民事訴訟法 第221条(文書提出命令の申立て)
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- 文書提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。
- 一文書の表示
- 二文書の趣旨
- 三文書の所持者
- 四証明すべき事実
- 五文書の提出義務の原因
- 2.前条第四号に掲げる場合であることを文書の提出義務の原因とする文書提出命令の申立ては、書証の申出を文書提出命令の申立てによってする必要がある場合でなければ、することができない。
この条文の基本情報
文書提出命令の申立てとは何ですか?
定義文書提出命令の申立てとは、民事訴訟法第221条に定められた規定で、「文書提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第221条(文書提出命令の申立て)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第221条の条文原文は「文書提出命令の申立ては、次に掲げる事項を明らかにしてしなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第221条は第五節 書証に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第221条の前の条は民事訴訟法第220条です。
- 民事訴訟法第221条の次の条は民事訴訟法第222条です。
- 民事訴訟法第221条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第221条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第221条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/221
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法221条は、文書提出命令の申立てに文書の表示・趣旨・所持者・証明すべき事実・提出義務の原因の五項目の明示を求める規定である。
Q · 勝敗を分ける書類が相手の手元にあるとき、裁判で出させることはできますか?
できる。221条の文書提出命令を申し立てる
民事訴訟法221条により、文書提出命令を申し立てれば、相手方や第三者が握る文書を裁判所を通して提出させることができます。ただし申立書には、文書の表示・趣旨・所持者・証明すべき事実・提出義務の原因の五項目を明らかにする必要があり、一つでも欠けると却下されます。当事者が正当な理由なく命令に従わない場合、裁判所はその文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができます(民訴224条)。
解説
証拠は相手の引き出しの中にある。あなたの手元には何もない。多くの人はここで「証拠がないから勝てない」と諦める。だが民事訴訟法221条は、相手方や第三者が握っている文書を、裁判所を通して強制的に出させる「文書提出命令」の入口だ。あなたが知っておくべきは、この武器を使うには申立書に五つの項目を書かねばならないという点。文書の表示、文書の趣旨、所持者、証明すべき事実、そして提出義務の原因。とりわけ「証明すべき事実」と「提出義務の原因」は、相手が出し渋る文書をどの理屈でこじ開けるかの設計図だ。さらに2項は、220条4号の一般的提出義務を根拠にする場合、書証として出させる必要がある場面に限ると絞りをかけている。手元に証拠がないことは、戦えないことを意味しない。出させる手続を起こせる立場にいるかどうかが、勝敗の分水嶺になる。
法的な位置づけ
民事訴訟法221条は、文書提出命令の申立ての方式を定める規定であり、申立人に対し、文書の表示・文書の趣旨・所持者・証明すべき事実・文書の提出義務の原因という五つの事項の明示を求める。証拠の偏在を是正する文書提出制度の手続的入口として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出させたい文書を特定する 誰がどの文書を持っているかを起点に、文書の表示(タイトル・作成日)、文書の趣旨(内容の概要)、所持者を可能な限り具体的に書き出す
- 2.特定が難しければ文書の特定のための手続を使う 表示や趣旨が分からない場合、民訴222条の手続を申し立て、所持者に文書の表示を明らかにさせてから本申立てにつなげる
- 3.証明すべき事実と提出義務の原因を明記する 申立書に『証明すべき事実』と『提出義務の原因』(民訴220条の四類型のどれか)を記載する。220条4号を根拠にする場合は221条2項の補充性要件に注意する
- 4.提出されなければ制裁規定を主張する 当事者が命令に従わなければ民訴224条の真実擬制を主張し、第三者が従わなければ民訴225条の過料を求める
よくある質問 AI による整理
Q1文書提出命令とは何ですか?
相手方や第三者が持つ文書を、裁判所を通して強制的に提出させる手続です。民事訴訟法220条が提出義務を、221条が申立ての方式を定めます。
Q2文書提出命令の申立書には何を書きますか?
民訴221条1項により、文書の表示、文書の趣旨、所持者、証明すべき事実、提出義務の原因の五項目を明らかにする必要があります。
Q3文書提出命令はいつまでに申し立てられますか?
固有の時効はありませんが、事実審の口頭弁論終結時までに申し立てる必要があります。証拠隠滅を防ぐため早期の申立てが有利です。
Q4文書の表示が特定できない場合はどうしますか?
民訴222条の『文書の特定のための手続』を使い、所持者に文書の表示や趣旨を明らかにさせることができます。特定できないことは断念の理由になりません。
Q5インカメラ手続とは何ですか?
提出義務の有無を判断するため、裁判官だけが文書を見て審理する手続です(民訴223条6項)。秘密を相手方に開示せず提出範囲を絞れます。
Q6専ら自己使用の文書とは何ですか?
もっぱら内部利用のために作成された文書で、外部開示が予定されないものです。民訴220条4号但書により一般的提出義務から除外されます。
Q7文書送付嘱託と文書提出命令はどう違いますか?
送付嘱託(民訴226条)は任意の協力を求める軽い手続、提出命令は義務に基づく強制で不履行に制裁が伴います。第三者には嘱託から入るのが定石です。
Q8文書提出命令が却下されるのはどんな場合ですか?
申立書の五項目に欠落がある、文書が民訴220条の提出義務に該当しない、証明すべき事実との関連性が乏しい、などの場合に却下されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が文書提出命令に従わなかったら、それで終わりですか?
終わりではない。文書を持つ当事者が正当な理由なく命令に従わないとき、裁判所はその文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる(民訴224条)。文書が出なくても、事実上あなたの言い分が通る可能性が出てくる。実務のポイント:実務では申立て自体が圧力になる。命令が出れば224条のリスクを負うため、相手は申立ての段階で和解に転じることが多い。証拠そのものより、出させる手続を起こせる立場が交渉力を生む
Q2病院や銀行みたいな第三者にも、文書を出せと命令できるんですか?
