雇用保険法 第77条
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行政庁は、被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者に対して、この法律の施行に関して必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第77条は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第77条の条文原文は「行政庁は、被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者に対して、この法律の施行に関して必要な報告、文書の提出又は出…」で始まります。
- 雇用保険法第77条は第七章 雑則に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第77条の前の条は雇用保険法第76条です。
- 雇用保険法第77条の次の条は雇用保険法第77条の2です。
- 雇用保険法第77条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第77条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第77条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/77
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法77条は、行政庁が被保険者や受給資格者等に対し、必要な報告、文書の提出又は出頭を命じられると定める。処分そのものではなく、不支給や返還命令に先立つ調査段階の権限である。
Q · ハローワークから出頭を命じる通知が届いたら、これは何の権限に基づくものですか?
雇用保険法77条の命令。案内ではなく調査です
雇用保険法77条に基づく行政庁の命令です。名宛人は被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者、未支給の失業等給付等の支給を請求する者で、内容は報告、文書の提出、出頭の三類型に限られます。案内ではなく命令であるため、応答しないまま調査が進むと、本人の言い分が記録に残らないまま不支給や返還の判断が組み立てられます。不正受給と認定されれば、返還命令に加えて受給額の2倍以下の納付命令(10条の4)と、以後の給付制限(34条)が続きます。
解説
ハローワークから「○月○日に来所してください、雇用保険の件で確認したいことがあります」という通知が届く。多くの人はこれを事務連絡だと思って軽く扱う。だが、その根拠が雇用保険法77条だとしたら意味は変わる。この条文は、行政庁(実務上は公共職業安定所長)が、被保険者・受給資格者等・教育訓練給付金の支給対象者・亡くなった受給者の未支給給付を請求する遺族に対して、報告、文書の提出、出頭を「命ずる」権限を与えている。お願いではなく命令である。そして命令が出たということは、行政庁がまだ何かを確認しようとしている段階、つまり結論が出ていない段階だということでもある。不正受給と認定されれば、その後に待っているのは給付制限(34条)と、返還命令に加えた最大2倍の納付命令(10条の4)、合計で受給額の3倍までの請求だ。あなたが今手にしているのは、その線を越える前の弁明の機会である。
法的な位置づけ
雇用保険法77条は、行政庁による受給者側への調査権限を定める規定である。名宛人は被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者、及び未支給の失業等給付等の支給を請求する者であり、命令の内容は報告、文書の提出又は出頭の三類型に限られる。事業主を名宛人とする76条と対をなし、立入検査を定める79条より一段軽い調査手段として位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.命令書の射程を特定する 報告・文書の提出・出頭のどれを、どの期間の何について求められているかを命令書から切り出す。持参物欄は行政庁が何を確認しようとしているかの手がかりになるため、通帳・給与明細なら収入の申告、受講証明なら教育訓練給付が焦点だと逆算する
- 2.記憶ではなく客観資料で時系列を再構成する 通帳の入金履歴、給与明細、シフト表、勤務先とのやり取りを日付順に並べ、失業認定申告書の記載と突き合わせる。ずれがある箇所は「なぜずれたか」を一行で書き添えたメモを作る
- 3.申告漏れが事実なら認定前に自ら申し出る 調査で申告漏れが確認できた場合、出頭日を待たず安定所へ連絡して自主的に申し出る。自主的な申出の有無は、返還のみに留めるか納付命令まで打つかの実務判断に影響しうる
- 4.出頭当日に控えと記録を残す 提出した書類はすべて控えを取り、提出日、担当者名、口頭で説明した内容を当日中にメモ化する。追加提出を求められた場合はその内容と期限も記録する
- 5.処分が出たら教示欄から読み、不服なら審査請求する 不支給決定や返還・納付命令の通知書は最後の教示欄から読む。不服がある場合は雇用保険審査官へ審査請求し(69条)、その決定にも不服なら労働保険審査会へ再審査請求する。期限は通知到達後すぐ確認する
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険法77条とは何ですか?
行政庁が被保険者・受給資格者等・教育訓練給付金支給対象者・未支給給付の請求者に対し、報告、文書の提出又は出頭を命ずることができると定めた調査権限の規定です。
Q2報告命令の対象になるのは誰ですか?
条文が列挙する四類型、すなわち被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者、未支給の失業等給付等の支給を請求する者です。遺族が未支給分を請求する場合も名宛人に含まれます。
Q3ハローワークの出頭命令に期限はありますか?
77条自体に時効の定めはありません。実務上の期限は命令書に記載された出頭日と提出期限で、これが事実上の一次リミットになります。都合がつかない場合は事前に安定所へ連絡します。
Q4教育訓練給付でも報告命令はありますか?
