要点著作権法 45 条は、美術・写真の著作物の原作品の所有者が、その原作品を公に展示できると定める。ただし複製権は移転せず、屋外への恒常的設置には適用されない。
Q · 絵を一枚買ったら、その絵は自分の好きに使っていいんですか?
展示はできますが、複製やグッズ化はできません。
著作権法 45 条により、美術・写真の著作物の原作品の所有者は、その原作品を公に展示することができます。しかし本条が与えるのは展示の自由だけで、複製権(21 条)も翻案権も著作者に残ったままです。買った絵をポストカードやグッズにして売るのは複製にあたり、別途許諾が必要になります。さらに 2 項により、買った彫刻を街路や公園など屋外に恒常的に設置する場合は 1 項の自由が外れ、著作者の展示権の同意が要ります。
オークションで油彩を一枚競り落とした。さあ自分のカフェの壁に飾ろう。ここで多くの人が同じ勘違いをする。「代金を払ったのだから、この絵は何をしても自分の自由だ」と。著作権法 45 条はまさにそこに線を引く。原作品を手にしたあなたは、それを公に展示できる。だが、与えられるのはそれだけだ。複製権も翻案権も、依然として描いた作家の手の中に残ったまま動かない。あなたが買ったのは「物」であって「権利」ではない。さらに 2 項が静かに罠を仕掛ける。買った彫刻を店の前の屋外に恒久的に据え付けようとすると、1 項の自由はふっと消える。屋外への恒久設置には、作家の展示権の同意が別途必要になるからだ。所有と著作、この二つの層がずれていることを知らないまま、絵柄のポストカードを刷って訴えられる人が後を絶たない。
著作権法 45 条は、美術の著作物または写真の著作物の原作品の所有者に、その原作品による公の展示を認める規定である。展示権(25 条)を著作者に独占させたままでは所有者が購入した作品すら公に飾れなくなるため、本条は物の所有と著作物の支配を分離し、所有者に展示の自由を与える。ただし複製権や翻案権は移転しない。
いいえ。45 条で得られるのは原作品を公に展示する自由だけで、複製権や翻案権は作者に残ります。買ったのは物であって権利ではありません。
原作品そのものを展覧会や店舗などで不特定・多数の人に見せる行為を指します。複製物の展示やデジタル化した映像の上映は含まれません。
45 条の範囲外です。原作品ではなく複製物を用いるため、複製権(21 条)や公衆送信権の問題となり、作者の許諾が必要です。
適用されます。45 条は美術の著作物だけでなく写真の著作物の原作品にも及び、所有者は原作品による公の展示ができます。
1 項は所有者に展示の自由を与える原則、2 項はその例外で、屋外に恒常的に設置する場合は 1 項が適用されず作者の同意が必要になります。
街路・公園・建物の外壁など公衆が見やすい屋外に、継続的・永続的に置く状態です。数日間のイベント展示は恒常的とはいえません。
45 条ではカバーされません。図録は複製物のため、展示に伴う小冊子の複製を認める 47 条の範囲かどうかを別途検討する必要があります。
及びません。45 条が認めるのは公の展示のみです。貸与や譲渡は所有権に基づく行為で、著作権の消尽や譲渡権の問題として別に整理されます。
それはできません。45 条で認められるのは『原作品による公の展示』だけで、複製権(21 条)は作家に残ったままです。グッズ化やポストカード販売は別途許諾が要ります。業界裏話ヒント:実は美術品の売買契約書のほとんどに著作権の扱いが書かれていません。書かれていなければ著作権は作家に残ると解釈されるのが原則。買う前に『複製を含む』と一文入れさせるかどうかで、後の商品化の自由が天と地ほど変わる
原則として侵害になりません。屋外に恒常的に設置された美術は 46 条で自由に利用できます。45 条 2 項がその入口で、屋外恒久設置には所有者の展示の自由が及ばない代わりに、46 条で公衆の利用が開かれる構造です。業界裏話ヒント:ただし 46 条には例外があり、同じ彫刻を増製する、専ら複製物の販売を目的とする複製は禁止。銅像の写真集を作るのは原則 OK でも、銅像のミニチュア商品を作るのは引っかかる。線引きは『鑑賞目的か、複製品販売目的か』
店内に飾るのは 45 条 1 項で自由ですが、屋外に『恒常的に』設置する場合は 2 項で 1 項の適用が外れ、作家の展示権(25 条)の同意が必要になります。一時的な屋外展示なら問題ありません。業界裏話ヒント:『恒常的』かどうかが争点。数日のイベント展示は恒常的でないと解されることが多い。屋外に常設したいなら、購入時に作家から屋外恒久設置の同意を取っておく。後から追認を求めると拒否されたり追加料金を取られたりする
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 45 条:原作品の所有者による公の展示 | — |
| 主体 | 原作品の所有者・その同意を得た者 | — |
| 認められる行為 | 原作品による公の展示 | — |
| 制限・例外 | 屋外恒久設置は除外(2 項)、複製権は非移転 | — |
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