雇用保険法 第61条の7(育児休業給付金)
クイックジャンプ
- 育児休業給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この章において同じ。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その一歳に満たない子(民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二第一項の規定により被保険者が当該被保険者との間における同項に規定する特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者(当該請求に係る家事審判事件が裁判所に係属している場合に限る。)であつて当該被保険者が現に監護するもの、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項(第三号に係る部分に限る。)の規定により同法第六条の四第二号に規定する養子縁組里親である被保険者に委託されている児童及びこれらの被保険者に準ずる者として厚生労働省令で定める被保険者に厚生労働省令で定めるところにより委託されている者を含む。以下この章において同じ。)(その子が一歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、一歳六か月に満たない子(その子が一歳六か月に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、二歳に満たない子))を養育するための休業(以下この節並びに第六十一条の十二第一項及び第六項第一号において「育児休業」という。)をした場合において、当該育児休業(当該子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。以下この項及び第三項において同じ。)を開始した日前二年間(当該育児休業を開始した日前二年間に疾病、負傷その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。
- 2.被保険者が育児休業についてこの節の定めるところにより育児休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が同一の子について三回以上の育児休業(厚生労働省令で定める場合に該当するものを除く。)をした場合における三回目以後の育児休業については、前項の規定にかかわらず、育児休業給付金は、支給しない。
- 3.第一項の「みなし被保険者期間」は、育児休業を開始した日を被保険者でなくなつた日とみなして第十四条(第二項第三号を除く。)の規定を適用した場合に計算されることとなる被保険者期間に相当する期間とする。
- 4.労働基準法第六十五条第二項の規定による休業をした被保険者であつて、前項に規定するみなし被保険者期間が十二箇月に満たないものについての第一項及び前項の規定の適用については、第一項中「当該育児休業(当該子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。以下この項及び第三項において同じ。)を開始した日」とあるのは「特例基準日(当該子について労働基準法第六十五条第一項の規定による休業を開始した日(厚生労働省令で定める理由により当該日によることが適当でないと認められる場合においては、当該理由に応じて厚生労働省令で定める日)をいう。以下この項及び第三項において同じ。)」と、「育児休業を開始した日」とあるのは「特例基準日」と、前項中「育児休業を開始した日」とあるのは「特例基準日」とする。
- 5.この条において「支給単位期間」とは、育児休業をした期間を、当該育児休業を開始した日又は各月においてその日に応当し、かつ、当該育児休業をした期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下この項及び次項において「休業開始応当日」という。)から各翌月の休業開始応当日の前日(当該育児休業を終了した日の属する月にあつては、当該育児休業を終了した日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。
- 6.育児休業給付金の額は、一支給単位期間について、育児休業給付金の支給を受けることができる被保険者を受給資格者と、当該被保険者が当該育児休業給付金の支給に係る育児休業(同一の子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。)を開始した日の前日を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(以下この項及び次項において「休業開始時賃金日額」という。)に次の各号に掲げる支給単位期間の区分に応じて当該各号に定める日数(同項において「支給日数」という。)を乗じて得た額の百分の五十(当該育児休業(同一の子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。)を開始した日から起算し当該育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して百八十日に達するまでの間に限り、百分の六十七)に相当する額(支給単位期間に当該育児休業給付金の支給に係る休業日数の百八十日目に当たる日が属する場合にあつては、休業開始時賃金日額に当該休業開始応当日から当該休業日数の百八十日目に当たる日までの日数を乗じて得た額の百分の六十七に相当する額に、休業開始時賃金日額に当該休業日数の百八十一日目に当たる日から育児休業を終了した日又は翌月の休業開始応当日の前日のいずれか早い日までの日数を乗じて得た額の百分の五十に相当する額を加えて得た額)とする。この場合における同条の規定の適用については、同条第一項中「第一項ただし書」とあるのは「第一項ただし書及び第二項第三号」と、同条第四項中「第二号に掲げる額」とあるのは「第二号ハに定める額」とする。
- 一次号に掲げる支給単位期間以外の支給単位期間三十日
- 二育児休業を終了した日の属する支給単位期間当該支給単位期間における当該育児休業を開始した日又は休業開始応当日から当該育児休業を終了した日までの日数
- 7.前項の規定にかかわらず、育児休業をした被保険者に当該被保険者を雇用している事業主から支給単位期間に賃金が支払われた場合において、当該賃金の額に当該支給単位期間における育児休業給付金の額を加えて得た額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額から当該賃金の額を減じて得た額を、当該支給単位期間における育児休業給付金の額とする。この場合において、当該賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、第一項の規定にかかわらず、当該賃金が支払われた支給単位期間については、育児休業給付金は、支給しない。
- 8.被保険者の養育する子について、当該被保険者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第六十一条の十第一項第三号及び第二項において同じ。)が当該子の一歳に達する日以前のいずれかの日において当該子を養育するための休業をしている場合における第一項の規定の適用については、同項中「その一歳」とあるのは、「その一歳二か月」とする。
この条文の基本情報
育児休業給付金とは何ですか?