あります。条文が「教育訓練給付金支給対象者」を明示しており、受講先の指定教育訓練実施者側の問題を端緒に、受講者本人へ文書提出が命じられることがあります。
Q5亡くなった家族の失業給付を請求したら出頭を命じられました。なぜですか?
未支給の失業等給付等の支給を請求する者も77条の名宛人だからです。相続手続きのつもりで窓口へ行っても、故人の求職活動の実態について報告を命じられることがあります。
Q6離職理由に異議があるとき、証拠は出せますか?
出せます。77条の調査は、訴訟を経ずに証拠を行政庁へ直接届けられる場面です。タイムカード、シフト表、メッセージ履歴などを時系列に束ねて、認定が出る前に提出します。
Q7ハローワークの調査に弁護士は同席できますか?
同席を一律に禁じる規定はありませんが、運用は安定所ごとに異なります。事前に電話で可否と手続を確認し、難しい場合は提出書面の作成段階で専門家の助言を得る方法があります。
Q8不支給の決定に納得できないときはどうすればいいですか?
決定通知書の教示欄を確認し、雇用保険審査官へ審査請求します(69条)。その決定にも不服なら労働保険審査会へ再審査請求します。期限があるため通知到達後すぐ着手します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ハローワークから来てくださいって手紙が来たんですが、行かないとどうなりますか?
出頭は77条に基づく「命令」であって単なる案内ではない。加えて実務上重いのは、応答がないまま失業の認定(15条)が進まず、基本手当の支給自体が止まることだ。事実上、行かないという選択肢はない。実務のポイント:通知の「持参物」欄は、行政庁が何を疑っているかの手がかりになる。通帳と給与明細なら収入の申告漏れ、受講証明なら教育訓練給付が焦点。持参物から論点を逆算してから行く
Q21日だけ手伝って数千円もらっただけなんですけど、申告しなくてもバレませんか?
発覚の中心は密告ではなく記録の突合である。雇用保険の資格取得届、事業主への報告命令(76条)、行政庁の保有記録があなたの申告と並べられ、ずれれば77条の出頭命令が来る。実務のポイント:失業認定申告書は「働いた事実」を書く欄であって、金額の多寡で書くかどうかを決める欄ではない。数時間・数千円でも記載対象になりうる。ここを誤解したまま提出する人が最も多い
Q3不正受給と言われたら、もらった分を返せば終わりですか?
終わらない。返還命令に加えて受給額の2倍以下の納付命令が可能で(10条の4)、合計で最大3倍。さらにその後の給付制限(34条)が働き、悪質な事案は刑法246条の詐欺罪として刑事手続に移る。実務のポイント:窓口が自主的な申告を促してくるのは、外形上の証拠が既に固まっている段階であることが多い。呼び出しの前後に自ら申し出たかどうかが、納付命令まで打つかの実務判断に効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「行かなかったらどうなるか」を最初に調べる人が多いが、問いの立て方が誤っている。出頭命令の本当の効き目は制裁の有無ではなく、応じないまま調査が進むと、あなたの言い分がゼロのまま処分が組み立てられてしまうことだ。争点は罰ではなく、記録にあなたの主張が残るかどうかである
- 不正受給は返せば終わりだと知っている人でも、深刻度を読み違えている。返還命令に加えて受給額の2倍以下の納付命令(10条の4)、それ以後の給付制限(34条)、悪質な事案では刑法246条の詐欺罪。金銭、受給資格、前科という三層で効いてくる
- あなたから見れば「うっかり書き忘れた」でも、行政庁から見えているのは「申告書という文書に事実と異なる記載がある」という外形だけである。故意があったかどうかは後から争うことになるが、外形の方が先に立つ。この落差を埋める材料を持ち込めるのは、呼び出しの当日しかない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 77条:被保険者・受給資格者等・教育訓練給付金支給対象者・未支給給付の請求者 | 76条:事業主(および一定の関係者) 79条:立入検査の対象となる事業所等 |
| 手段の内容 | 報告、文書の提出、出頭の三類型 | 報告・届出等の提出 職員による立入り、帳簿書類の検査、関係者への質問 |
| 強度 | 受給者側への任意提出型の命令(応じないと認定が進まない) | 事業主側への命令。記録突合の相手方を確保する機能 現場に立ち入る最も強い調査手段 |
| その後に接続する処分 | 不支給決定、返還命令+2倍以下の納付命令(10条の4)、給付制限(34条) | 事業主に対する是正指導、保険料関係の処理 事業所に対する是正指導、不正受給の端緒把握 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では就業保険の給付審査のために、保険者が被保険者・受益者・投保単位等へ関係証明文書の提出を求める形で調査権を構成する。日本のように「出頭」を独立の命令類型として条文上並列させる建付けではない
