要点所得税法 49 条は、減価償却資産の取得価額を耐用年数にわたり配分し、選定した償却方法で毎年の必要経費を計算すると定める。未選定なら個人は定額法に固定され、強制償却のため繰り越せない。
Q · 200 万円の機械を買ったら、その年に全部経費にできる?
できません。耐用年数に応じ毎年少しずつ償却します
所得税法 49 条により、減価償却資産の取得価額は買った年に一括では落とせず、耐用年数にわたって毎年少しずつ必要経費に算入します。償却方法は定額法・定率法などから選定でき、届出をしなければ個人は自動的に定額法になります。所得税は強制償却のため、計上し忘れた分を翌年にまとめて落とすことはできません。ただし 10 万円未満は即時経費、青色申告者は 30 万円未満まで即時経費にできる特例があります。
200万円の機械を買った年、その200万円がまるごと経費になると信じているなら、所得税法49条があなたの期待を分解する。減価償却資産の取得費は、買った年に一括で落とせない。使える年数に按分して、毎年少しずつ必要経費に算入される。ここまでは多くの人が知っている。知られていないのは第1項の後半だ。「その者が当該資産について選定した償却の方法」。つまり、どの償却方法を使うかはあなたが選ぶ。ただし「選定しなかつた場合には、償却の方法のうち政令で定める方法」。個人事業主にとってこの法定償却方法は定額法である。届出書を一枚出さなかっただけで、初年度に大きく費用を落とせる定率法の道が、自動的に閉じる。しかも所得税の減価償却は強制償却で、今年落とし忘れた分を来年まとめて落とすことはできない。選ばなかった、という不作為が、そのまま税額として毎年あなたの口座から出ていく。
所得税法 49 条は、減価償却資産の償却費を必要経費に算入する際の計算方法を定める規定である。取得価額を取得日および資産の種類に応じた耐用年数にわたり配分し、納税者が選定した償却方法(未選定時は政令で定める法定方法)に基づいて各年の償却費を計算する。所得税においては強制償却として構成され、任意償却が認められる法人税と対比される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
高額な資産の取得価額を、買った年に一括ではなく耐用年数にわたって毎年少しずつ必要経費に配分する制度です。所得税法 49 条が計算方法の根拠になります。
償却方法の選定届出書は、開業した年(またはその資産を取得した年)の翌年 3 月 15 日、確定申告期限までです。過ぎると個人は定額法に自動確定します。
初年度に厚く落として資金繰りを楽にしたいなら定率法、毎年一定額で平準化したいなら定額法です。総額は同じで、経費が集中する時期が変わります。届出をしないと定額法になります。
強制です。所得税は強制償却で、その年に計上すべき償却費はその年に確定します。赤字の年に見送っても償却費は消滅し、翌年にまとめて落とすことはできません。
簡便法で短縮されます。例えば 4 年落ちの中古車は新車の 6 年ではなく 2 年になり、定率法なら初年度にほぼ全額を償却できます。
定額法は取得価額に償却率を掛け、事業供用月数で月割りします。定率法は未償却残高に償却率を掛けます。取得価額・耐用年数・償却方法・取得月が計算の基礎です。
青色申告者が 30 万円未満の資産を全額その年の必要経費にできる特例(租税特別措置法 28 条の 2)です。年間合計 300 万円が上限で、適用期限があります。
個人はできません。所得税は強制償却のため、毎年の償却費は自動的に確定します。任意で止められるのは任意償却が認められる法人税の世界です。
白色申告なら不可。10万円以上20万円未満なので、一括償却資産として3年均等償却(所得税法施行令139条)か、通常の減価償却かを選ぶことになる。青色申告者なら租税特別措置法28条の2で30万円未満まで全額即時経費にできる。業界裏話ヒント:一括償却資産を選ぶと、その資産は償却資産税(固定資産税)の課税対象から外れる。30万円特例で全額落とすと償却資産税はかかる。目先の所得税だけ見て特例を選ぶと、市町村から毎年請求が来る
できない。所得税の減価償却は強制償却で、その年に計上すべき償却費はその年に確定する。落とし忘れた年の分は、更正の請求(国税通則法23条、5年以内)で遡って直すしかない。業界裏話ヒント:法人税は任意償却なので「今年は償却しない」が許される。この個人と法人の非対称性を知らずに、法人向けの節税本を読んだ個人事業主が毎年損をしている。所得が赤字の年こそ、償却費を積み上げて青色申告の純損失繰越(3年)に回すのが正攻法
落とせない。建物は平成10年4月1日以後取得分が定額法のみ、建物附属設備と構築物も平成28年4月1日以後取得分は定額法のみに限定された。49条1項が「政令で定める償却の方法の中から」と書いているのは、政令が選択肢自体を狭められることを意味する。業界裏話ヒント:不動産投資で初年度に厚く落とすなら、建物本体ではなく設備部分の分離が勝負どころ。売買契約書に建物と設備が一括で書かれていると分離が困難になるため、契約書の作成段階で内訳を交渉する
原状回復にとどまれば修繕費として一括経費、使用可能期間を延長させたり価値を増加させたりすれば資本的支出として49条2項の委任を受けた政令により取得価額に加算され、償却対象になる。実務上、解釈が分かれる典型論点である。業界裏話ヒント:工事業者に見積書を「一式」で書かせないこと。塗装、防水、断熱材追加のように工程を分けて書いてもらえば、断熱材だけを資本的支出、残りを修繕費として区分主張できる。見積書の書き方は、工事の3年後に効いてくる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象と根拠 | 49 条:減価償却資産の償却費の計算方法 | — |
| 費用化の方法 | 耐用年数にわたる減価償却(定額法・定率法等) | — |
| 選択の自由 | 償却方法を選定可、未選定は法定方法(個人は定額法) | — |
| 個人の扱い | 強制償却(見送っても償却費は消滅) | — |
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