定義育児休業給付金とは、雇用保険法第61条の7に定められた規定で、「育児休業給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第61条の7(育児休業給付金)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第61条の7の条文原文は「育児休業給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。」で始まります。
- 雇用保険法第61条の7は第二節 育児休業給付に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第61条の7の前の条は雇用保険法第61条の6です。
- 雇用保険法第61条の7の次の条は雇用保険法第61条の8です。
- 雇用保険法第61条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第61条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第61条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/61_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法61条の7の育児休業給付金は、休業開始時賃金日額×支給日数の67%(通算180日経過後は50%)を支給単位期間ごとに支給する。育休開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算12か月以上必要である。
Q · 育児休業給付金って、結局いくらもらえて、どうすると止まるの?
休業前賃金の67%(181日目から50%)、月ごとに判定されます
雇用保険法61条の7により、育児休業給付金は休業開始時賃金日額×支給日数の67%(通算180日経過後は50%)が、支給単位期間ごとに支給されます。要件は育休開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算12か月以上あること(第1項)。休業中に事業主から賃金が支払われた場合、賃金と給付の合計が休業前賃金の80% を超える分が減額され、賃金だけで80% に達すればその支給単位期間は不支給となります(第7項)。同一の子について3回目以後の育児休業は原則不支給です(第2項)。
解説
67%と50%、この二つの数字だけが独り歩きしている。だが育児休業給付金であなたの財布を実際に左右するのは、給付率より三つの日付である。第一に、育休を開始した日の前日を基準に遡った賃金で「休業開始時賃金日額」が固定される。時短勤務に切り替えてから育休に入れば、下がった賃金のまま1年間の給付額が決まる。第二に、支給単位期間は暦月ではなく「休業開始応当日」で区切られる。10日から休みはじめたなら、あなたの1か月は毎月10日から翌月9日までだ。第三に、育休開始日前2年間に「みなし被保険者期間」(第14条の被保険者期間を、育休開始日を離職日とみなして計算し直したもの)が通算12か月なければ給付はゼロ。転職直後の人が最も落ちる穴がここにある。ただし前職の被保険者期間は原則通算され、産休を経た人には産休開始日を起算点にする特例(第4項)もある。
法的な位置づけ
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が1歳に満たない子(一定の場合は1歳6か月または2歳に満たない子)を養育するための休業をした場合に、育児休業開始日前2年間のみなし被保険者期間が通算12か月以上あることを要件として、支給単位期間ごとに支給される雇用継続のための給付である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.育休開始前2年間の被保険者期間を棚卸しする 育児休業開始予定日から遡って2年間の雇用保険被保険者期間を、前職分も含めて確認する。退職時にハローワークで基本手当の受給資格決定を受けていると、それ以前の期間は通算されない(同法14条2項)。産休を経ている場合は第4項の特例基準日での再計算も検討する
- 2.休業開始時賃金日額の根拠となる賃金台帳を保全する 休業開始時賃金日額は、育休開始日の前日を離職日とみなして同法17条を適用して算定される(第6項)。育休開始直前6か月の給与明細・賃金台帳を保存し、時短勤務等で賃金が下がっていないかを事前に確認する
- 3.支給単位期間の区切り日をカレンダーに落とす 第5項により支給単位期間は休業開始応当日で区切られる。育休開始日が毎月の起算日になるため、各期間の初日と末日をカレンダー化し、就業日数10日(超える場合は80時間)と賃金80% 上限の判定単位を可視化する
- 4.初回支給申請を期限内に提出する 初回の支給申請は原則として育休開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで。事業主経由でハローワークへ、受給資格確認票・支給申請書・賃金台帳・出勤簿・母子健康手帳の写し等を添えて提出する
- 5.2回目以降は指定された申請期間ごとに継続申請する 以後は原則2か月ごとに、ハローワークから指定された申請期間内に支給申請する。各支給単位期間の就業日数・支払われた賃金を記載し、80% 上限(第7項)に該当しないかを申請前に自己検算する
- 6.延長する場合は1歳到達日を含む期間の申請期限までに証明書類を添える 1歳6か月(さらに2歳)までの延長を求める場合、市区町村が発行した保育所の不承諾通知等、厚生労働省令の要件を満たす書類を添えて申請する。入所希望日が子の1歳の誕生日より後だと要件を満たさない点に注意する(最新の改正状況をご確認ください)
よくある質問 AI による整理
Q1育児休業給付金はいくらもらえますか?
