職業転換給付金の支給を受けることとなつた者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
要点労働施策総合推進法 21 条は、職業転換給付金の受給権について譲渡・担保供与・差押えを禁止する。国税滞納処分も及ばないが、事業主に係る権利だけは国税滞納処分による差押えができる。
Q · 税金を滞納していたら、職業転換給付金も差し押さえられてしまうんですか?
労働者本人の分は守られるが、事業主の分は差押え可
労働施策総合推進法 21 条本文は、職業転換給付金の受給権について譲渡・担保供与・差押えを一律に禁止しており、国税滞納処分も例外とされていません。したがって労働者本人が受け取る受給権は、税を滞納していても差し押さえられません。ただし同条ただし書により、事業主に係る当該権利については国税滞納処分(その例による処分を含む)による差押えが認められます。労働者の生活基盤は絶対的に保護し、事業主の助成金は租税債権に劣後させる、という二段階の設計です。
職業転換給付金、聞き慣れない名前だが、中高年の離職者や特定業種の離職者が再就職の訓練を受ける間、国や都道府県から支給される手当である。21 条が定めるのは、その受給権を譲り渡せない、担保に入れられない、差し押さえられない、という三重のロックだ。「給付金が出たら回収する」と貸主に念書を書かされても、その担保設定は効力を持たない。債権者が裁判所に差押命令を申し立てても、この権利には届かない。国税滞納処分でさえ、労働者本人の受給権には手を出せない。ただし条文の後半を読み飛ばしてはいけない。事業主に係る権利、つまり労働者を雇い入れた事業主が受け取る分については、国税滞納処分による差押えが正面から認められている。同じ給付金でも、労働者と事業主で保護の厚さが違う。生活の土台は誰にも崩させない、しかし事業資金は租税債権に劣後する。この非対称こそが 21 条の設計思想である。
労働施策総合推進法 21 条は、職業転換給付金の受給権に関する処分制限を定める規定である。同法 18 条以下に基づき支給を受けることとなつた者の受給権は、譲渡、担保供与および差押えの対象とならない。民事執行法 152 条の差押禁止債権に対する個別特則として機能し、国税滞納処分にも及ぶ。ただし事業主に係る権利は国税滞納処分による差押えを免れない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
離職者などの職業転換を促すため、国や都道府県が支給する給付金です。労働施策総合推進法 18 条以下が根拠で、訓練期間中の生活を支える性格を持ちます。具体的な種類と支給基準は厚生労働省令に委任されています。
受給権を他人に譲る、担保に入れる、差し押さえるという三つの処分がすべてできないという意味です。合意しても効力を生じず、差押命令が出ても無効を争えます。生活基盤を確実に本人へ届けるための仕組みです。
労働者本人の受給権はできません。21 条本文に例外がなく、国税滞納処分でも差し押さえられません。ただし事業主に係る当該権利は、ただし書により国税滞納処分による差押えの対象となります。
離職者を雇い入れた事業主に対して支給される給付金の受給権を指します。生活費ではなく事業助成の性格を持つため、租税債権に劣後させても制度目的が損なわれないという判断が背景にあります。
同法 22 条が公課の禁止を定めており、給付金を標準として租税その他の公課を課すことができません。21 条の差押禁止と 22 条の公課禁止は、受給者の手取りを守る両輪として機能します。
差押命令に対する執行抗告は、送達を受けた日から 1 週間の不変期間内に限られます(民事執行法 10 条 2 項)。この期間を過ぎると手続的に争えなくなるため、封筒を開けた日から起算して動く必要があります。
民事執行法 153 条に基づき、裁判所に差押命令の全部または一部の取消しを求める申立てです。給付金が預金債権に転化してしまった場合、この手続で実質的な保護を回復できる余地があります。
雇用保険法 11 条が失業等給付の受給権について同趣旨の譲渡・担保・差押えの禁止を定めています。社会保障給付には共通してこの種の保護規定が置かれており、21 条もその系譜に属します。
受給権のままなら 21 条で完全に守られるが、口座に入ると法的には預金債権に変わり、原則として差押えの対象になる。ただし入金直後で給付金と識別できる事案について差押えを違法とした裁判例もあり、実務上、解釈が分かれている。業界裏話ヒント:差押えの気配がある時期は、給付金専用の口座を分けておく。他の入金と混ざっていないと一目で示せる通帳が、裁判所を説得する最大の材料になる
労働者本人の受給権については、21 条本文に例外がなく、国税滞納処分でも差し押さえられない。ただし書の例外は「事業主に係る当該権利」に限定されている。業界裏話ヒント:この非対称は条文を最後まで読まないと気付かない。税務署と話すときは、自分が受給者として受け取る分か、事業主として受け取る分かを最初に切り分ける。ここを曖昧にしたまま交渉すると、守れるはずの権利まで差し出すことになる
借りる行為そのものが犯罪になるわけではないが、21 条により受給権を担保に供することができないため、担保設定は効力を生じない。貸主は給付金から直接回収する法的手段を持たない。業界裏話ヒント:公的給付を担保に取ろうとする貸主は、法を知らないか、知った上で違法な取立てを予定しているかのどちらか。担保の話が出た時点で、その相手との取引自体を見直す材料になる
差押禁止債権は破産法 34 条 3 項 2 号により自由財産となり、破産財団に組み込まれないのが原則で、訓練期間中の生活費として手元に残せる。業界裏話ヒント:自由財産だと分かっていても、財産目録に書かずに黙っていると後で説明を求められ心証を悪くする。根拠条文を添えて正直に記載する方が、結果として手続は速く進む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 守る対象 | 本法 21 条:受給権そのもの(譲渡・担保・差押えの三重ロック) | — |
| 国税滞納処分への効力 | 労働者本人には及ぶ(例外なし)/事業主にはただし書で及ばない | — |
| 労働者と事業主の区別 | あり(ただし書が事業主に係る権利のみを切り出す) | — |
| 破産手続での扱い | 差押禁止債権として自由財産(破産法 34 条 3 項 2 号) | — |
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