居住者が第六十条第一項各号(贈与等により取得した資産の取得費等)に掲げる事由により利子所得、配当所得、一時所得又は雑所得の基因となる資産を取得した場合における当該資産に係る利子所得の金額、配当所得の金額、一時所得の金額又は雑所得の金額の計算については、別段の定めがあるものを除き、その者が引き続き当該資産を所有していたものとみなして、この法律の規定を適用する。
要点所得税法67条の4は、相続・贈与で利子・配当・一時・雑所得を生む資産を取得した場合、前の所有者が引き続き所有していたものとみなし、取得費と取得時期を引き継いで所得を計算すると定める。
Q · 相続でもらった社債や投信を償還・解約したとき、税金の取得費は自分がもらった時の値段で計算していいの?
いいえ。亡くなった人が買った時の取得費が引き継がれます
所得税法67条の4により、相続・遺贈・贈与で利子・配当・一時・雑所得を生む資産を取得した場合、その者が引き続き所有していたものとみなして所得を計算します(60条1項)。取得費も取得時期も被相続人・贈与者から引き継がれ、あなたがもらった時の時価ではなく、前の所有者が買った値段が起点です。数十年前の低い取得価額が引き継がれると償還差益や満期金の課税所得が膨らむため、取得価額を証明する書類の確保が納税額を左右します。
祖母が遺した公社債を満期で償還したら、思ったより手取りが少なかった。あるいは、贈与で受け取った生命保険契約の満期金に予想外の一時所得税がかかった。その謎を解く鍵が所得税法67条の4だ。あなたが相続・遺贈・贈与で利子・配当・一時・雑所得を生む資産を受け取ったとき、税金の計算は「あなたがもらった瞬間」からではなく、「元の持ち主が取得したとき」から引き継がれる。取得費も保有期間も、前の所有者のものがそのままあなたに移る。多くの人は「相続した時点で時計がリセットされる」と思い込んでいるが、法律はそう見ていない。被相続人が数十年前に安く買った資産なら、その低い取得費があなたに引き継がれ、償還差益や満期金の課税所得が膨らむ。逆に、この引き継ぎを知っていれば、被相続人の払込保険料や取得価額を証明する書類を掘り起こし、課税所得を正しく圧縮できる。知っているかどうかで、納税額が変わる。
所得税法67条の4は、相続・遺贈・贈与により利子・配当・一時・雑所得の基因となる資産を取得した居住者について、別段の定めがある場合を除き、その者が引き続き当該資産を所有していたものとみなして所得金額を計算する旨を定める規定である。取得費と取得時期は前の所有者から承継され、60条1項の効果を各所得区分に及ぼす。
AI 輔助整理,以條文原文為準
相続・贈与で資産を取得したとき、前の所有者が買った時の取得費と取得時期をそのまま引き継いで所得を計算する仕組みです。所得税法67条の4と60条1項が根拠で、利子・配当・一時・雑所得に及びます。
取得価額を証明できない場合に、譲渡・償還収入の一定割合を取得費とみなす計算方法です。実際の取得費より低くなりやすく、課税所得が跳ね上がる原因になります。
証券会社の取引残高報告書・取引報告書、保険会社の払込保険料証明書、通帳、購入時の契約書などです。口座が生きているうちに取り寄せるのが鉄則です。
概算取得費に落ち、実際より低い取得費で計算されるため課税所得が増えます。取得時期・経緯を合理的に説明できれば、より有利な取り扱いを交渉できる余地があります。
60条1項が取得費・取得時期の引継ぎの本体規定で、67条の4はその効果を利子・配当・一時・雑所得の各区分に及ぼすみなし規定です。両者はセットで機能します。
はい。引き継いだ低い取得価額に円高時の仕込みが反映され、償還時に為替差益込みで雑所得が膨らむことがあります。取得時の為替レートと取得価額の記録が重要です。
相続直後、被相続人の証券会社・保険会社との取引関係が生きているうちが分水嶺です。口座解約後や数年経つと書類が出ず、概算取得費に落ちます。
法律上、あなたが前の所有者の取得時から引き続き資産を所有していたものとして扱う考え方です。取得の時計がリセットされず、被相続人の取得時点から連続します。
違います。所得税法67条の4と60条1項により、被相続人が取得した時の取得費と取得時期があなたに引き継がれます。相続評価額ではありません。業界裏話ヒント:数十年前の取得だと当時の取得価額を証明する書類が失われがちで、書類がないと譲渡収入の一定割合を取得費とみなす概算に落ち、課税所得が跳ね上がる。相続直後、口座が生きているうちに取引履歴を取り寄せるかどうかで税額が大きく変わる(最新の改正状況をご確認ください)
原則として二重課税ではありません。相続税は財産の移転に、所得税はその後に生じた所得にかかる別の税で、67条の4はこの後者の計算方法を定めます。ただし例外があり、相続した生命保険年金の一部について最高裁は二重課税を認めました(最判平成22.7.6)。業界裏話ヒント:この判例を根拠に過去分の還付を受けられたケースがある。相続した年金保険の受取がある人は、二重課税調整の対象か税理士に確認する価値がある
満期金は一時所得になり、差し引けるのは払込保険料です。67条の4により、贈与者がそれまで払った保険料もあなたが払ったものとみなして引き継げます(60条1項、34条)。業界裏話ヒント:贈与者が長年払い続けた保険料の記録は、保険会社に請求すれば払込保険料証明書として出る。これを取り寄せずに申告すると、本来差し引ける保険料を落として余計に納税することになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 67条の4:各所得区分での取得費・取得時期の引継ぎ計算特例 | — |
| 対象所得 | 利子・配当・一時・雑所得 | — |
| 機能 | 60条1項の引継ぎ効果を4所得区分に及ぼすみなし規定 | — |
| 実務ポイント | 別段の定め(措置法の分離課税等)を除き適用、取得価額証明が鍵 | — |
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