韓国は雇用労働部長官が事業主・労働者・受給資格者等に対し報告や関係書類の提出を求める構造で、日本の76条と77条を一箇条にまとめた形に近い
ドイツは社会法典総則で、給付申請者一般の申告義務・書類提出義務・出頭義務を横断的に定める。個別給付法ではなく総則に置く点が日本と異なり、対象範囲は雇用保険に限られない
米国は失業保険を州が運営するため、受給者への報告要求や出頭要求の根拠は各州法に置かれる。連邦法は州法が備えるべき運営要件を定める枠組み法として機能する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 失業認定申告書に、単発で入った1日だけのアルバイトを書き忘れていたら、どうなる? 10日後に来所を命じる通知が届く。持参物欄には「通帳、給与明細、勤務実績が分かる書類」。この時点で行政庁は、あなたの申告と別ルートの記録がずれていることを既に掴んでいる。当日までに、なぜずれたのかを説明できる材料を揃えられるかどうかで、その後の三年間が変わる
- 教育訓練給付金を受け取った半年後、受講先の学校が受講証明の出し方について指導を受け、受講者であるあなたにも文書提出命令が回ってきた。あなたは実際に通っていた。だが出席記録を持っているのは学校側で、自分の潔白を裏づける材料が自分の手元にない。提出期限は2週間後
- 父が失業給付の受給中に亡くなった。未支給分を請求したら、ハローワークから出頭を命じられた。遺族であるあなたも、77条の名宛人である
- 離職票の離職理由が「自己都合」になっていて納得できない。異議を申し立てたところ、あなたと前の勤務先の双方に報告と文書提出が命じられた。会社は退職願を出し、あなたはハラスメントの LINE 履歴とシフト表を出す。同じ条文が、あなたを調べる刃にもなれば、訴訟を経ずに主張を行政庁へ直接届ける土俵にもなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 決定通知書は最後の教示欄から読む。不服なら雇用保険審査官への審査請求(69条)、その決定にも不服なら労働保険審査会へ再審査請求2. 出頭時に提出した書類は必ず控えを取り、日付と担当者名を記録する3. 離職理由が争点なら、タイムカード・シフト表・LINE・録音を時系列に束ねて提出する4. 会社が事実と異なる証明を出しているなら、事業主側にも報告命令が及びうること(76条)を窓口に伝え、双方の記録の突合を求める
訴えられた側:1. 命令書の射程を特定する。報告・文書提出・出頭のどれを、どの期間の何について求められているか2. 記憶で答えない。通帳、給与明細、シフト表で事実を再構成してから出頭する3. 申告漏れが事実なら、認定される前に自ら申し出る4. 金額が大きい、期間が長い、複数回にわたるという条件が重なる場合は、出頭前に弁護士へ相談する。刑法246条の射程に入る事案かどうかの見極めが最初の分岐になる
時効(請求できる期限):77条自体に特定の時効はない。実務上の期限は命令書に記載された出頭日と提出期限であり、これが事実上の一次リミットになる。処分に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)。不正受給に基づく返還・納付命令の権限行使の期間制限は事案ごとに確認を要する
学説
通説(行政調査論):77条の命令には直接の罰則が結びつけられていないが、応答しなければ失業の認定が進まず給付が止まるという構造により実効性が確保されている。応じない自由が事実上ないぶん、行政庁側には調査目的との関連性と手段の必要最小限性が求められると解される。
憲法学・行政法学の議論:行政調査で得られた供述や資料が、後の刑事責任追及に用いられうる場面について、憲法38条1項の自己負罪拒否特権がどこまで及ぶかは解釈が分かれている。雇用保険の不正受給が詐欺罪に接続しうることから、本条もこの論点の射程に入りうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:失業保険法が制定され、戦後の失業時所得保障制度が発足。給付の適正化のための行政庁の調査規定がこの系譜の出発点となる
- 2.昭和49年(1974年) 改正:失業保険法を全面改組し、雇用保険法(昭和49年法律第116号)として制定。給付体系の再編に伴い、事業主向けの報告命令と受給者側への報告・文書提出・出頭命令が本法の雑則に整理された
- 雇用保険法 第76条事業主に対する報告命令、記録突合の相手方
- 雇用保険法 第79条立入検査、報告命令より強い調査手段
- 雇用保険法 第10条の4不正受給の返還命令および納付命令
- 雇用保険法 第34条不正受給による以後の給付制限
- 雇用保険法 第69条雇用保険審査官への審査請求、処分後の争い方
- 行政手続法 第14条不利益処分の理由提示義務の一般規定
- 行政不服審査法 第2条不服申立ての一般法、雇用保険法69条が特則
- 刑法 第246条悪質な不正受給の詐欺罪としての立件
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