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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第90条(訴訟手続に関する異議権の喪失)

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当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができないものについては、この限りでない。

この条文の基本情報

訴訟手続に関する異議権の喪失とは何ですか?

定義訴訟手続に関する異議権の喪失とは、民事訴訟法第90条に定められた規定で、「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができない…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第90条(訴訟手続に関する異議権の喪失)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第90条の条文原文は「当事者が訴訟手続に関する規定の違反を知り、又は知ることができた場合において、遅滞なく異議を述べないときは、これを述べる権利を失う。ただし、放棄することができない…」で始まります。
  3. 民事訴訟法第90条は第一節 訴訟の審理等に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第90条の前の条は民事訴訟法第89条です。
  7. 民事訴訟法第90条の次の条は民事訴訟法第91条です。
  8. 民事訴訟法第90条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第90条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第90条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/90

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法90条は、訴訟手続の規定違反を知りながら遅滞なく異議を述べないと責問権を失うと定める。ただし専属管轄など放棄できない規定の違反は、控訴審でも主張できる。

Q · 裁判で相手の手続にミスを見つけたら、いつ文句を言えばいいの?

気づいた期日で本案弁論の前に異議を述べないと権利を失う

民事訴訟法90条により、訴訟手続に関する規定の違反を知り、または知ることができたのに、遅滞なく異議を述べないと、その異議を述べる権利(責問権)を失います。タイミングが命で、違反を知った後の最初の期日において、本案について弁論する前に述べる必要があります。一言でも本案に触れると失権します。ただし専属管轄や裁判の公開など、放棄できない強行規定の違反は、控訴審でも主張できます。

解説

裁判の途中で、相手方への書類送達のやり方がおかしい、期日の呼び出しが法定の手順を踏んでいない、そう気づいた瞬間が勝負の分かれ目になる。民訴90条は静かに残酷なルールを置いている。手続違反を知った、または注意すれば知ることができたのに、遅滞なく異議を述べなければ、あなたは文句を言う権利を永久に失う。沈黙は同意とみなされるのだ。なぜか。手続が進んだ後で蒸し返されると、訴訟全体がやり直しになり、相手にも裁判所にも甚大な迷惑がかかるからである。ただし例外がある。専属管轄や裁判の公開のように、公益に関わる「放棄できない規定」の違反は、後からでも、控訴審でも主張できる。つまりあなたが死守すべきは、当事者の利益にとどまる任意規定の違反に気づいたら、その期日で即座に声を上げること。一回の期日の沈黙が、致命傷になりうる。

法的な位置づけ

責問権とは、訴訟手続に関する規定の違反に対して当事者が異議を述べる権利をいい、民事訴訟法90条はその喪失を規定する。任意規定の違反については、違反を知り又は知り得た当事者が遅滞なく異議を述べなければ瑕疵は治癒され、以後争えない。専属管轄など放棄できない規定の違反はこの限りでない。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.違反が任意規定か強行規定かを判別する 手続に違和感を覚えたら、まずそれが当事者の利益保護にとどまる任意規定の違反か、専属管轄・裁判の公開など放棄できない強行規定の違反かを見極める。強行規定なら焦らず後でも主張できる
  2. 2.その期日の冒頭、本案弁論の前に異議を述べる 任意規定の違反であれば、その期日において本案について弁論または申述をする前に「手続上の異議があります」と先に宣言する。本案に一言でも触れると責問権を失う
  3. 3.異議が調書に記載されたか確認する 異議の内容を口頭で述べたうえで、口頭弁論調書に記載されたかをその場で裁判所に確認する。記録に残らなければ異議はなかったものとして扱われ、後の控訴の足場を失う
  4. 4.判断に迷えば本案に触れず専門家に相談する 本人訴訟で任意規定違反か強行規定違反か判断がつかないときは、その期日では本案に触れず、続行期日を求めて弁護士に相談する。沈黙して本案に入ると失権するため、留保が安全

よくある質問 AI による整理

Q1責問権とは何ですか?

訴訟手続に関する規定の違反に対し、当事者が異議を述べる権利のことです。民事訴訟法90条が、これを遅滞なく行使しないと失う旨を定めています。

Q2責問権を失うと裁判はどうなりますか?