休業開始時賃金日額×支給日数の67% が通算180日目まで、181日目以降は50% です。休業開始時賃金日額は育休開始日の前日を離職日とみなして算定されます(第6項)。
Q2みなし被保険者期間とは何ですか?
育児休業を開始した日を被保険者でなくなった日とみなして、雇用保険法14条の被保険者期間を計算し直した期間です(第3項)。育休開始日前2年間に通算12か月必要です。
Q3支給単位期間はいつからいつまでですか?
暦月ではなく休業開始応当日で区切ります(第5項)。10日から育休を開始したなら、毎月10日から翌月9日までが1つの支給単位期間です。
Q4育児休業給付金はいつまでに申請すればいいですか?
初回は原則として育休開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで、以後は指定された申請期間内です。給付を受ける権利自体は2年で時効消滅します(同法74条)。
Q5育休を分割して取ると給付金はどうなりますか?
同一の子について2回までは支給されますが、3回目以後の育児休業については原則として支給されません(第2項、厚生労働省令で定める場合を除く)。
Q6育児休業給付金は2歳まで延長できますか?
雇用の継続のために特に必要と認められる厚生労働省令で定める場合に限り、1歳6か月、さらに2歳に満たない子まで延長できます(第1項)。自動延長ではなく申請が必要です。
Q7産休を挟むと12か月要件はどうなりますか?
労働基準法65条2項の産後休業をした被保険者でみなし被保険者期間が12か月未満の場合、産前休業開始日を特例基準日として計算し直せます(第4項)。
Q8夫婦で育休を取ると期間は延びますか?
配偶者が子の1歳到達日以前に育児休業をしている場合、第8項により「1歳」が「1歳2か月」に読み替えられます(パパ・ママ育休プラス)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1育休中にちょっとだけ手伝いで働いたら、給付金って止まりますか?
支給単位期間ごとに就業日数10日以下(10日を超える場合は就業時間80時間以下)なら支給されます。賃金が出た場合は第7項が働き、賃金と給付の合計が休業開始時賃金日額×支給日数の80%を超える分だけ減額、賃金だけで80%に達すればその期間は不支給です。実務のポイント:判定は暦月ではなく休業開始応当日で区切った期間ごと。月末月初にまとめて働くと二つの期間にまたがり、両方の月を壊すことがある
Q2転職して半年で妊娠しました。給付金はもらえないんですか?
育休開始日前2年間にみなし被保険者期間が通算12か月あればよく、前職の期間も原則通算されます(第1項、第3項)。ただし退職時に失業保険の受給資格決定を受けていると、それ以前は通算されません。実務のポイント:産休を取った人で12か月に届かない場合、第4項の特例で産前休業を開始した日を起算点にできる。この特例を知らずに諦める人が多く、窓口も聞かれなければ説明しないことがある
Q3保育園に落ちれば、自動で1歳6か月まで延長されるんですよね?
自動ではありません。第1項の延長は厚生労働省令で定める場合に限られ、市区町村の不承諾通知など要件を満たす書類を添えた申請が必要です。入所希望日が子の1歳の誕生日より後だと、そもそも要件を満たしません。実務のポイント:2025年4月以降、速やかな職場復帰の意思を確認する運用が加わり、入りにくい園だけを申し込むケースは認められにくくなっている(最新の改正状況をご確認ください)
Q4夫婦で同時に育休を取ったら、二人とも67%もらえますか?
