廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第16条の3(指定有害廃棄物の処理の禁止)
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- 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、人の健康又は生活環境に係る重大な被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物として政令で定めるもの(以下「指定有害廃棄物」という。)の保管、収集、運搬又は処分をしてはならない。
- 一政令で定める指定有害廃棄物の保管、収集、運搬及び処分に関する基準に従つて行う指定有害廃棄物の保管、収集、運搬又は処分
- 二他の法令又はこれに基づく処分により行う指定有害廃棄物の保管、収集、運搬又は処分(再生することを含む。)
この条文の基本情報
指定有害廃棄物の処理の禁止とは何ですか?
定義指定有害廃棄物の処理の禁止とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3に定められた規定で、「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、人の健康又は生活環境に係る重大な被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物として政令で定めるもの(以下「指定有害廃棄物」…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3(指定有害廃棄物の処理の禁止)は、日本の廃棄物の処理及び清掃に関する法律に含まれる条文です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3の条文原文は「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、人の健康又は生活環境に係る重大な被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物として政令で定めるもの(以下「指定有害廃棄物」…」で始まります。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3は第四章 雑則に置かれています。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の公布日は昭和45年12月25日です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3の前の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の2です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3の次の条は廃棄物の処理及び清掃に関する法律第17条です。
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第16条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000137 - 本サイト収録
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第16条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/345AC0000000137/16_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点廃棄物処理法16条の3は、硫酸ピッチなど政令指定の指定有害廃棄物について、政令基準や他法令による場合を除き、何人にもその保管・収集・運搬・処分を禁じる規定である。
Q · 硫酸ピッチのドラム缶を倉庫で預かっているだけでも違法になるの?
預かるだけでも違反になりえます。基準外の保管自体が禁止です
廃棄物処理法16条の3は、指定有害廃棄物(現行の政令指定は硫酸ピッチ)について、政令で定める基準に従う場合と他の法令に基づく場合を除き、保管・収集・運搬・処分のすべてを「何人も」禁じています。捨てていなくても、基準を外れて倉庫に置き続けるだけで禁止行為にあたりえます。処罰には故意が必要ですが、相場外れの賃料や中身を明かさない依頼などの事情から故意が推認されることがあります。
解説
黒い粘液の入ったドラム缶が山林や空き倉庫で見つかり、そこから刺激臭のある亜硫酸ガスが漏れ出す。2000年代初め、全国の自治体を悩ませたこの光景が、本条を生んだ。中身は「硫酸ピッチ」と呼ばれる。灯油や重油に濃硫酸を混ぜて識別剤を抜き取り、軽油と偽って売る「不正軽油」の製造過程で出る強酸性の残りかすである。本条は、政令で指定した有害廃棄物(現在の政令指定は硫酸ピッチ。最新の政令をご確認ください)について、政令の基準に従う場合と他の法令に基づく場合を除き、保管・収集・運搬・処分のすべてを「何人も」禁じている。押さえておくべき点は二つある。一つは、主語が「事業者」ではなく「何人も」であること。業者でなくても、頼まれて運んだ人や預かった人も対象になりうる。もう一つは、禁止行為に「保管」が入っていること。捨てていなくても、倉庫に置いておく段階ですでに違反になりうる。「預かっただけ」「運んだだけ」という言い訳が通じにくい条文である
法的な位置づけ
廃棄物処理法16条の3は、人の健康または生活環境に係る重大な被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物として政令で定める「指定有害廃棄物」について、政令で定める基準に従う場合および他の法令またはこれに基づく処分による場合を除き、何人に対してもその保管、収集、運搬または処分を禁止する規定である。現行の政令指定は硫酸ピッチである。
よくある質問 AI による整理
Q1硫酸ピッチとは何ですか?
灯油や重油に濃硫酸を混ぜて識別剤を除去し、不正軽油を製造する過程で出る強酸性の黒い粘性廃棄物です。亜硫酸ガスを発生させるおそれがあります。
Q2指定有害廃棄物とは?
健康や生活環境に重大な被害を生ずるおそれがある廃棄物として政令で指定されたものです。廃棄物処理法16条の3が根拠で、現行の指定は硫酸ピッチです。
Q3廃棄物処理法16条の3違反 罰則は?
