保険業法 第180条の17(財産目録等)
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会社法第二編第九章第一節第三款(第四百九十六条第三項並びに第四百九十七条第一項第三号を除く。)(財産目録等)の規定は、清算相互会社について準用する。この場合において、同法第四百九十二条第一項(財産目録等の作成等)中「第四百八十九条第七項各号」とあるのは「保険業法第百八十条の十四第七項各号」と、「第四百七十五条各号」とあるのは「同法第百八十条各号」と、同法第四百九十四条第一項(貸借対照表等の作成及び保存)中「第四百七十五条各号」とあるのは「保険業法第百八十条各号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
財産目録等とは何ですか?
定義財産目録等とは、保険業法第180条の17に定められた規定で、「会社法第二編第九章第一節第三款(第四百九十六条第三項並びに第四百九十七条第一項第三号を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第180条の17(財産目録等)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第180条の17の条文原文は「会社法第二編第九章第一節第三款(第四百九十六条第三項並びに第四百九十七条第一項第三号を除く。」で始まります。
- 保険業法第180条の17は第四節に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第180条の17の前の条は保険業法第180条の16です。
- 保険業法第180条の17の次の条は保険業法第181条です。
- 保険業法第180条の17には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第180条の17 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第180条の17(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/180_17
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法180条の17は、会社法の財産目録等の規定を清算相互会社に準用し、清算人に財産目録と貸借対照表の作成を義務づける。ただし会社法496条3項は準用されない。
Q · 相互会社が解散したら、財産の中身はどこで確認できるんですか?
清算人が作る財産目録と貸借対照表が出発点になります
保険業法180条の17により、清算相互会社には会社法の財産目録等の規定が準用されます。清算人は清算開始原因が生じた日における財産目録と貸借対照表を作成し、社員総会(総代会)の承認を受ける必要があり、これらの書類は清算結了の登記の時から10年間保存されます。ただし会社法496条3項(債権者による計算書類等の閲覧請求)と497条1項3号は準用から除外されており、細かな読替えは政令で定められます。社員か債権者かで通れる道が違う点に注意が必要です。
解説
相互会社が解散して清算に入った瞬間、その会社は「保険を売る組織」から「財産を数えて配る組織」へ性質を変える。保険業法180条の17は、その切り替えスイッチにあたる。中身は会社法の財産目録・貸借対照表の規定を丸ごと借りてきて、条文中の引用先だけを保険業法の条番号に読み替える、という技術的な作りだ。だが、あなたが相互会社の社員(保険契約者)なら、ここに実利がある。清算人は清算開始原因が生じた日の財産目録と貸借対照表を作らねばならず、それは社員総会(総代会)の承認対象になり、清算結了の登記の時から10年間保存される。つまり、あなたには「解散時点でいくらあったのか」を紙で確認する足場がある。会社法496条3項(債権者の閲覧請求)だけは準用から外されているので、社員としての立場と債権者としての立場は同じではない。どちらの立場で請求するかを最初に決めておく必要がある。
法的な位置づけ
保険業法180条の17は、清算相互会社の計算に関する準用規定であり、会社法第二編第九章第一節第三款(財産目録等)を清算相互会社に準用したうえで、引用条文を保険業法180条各号および180条の14第7項各号に読み替える。会社法496条3項および497条1項3号は準用対象から除かれ、その他の技術的読替えは政令に委任される。
よくある質問 AI による整理
Q1清算相互会社とは何ですか?
解散事由が生じ、清算手続に入った相互会社のことです。保険を引き受ける組織から、財産を確定して社員に分配する組織へ性質が変わります。
Q2相互会社の財産目録はいつ時点で作りますか?
清算開始原因が生じた日が基準日です。その日の財産と負債を写し取った財産目録と貸借対照表を清算人が作成します。
Q3相互会社の財産目録は何年保存されますか?
清算結了の登記の時から10年間です。登記の日が起点なので、解散通知が届いた日からではありません。期間経過後は適法に廃棄されます。
Q4相互会社の社員とは誰のことですか?
保険契約者そのものです。株式を持っていなくても、契約者であれば残余財産の分配を受ける立場にあり、総代会を通じて会社の意思決定に関与します。
Q5清算相互会社の財産目録に総代会の承認は必要ですか?
会社法の財産目録等の規定が準用されるため、社員総会(総代会)の承認が必要です。承認は単なる儀式ではなく、清算人の責任追及の入口を狭める効果を持ちます。
Q6保険業法180条の17の「読み替え」とは何ですか?
会社法の条文中の引用先を保険業法の条番号に置き換える作業です。会社法492条1項の「第四百八十九条第七項各号」は「保険業法180条の14第7項各号」と読み替えられます。
Q7相互会社と株式会社で清算手続はどう違いますか?
骨格は会社法の準用で共通ですが、株主総会が総代会に、株主が社員(保険契約者)に置き換わります。また会社法496条3項など一部規定が準用から外れています。
Q8保険会社が解散したら契約はどうなりますか?