もらえます。給付はそれぞれの被保険者資格と賃金で別々に算定されるからです。さらに配偶者が子の1歳到達日以前に育休をしていれば、第8項で対象が1歳2か月まで延びます(いわゆるパパ・ママ育休プラス)。実務のポイント:2025年4月からは出生後8週間以内に夫婦がともに一定期間育休を取ると、出生後休業支援給付金(第61条の10)が上乗せされ、手取りで実質10割相当になる期間がある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「育休を取れるかどうかは会社が認めるか次第」という問いの立て方自体が誤っている。休業を取る権利の相手は会社(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第5条)、給付を受ける権利の相手は国(本条、窓口はハローワーク)で、まったく別の法律・別の相手に対する権利である。会社が渋っても給付要件は消えないし、会社が快諾しても12か月要件を満たさなければ1円も出ない
- 「67%は非課税で社会保険料も免除だから実質手取り8割」まではよく知られている。知られていないのは、その8割の土台となる休業開始時賃金日額(第17条の賃金日額を、育休開始日の前日を離職日とみなして算定したもの)が、産休前や時短勤務中の賃金水準で固まってしまうという点だ。同じ年収の同僚でも、育休に入る直前の半年をどう働いたかで、1年分の給付総額に数十万円の差が生まれる
- あなたから見れば「1年間の育児休業」だが、制度から見れば「支給単位期間という月次のブロックの積み重ね」である。1ブロックごとに就業日数と支払われた賃金が判定され、条件を外したブロックだけが単独で飛ぶ。全部か無かではなく、穴あきになるという設計を知らないと、家計の見通しが月単位で崩れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 給付の対象となる休業 | 雇用保険法61条の7:1歳(延長で1歳6か月・2歳)未満の子を養育する育児休業 | 同法61条の8:子の出生後8週間以内の出生時育児休業(産後パパ育休) 同法61条の12:育児のための時短就業(休業ではなく短時間勤務) |
| 給付水準の考え方 | 休業開始時賃金日額×支給日数の67%(通算180日経過後50%) | 出生時育児休業期間に対応する別枠の給付 時短就業中に支払われた賃金に応じた給付 |
| 判定の単位 | 休業開始応当日で区切る支給単位期間ごと(第5項) | 出生後8週間以内の休業日数を単位とする 時短就業をした月ごと |
| 就業・賃金による調整 | 賃金と給付の合計が80% 超で減額、賃金のみで80% 到達なら不支給(第7項) | 就業可能日数の上限内で同様の調整 賃金水準に応じて給付率が調整される |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も「休業する権利は性別平等工作法、所得保障は就業保險法」という二層構造で日本と同型。給付率は平均月投保薪資の60%(政府加給20% を含め実質80%)、期間は子1人につき最長6か月、父母それぞれ取得可能。日本のような休業開始応当日による支給単位期間の区切りはなく、月単位で扱われる点が実務上の大きな差
韓国も雇用保険から育児休業給付を支給する構造で、日本と最も近い。給付上限額・下限額を月額で法定し、一定割合を復職後に支給する仕組み(사후지급금)を採ってきた点が日本と異なる。夫婦での取得を促す上乗せ制度がある点は日本のパパ・ママ育休プラスと同趣旨
中国は全国統一の育児休業給付ではなく、産休(98日+地方加算)の生育津貼を生育保険から支給する枠組みが中心で、育児休業(育児假)の日数と手当は省ごとの条例に委ねられている。日本の1年単位の所得保障とは制度射程が異なる
ドイツの Elterngeld は雇用保険ではなく税財源の家族給付で、就労していなかった親にも最低額が支給される点が日本と根本的に異なる。所得代替率は約65〜67% と日本の67% に近いが、ElterngeldPlus は部分就労を前提に受給期間を倍に延ばす設計で、日本の80% 上限による月次調整とは思想が異なる
フランスの PreParE は所得比例ではなく定額給付で、日本のような賃金日額連動ではない。保育サービス(crèche)と保育補助の充実により長期休業への依存度を下げる政策設計を採っている
連邦法 FMLA は12週間の職務保護のみで無給が原則。連邦レベルの育児休業所得保障は存在せず、カリフォルニア州等の有給家族休暇(PFL)制度が州単位で補完する。日本の全国一律の雇用保険給付とは前提が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし育休中に週2日だけリモートで前職の業務を手伝ったら、どうなる? 支給単位期間ごとの就業日数が10日(10日を超えるなら就業時間80時間)を超えた月は、その月の給付がまるごと出ない。しかも判定は暦月ではなく休業開始応当日で区切った月ごとなので、月末月初にまとめて働くと二つの期間にまたがって両方を壊すことがある
- 妊娠が分かった直後に転職が決まった。前職を辞めるとき、念のためにとハローワークで失業保険の手続をしてしまった。その一手で、前職の被保険者期間は新しい職場の期間に通算されなくなる。育休開始日前2年間で12か月に届かず、給付はゼロになりうる
