要点著作権法 18 条は、未公表の著作物を公衆に提供・提示する公表権を著作者に専有させる。人格権として一身専属で(59 条)、著作権を譲渡しても著作者に残る。
Q · 著作権を全部売る契約をしたら、買い手はいつでも勝手に作品を公開できるの?
譲渡しても公表権は著作者に残り、契約の不行使条項で封じられる
著作権法 18 条は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供し、又は提示する公表権を著作者に専有させます。2 項は、著作権の譲渡、原作品の譲渡、映画(29 条)の場面で公表への同意を推定しますが、これは『推定』にすぎず、契約や提出時の別段の意思表示で覆ります。しかも公表権自体は 59 条で一身専属とされ、譲渡も相続もできません。だから出版・ゲーム・映像の契約書には『著作者人格権を行使しない』特約がほぼ必ず置かれています。
あなたが書きためた小説、まだ誰にも見せていない写真、ボツにした企画書。それを世に出すか、いつ出すか、その最初の一回を決める権利が公表権だ。著作権法 18 条は、まだ公表していない著作物を公衆に提供し、又は提示する権利を著作者に与える。ここで多くの人がつまずく。「著作権を全部売ったのだから、買い手が自由に公開できるはずだ」と。確かに 2 項は、譲渡や原作品の譲渡、映画著作権の帰属の場面で公表の同意を推定する。だが公表権そのものは著作者人格権であり、59 条で一身専属、譲渡も相続もできない。つまり契約で「著作権をすべて譲渡する」と書いても、公表のタイミングを決める力は著作者の体に残る。だから出版、ゲーム、映像の業界の契約書には、ほぼ必ず『著作者人格権を行使しない』という一行が忍ばせてある。その一行の意味を知っているかどうかで、あなたが署名する契約の重みが変わる。
公表権とは、著作権法 18 条が定める著作者人格権の一つであり、まだ公表されていない著作物を著作者の意思に基づいて初めて公衆に提供し、又は提示するか否か、そのタイミングと方法を決定する権利をいう。59 条により一身専属とされ、譲渡も相続もできない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
まだ公表されていない著作物を、著作者の意思で初めて公衆に提供・提示するか決める権利です。著作権法 18 条が定める著作者人格権の一つで、59 条により譲渡できません。
著作者の同意で一度でも公衆に提供・提示されれば、その著作物について公表権は消滅し、二度と主張できません。ただし違法に公表されたものは『公表』に含まれません。
著作権法 15 条の職務著作に当たれば、著作者は会社等の法人になり、公表権も法人に帰属します。従業員個人には残りません。
事案により幅がありますが、人格権侵害として民法 710 条に基づく慰謝料を請求できます。拡散の範囲や態様の悪質性で金額が変わります。
自分が著作者で未公表なら、公表権侵害として差止め(112 条)と削除を請求できます。プライバシー権・名誉権侵害と重ねることも可能です。
あります。18 条 1 項後段は、未公表の著作物を原著作物とする二次的著作物についても、原著作物の著作者に公表権を認めています。
著作権や原作品の譲渡、映画の帰属(29 条)の場面で公表への同意があったと法律上推し量る扱いです。別段の意思表示があれば覆ります。
公表権は公開するか決める権利、『公表』は現に公衆へ提供・提示された事実状態です。適法な公表があると公表権は消えます。
公表のタイミングについては 2 項で同意が推定されるので、原則は買い手が著作権を行使して公表できます。ただし公表権は人格権で売れない(59 条)ため、提出時や契約時に『別段の意思表示』をしていれば推定は覆ります。業界裏話ヒント:だから契約書には『著作者人格権を行使しない』という不行使特約が必ず入る。この一文がないと、著作権を買っても公表で揉める余地が残るので、買う側も売る側もこの一行の有無を真っ先に確認する
手紙や写真に創作性があれば著作物に当たり、未公表なら公表権侵害として削除、差止め(112 条)、慰謝料(民法 710 条)を請求できます。プライバシー権、名誉権の侵害とも重ねられます。業界裏話ヒント:著作権侵害の刑事は親告罪だが、民事の差止め、削除は刑事とは別に動かせる。さらにプロバイダ責任制限法の発信者情報開示と組み合わせれば、削除と賠償を同時に攻められる。自分の写真や手紙を『著作権という武器』で守れると気付いている人は少ない
著作者が死んでも、生きていれば人格的利益の侵害となる行為は原則として禁止されます(60 条)。ただし故人の意を害しないと認められる場合は可能で、遺族は 116 条で差止め等を請求できます。業界裏話ヒント:作家が生前『死後も公表するな』と意思を残していたかが決定的。その証拠があれば遺族でも公表は侵害になりうる。文学全集の『未発表作』掲載で揉めるのは、たいてい故人の意思の証拠が残っているかどうかの一点
18 条 3 項で行政機関への提供時に公表の同意が『みなし』られますが、開示決定の時までに『公表に同意しない』と別段の意思表示をすれば適用を外せます(同項括弧書)。業界裏話ヒント:この『みなし同意』は提出した瞬間に発動しかけるので、止めたいなら開示決定前、できれば提出時に書面で留保するのが鉄則。決定が出た後では手遅れになる、役所に未公表資料を出すときの隠れた落とし穴
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護する人格的利益 | 18 条 公表権:いつ・どう初めて世に出すか(公表のタイミング) | — |
| 消滅・限界 | 著作者の同意で一度公表されると消滅(違法公表は含まない) | — |
| 譲渡・帰属 | 59 条により一身専属、譲渡・相続不可 | — |
| 侵害時の主な救済 | 差止め(112 条)+慰謝料(民法 710 条) | — |
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