その手続違反はもう争えず、瑕疵を抱えたまま訴訟が有効に進みます。控訴審で「あの手続は違法だった」と主張しても認められなくなります。

Q3任意規定と強行規定はどう見分けますか?

当事者の利益保護にとどまる規定が任意規定で責問権の対象、専属管轄や裁判の公開など公益に関わる規定が強行規定です。条文に明示はなく判例・学説で画されます。

Q4訴状の送達に不備があっても責問権で治癒されますか?

通常の送達の瑕疵は責問権の対象ですが、訴状の送達がそもそも欠けている場合は別格で、判決自体が無効になりうるとされます。区別が重要です。

Q5本人訴訟でも責問権の喪失は適用されますか?

適用されます。弁護士に依頼していなくても、本案弁論の前に異議を述べなければ失権します。迷うなら本案に触れず続行期日を求めて相談するのが安全です。

Q6異議を述べた事実はどう記録に残しますか?

口頭で異議を述べたうえ、その内容が口頭弁論調書に記載されたかをその場で確認します。記録に残らなければ異議はなかったものとして扱われます。

Q7控訴審で第一審の手続違反を主張できますか?

任意規定の違反は第一審で異議を述べなかった時点で治癒され、控訴審では争えません。強行規定の違反であれば控訴審でも主張できます。

Q8相手が責問権を失ったと主張するにはどうすればいいですか?

相手が手続違反を知りながら本案を弁論した事実を調書に残させ、後日蒸し返してきたら民訴90条の責問権喪失を主張して封じます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1「遅滞なく」って、具体的にいつまでに言えばいいんですか?

判例上、違反を知った後の最初の期日で、本案について弁論する前に述べる必要があります(民訴90条)。「とりあえず本題から」と一言でも本案に触れると、その時点で責問権は消えます。実務のポイント:実務では期日の冒頭で「手続上の異議があります」と先に宣言してから本案に入るのが鉄則。順序を逆にした瞬間に権利を失う。弁護士はこの順序を体に叩き込んでいるが、本人訴訟の当事者はほぼ知らない

Q2どんな手続違反でも、黙ってたら争えなくなるんですか?

いいえ。専属管轄、裁判の公開、判決の言渡方式など、公益に関わる「放棄できない規定」(民訴90条但書)の違反は、いつでも主張でき、控訴審でも争えます。実務のポイント:任意規定か強行規定かの線引きは条文に書いておらず、判例の蓄積で決まる。通常の送達の瑕疵は責問権の対象だが、訴状の送達がそもそも欠けている場合は別格で、判決自体が無効になりうる。この区別を知っているかで、諦めるか戦うかが分かれる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「手続にミスがあれば、後で控訴審でひっくり返せる」と考えて問いを立てる人が多い。だがその問いの立て方自体が誤っている。任意規定の違反は、第一審でその場で異議を述べなかった時点で治癒され、控訴審ではもう争えない。あなたが意識すべき期限は判決後ではなく、ミスに気づいた次の瞬間にある
  • 「異議は出せる」ことは知っていても、「遅滞なく」がどれほど短いかを知らない人は多い。判例上、異議は違反を知った後の最初の期日で、しかも本案について弁論する前に述べなければならない。一度本案について発言してしまえば、それだけで責問権は消える。猶予は期日冒頭の数十秒の世界だ
  • あなたから見れば「相手の手続ミスを指摘するのは細かい揚げ足取り」に見えるかもしれない。だが法律から見れば、その指摘は手続の適正を担保する正当な権利行使である。この感覚のズレで遠慮して黙る人が、あとで取り返しのつかない不利を背負い込む
比較の観点この条文ほかの条文
規律内容民訴90条:手続規定違反への異議権(責問権)とその喪失民訴12条:管轄違いへの異議不提出による応訴管轄の発生
民訴13条:専属管轄は合意・応訴管轄の規定が適用されない
沈黙の効果遅滞なく異議を述べなければ瑕疵が治癒され失権異議なく本案弁論すると管轄が生じる(管轄の治癒)
沈黙しても管轄は生じない(強行規定のため)
対象となる規定当事者の利益保護にとどまる任意規定任意管轄(被告住所地等)
専属管轄(公益に関わる強行規定)
後から主張できるか任意規定は不可、放棄できない規定のみ控訴審でも可応訴管轄成立後は管轄違いを主張不可
専属管轄違反は移送・上訴で主張可

