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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

雇用保険法 第85条

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  1. 被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者その他の関係者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
  2. 一第四十四条の規定に違反して偽りその他不正の行為によつて日雇労働被保険者手帳の交付を受けた場合
  3. 二第七十七条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出し、又は出頭しなかつた場合
  4. 三第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 雇用保険法第85条は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
  2. 雇用保険法第85条の条文原文は「被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者又は未支給の失業等給付等の支給を請求する者その他の関係者が次の各号のいずれかに該当するときは、六月以下の拘禁刑又…」で始まります。
  3. 雇用保険法第85条は第八章 罰則に置かれています。
  4. 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
  5. 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 雇用保険法第85条の前の条は雇用保険法第84条です。
  7. 雇用保険法第85条の次の条は雇用保険法第86条です。
  8. 雇用保険法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第85条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
  • 本サイト収録雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/85

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点雇用保険法85条は、報告をしない、職員の質問に答えない、検査を拒むなどの調査妨害に対し、六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金を科す。給付の受給がなくても成立する。

Q · 失業給付を受け取っていなくても、ハローワークの調査に応じないと罰せられるの?

受け取っていなくても、調査に応じなければ処罰されます

雇用保険法85条は、不正受給そのものではなく調査手続への非協力を処罰する規定です。77条の報告命令に応じない、偽りの報告や偽りの記載をした文書を提出する、出頭しない、79条1項の職員の質問に答えない、偽りの陳述をする、検査を拒み・妨げ・忌避する——これらは失業等給付を一円も受け取っていなくても、六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金の対象になります。不正受給に対する返還・納付命令(10条の4)や83条の罰則とは別の軌道で成立します。

解説

ハローワークの窓口で、担当職員から「この期間、本当に働いていませんでしたか」と聞かれる。あるいは事業所に調査官が来て、出勤簿と賃金台帳を見せろと言われる。そこで面倒だからと黙る、適当に答える、書類を出し渋る。その瞬間、あなたは雇用保険法85条の射程に入っている。この条文が処罰するのは「不正受給そのもの」ではない。不正受給の罰は83条にあり、こちらは調査への非協力、つまり手続段階の妨害だ。報告しない、嘘の報告をする、文書を出さない、出頭しない、職員の質問に答えない、検査を拒む。これらは単独で六月以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金にあたる。給付を一円も受け取っていなくても成立する。しかも名宛人は被保険者だけでなく、受給資格者等、教育訓練給付金の支給対象者、未支給給付を請求する者、そして「その他の関係者」まで広い。あなたが家族の未支給給付を請求した遺族であっても、この条文の当事者になりうる。

法的な位置づけ

雇用保険法85条は、失業等給付をめぐる行政調査の実効性を担保する罰則規定である。被保険者、受給資格者等、教育訓練給付金支給対象者、未支給給付の請求者その他の関係者を名宛人とし、日雇労働被保険者手帳の不正取得、報告命令違反、職員の質問に対する不答弁・虚偽陳述、検査の拒否・妨害・忌避を構成要件として、六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金を定める。

よくある質問 AI による整理

Q1雇用保険法85条とは何ですか?

失業等給付に関する行政調査への非協力を処罰する罰則規定です。報告命令違反、質問への不答弁・虚偽陳述、検査拒否が対象で、六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金が定められています。

Q2ハローワークの呼び出しを無視したらどうなる?

77条の命令に基づく出頭要請に応じない場合、85条2号の不出頭として処罰対象になります。行政からの呼び出しは任意のお誘いではなく、罰則で担保された義務です。

Q3失業保険の調査で嘘をつくと違法?

違法です。79条1項の職員の質問に対する偽りの陳述は85条3号にあたり、給付を受け取っていなくても六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金の対象になります。

Q4雇用保険法85条の時効はいつまで?

法定刑が六月以下の拘禁刑であるため公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は報告期限の経過時や虚偽陳述をした時点など、行為の終了時になります。

Q585条と83条は何が違うの?

83条は主として事業主等を名宛人とする罰則で、85条は被保険者・受給資格者等・関係者の調査非協力を対象とします。85条は給付を受け取ったかどうかを問いません。

Q6日雇労働被保険者手帳を不正に受け取るとどうなる?

44条に違反して偽りその他不正の行為で交付を受けた時点で85条1号が成立します。給付金を受け取る前でも犯罪は完成しており、手帳の取得自体が処罰対象です。

Q7ハローワークの調査は弁護士に相談できる?

