要点男女雇用機会均等法 13 条は、事業主に対し、妊娠中・出産後 1 年以内の女性労働者が医師の指導事項を守れるよう、勤務時間の変更や勤務の軽減等の措置を講じる義務を課す。
Q · 医師から勤務の軽減を指示されたら、会社は断れるんですか?
断れません。措置を取るかどうかに会社の裁量はありません
男女雇用機会均等法 13 条 1 項により、事業主は、女性労働者が保健指導・健康診査で受けた指導事項を守れるようにするため、勤務時間の変更、勤務の軽減等の必要な措置を講じなければなりません。努力義務ではなく法的義務であり、会社に残された裁量は「どの措置を選ぶか」だけです。対象は妊娠中に限らず、出産後 1 年を経過しない女性労働者まで及びます。雇用形態や勤続年数は問わず、就業規則に定めがなくても義務は法律から直接生じます。
つわりで満員電車に乗ると吐いてしまう。切迫早産ぎみで立ち仕事を続けるのが怖い。そう医師に告げたとき、医師が書く一枚の紙が、あなたの労働条件を法的に動かす。均等法 13 条 1 項は、妊娠中及び出産後の女性労働者が健康診査等で受けた指導事項を守れるようにするため、事業主に勤務時間の変更、勤務の軽減等の措置を「講じなければならない」と命じる。努力義務ではなく義務である。だから会社に残された裁量は「措置を取るかどうか」ではなく「どの措置を取るか」だけだ。医師の指導内容を職場へ伝える公式書式が母性健康管理指導事項連絡カード(均等法施行規則 様式第 1 号、通称 母健連絡カード)で、これが出れば会社は指導内容に応じた措置を講じる義務を負う。パートでも有期でも派遣でも、勤続年数が何か月でも関係ない。就業規則に一行も書いていなくても、義務は法律から直接生じる。
男女雇用機会均等法第 13 条は、母性健康管理措置に関する事業主の義務を定める規定である。妊娠中及び出産後 1 年を経過しない女性労働者が、医師等から受けた保健指導又は健康診査の指導事項を守れるようにするため、事業主は勤務時間の変更、勤務の軽減等の必要な措置を講じなければならない。措置の具体的内容は厚生労働大臣が定める指針に委任されている。
母性健康管理指導事項連絡カードの略称で、均等法施行規則の様式第 1 号に定められた公式書式です。医師の指導事項を職場へ正確に伝えるために使い、提出されれば事業主は指導内容に応じた措置を講じる義務を負います。
妊娠が判明した時点から、出産後 1 年を経過するまでです。産休・育休とは別枠なので、復職後の健診で医師から残業回避などの指導が出れば、産後 1 年以内であれば 13 条の措置対象になります。
診断書は病名と症状の証明が中心ですが、母健連絡カードは「通勤緩和」「勤務時間の短縮」「休業」など職場で取るべき措置に直結する形式です。会社側も措置内容を判断しやすく、指針の措置区分と対応しています。
求められます。13 条の義務は雇用形態や勤続年数を問いません。派遣で働く場合は、雇用主である派遣元に加え、労働者派遣法 47 条の 2 により派遣先にも同じ措置義務が直接かかります。
産婦人科の窓口で受け取れるほか、厚生労働省の女性健康支援サイトや多くの母子健康手帳に様式が掲載されています。記入は主治医が行うため、健診時に症状と業務内容を具体的に伝えて依頼します。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。相談は無料で、均等法 17 条の助言・指導・勧告、18 条の調停まで進められます。勧告に従わない企業は 30 条により企業名が公表されます。
医師が休業を要すると指導すれば、事業主はその指導事項に沿った措置を講じる義務があります。指針が想定する措置には休業も含まれており、軽い措置に置き換えて済ませることはできません。
なり得ます。通勤による負担軽減の指導が出ている場合、在宅勤務は「勤務時間の変更」や作業環境の調整として有効な措置です。ただし指導事項が作業制限や休業であれば、テレワークだけでは足りません。
13 条は措置を講じる義務を定めるだけで、賃金を支払う義務までは定めていない。有給か無給かは就業規則や労働協約の定めによる。業界裏話ヒント:医師が「休業」を指導し、会社が無給扱いにした場合でも、妊娠悪阻や切迫流産のように療養が必要な状態であれば、健康保険の傷病手当金(健康保険法 99 条)の対象になりうる。産休前だから何も出ないと諦めて、申請していない人が非常に多い
13 条 1 項違反に直接の刑事罰はないが、行き先はある。均等法 29 条により厚生労働大臣(実務は都道府県労働局長)が助言、指導、勧告を行い、勧告に従わなければ 30 条で企業名が公表される。加えて 17 条の紛争解決援助と 18 条の調停が使える。業界裏話ヒント:労働局の相談は無料で、会社名を伏せたまま一般的な指導から入ってもらう運用も可能である。いきなり名指しの是正指導ではないと分かるだけで、相談への心理的な壁は大きく下がる
違法である。措置を求めたことや措置を受けたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは、均等法 9 条 3 項で禁止されている。業界裏話ヒント:さらに強力なのが 9 条 4 項で、妊娠中及び出産後 1 年を経過しない女性労働者に対する解雇は、事業主が妊娠等を理由としないことを証明しない限り無効とされる。つまり立証責任が会社側にある。この立証責任の所在を交渉の場で示せるかどうかで、相手の態度は一変する
関係ある。12 条と 13 条の対象は、妊娠中の女性労働者だけでなく出産後 1 年を経過しない女性労働者を含む。復職後の健診で医師から負担軽減の指導が出れば、それも 13 条の措置対象になる。業界裏話ヒント:この産後 1 年の枠は人事担当者ですら見落としがちである。育児のための制度(育児介護休業法)と、母体の健康のための制度(均等法 13 条)は別建てで、両方を並行して使える。片方だけ使って我慢している人が多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 何を保障するか | 均等法 13 条:指導事項を守れるようにする勤務時間の変更・勤務の軽減等の措置 | — |
| 発動のきっかけ | 医師等の指導事項(母健連絡カード等で伝達) | — |
| 対象期間 | 妊娠中及び出産後 1 年を経過しないまで | — |
| 違反した場合 | 刑事罰なし。均等法 29 条の助言・指導・勧告、30 条の企業名公表、安全配慮義務違反による民事賠償 | — |
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