要点雇用保険法 34 条は、不正の行為で失業給付を受け、又は受けようとした者に、その日以後の基本手当を支給しないと定める。やむを得ない理由があれば一部支給も可能。
Q · 失業給付をもらっている間に単発バイトを申告しなかったら、どうなりますか?
残日数の全部が止まります。減額ではありません。
雇用保険法 34 条 1 項により、偽りその他不正の行為で給付を受け、又は受けようとした日以後、基本手当は支給されません。残り 90 日分があっても同時に止まります。さらに 10 条の 4 により、受けた額の返還に加えて最大 2 倍の納付を命じられ、合計で最大 3 倍になります。他方、正直に申告した場合は、その日が不支給または減額になるだけで、日数は受給期間内に繰り越されます。
ハローワークの失業認定申告書には、毎回この欄がある。前回の認定日から今日までに、就職または就労をしましたか。ここに「いいえ」と書いた期間に単発のバイトを 1 日でも入れていたら、雇用保険法 34 条 1 項が起動する。効果は「罰金」ではない。その日以後、基本手当を一切支給しない、である。残り 90 日分が残っていても、まとめてゼロになる。さらに 10 条の 4 により、受け取った額の返還に加えて最大 2 倍の納付を命じられ、合計で 3 倍に達する。ここで多くの人が知らないのは、正直に申告した場合の帰結だ。働いた日は不支給または減額になるだけで、その日数は消えず受給期間内に繰り越される。申告して失うのは数日分の先送り、隠して失うのは全部プラス 3 倍。この非対称を知っているかどうかが、申告書の一行を分ける。
雇用保険法 34 条は不正受給に対する給付制限を定める規定であり、偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付を受け、又は受けようとした者について、その日以後の基本手当の不支給を原則とする。1 項但書はやむを得ない理由による例外を、2 項は新たに取得した受給資格に基づく支給を定める。
不正受給に対する給付制限の規定です。偽りその他不正の行為で求職者給付や就職促進給付を受け、又は受けようとした日以後、基本手当が支給されなくなります。残日数の全部が対象です。
前回の認定日から今回までに働いた日を、雇用形態を問わずすべて記入します。1 日限りの単発バイト、日雇い、手渡しの現金収入も対象で、申告義務に金額の下限はありません。
事業主への調査、賃金台帳や被保険者資格の記録との突合、本人への聴取で判明します。本人が申告しなくても外形から把握できるため、数か月の時間差で発覚するケースが多いです。
必要です。雇用契約の有無は申告義務を左右しません。フードデリバリー、継続的な転売、業務委託などの収入活動は自営就労として申告対象になりえます。
徴収金の請求権は原則 2 年で時効消滅するとされます(雇用保険法 74 条、最新の改正状況をご確認ください)。ただし 34 条の給付制限自体に期間の定めはなく、当該受給資格の残日数の全部に及びます。
雇用保険審査官へ審査請求ができます(雇用保険法 69 条)。期間は処分があったことを知った日の翌日から 3 か月以内です(行政不服審査法 18 条)。まず処分理由の提示内容を確認してください。
初出勤の前でも、就職が決まった事実は申告事項です。入社日まで黙って基本手当を受け続けると、受けようとした者としての外形が整います。認定日を待たず窓口へ連絡してください。
1 項但書の例外で、認められれば基本手当の全部又は一部を支給できます。条文上の定義はなく、本人の疾病や窓口指導の誤りなど個別事情の評価によります。自主申告の有無も評価に影響します。
その日の基本手当は不支給または減額になりますが、日数が消えるわけではなく、受給期間内であれば後ろに繰り越されます(15 条の失業の認定の枠組み)。失うのは先送りの数日分だけです。業界裏話ヒント:本当のリミットは繰り越しではなく受給期間の 1 年の壁(20 条)。バイトが増えるほど繰り越しが積み上がり、1 年を超えた分は本当に消える。就労が続くなら、繰り越し可能な残日数を窓口で常に把握しておく人だけが取りこぼさない。
事業主側の賃金台帳や資格喪失の記録との突合、退職者本人への聴取で判明します。成立すれば受給者は 34 条で以後の基本手当を全部止められ、偽りの届出や証明をした事業主も連帯して返還・納付義務を負います(10 条の 4)。業界裏話ヒント:離職理由に納得できないなら、正規のルートがある。離職票の異議欄に事実を書いて提出し、ハローワークに判断させればよい。会社が書いた理由が最終決定ではない。
事実です。不正に受けた額の返還に加え、その額の 2 倍以下の金額の納付を命じられるため、合計で最大 3 倍になります(10 条の 4)。これとは別に 34 条で以後の基本手当が停止し、悪質なら刑法 246 条の詐欺罪も並走します。業界裏話ヒント:納付命令は「2 倍以下」という幅のある裁量。全件が上限で運用されるわけではなく、自主申告の有無、期間、回数、書類偽造の有無で判断が動く。発覚後に何を最初にするかが、この幅の中の位置を決める。
そうではありません。34 条 2 項は、制限を受けた日以後に新たな受給資格を取得した場合、その新資格に基づく基本手当は支給すると明記しています。再就職して被保険者期間を積み直せば道は開きます。業界裏話ヒント:ただし 3 項・4 項により、止められた日数は「支給があったものとみなす」扱いになる。算定基礎期間も傷病手当の日数も、受け取っていないのに受け取ったものとして計算される。復活するのは将来の資格であって、失った日数ではない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 34 条:不正受給者への給付制限(将来の基本手当を止める) | — |
| 発動の要件 | 偽りその他不正の行為により給付を受け、又は受けようとしたこと | — |
| 効果の重さ | その日以後、当該受給資格の残日数の全部が不支給(減額でも一時停止でもない) | — |
| 混同しやすい点 | 同じ「給付制限」でも 33 条(離職理由による給付制限)は期間限定の待機であり、34 条は残日数の全部停止で性質が異なる | — |
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