要点特定商取引法35条は、連鎖販売取引の広告に商品又は役務の種類、特定負担、特定利益の計算方法など四項目の表示を義務づける。義務主体は運営会社だけでなく末端の一般会員個人も含む。
Q · SNS でマルチ商法の副業を紹介する投稿、何を書かないと違法になるの?
四項目の表示が必要。義務は末端会員個人にもかかる
特定商取引法35条は、連鎖販売取引の広告に四つの表示事項を義務づけます。商品又は役務の種類、特定負担(登録費用や初期在庫の購入額)に関する事項、特定利益(紹介報酬)を広告するならその計算方法、その他主務省令で定める事項です。義務を負うのは「統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者」であり、運営会社だけでなく末端の一般会員個人も含まれます。不特定多数に向けた SNS 投稿は広告に当たるため、初期費用を伏せた「誰でも稼げる」だけの投稿は、投稿者個人の違反になり得ます。
Instagram で「この副業、誰でも月30万」という投稿を見たことがあるはずだ。あの投稿の多くは、法律上れっきとした「広告」である。特定商取引法35条は、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法、ネットワークビジネス)の広告を出すとき、四つの事項を必ず表示せよと命じる。商品や役務の種類、特定負担(登録時に払う初期費用や在庫購入額)に関する事項、特定利益(紹介報酬)を書くならその計算方法、そして施行規則で定めるその他の事項だ。ここであなたが知っておくべき決定的な一点。この義務を負うのは運営会社だけではない。条文は「統括者、勧誘者又は一般連鎖販売業者」と書く。つまり末端の一般会員、あなた自身が SNS で事業を紹介した瞬間、あなた個人に表示義務がかかる。「誰でも稼げる」としか書かず初期費用を隠した投稿は、それ自体が違法のサインであり、あなたを行政処分と刑事罰の射程に引き込む。
特定商取引法35条は連鎖販売取引の広告表示義務を定める規定であり、統括者、勧誘者及び一般連鎖販売業者に対し、広告に商品又は役務の種類、特定負担に関する事項、特定利益を広告する場合の計算の方法、その他主務省令で定める事項の表示を義務づける。広告そのものの禁止ではなく強制開示という手法により、参加希望者が判断材料を得られる状態を確保する規定である。
連鎖販売取引に参加するために負う金銭的負担のことです。登録料、加盟料、初期の在庫商品購入額、保証金などが該当します。広告でこれを伏せると35条違反の目印になります。
他人を勧誘して組織に参加させることで得られる紹介報酬やボーナスなど、連鎖販売取引に伴って受け取る利益のことです。広告で触れる場合は計算方法まで表示する義務があります。
商品や役務の再販売・販売あっせん等に伴い、特定利益が得られると誘引して特定負担を伴う取引をさせる形態です。特商法33条が定義し、35条以下の規制が及びます。
主務大臣による指示(38条)や業務停止命令(39条)といった行政処分の対象になります。命令に従わなければさらに罰則の射程に入り、事業者名の公表による信用毀損も伴います。
契約書面を受領した日と商品を最初に受け取った日のいずれか遅い方から20日間です(40条)。訪問販売の8日間より長く設定されています。
その場で「特定負担の表示がありませんよね」と35条を根拠に指摘するのが有効です。断る意思を示した相手への再勧誘は34条で禁じられており、明確に「契約しません」と伝えれば足ります。
なり得ます。35条は統括者自身も義務主体としており、組織内の広告管理体制が不十分であれば、統括者に対する指示や業務停止命令の理由になります。末端任せは通用しません。
施行規則に委任された広告表示事項で、統括者の氏名・住所・電話番号などの表示が中心です。具体的な項目は現行の施行規則で条番号ごとに確認する必要があります。
別物です。連鎖販売取引(特商法33条)は、実体のある商品や役務があり、35条以下の表示・書面ルールを守れば合法に行えます。全面禁止されるのは、商品の実体がなく金銭配当だけで回す無限連鎖講(ネズミ講、無限連鎖講の防止に関する法律で禁止)の方です。業界裏話ヒント:見分ける鍵は「商品に実体と対価性があるか」「特定負担・特定利益が正しく開示されているか」。金銭配当が主目的で商品が名目だけなら、それはネズミ講で刑事罰の対象になる
あり得ます。35条は義務主体として「一般連鎖販売業者」、つまり末端会員個人も明記しています。不特定多数へ向けた事業紹介の投稿は「広告」に当たり、表示義務があなたにかかります。業界裏話ヒント:誇大な表現があれば36条違反も重なり、指示や業務停止命令(38条、39条)、さらに刑事罰まで射程に入る。「会社が用意した投稿文をコピペしただけ」でも、出したのはあなたなので責任は消えない
契約書面か商品受領のいずれか遅い方から20日以内ならクーリングオフ(40条)で全額返還されます。20日を過ぎても中途解約(40条の2)で、在庫を返品し一定の範囲で返金を受けられます。業界裏話ヒント:中途解約時の返品条件や業者が請求できる違約金の上限は法律で定められている。業者が「開封済みは返品不可」「解約はできない」と言っても、法的には返品・返金できるケースが多い。相手の言い分をそのまま鵜呑みにしない
35条は四点を要求します。商品・役務の種類、特定負担(初期費用や在庫購入額)に関する事項、特定利益(紹介報酬)を書くならその計算方法、そのほか主務省令(施行規則)で定める事項です。業界裏話ヒント:逆に言えば「誰でも簡単に稼げる」とだけ書き、いくら払えば始められるか(特定負担)を伏せている広告は、それだけで違法の目印。勧誘資料でここが空白なら、まともな運営ではないと判断してよい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 35条:広告に必要事項を表示していない状態(不作為) | — |
| 義務・禁止の構造 | 強制開示(四項目を書けば適法) | — |
| 義務主体 | 統括者、勧誘者、一般連鎖販売業者(末端会員個人を含む) | — |
| 違反時の帰結 | 指示(38条)・業務停止命令(39条)等の行政処分 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。