民事訴訟法 第150条(訴訟指揮等に対する異議)
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当事者が、口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令又は前条第一項若しくは第二項の規定による裁判長若しくは陪席裁判官の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、その異議について裁判をする。
この条文の基本情報
訴訟指揮等に対する異議とは何ですか?
定義訴訟指揮等に対する異議とは、民事訴訟法第150条に定められた規定で、「当事者が、口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令又は前条第一項若しくは第二項の規定による裁判長若しくは陪席裁判官の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第150条(訴訟指揮等に対する異議)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第150条の条文原文は「当事者が、口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令又は前条第一項若しくは第二項の規定による裁判長若しくは陪席裁判官の処置に対し、異議を述べたときは、裁判所は、決定で、…」で始まります。
- 民事訴訟法第150条は第一節 口頭弁論に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第150条の前の条は民事訴訟法第149条です。
- 民事訴訟法第150条の次の条は民事訴訟法第151条です。
- 民事訴訟法第150条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第150条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第150条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/150
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法150条は、裁判長の訴訟指揮や釈明への異議について、裁判所が決定で裁判をすると定める。異議をその場で述べないと責問権を失い、後で争えなくなる。
Q · 法廷で裁判長に発言を遮られたら、その場で何かできるの?
その場で異議を述べれば、裁判所が決定で判断します
民事訴訟法150条により、裁判長の訴訟指揮や149条に基づく釈明等の処置に納得できないとき、その期日のその場で異議を述べることができます。異議が出ると、裁判長一人ではなく裁判所(合議体)が決定でその当否を判断します。重要なのは、この異議をその場で述べなければ責問権(90条)を失い、控訴審で手続の不当性を主張できなくなる点です。沈黙は静かに権利の放棄につながります。
解説
法廷で裁判長があなたの発言を打ち切る、不利な質問を畳みかける、出した書面を「不要です」と退ける。多くの本人訴訟の当事者は、それを裁判所の絶対権力と受け止めて口を閉じる。だが民事訴訟法150条は、まさにその場面であなたに一本の手を握らせている。裁判長の訴訟指揮や、裁判長・陪席裁判官の釈明(149条に基づく質問や立証の促し)に納得できないとき、あなたは異議を述べることができ、その異議は裁判長一人ではなく合議体(その事件を担当する裁判官全員)が決定で判断する。つまり、一人の裁判官の進め方を、その場でより重い合議の判断に持ち上げられる。さらに見落とされがちな急所がある。この異議をその時に述べなかった場合、後で控訴審で「あの進め方はおかしかった」と主張する権利(責問権、90条)を失うことがある。沈黙は、あなたの選択肢を静かに削り続ける。
法的な位置づけ
民事訴訟法150条は、当事者が口頭弁論の指揮に関する裁判長の命令、または149条による裁判長・陪席裁判官の釈明等の処置に対して異議を述べた場合に、裁判所が決定でその異議について裁判をすることを定める規定である。裁判長の単独的な訴訟指揮を合議体の判断に切り替える仕組みとして機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.その期日のその場で異議を明確に述べる 裁判長の訴訟指揮や釈明に納得できないと感じたら、後日ではなくその期日のその場で「異議があります」と明確に口に出す。期日をまたぐと責問権を失うため、タイミングを逃した異議はゼロ点になる
- 2.異議の理由を一言添える 「この点の主張をまだ尽くしていない」「その釈明は一方に偏っている」など、異議の理由を簡潔に一言添える。理由が記録に残ることで、控訴審での手続瑕疵の主張が具体的になる
- 3.異議と決定を調書に記載させる 異議の内容と、それに対する裁判所の決定が口頭弁論調書に記載されているかを確認する。調書こそ控訴審で手続の当否を争う唯一の証拠であり、記録に残らなければ「当事者も納得していた」と扱われる
- 4.終局判決後の控訴でまとめて争う準備をする 150条の決定は単独で上訴できないため、決定が不本意でも、終局判決が出た後の控訴の中で手続の不当性をまとめて主張する準備をしておく。調書の異議記載が控訴の足場になる
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟指揮権とは何ですか?
裁判長が口頭弁論を整理・進行させる権限です(民訴148条)。期日の進め方や発言の取捨を機動的に裁く権限で、これに不服があるとき150条の異議が使えます。
Q2民事訴訟で異議はいつ述べればいいですか?
訴訟指揮や釈明の処置がなされた、その期日のその場で述べます。期日をまたぐと責問権(90条)を失い、後で手続の不当性を主張できなくなります。
Q3責問権とは何ですか?
訴訟手続の方式違反を遅滞なく指摘する権利です(民訴90条)。その場で異議を述べずに進行を受け入れると、この権利を失い控訴審で蒸し返せなくなります。
Q4釈明権と訴訟指揮への異議はどう関係しますか?
釈明権(149条)に基づく裁判長・陪席裁判官の質問や立証の促しも、150条の異議の対象です。釈明が一方に偏ると感じたら異議を述べられます。
Q5本人訴訟でも裁判長に異議を述べられますか?
述べられます。代理人の有無を問わず当事者の権利です。本人訴訟こそ進行に圧倒されやすいため、150条を知っておくと一手を残せます。
Q6異議とその決定は調書に残りますか?
異議を述べれば、その内容と裁判所の決定は口頭弁論調書に記載されます。調書こそ控訴審で手続の当否を争う際の証拠になります。
Q7陪席裁判官の質問にも異議を述べられますか?
述べられます。150条は裁判長の命令だけでなく、149条による陪席裁判官の処置(誘導的な質問等)も対象に含めています。
Q8訴訟指揮への異議の決定は控訴できますか?
単独では上訴できません。150条の決定は中間的裁判で、終局判決に対する控訴の中で併せて争う形になります(283条参照)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官に異議を述べたら、心証が悪くなって判決で不利になりませんか?