回答前の段階が最も選択肢が広く、事実整理と自主的な訂正申告を選べます。社会保険労務士または弁護士への相談は、虚偽の陳述をする前に行うことが決定的に重要です。

Q8家族の未支給給付を請求する遺族も対象になる?

条文上「未支給の失業等給付等の支給を請求する者」が名宛人に含まれるため、遺族も対象です。相続手続の一環という感覚で照会を放置すると、遺族自身が処罰対象になりえます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1ハローワークの職員に聞かれたことに答えないと、本当に捕まるんですか?

79条1項の職員の質問に対して答弁しない、または偽りの陳述をした場合、85条3号により六月以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金の対象になる。実際に起訴されるのは悪質な事案に絞られるが、条文上は成立する。実務のポイント:実務で刑事処分に進むかの分水嶺は、金額の大小より「調査に対する態度」である。誤りを自ら訂正した事案と、督促を繰り返し無視した事案では、同じ金額でも扱いが変わる

Q2不正受給の返還と、この罰則は両方くらうんですか?

別制度なので併存しうる。返還命令と最大2倍額の納付命令(10条の4)は行政上の措置、85条は刑事罰である。さらに詐欺的な受給には83条の罰則もあり、こちらが適用される場合もある。実務のポイント:返還さえすれば刑事は動かないと考える人が多いが、返還は情状にはなっても構成要件を消さない。特に調査妨害型の85条は、返還の有無と論理的に無関係である

Q3書類が見つからないから出せない、というのも罪になりますか?

85条2号は「文書を提出せず」を処罰対象にしているが、犯罪の成立には故意が必要である。真に紛失していて提出できない場合は、その事情を書面で説明し、代替資料を提示することで対応する。実務のポイント:黙って提出しないことと、提出できない理由を説明することは、記録上まったく別の意味を持つ。説明の記録が残っていれば、後に故意を争う際の中核証拠になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「不正受給していなければ罰則はない」という前提そのものが誤っている。85条は給付の受給を要件にしていない。報告しない、出頭しない、質問に答えない、これらは受給の有無と切り離された独立の処罰対象だ。問うべきは「不正に受け取ったか」ではなく「調査に応じたか」である
  • 行政の調査だから黙秘権があると考える人がいるが、これは視角がずれている。あなたから見れば「答えたくない自由」でも、法から見れば79条の質問は罰則で担保された答弁義務である。ただし刑事責任を問われうる事項について、供述を強制した上で刑事訴追に用いることは憲法38条1項との緊張を生み、この点は実務上、解釈が分かれている
  • 「20万円以下の罰金なら払えば済む」と思っている人は、罰金刑の深刻度を理解していない。罰金は前科であり、確定すれば犯罪経歴になる。士業の登録要件、警備業や建設業の許可、外国のビザ申請、これらの場面で罰金前科は実際に効いてくる。金額の小ささと不利益の大きさは比例しない
比較の観点この条文ほかの条文
処罰・措置の性質85条:調査手続への非協力に対する刑事罰83条:事業主等を主な名宛人とする刑事罰
10条の4:不正受給に対する行政上の返還・納付命令
給付の受給が必要か不要。一円も受け取っていなくても成立する類型により異なるが、不正な受給行為が前提となる場面が多い
必要。不正に受給した給付があることが前提
典型的な行為態様報告しない、偽りの報告、文書不提出、不出頭、不答弁、虚偽陳述、検査拒否偽りその他不正の行為に関与する事業主側の行為
偽りその他不正の行為による失業等給付の受給
法的効果六月以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金(前科となる)罰則(前科となる)
返還命令+最大2倍額の納付命令(行政措置で前科ではない)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
就業保險法・勞工保險條例

台湾も保険人に給付審査のための調査権を認め、不実申報や調査非協力に制裁を置くが、中心は行政罰(罰鍰)であり、日本のように調査妨害へ自由刑を直結させる構造は弱い

韓国
고용보험법 벌칙・과태료 규정

韓国も報告義務違反や調査拒否に制裁を設けるが、過怠料(行政秩序罰)と刑事罰の切り分けがより明確で、単純な調査非協力は過怠料で処理される傾向がある

ドイツ
SGB III § 404(Bußgeldvorschriften)、SGB I § 60(Mitwirkungspflichten)

