要点育児・介護休業法 22 条は、事業主に育児・介護休業の申出が円滑に進むよう、研修の実施・相談体制の整備等のいずれかの措置を義務づける。就業規則の整備だけでは足りない。
Q · 育休を申し出たら「前例がなくてね」と濁されました。会社は何もしなくていいの?
就業規則だけでは不十分、研修や相談窓口の整備が必須です
育児・介護休業法 22 条により、事業主は育児休業・介護休業・介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるよう、研修の実施、相談体制の整備、厚生労働省令で定める措置のいずれか一つ以上を必ず講じなければなりません。これは努力義務ではなく法的義務です。就業規則に育休規定があるだけでは足りず、実際に取組を動かす必要があります。従業員数による適用除外はなく、零細企業にも及びます。未対応の場合、厚生労働大臣の助言・指導・勧告(56 条)の対象になります。
育休を申し出たら、上司に「うちは前例がなくてね」と言葉を濁された。多くの人はそこで諦める。だがこの一条を知っていれば、話は変わる。2022年4月から、事業主には育児休業を申し出やすくするための雇用環境整備が義務づけられた。研修の実施、相談窓口の設置、その他厚生労働省令で定める取組、このいずれかを必ず講じなければならない(努力義務ではなく、法的義務である)。つまり「前例がない」「制度がよく分からない」という会社側の言い訳は、本来あってはならないものだ。2025年からは介護についても同じ枠組みが拡大され、介護両立支援制度等の環境整備も義務になった。あなたが取得をためらってしまうその空気そのものが、実は会社が義務を果たしていないサインかもしれない。
育児・介護休業法 22 条は、事業主の雇用環境整備義務を定める規定である。育児休業・介護休業・介護両立支援制度等の申出が円滑に行われるよう、研修の実施、相談体制の整備、厚生労働省令で定める措置のいずれかを講じることを義務づける。第 3 項は配置その他の雇用管理等に関する努力義務を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
事業主が育児・介護休業の申出を円滑にするため、研修の実施・相談体制の整備・厚生労働省令で定める措置のいずれかを講じる義務です。育児・介護休業法 22 条が定め、就業規則の整備とは別の積極的取組を要します。
全社員向けに育児休業制度の内容・申出方法・取得事例を周知する研修が典型です。管理職向けの理解促進研修も有効で、厚生労働省がモデル資料を公開しています。回数や形式に法定の決まりはありません。
育児休業に係る環境整備は 2022 年(令和 4 年)4 月 1 日から事業主の法的義務です。それ以前は努力義務的な配慮規定が中心でした。就業規則の有無にかかわらず措置を講じる必要があります。
介護休業・介護両立支援制度等に係る環境整備(22 条 4 項等)は 2025 年(令和 7 年)施行の改正で義務化されました。育児分だけ整えて介護分が抜けていないか確認が必要です。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。無料で助言・指導・紛争解決援助を受けられ、在職中であれば会社へ直接指導が届きます。退職前に相談するのが有効です。
各項(育児・介護・介護両立支援)ごとに、研修・相談体制・省令措置の選択肢の中から一つ以上を講じれば足ります。全てを実施する必要はありませんが、複数実施すると実効性が高まります。
直接の刑事罰はありませんが、厚生労働大臣(労働局長)の助言・指導・勧告の対象になります(56 条)。勧告に従わない場合は企業名の公表もあり得ます。放置は悪質事案として扱われます。
自社の育児休業取得事例の収集・提供や、育児休業制度と取得促進方針の周知などが施行規則で定められています。研修・相談体制以外の選択肢として位置づけられています。
なりません。22条が求めるのは規定の整備とは別の積極的な取組で、研修の実施、相談体制の整備、厚生労働省令で定める雇用環境整備措置のいずれか一つを実際に講じる必要があります。規則に書いてあるだけでは不十分です。業界裏話ヒント:労働局の調査で最初に問われるのは規則の有無ではなく、相談窓口が実際に機能しているか、社員がその存在を知っているかです。形だけ窓口を置いて誰も知らない状態だと、整備したことにならないと判断され得ます
あります。22条には従業員数による適用除外がありません。規模が小さくても、研修・相談体制・省令の定める取組のいずれか一つは必ず講じる必要があります。育児休業の申出(第5条以下)自体も従業員数を問わず認められます。業界裏話ヒント:小規模企業ほど「うちには関係ない」と誤解して未対応のまま放置している例が多く、いざ申出が出たときに慌てます。逆に言えば、申し出る側がこの点を知っているだけで、会社側の「前例がない」という言い訳を最初から封じられます
嫌な顔だけでは直ちに違法とは言えませんが、「取るなら昇進は諦めろ」「迷惑だ」といった言動になると、第25条のハラスメント防止措置義務違反、さらに取得を理由とした不利益取扱いの禁止に触れる可能性があります。22条の環境整備不足とは別の問題として追及できます。業界裏話ヒント:こうした発言は、その場で録音やメモに残しておくと後の労働局相談で決定的な証拠になります。弁護士は「言われた瞬間の記録」を最重視しますが、これを自分から教えてくれる窓口はほとんどありません
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の内容 | 22 条:研修・相談体制・省令措置のいずれかの環境整備 | — |
| 着目点 | 職場全体の環境づくり(不特定の労働者向け) | — |
| 義務の性質 | 法的義務(1・2・4 項)+努力義務(3 項) | — |
| 違反時の帰結 | 56 条の助言・指導・勧告 | — |
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