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第197条

同じく規定違反への異議権とその喪失を定める。異議を述べず本案について陳述すると責問権を失う点が日本法と同型。

韓国
대한민국 민사소송법 제151조(소송절차에 관한 이의권)

韓国も手続規定違反への異議権の喪失を定め、日本法とほぼ同構造。母法を共有する。

ドイツ
ZPO § 295(Verlust des Rügerechts)

ドイツ ZPO § 295が源流。放棄可能な手続規定の違反は、次回期日で異議を述べなければ失権する。

アメリカ
Federal Rules of Civil Procedure Rule 12(h)

米国は連邦民訴規則で一定の抗弁を期限内に主張しないと放棄とみなす。責問権喪失と機能的に類似するが、対象は限定的。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 次の口頭弁論期日まであと三日。前回、相手方の準備書面があなたに届いたのは期日の前日で、明らかに送達が遅すぎた。これを次の期日で黙ったまま本案の話に入れば、その瑕疵は治癒される。あと三日で異議を準備するか、見逃すか。あなたの選択一つで、相手の手続ミスが正規の手続に化ける
  • あなたが原告で、被告側の手続に瑕疵があると気づいた場合。被告への呼び出し手続に不備があったが、被告がそれを知りながら期日に出頭し、平然と本案について弁論を始めた。この瞬間、被告は責問権を失い、あなたの訴訟は瑕疵を抱えたまま有効に進んでいく
  • 証人尋問の順序が法定の手順と違った。その場で異議を述べなければ、判決後に「あの尋問はやり直すべきだ」とは言えなくなる。手続のミスには、その期日限りの賞味期限がある
  • もし、裁判官があなたに十分な発言の機会を与えないまま次に進もうとしたら? その場で「異議があります」と述べる、それだけで調書に記録が残り、後の控訴の足場になる。黙れば、その機会は永遠に消える

取るべき行動

被害を受けた側:1. 違反に気づいたら、その期日で、本案について弁論する前に必ず「異議」を述べる。発言の順序が命。2. 異議の内容を口頭で述べたうえで、調書に記載されたかその場で確認する。記録に残らなければ異議はなかったことになる。3. 任意規定違反か強行規定違反かを見極める。強行規定なら焦らず後でも主張できる。4. 本人訴訟で判断に迷うなら、その期日では本案に触れず、続行期日を求めて専門家に相談する

訴えられた側:1. 相手が手続違反を知りながら期日で本案を弁論したら、その時点で責問権が喪失したことを調書に残させる。2. 相手が後から「あの手続は違法だった」と蒸し返してきたら、民訴90条の責問権喪失を主張して封じる。3. ただし相手が持ち出すのが専属管轄や裁判公開のような強行規定違反なら責問権喪失は使えない、その区別を先に確認する

時効(請求できる期限):「遅滞なく」とは、違反を知り、または知ることができた後の最初の期日において、本案について弁論または申述をする前まで。特定の日数ではなく、期日内の行動の順序で決まる。本案に一言でも触れた瞬間に失権する

学説

通説:民訴90条の責問権は、訴訟手続規定のうち当事者の利益保護を目的とする任意規定の違反に及ぶ。公益的な強行規定の違反は対象外で、当事者の異議の有無に関わらず瑕疵は治癒されない。両者の区別は条文に明示されず、判例・学説の蓄積によって画される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から全部改正され、責問権喪失の規定が現行90条に整理された。「訴訟手続に関する規定の違反」「遅滞なく異議」「放棄できないものの除外」という枠組みは旧法から実質的に維持されている

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法の責問権喪失規定が現行90条に整理された。『規定違反を知り又は知り得た』『遅滞なく異議』『放棄できないものを除く』という枠組みは旧法から実質的に維持されている。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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