水者、橋や管路を設ける事業者も含まれる。検査の場所も川の現場に限られず、事務所や事業場にまで及ぶ
- あなたから見れば「犯罪捜査のためではない」という3項は安心材料に見える。しかし法律から見れば、3項は行政調査と刑事手続の境界線を引く規定にすぎない。最高裁は、他の法律の同種の規定について、検査で得た資料が後に刑事手続で使われうることだけで検査が違法になるわけではないとしている(最決平成16.1.20)。検査で提出した帳簿が、別のルートで証拠になる可能性は残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 河川法78条:許可条件の遵守状況などを確かめるための情報収集(報告徴収・立入検査) | 河川法75条:違反等に対する許可の取消し・工事の中止などの監督処分 |
| 法的性質 | 行政調査。拒否には罰則による間接強制、実力による強制は規定なし | 不利益処分。行政手続法に基づく聴聞・弁明の機会の付与が前提 |
| 相手方への影響 | 報告・帳簿等の提示義務を負うが、許可そのものは直ちに変更されない | 許可の取消し・変更、原状回復などで事業そのものに直接影響する |
| 両者の関係 | 検査結果が監督処分判断の材料になる(入口) | 78条で把握した事実を基に発動されうる(出口) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも河川区域の使用許可制を採り、主管機関が許可を受けた者の使用状況を検査・監督する仕組みがある。日本と同様、許可制と監督権限が一体で運用される
韓国の河川法も河川管理庁による許可制と報告・検査の規定を持ち、日本の河川法と構造が近い
ドイツは水管理法で水域監督(Gewässeraufsicht)を定め、監督官庁に立入り・情報請求の権限を与える。河川に限らず水利用全般を対象とする点で日本より広い
米国は水質規制の文脈で、EPA に記録・報告の要求と事業所への立入検査権限を与える。河川管理より汚染規制の色彩が強い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 河川で砂利採取の許可を受けている会社の総務担当として、ある朝、国土交通省の河川事務所から「採取量について報告を求める」文書を受け取った。期限は2週間後。許可量を超えて掘った月が一つでもあれば、その報告書が監督処分(75条)の入口になる。今夜のうちに月別の採取記録と許可条件を突き合わせなければ間に合わない
- 職員が身分証も見せずに「河川事務所の者です、帳簿を見せてください」と事務所に入ってきたら、どうする? 78条2項は、立入検査をする職員に証明書の携帯と提示を義務づけている。まず証明書を見せてもらい、所属と氏名を控えることが、正当で当然の第一歩である
- 上流の工事で川が濁り、あなたの養殖池に被害が出た。業者に問い合わせても話が進まない。業者の現場と帳簿を検査する権限を持っているのは、河川管理者のほうだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 濁った水、騒音、範囲を越えた掘削など、被害の状況を日時入りの写真と動画で記録する2. その川が一級河川か二級河川かを確かめ、管轄の河川事務所か都道府県の河川担当課に書面で情報提供する3. 業者が受けている許可の内容(土地の占用、土石の採取、工作物の設置など)を情報公開請求で確認する4. 損害賠償は、別途業者に対して民法709条で請求する。行政の検査結果はそれだけで賠償の根拠にはならないが、事実を明らかにする手がかりになる
訴えられた側:1. 報告の求めには、指定された期限内に応じる。記載は帳簿と一致させる。虚偽の報告は罰則の対象になる2. 立入検査では、職員の証明書(78条2項)を確認し、所属と氏名を記録する3. 検査が許可に係る行為や場所の範囲を超えていると感じたら、その場で根拠となる条項を尋ね、やり取りを記録に残す4. 違反を指摘されたら、監督処分(75条)を受ける前に是正計画を自分から出す。許可の取消しのような不利益処分の前には、行政手続法に基づく聴聞や弁明の機会がある
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。報告の期限は、求めの文書でそのつど指定される。報告の拒否・虚偽報告・検査の拒否に罰金刑が科される場合、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。被害者が業者に損害賠償を請求する場合は民法724条が適用され、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年で請求できなくなる
学説
通説:河川法78条の立入検査は、相手方の抵抗を実力で排除できない間接強制型の行政調査であり、罰則による心理的強制で実効性を担保する。犯罪捜査目的での利用は3項により否定される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:現行河川法(昭和39年法律第167号)の制定により、許可等を受けた者に対する報告徴収及び立入検査の規定として設けられた
- 河川法 第23条流水の占用許可、報告徴収の対象
- 河川法 第24条土地の占用許可、検査対象となる行為
- 河川法 第25条土石等の採取許可、採取量の検査
- 河川法 第26条工作物の新築等の許可、工事状況の検査
- 河川法 第75条監督処分、検査結果を受けた是正命令
- 行政手続法 第3条情報収集目的の処分等は適用除外
- 刑事訴訟法 第239条公務員の告発義務、捜査の端緒との接点
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