法25条により、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科です。不法投棄と同じ最も重い罰則の条文に置かれています。
Q4ドラム缶を運んだだけで違法?
中身が硫酸ピッチで、政令基準によらない運搬であれば本条の「運搬」にあたりえます。処罰には故意が必要ですが、状況から推認されることがあります。
Q5倉庫を貸しただけで罪になる?
中身を知っていた、または知りうる状況だった場合、保管への関与を問われるおそれがあります。利用目的と保管物を書面で確認しておくことが防御になります。
Q6放置されたドラム缶 撤去費用 誰が払う?
本来は捨てた原因者の責任で、行政は原因者への措置命令を優先します。原因者が不明・無資力だと、土地所有者が事実上負担を求められる場面があります。
Q7硫酸ピッチを見つけたらどうする?
開けず、触らず、動かさず、写真で記録したうえで自治体の産業廃棄物担当と警察に通報します。自分で移動すると基準外の運搬の当事者になりかねません。
Q8許可業者なら硫酸ピッチを処理できる?
産業廃棄物の許可があっても、政令で定める指定有害廃棄物の基準に従わない処理は本条違反です。許可の有無ではなく、基準適合が問われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1中身を知らずに運んだだけでも捕まるんですか?
本条違反で処罰されるには故意が必要なので、本当に知らず、知りうる状況でもなかったのであれば、処罰は原則として難しい。ただし故意は本人の言い分ではなく状況から判断される。相場外れの高額報酬、深夜の積み込み、ラベルのないドラム缶、行き先の曖昧さなどが重なると、未必の故意(「もしかしたら有害物かも」と思いながら引き受けた状態)が認定されうる。実務のポイント:運送業者は、積荷の成分表とマニフェストの有無を受注時の記録に残しておくだけで、後の防御力が大きく変わる
Q2自分の土地に捨てられたドラム缶、撤去費用はこっちが払うんですか?
責任の本筋は捨てた原因者にあり、行政は原因者への措置命令(法19条の5など)を優先する。ただし原因者が行方不明や無資力の場合、実務では土地所有者が事実上の撤去を求められ、費用を負担する場面が生じやすい。実務のポイント:都道府県の産業廃棄物適正処理推進センターによる支援制度や行政代執行の枠組みが使えることがあるので、自分で業者を手配する前に行政窓口に必ず相談すること。先に自分で動くと支援の対象から外れかねない
Q3指定有害廃棄物って、具体的にどんなものが入るんですか?
本条の委任を受けた政令(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令)が指定しており、現在は硫酸ピッチ、つまり不正軽油の製造などで出る強酸性の廃油混合物が対象である(最新の政令をご確認ください)。一般の産業廃棄物や特別管理産業廃棄物とは別の枠組みで、許可業者であっても政令の基準を外れた処理は違法になる。実務のポイント:現場で「廃油」と説明されたドラム缶が実は硫酸ピッチだったというケースは多い。pHが極端に低い黒色の粘性物という特徴を知っておくと、受け入れ判断の精度が上がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「捨てていないのだから問題ない」と考えがちだが、本条が禁じているのは投棄だけではない。保管・収集・運搬・処分の四つすべてが対象で、基準を外れて倉庫に置き続けるだけで違反の構造は完成する。問題は捨てたかどうかではなく、基準に沿ってその物に触れたかどうかである
- 不法投棄の罰則が重いことは多くの人が知っているが、本条違反も同じ最も重い罰則の条文(法25条)に組み込まれていることは知られていない。5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方という水準である(最新の改正状況をご確認ください)。「ちょっと預かっただけ」の代償としては桁が違う
- あなたから見れば「知人の荷物を置かせてあげた」という人助けでも、法律から見れば指定有害廃棄物の保管場所の提供者である。故意の有無は事情から推認され、相場を大きく超える賃料や「中身は聞かないでくれ」という依頼は、知っていたことを推認させる材料になりうる。この見え方の落差が、善意の人を被疑者の席に座らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止の対象物 | 16条の3:政令指定の指定有害廃棄物(硫酸ピッチ) | 16条:廃棄物全般 16条の2:廃棄物全般 |
