要点著作権法 3 条は、権利者またはその許諾を得た者が公衆の需要を満たす相当程度の部数の複製物を頒布した場合に「発行」が成立すると定める。海賊版の流通は発行に当たらない。
Q · 海賊版が何百万部も出回ったら、その本はもう「発行」されたことになるの?
いいえ、海賊版が何百万部出ても法律上は未発行です
著作権法 3 条は、複製権を有する者(21 条)・その許諾を得た者・出版権者(79 条)らが、公衆の需要を満たす相当程度の部数の複製物を作成し頒布した場合にのみ「発行」を認めます。海賊版は権利者の行為によらないため、どれだけ大量に流通しても発行には当たりません。この発行日(公表日)は、無名・変名(52 条)、団体名義(53 条)、映画(54 条)の著作物の保護期間の起算点になるため、いつパブリックドメインに落ちるかを左右します。
海賊版が街に何百万部出回っても、その本は法律上「発行」されたことにならない。著作権法 3 条が「発行」と認めるのは、複製権を持つ者(21 条)、その許諾を受けた者、または出版権者(79 条)が作った正規の複製物が、公衆の需要を満たす相当程度の部数で頒布された場合だけだ。ここがあなたの見落としやすい急所になる。なぜ「発行」がそこまで厳密に定義されるのか。無名・変名の著作物(52 条)、団体名義の著作物(53 条)、映画の著作物(54 条)の保護期間は、公表(発行を含む、作品が世に出た時点)から起算される。つまり「いつ発行されたか」が、その作品がいつパブリックドメイン(著作権が切れ誰でも自由に使える状態)に落ちるかを決める引き金になる。発行日を一日特定できるかどうかで、自由に使える年が変わってくる。
著作権法 3 条は著作物の「発行」の定義規定であり、複製権を有する者またはその許諾を得た者、もしくは出版権者らが、公衆の需要を満たす相当程度の部数の複製物を作成し頒布した場合に発行が成立すると定める。二次的著作物である翻訳物の頒布により、原著作物も発行されたものとみなされる。
権利者またはその許諾を得た者、出版権者が公衆の需要を満たす相当程度の部数の複製物を作成し頒布することです。著作権法 3 条が定義しています。
発行は複製物の頒布を指す狭い概念で、公表(4 条)は発行を含むより広い概念です。保護期間の起算に直接効くのは公表日です。
無名・変名の著作物は公表(発行を含む)の翌年から起算し原則 70 年です(52 条)。発行日が特定できないと満了時期を計算できません。
公衆の需要を満たせる程度を指し、明確な数値基準はありません。少部数の私的配布は発行に当たらないと解されています。
商業出版でなくても、正規の複製物が相当部数流通すれば発行になります。コミケで 1000 部頒布すれば発行に当たり得ます。
発行日(公表日)と著作者の死亡年を奥付や国立国会図書館の記録で特定し、51 条から 54 条で保護期間を逆算します。
書籍の奥付の発行年、国立国会図書館の納本受入日などが手がかりになります。無名著作物では特に重要な証拠です。
はい。二次的著作物である翻訳物が相当部数頒布されると、原著作物も発行されたものとみなされます(3 条 2 項)。
電子書籍の配信は厳密には「公衆送信」で、3 条が想定する「複製物の頒布」とは別カテゴリーです。紙の本をオンデマンド印刷する場合は、相当程度の部数を満たすかが論点になります。業界裏話ヒント:保護期間の起算で本当に効くのは「発行」より広い「公表」(4 条)で、電子配信も公表に当たります。発行か否かにこだわるより、まず公表日を記録しておくのが実務の勘所です
いいえ。3 条の「発行」も 4 条の「公表」も、原則として権利者またはその許諾を得た者の行為が前提です。海賊版は権利者の意思によらないので、それだけでは発行にも公表にもなりません。業界裏話ヒント:だから作者はリークや海賊版が出ても公表権(18 条)を失わず、いつ正式に世へ出すかを自分で決められます。リーク作品を『もう公開済みだから自由』と扱うのは危険な誤解です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 概念の範囲 | 3 条:正規の複製物が相当部数頒布された状態=発行 | — |
| 保護期間起算への影響 | 発行日は無名・団体名義・映画の起算に関与する事実 | — |
| 海賊版の扱い | 権利者の行為でないため発行に当たらない | — |
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