要点著作権法 19 条は、著作者が作品の公表時に実名・変名を表示するか、著作者名を表示しないかを決める氏名表示権を定める。著作者人格権のため 59 条により譲渡できない。
Q · 著作権を全部譲渡したら、もう作品に自分の名前は載せてもらえないの?
いいえ、氏名表示権は譲渡できず手元に残ります
著作権法 19 条により、著作者は作品の公表時に自分の名前を表示する(または匿名・変名にする)ことを決める氏名表示権を持ちます。この権利は著作者人格権であり、59 条によって譲渡が一切できません。したがって著作財産権をまるごと譲渡しても、名前を勝手に消される筋合いはなく、表示を求められます。ただし契約書に「著作者人格権不行使特約」があると、権利は残っても行使しないと約束したことになり、事実上表示を主張できなくなる点に注意が必要です。
クラウドソーシングで納品したロゴが、クライアントの製品パッケージに堂々と使われている。報酬は受け取った、著作権(著作財産権)も契約で譲渡した。それでも、あなたの手元には相手に突きつけられる権利が一つ残っている。著作権法 19 条の氏名表示権だ。これは「自分が作った」と名乗る権利、あるいは逆に「名前を出さない」(匿名・変名)権利を、作品が世に出る瞬間にコントロールする力である。決定的なのは、この権利が著作者人格権(プロが自分の創作物に対して持つ人格的な権利の総称)であり、59 条によって譲渡が一切できない点だ。つまりあなたが著作権をまるごと売り払っても、名前を勝手に消される筋合いはない。ただし実務には抜け穴がある。企業は契約書に「著作者人格権を行使しない」という一文(不行使特約)を忍ばせ、この権利を事実上封じにくる。その一行に気付けるかどうかで、あなたが名前を残せる作家になるか、無名のまま使い潰されるかが分かれる。
著作権法 19 条は氏名表示権を定める規定であり、著作者が著作物の原作品または公衆への提供・提示に際し、実名もしくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないことを決定できる権利を規律する。二次的著作物の公表における原著作物の著作者名表示にも及ぶ。著作者人格権の一つとして 59 条により一身専属で譲渡できない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
金額は侵害の態様・利用範囲・悪質性で変わります。氏名表示権侵害は人格権侵害として民法 710 条の慰謝料に加え、著作権法 112 条の差止、115 条の名誉回復措置(謝罪広告等)を組み合わせて請求できます。
なりません。氏名表示権侵害は故意がなくても成立します。19 条 2 項は既に表示されている著作者名に従う表示を認めるだけで、勝手に消す自由は与えていません。誤信は免責事由になりません。
違法になり得ます。無断転載は複製権侵害ですが、作者の署名をトリミングで消すと氏名表示権侵害も重なります。バズ目的の軽い転載でも人格権侵害という重い領域に入ります。
慰謝料請求は不法行為として、損害と加害者を知った時から 3 年、行為時から 20 年(民法 724 条)。差止請求(112 条)自体に固有の時効はありませんが、証拠の鮮度と交渉力の点で早く動くほど有利です。
19 条 4 項が情報公開法・公文書管理法上の一定の場面を適用除外としているためです。行政の透明性という公共の要請が、個人の表示意思に例外的に優先する場面を限定列挙しています。
契約に著作者人格権不行使特約がなければ、氏名表示権は残っているため実績として名乗れる余地があります。多くの外注契約に不行使特約が入っているため、契約時にその一行を確認することが重要です。
違法になり得ます。19 条は「名前を出す権利」だけでなく「名前を出さない権利」も同じ強さで保障します。ペンネームの作家を本名で暴露する行為も氏名表示権の侵害です。
著作者の死後も人格的利益は保護され、遺族が差止等を請求できます(著作権法 116 条)。人格権自体は一身専属ですが、死後の人格的利益の保護は遺族に委ねられています。
違法ではありません。氏名表示権は著作者の権利ですが、契約で「著作者人格権を行使しない」と約束(不行使特約)すれば、自ら表示を求めないことを選べます。ゴーストライティングはこの仕組みで成立しています(著作権法 19 条、59 条)。業界裏話ヒント:人格権そのものは譲渡できない(59 条)ので、企業は必ず「不行使特約」という迂回路を使います。逆に言えば、この特約にサインしなければ、あなたは名前を主張できる。報酬と引き換えに不行使を求められたとき、それが何を放棄させる条項なのかを理解して値付けする人と、知らずにサインする人とでは、長期のキャリア価値が決定的に違う
訴えられる可能性があります。無断転載は複製権侵害ですが、作者名を消すと氏名表示権の侵害も重なります(著作権法 19 条)。19 条 2 項は、利用者は作者が既に表示している著作者名に従って表示できると定めており、勝手に消す自由は与えていません。業界裏話ヒント:「フリー素材だと思った」「出典が分からなかった」は免責になりません。氏名表示権侵害は故意でなくても成立し、慰謝料の対象になります。引用として適法にしたいなら、出所明示(48 条)と引用要件を満たすことが必須で、出典を消した時点で引用の抗弁は崩れる
そうとは限りません。譲渡できるのは著作財産権だけで、氏名表示権を含む著作者人格権は譲渡不可能です(著作権法 59 条)。契約に不行使特約がなければ、譲渡後もあなたは氏名表示を求められます。業界裏話ヒント:「著作権を全部譲渡する」と書いてあるだけの契約書は、実は人格権の不行使までは押さえられていないケースが多い。発注側の法務がしっかりしていれば必ず不行使特約を入れますが、個人間や小規模な取引では抜けていることがある。そこに気付けば、譲渡後でもクレジット表記を堂々と要求できる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護する人格的利益 | 19 条 氏名表示権:作品に名前を出す/出さないを決める権利 | — |
| 典型的な侵害場面 | 署名トリミング、無記名利用、匿名作家の実名暴露 | — |
| 譲渡の可否 | 59 条により譲渡不可(一身専属) | — |
| 実務での封じ方 | 不行使特約 + クレジット表記条件で交渉 | — |
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