ドイツは給付関係者の協力義務違反を原則として秩序違反金(Bußgeld)で処理し、給付の停止・不支給という給付法上のサンクションを併用する。自由刑は詐欺(StGB § 263)の領域に留保される

アメリカ
18 U.S.C. § 1001および各州失業保険法

米国では連邦機関への虚偽陳述が一般法で重く処罰される一方、失業保険の調査非協力は主として給付の不支給・失格(disqualification)という行政効果で処理され、州ごとに制裁の重さが分かれる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 失業認定日にハローワークへ行くと、担当者から「先月アルバイトをしていませんでしたか」と踏み込んだ質問をされた。実は日雇いで数日働いていたが、面倒になって「していません」と答えた。この虚偽の陳述それ自体が85条3号(79条1項の質問に対する偽りの陳述)にあたる。不正受給の返還や3倍返し(10条の4)とは別軌道で、刑事処分の対象になる
  • 教育訓練給付を申請したあと、受講実態について照会文書が届いた。仕事が忙しく放置し、督促も無視した。79条ではなく77条の報告命令に基づく照会なら、報告をしなかった時点で85条2号に該当しうる。「忘れていた」は故意を否定する事情になるが、督促を複数回無視した記録は故意の推認材料になる
  • 友人から相談された。「ハローワークから呼び出しの通知が来たが、行かなくていいよね?」 出頭しなかった場合が85条2号に明記されている。行政の呼び出しだから任意だろう、という感覚が最も危ない
  • 日雇労働求職者給付を受けるため、実際には就労実態がないのに他人名義の情報を使って日雇労働被保険者手帳の交付を受けた。手帳を受け取った時点で85条1号が成立する。給付金を受け取る前でも既に犯罪は完成している
  • 調査官の来訪予告から実質あと5日。手元の出勤簿と実際の勤務実態が食い違っていることに気付いた。ここで書類を差し替えるか、隠すか、正直に説明するかで結末が分かれる。改ざんした文書を提出すれば85条2号の「偽りの記載をした文書の提出」が加わり、単なる事務ミスだった話が刑事事件になる

取るべき行動

被害を受けた側:本条は行政の調査権限を担保する規定であり、私人が被害者になる構造ではない。事業主から虚偽の報告を強要された、あるいは自分名義で勝手に日雇労働被保険者手帳の交付申請をされたという場合は、(1)強要や無断申請の経緯を時系列とやり取りの記録で保全し、(2)自分から先に管轄のハローワークへ申し出て、(3)強要された立場であることを示す資料を提出する。先に申告した側が事実上有利になる

訴えられた側:1. 呼び出しや照会が届いたら、まず根拠条文(77条の報告命令か79条の質問・検査か)と回答期限を確認する2. 回答する前に社会保険労務士または弁護士へ相談、事実関係と手元資料の整合を確認する3. 既に誤った申告をしている場合は、追加の虚偽を重ねず、訂正の申出を先行させる4. 文書は改ざんせず現状のまま提出、改ざんは85条2号を新たに成立させる5. 出頭要請には応じる、不出頭それ自体が構成要件である

時効(請求できる期限):本条の法定刑は六月以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金であり、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為の終了時、つまり報告をしなかった場合は報告期限の経過時、偽りの陳述をした場合はその陳述時。なお不正受給に対する給付の返還命令等(雇用保険法10条の4)は別制度であり、こちらの時効は2年(同法74条、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:雇用保険法85条は行政調査の実効性を担保する間接強制の手段であり、給付受給の有無から独立した構成要件を持つ。罰則で答弁義務を担保する点は憲法38条1項と緊張するが、川崎民商事件の枠組みにより、刑事責任追及を直接の目的としない限り合憲と解される

有力説(供述の証拠使用制限説):罰則で強制して得た供述を、そのまま当該本人の刑事訴追の証拠として用いることは自己負罪拒否特権と抵触しうるため、行政調査で得た供述の刑事手続への転用には制限を設けるべきとする立場。実務上、解釈が分かれている論点である

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法制定(昭和49年法律第116号)。従来の失業保険法を全面改正し、失業等給付に関する報告・出頭・答弁・検査受忍義務を担保する罰則として本条が置かれた
  2. 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の関係整備により、懲役・禁錮が拘禁刑に一本化され、本条の法定刑も「六月以下の拘禁刑」に置き換えられた(施行は令和7年6月1日)

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雇用保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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