| 禁止される行為 | 基準外の保管・収集・運搬・処分のすべて | みだりに捨てること(不法投棄) 所定の方法によらない焼却(不法焼却) |
| 規制が及ぶ段階 | 置く・運ぶ・預かるという処理の手前の段階から | 捨てる最終段階 燃やす段階 |
| 罰則の根拠 | 法25条(最も重い罰則の条文) | 法25条(最も重い罰則の条文) 法25条(最も重い罰則の条文) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は有害事業廃棄物の任意棄置に加え、主管機関の許可なく廃棄物の回填・堆置のために土地を提供する行為も処罰し、場所提供者を捕捉する点で本条と発想が近い
韓国も廃棄物処理基準の遵守を義務づけ、有害性の高い指定廃棄物を別枠で管理する構造をとる
ドイツは刑法典に廃棄物の無許可取扱い罪を置き、処分だけでなく貯蔵・運搬など処理の各段階を処罰対象とする
米国は有害廃棄物の発生から処分までを追跡する cradle-to-grave 規制を採り、無許可の運搬・保管・処分に刑事罰を科す
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知人から「月3万円で倉庫を貸してくれ」と頼まれ、深く考えずに鍵を渡した。半年後、倉庫にはドラム缶が百本以上並び、周辺住民から異臭の通報が入る。借り主とは連絡が取れない。あなたが違反の当事者として疑われるかどうかは、中身を知っていたか、知りうる状況だったかという事情にかかってくる
- 日当2万円、ドラム缶を積んで県境の空き地まで運ぶだけという仕事を引き受けたら、どうなる? 中身が硫酸ピッチなら、あなたの行為は本条の「運搬」にあたりうる。運転手に故意が認められれば、主犯と同じ罰則の条文で処罰される可能性がある
- 競売で安く落札した郊外の土地に、錆びたドラム缶が十数本埋まっていた。前所有者はすでに行方不明。行政からは撤去を求められ、専門業者の見積もりは数百万円。捨てた人間より先に、あなたの財布が狙われる
- ガソリンスタンドより1リットル20円以上安い軽油を、町外れの無人販売所で見つけた
- あなたは運送会社の配車担当である。取引先から急ぎの依頼が入り、積荷の説明は「工業用の廃油」だけ。明日の朝には出発しなければならない。今夜のうちにマニフェスト(産業廃棄物管理票)と成分表を要求しないと、会社ごと巻き込まれるリスクを抱えたまま車を出すことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 所有地や貸している倉庫で不審なドラム缶を見つけても、開けない、触らない、動かさない。ガスが出ている可能性がある2. 日付入りの写真と動画で本数、ラベル、臭い、漏れの状況を記録する3. 自治体の産業廃棄物担当部署と警察に同じ日のうちに通報し、通報日時と担当者名を控える4. 賃貸借契約書、賃料の振込記録、借り主とのやり取りをすべて保全し、中身を知らなかったことを示す材料をそろえる5. 撤去費用の負担は弁護士と行政の協議で詰め、借り主への損害賠償請求(民法709条)を並行して検討する
訴えられた側:1. 捜査機関や行政の聴取には、弁護士と相談してから臨む。「知らなかった」と話すだけでなく、それを裏づける客観資料が勝負を分ける2. 依頼を受けたときのやり取り、受け取った説明書や成分表、報酬の額と支払い方法を洗い出す。相場並みの報酬と通常の説明があったかどうかが故意の判断に影響する3. 行政の撤去指示や措置命令には協力的に応じ、被害拡大の防止に努めた記録を残す。情状に直結する4. 依頼主や元請の特定につながる情報は早めに整理し、自分の関与の範囲を限定する
時効(請求できる期限):本条違反の罰則(法25条、5年以下の拘禁刑)の公訴時効は5年(刑事訴訟法250条2項5号)。保管のように違法状態が続く行為は、保管をやめた時点から起算されると解される余地があり、見解が分かれうる(最新の改正状況をご確認ください)。原因者への損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)改正 不正軽油の製造に伴う硫酸ピッチの不適正処理が全国で多発したことを受けて新設。指定有害廃棄物という独立の類型を設け、政令基準によらない保管・収集・運搬・処分を何人にも禁止した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:不正軽油の製造に伴う硫酸ピッチの不適正処理が全国で多発したことを受け、指定有害廃棄物という独立の類型を設け、政令基準によらない保管・収集・運搬・処分を何人にも禁止した
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