命令できる。所持者は当事者に限らず、第三者(病院・銀行・取引先)も対象になる(民訴221条1項三号、223条)。第三者が正当な理由なく従わないと20万円以下の過料に処せられる(民訴225条)。実務のポイント:第三者が相手なら、命令の前に『文書送付嘱託』(民訴226条)という軽い手続から入るのが定石。カルテや取引履歴は嘱託で任意に出てくることが多く、命令と過料まで行かずに済む。手続の順番を知っているかで時間とコストが大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠が手元にないから訴えても無駄」という前提そのものが誤っている。日本の民事訴訟は証拠の偏在を前提に、相手や第三者の持つ文書を出させる仕組みを用意している。立てるべき問いは「証拠があるか」ではなく「誰がその文書を持っているか、どの理屈で出させるか」だ
- 文書提出命令は「申し立てれば文書が出てくる手続」と思われがちだが、本当の威力は別にある。命令が出ても相手が従わないとき、裁判所は文書の記載に関する相手の主張を真実と認めることができる(民訴224条)。つまり、文書が出ないこと自体が相手への制裁になる。この深刻度を知る人と知らない人では、申立てに込める戦略がまるで違う
- 「自分が欲しい文書を具体的に書けないと申し立てられない」と諦める人が多いが、所持者しか中身を知らない文書のために、先に文書の表示や趣旨を明らかにさせる『文書の特定のための手続』(民訴222条)が用意されている。特定できないことは、申立てを断念する理由にならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 民訴221条:申立ての方式(五項目の明示) | 民訴220条:文書提出義務の四類型(実体的根拠) 民訴222条:文書の特定のための手続 |
| 場面 | 出させたい文書が特定でき、義務原因を主張できる | 提出義務があるか否かを判断する 文書の表示・趣旨が特定できない |
| 不履行の効果 | (申立て自体には効果なし、220・224・225条と連動) | 義務該当なら命令の前提となる 特定されれば221条の申立てに進む |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も声請書に文書の表示・趣旨・証明事実・提出義務の原因の記載を求め、日本法と構造が近い
韓国も文書提出義務を類型化し、不提出時の効果(自白擬制類似)を定める点で日本と類似する
ドイツは裁判所の職権による文書提出命令(§142)と当事者の援用に基づく提出義務を区別する
米国はディスカバリー制度で広範な文書開示を当事者間で行い、日本の個別申立て型とは構造が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が手術後に急変して亡くなった。病院に過失があったか知るには診療記録が要るが、病院は出し渋る。221条で診療記録を文書として特定し、証明すべき事実を「術中の管理に過失があったこと」と書いて提出命令を申し立てる。病院が応じなければ、裁判所はあなたの主張を真実と認めうる(民訴224条)。手元にカルテがなくても、事実上あなたの言い分が通る道が開ける
- あなたの会社が、退職した元社員から残業代を請求され、タイムカードと勤怠データの提出命令を申し立てられた。自社に不利な記録でも、正当な理由なく拒めば不利益を負う。「専ら自己使用の文書」にあたるかどうかが攻防の分かれ目だ
- もし、口頭弁論の終結が迫っているのに、勝敗を分ける一通の契約書が相手の金庫にあると気付いたら? 残された時間で文書を特定し、申立書の五項目を埋めなければ証拠調べに間に合わない。事実審が閉じれば、その文書は二度と法廷に出てこない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 欲しい文書を特定する。表示(タイトル・作成日)、趣旨(内容の概要)、所持者を可能な限り具体的に書く2. 特定が難しければ、先に『文書の特定のための手続』(民訴222条)で所持者に文書の表示を明らかにさせる3. 申立書に『証明すべき事実』と『提出義務の原因』(民訴220条の四類型のどれか)を明記、220条4号を根拠にするなら221条2項の補充性に注意4. 提出されなければ224条の真実擬制を主張、第三者には225条の過料を求める
訴えられた側:1. その文書が民訴220条の提出義務に本当に該当するか検証。専ら自己使用の内部文書や職業秘密文書は除外されうる(220条4号但書) 2. 営業秘密・プライバシーを理由に提出義務の不存在を主張3. 一部しか関係しない場合、インカメラ手続(民訴223条6項)で裁判官だけに見せ、提出範囲を絞る交渉をする4. 従う場合でも、無関係部分のマスキングを求める
時効(請求できる期限):申立てに固有の時効はないが、事実審(第一審・控訴審)の口頭弁論終結時までに申し立てる必要がある。証拠調べの段階で行うのが原則で、終結後は新たに提出できない。証拠隠滅を防ぐため、訴訟の早期に申し立てるのが実務上有利
学説
通説:221条は文書提出命令の申立要件を定める手続規定であり、五項目の明示は証拠あさり(fishing expedition)的な濫用を防ぐ機能を持つ。提出義務の実体的根拠は220条に求められ、両条は一体として運用される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から条文番号が再編され、現行221条として文書提出命令の申立てに記載すべき五事項(文書の表示・趣旨・所持者・証明すべき事実・提出義務の原因)を整理・明文化した
- 平成13年(2001年)改正 220条4号の一般的文書提出義務(一般義務化)の新設に伴い、221条2項を追加。一般義務を根拠とする申立ては、書証の申出を文書提出命令によってする必要がある場合に限るという補充性の要件を設けた
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法から条文を再編し、現行221条として申立てに記載すべき五事項を整理・明文化した
- 2.平成13年(2001年) 改正:220条4号の一般的文書提出義務の新設に伴い221条2項を追加し、一般義務を原因とする申立てに補充性の要件を設けた
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