保険契約の帰趨は契約移転や保険契約者保護機構の枠組みで先行して処理され、残余財産の分配はその後の別枠の問題です。二つを混同すると論点が崩れます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保険会社って潰れないんじゃないんですか。この条文が実際に使われることあるんですか
相互会社の解散・清算は現実にありうる制度で、保険業法は180条以下に清算手続を丸ごと用意している。合併や組織変更(株式会社化)で相互会社が消える場面もある。実務のポイント:契約者保護機構による契約移転が先行するため、社員が受け取る残余財産は保険契約の帰趨と別枠で動く。返戻金の話と残余財産分配の話を混ぜて交渉すると論点が崩れる。最初に二本に分けて整理するのが実務の初手だ
Q2会社法496条3項が除外されてるって、何が違ってくるんですか
会社法496条3項は債権者による計算書類等の閲覧・謄写請求を定めるが、本条はこれを準用対象から外している。相互会社の清算では債権者の情報アクセス経路が会社法の株式会社と同じではないという意味だ。実務のポイント:除外されているからといって情報が取れないわけではなく、保険業法の他の規定や保険契約者保護機構経由の情報開示という別ルートがある。「条文が除外=終わり」と読む人が多いが、そこで探索をやめるのが一番損をする
間違えやすい点 AI による整理
- 「読み替え規定だから実質的な中身はない」と読み飛ばされがちだが、読み替えこそが実質だ。この条文がなければ、清算相互会社に財産目録の作成義務が及ぶ根拠自体が存在しない。準用条文は「借りている」のではなく「そこに義務を発生させている」
- 財産目録は会計の話で法務とは別、と分けて考える人が多い。だが清算局面では逆で、財産目録の数字がそのまま残余財産分配の基礎になり、社員が受け取る額を規定する。会計文書が権利の内容そのものになる、この転換点を見落とすと、数字を争う機会を失う
- 「清算会社の書類なら誰でも見られる」という前提が誤りだ。本条は会社法496条3項を明示的に準用から除外している。誰が、どの資格で、どの書類を見られるのかは条文単位で切り分けられており、社員か債権者かで通れる道が違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 保険業法180条の17:清算相互会社の財産目録・貸借対照表の作成と保存 | 保険業法180条の16:清算人の職務と権限の枠組み 保険業法180条の18:清算相互会社の債務弁済等に関する処理 |
| 社員から見た意味 | 分配額の算定根拠となる数字を法定文書として確認できる | 誰が清算事務を執行し、どこまでの権限を持つかを把握できる 債権者への弁済が先行し、残余が社員分配に回る順序を把握できる |
| 時間軸 | 清算開始原因が生じた日を基準日とし、清算結了登記から10年保存 | 清算開始から清算結了まで継続 債権申出期間の経過後に弁済段階へ |
| 準用除外の有無 | 会社法496条3項・497条1項3号を明示的に準用除外 | 会社法の清算人規定を読み替えて準用 会社法の債務弁済規定を読み替えて準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では清算人が就任後ただちに会社財産を調査し、貸借対照表と財産目録を作成して監察人の審査を経たうえで株主会の承認を求める。承認手続を経る点は日本と同型だが、相互会社という組織形態自体が台湾には存在せず、保険業は原則として株式会社形態をとる
韓国も清算人に会社財産の調査報告義務を課し、財産目録と貸借対照表の作成・株主総会承認を求める。保険業については보험업법が監督上の特則を置く構造で、日本の保険業法と機能的に対応する
相互保険会社(VVaG)制度の母法にあたる。日本の相互会社はこの制度を継受したものであり、解散・清算時の計算書類の扱いも監督法上の規律と一般会社法規の組み合わせで構成される点が共通する
米国では保険会社の清算は一般会社法ではなく州保険庁の管理下に置かれる receivership 手続が中心で、裁判所と保険長官が主導する。社員総会の承認を経由する日本型とは設計思想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 契約していた相互会社が解散し、清算手続に入ったという通知が届いた。返戻金がいくら戻るのかは、清算人が作った財産目録と貸借対照表が出発点になる。承認を求める総代会の議案書に、あなたが見るべき数字が載っている
- 総代に選ばれているあなたのもとに、清算貸借対照表の承認議案が回ってきた。承認してしまえば、清算人の職務執行に不正がない限り、その内容について清算人の責任を追及しにくくなる(会社法495条以下の構造)。承認は儀式ではなく、免責の効果を持つ行為である
- 清算が結了したのは6年前。当時の処理に疑問が出てきた。財産目録等は清算結了の登記の時から10年間保存が義務付けられているので、まだ残っているはずだ。あと4年で消える
- もし清算人が財産目録を作らなかったら、どうなるのか。保険業法の罰則章に過料の定めがあり、作成義務違反や虚偽記載は制裁の対象になる。「面倒だから省略した」で済む話ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相互会社の社員(保険契約者)として通知を受けたら、清算開始日と総代会の予定日を確認する2. 財産目録・清算開始時の貸借対照表が承認議案になっているかを議案書で特定3. 疑問があれば承認決議の前に書面で清算人に照会、回答を保存4. 分配額に納得できない場合、清算結了の登記から10年は書類が保存されている前提で、弁護士に清算人の責任追及(会社法486条相当の枠組み)の可否を相談する
訴えられた側:清算人の側に立つ場合。1. 清算開始原因が生じた日を基準に財産目録と貸借対照表を作成、遅滞は過料の対象2. 読み替え規定(保険業法180条の14第7項各号、180条各号)を正しく適用しているか確認、技術的読替えの細部は政令を参照3. 総代会の承認を確実に取得し議事録を整備4. 清算結了の登記から10年間の保存体制を、会社が消滅した後の保管者まで含めて手当てする
時効(請求できる期限):財産目録等の保存義務は清算結了の登記の時から10年間(会社法508条の枠組み)。財産目録・貸借対照表の作成基準日は清算開始原因が生じた日。本条自体に固有の時効はないが、清算人の責任追及は一般消滅時効(民法166条、権利行使可能を知った時から5年または権利行使可能時から10年)による(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:会社法の制定に伴う関係法律の整備により、それまで旧商法の清算規定を参照していた相互会社の清算計算の枠組みが、会社法第二編第九章第一節第三款を準用する現行構造へ再編された(詳細な改正経緯は e-Gov の改正沿革でご確認ください)
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