- 保育所の不承諾通知が届いた。安心して延長申請の準備を始めたが、入所希望日が子の1歳の誕生日の翌日以降になっていた。この1日で、1歳6か月までの延長が認められない
- あなたが十数人の会社の総務担当で、育休申請の書類を初めて扱う。初回の支給申請には期限があり、うっかり寝かせたまま4か月を過ぎれば、従業員は数十万円を取り損ねる。残り時間は今月末まで。あなたのミスは、あなたではなく育休中の同僚の口座を直撃する
- 夫婦で育休を取ろうとしたが、夫の会社の人事から「二人同時は前例がない」と言われた。会社の慣行と給付の要件は別の法律で、それぞれ相手が違う。夫が要件を満たす被保険者である限り、夫の給付は夫自身の賃金で計算される
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不支給・減額の通知が来たら、理由が12か月要件か、就業日数か、賃金の80%上限かを特定する2. 12か月要件なら、前職を含む被保険者期間の履歴と、退職時に受給資格決定を受けたかを確認、産休を経ているなら第4項の特例基準日で再計算を求める3. 就業日数・賃金が理由なら、その支給単位期間だけの問題か全期間かを切り分ける4. 納得できなければ、処分を知った日の翌日から3か月以内に雇用保険審査官へ審査請求(雇用保険法第69条)。会社経由の申請でも、本人による申請・照会は可能
訴えられた側:1. 事業主側なら、初回申請の期限(育休開始日から4か月を経過する日の属する月の末日)を社内カレンダーに登録し、担当者の属人管理をやめる2. 育休中に業務を依頼するときは、支給単位期間ごとの就業日数10日・80時間と賃金13%の二重の線を事前に本人と共有する3. 賃金台帳・出勤簿は育休開始前6か月分を確実に保全、賃金日額算定の根拠になる4. 申請遅延で本人に損害が出れば、労使トラブルに直結する。遅れたと分かった時点で本人に開示し、ハローワークへ即相談
時効(請求できる期限):初回の支給申請は原則として育児休業開始日から4か月を経過する日の属する月の末日まで、以後は原則2か月ごとの指定された申請期間内。給付を受ける権利自体は2年で時効消滅する(雇用保険法第74条)。延長を求める場合は、子が1歳(延長後は1歳6か月)に達する日を含む支給単位期間の申請期限までに、保育所の不承諾通知等を添えて申請する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:育児休業を取得する権利(育児・介護休業法5条、対事業主)と、育児休業給付金の受給権(本条、対政府)は、根拠法も相手方も異なる別個の権利であり、事業主の承諾の有無は給付要件に直接影響しないと解される
通説:第7項の80% 上限は、休業の実質性を確保しつつ部分就労を許容する調整規定であり、給付率の一律引下げではなく支給単位期間ごとの個別調整として設計されているとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)4月 給付率を改正。育児休業開始から通算180日目までを50%から67%に引き上げ、181日目以降は50%とする二段構造にした。社会保険料免除と非課税を合わせ、休業開始当初は手取りベースで約8割となる水準を実現した
- 令和2年(2020年)4月 育児休業給付を失業等給付から切り離し、独立した給付体系(第3章の2)として位置づける改正。これに伴い育児休業給付金の条文位置が移動した
- 令和4年(2022年)10月 育児休業の分割取得(同一の子について原則2回まで)に対応する改正。第2項で同一の子についての3回目以降の育児休業を不支給とし、あわせて産後パパ育休に対応する出生時育児休業給付金が別条として設けられた
改正の年表
- 1.平成6年(1994年) 新設:雇用保険法改正により育児休業給付を創設(平成7年4月施行)。育児休業法(平成3年)で確立した休業する権利に、雇用保険からの所得保障を接続した
- 2.平成26年(2014年) 改正:給付率を改正。育児休業開始から通算180日目までを50% から67% に引き上げ、181日目以降は50% とする二段構造とした
- 3.令和2年(2020年) 改正:育児休業給付を失業等給付から切り離し、独立した給付体系(第3章の2)として位置づける改正。育児休業給付金の条文位置が移動した
- 4.令和4年(2022年) 改正:育児休業の分割取得(同一の子について原則2回まで)に対応。第2項で3回目以後の育児休業を不支給とし、産後パパ育休に対応する出生時育児休業給付金を別条として新設した
- 雇用保険法 第14条みなし被保険者期間の算定基礎となる被保険者期間
- 雇用保険法 第17条休業開始時賃金日額の算定方法を提供
- 雇用保険法 第61条の8出生時育児休業給付金、産後8週間の別枠給付
- 雇用保険法 第61条の10出生後休業支援給付金、配偶者の定義を本条と共有
- 雇用保険法 第61条の12育児時短就業給付金、本条の育児休業の定義を借用
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第5条育児休業を取得する権利そのものの根拠(通称 育児・介護休業法)
- 労働基準法 第65条産前産後休業、第4項の特例基準日の起点
- 健康保険法 第159条育児休業期間中の保険料免除、手取り水準を左右
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