心証への影響を恐れて黙る人は多いですが、法的には逆効果のほうが怖い。150条の異議をその場で述べないと、責問権(民訴90条)を失い、控訴審でその手続の不当性を主張できなくなります。実務のポイント:実務では裁判官と喧嘩する必要はなく、目的は「記録に残す」こと。冷静に一言「異議があります、理由は◯◯です」と述べれば、それが調書に載り控訴の布石になる。心証より記録を取りに行くのがプロの発想です
Q2異議の決定に納得できないとき、すぐに上の裁判所に訴えられますか?
原則できません。150条の異議に対する決定は訴訟の途中で出る中間的裁判で、それ単独では独立して上訴できません。終局判決が出た後、その控訴の中で「あの決定は誤りだった」とまとめて争う形になります(民訴283条参照)。実務のポイント:だからこそ、その場で異議を述べて調書に残すことが決定的。控訴審の裁判官は調書を読みます。異議が記録になければ「当事者も納得していた」と扱われ、手続の不当性を主張する土台が最初から存在しないことになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判官に異議なんて述べたら心証を害する」と多くの人が恐れて口を閉じる。だが問いの立て方そのものが誤っている。本当の問題は心証ではなく、その場で異議を述べないと責問権(90条)を失い、控訴審でその手続的瑕疵を二度と主張できなくなることだ。沈黙こそが最大のリスクである
- 異議を述べられること自体は何となく知っていても、その異議を裁判長本人ではなく合議体全員が決定で判断するという点まで知る人は少ない。これは単なる不服のつぶやきではなく、一人の裁判官の判断を合議に格上げする制度的なてこである。深刻さの桁が違う
- 「異議の決定が出れば、それを独立して上訴できる」と思われがちだが、150条の決定は訴訟の途中で出る中間的裁判で、原則として独立した不服申立てはできない。終局判決に対する控訴の中で、その当否を併せて争う形になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 150条:訴訟指揮・釈明への異議を裁判所(合議体)が決定で裁判 | 148条:裁判長の訴訟指揮権(異議の対象となる命令の根拠) 149条:釈明権(異議の対象となる釈明・質問の根拠) |
| 誰が判断するか | 裁判所=合議体が決定で判断 | 裁判長が単独で指揮 裁判長または陪席裁判官が釈明 |
| 黙っていた場合の効果 | 異議を述べないと責問権(90条)を失い控訴審で争えない | 指揮自体は有効に進行する 釈明に応じた主張・立証が記録に残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
当事者が審判長の訴訟指揮に関する裁定等に異議を述べたとき、受訴法院が裁定で判断する点で、日本150条と構造が酷似する。
韓国も裁判長の訴訟指揮に対する異議を法院が決定で裁判する構成を採り、日本法の影響が色濃い。
裁判長の Sachleitung に関する命令を当事者が Beanstandung したとき裁判所が決定する。日本150条の系譜上の祖型にあたる。
米国では裁判官の手続的判断に対し記録保存のため即時に異議を述べないと上訴審で争えない(plain error を除く)。責問権喪失と機能的に類似するが制度構造は異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 口頭弁論で裁判長が突然「この点はもう結構です」とあなたの主張を打ち切ったら、どうする? その瞬間に異議を述べなければ、控訴審で「十分に主張させてもらえなかった」と争う足場が消える。判断を迫られるのは、その期日の、その場だけ。猶予はない
- 相手方の代理人弁護士が、裁判長の釈明に乗じて新たな主張を滑り込ませてきた。あなたはその釈明自体が一方に偏っていると感じる。150条の異議で、合議体に「この釈明は公平か」を判断させられる。黙って受け入れる義務はない
- 陪席裁判官があなたに矢継ぎ早に質問を浴びせる。その質問が誘導的だと感じたら、異議を述べてよい。合議体が決定でその当否を判断する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁判長の訴訟指揮や釈明に納得できないと感じたら、その期日のその場で「異議があります」と明確に述べる、後日では遅い2. 異議の理由を一言添える(例:「この点の主張をまだ尽くしていない」「その釈明は一方に偏っている」) 3. 異議とそれに対する裁判所の決定が調書に記載されるよう確認する、調書こそ控訴審での証拠になる4. 決定が不本意でも独立しての上訴はできないため、終局判決後の控訴でまとめて争う準備をしておく
訴えられた側:1. 相手方が訴訟指揮や釈明に対し異議を連発してきても慌てる必要はない、異議の当否は合議体が決定で判断する2. 相手の異議が引き延ばし目的だと感じたら、その異議に理由がないことを簡潔に述べ、合議体の判断に委ねる3. 自分に有利な訴訟指揮がなされても、相手の異議が通って覆る可能性を想定し、主張・立証を一本に頼らず複線で組む4. 異議のやり取りはすべて調書に残るため、感情的な応酬を避け、記録に残って不利にならない発言を心がける
時効(請求できる期限):民事訴訟法90条(責問権)との関係で、異議は「遅滞なく」、原則としてその訴訟指揮・処置がなされた当該期日に述べなければならない。期日を見送ると責問権を喪失し、後にその手続的瑕疵を主張できなくなる。150条の異議に対する決定そのものには、独立した不服申立ての期間はない(終局判決への控訴で併せて争う)
学説
通説:150条の異議は、その対象となる訴訟指揮・釈明の処置がなされた当該期日において遅滞なく述べる必要があり、これを怠れば責問権(90条)を喪失すると解されている。異議に対する決定は中間的裁判であり、独立した不服申立てはできず、終局判決の控訴で併せて審判される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正(平成8年法律第109号)。条文を現代語化・整理し、訴訟指揮に対する異議の規定を現行150条として整備した。
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