民事訴訟法 第92条の7(受命裁判官等の権限)
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受命裁判官又は受託裁判官が第九十二条の二第一項、第三項及び第四項の手続を行う場合には、同条から第九十二条の四まで及び第九十二条の五第二項の規定による裁判所及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。ただし、第九十二条の二第三項の手続を行う場合には、専門委員を手続に関与させる決定、その決定の取消し及び専門委員の指定は、受訴裁判所がする。
この条文の基本情報
受命裁判官等の権限とは何ですか?
定義受命裁判官等の権限とは、民事訴訟法第92条の7に定められた規定で、「受命裁判官又は受託裁判官が第九十二条の二第一項、第三項及び第四項の手続を行う場合には、同条から第九十二条の四まで及び第九十二条の五第二項の規定による裁判所及び裁…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第92条の7(受命裁判官等の権限)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第92条の7の条文原文は「受命裁判官又は受託裁判官が第九十二条の二第一項、第三項及び第四項の手続を行う場合には、同条から第九十二条の四まで及び第九十二条の五第二項の規定による裁判所及び裁…」で始まります。
- 民事訴訟法第92条の7は第一款 専門委員に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第92条の7の前の条は民事訴訟法第92条の6です。
- 民事訴訟法第92条の7の次の条は民事訴訟法第92条の8です。
- 民事訴訟法第92条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第92条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第92条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/92_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法92条の7は、受命・受託裁判官が専門委員関与手続を担当する際の職務分配を定め、関与の決定・取消し・指定だけは受訴裁判所に留保する。
Q · 技術が争点の裁判で出張尋問になったら、専門委員のことは出張先の裁判官が全部決めるの?
原則は担当裁判官、入口判断だけ受訴裁判所が握る
民事訴訟法92条の7により、受命裁判官・受託裁判官が専門委員関与の手続を担当する場合、専門委員に関する裁判所・裁判長の職務はその担当裁判官が引き継ぎます。ただし、証拠調べの場面で専門委員を関与させる決定・取消し・指定(92条の2第2項、92条の5第2項)だけは、本体の受訴裁判所に留保されます。人選という最も重い判断は出張先に渡さない設計です。
解説
特許侵害、医療過誤、建築の欠陥。こうした技術が争点の裁判で、裁判官の隣に「専門委員」という専門家が座ることがある。彼は鑑定人ではなく、裁判官が専門用語や図面を理解する手助けをする存在だ。92条の7が定めるのは、その専門委員を巡る「権限の所在」である。証拠保全や現場検証のために、本体の合議体ではなく受命裁判官や受託裁判官が手続を担当するとき、専門委員に関する裁判所や裁判長の職務は、その担当裁判官が引き継ぐ。ただし一点だけ例外がある。証拠調べの場面で、そもそも専門委員を関与させるか、その決定を取り消すか、誰を指名するか。この入口の判断だけは、出張担当の裁判官には渡さず、本体の受訴裁判所が握り続ける。誰が専門家を投入するかという最も重い決定は、分散させない。それがこの条文の設計思想だ。
法的な位置づけ
民事訴訟法92条の7は、受命裁判官または受託裁判官が専門委員関与の手続を担当する場合における職務の所在を定める規定である。専門委員に関する裁判所・裁判長の職務は担当裁判官が行うが、証拠調べでの関与決定・取消し・指定は受訴裁判所に留保される。
よくある質問 AI による整理
Q1専門委員は誰が指名するのですか?
受訴裁判所(本体の裁判所)が指定します。証拠調べの場面では、出張担当の受命・受託裁判官に指定権限は移らず、92条の7ただし書で受訴裁判所に留保されています。
Q2専門委員を忌避することはできますか?
できます。92条の6が専門委員の除斥・忌避を定めており、相手方や競合と利害関係がある場合は申し立てられます。説明が始まり心証が固まる前、指名段階で動くのが効果的です。
Q3専門委員の説明期日に当事者は立ち会えますか?
立ち会えます。期日に出席し、偏った技術説明があればその場で意見を述べられます。黙っていると一方的な技術理解が記録上の前提として定着するおそれがあります。
Q4受命裁判官と受託裁判官の違いは何ですか?
受命裁判官は合議体の構成員から指定され合議体に代わって手続を行う裁判官、受託裁判官は他の裁判所の嘱託を受けその管轄区域内で手続を行う裁判官です。
Q5専門委員制度はいつ導入されましたか?
平成15年(2003年)改正で新設され、平成16年(2004年)から施行されました。技術が争点の訴訟を裁判官が理解しやすくする目的で設けられた制度です。
Q6どんな種類の裁判で専門委員が使われますか?
特許侵害、医療過誤、建築の欠陥、ソフトウェアの著作権紛争など、技術や専門知識が争点になる訴訟で、裁判官の理解を助けるために関与することがあります。
Q7専門委員の費用は誰が負担しますか?
専門委員には旅費・日当等が支給され、手続費用の一部として扱われます。具体的な負担関係は事件の進行や費用負担の裁判によりますので、弁護士に確認してください。
Q8専門委員の説明に反論するにはどうすればいいですか?
説明期日にその場で意見を述べるのが最も効きます。後から書面で覆すより、説明の現場で釘を刺す方が裁判官の心証形成に直接働きかけられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1専門委員って、鑑定人と何が違うんですか?
鑑定人は専門的知見を「証拠」として提供し、その鑑定結果は判決の根拠になります。専門委員(92条の2)は裁判官の理解を助けるための説明をするだけで、その説明自体は証拠になりません。だから専門委員に対して鑑定のような正式な反対尋問はできない構造です。実務のポイント:それでも専門委員の説明が事実上、裁判官の心証を大きく動かすことがあります。説明の期日には当事者が立ち会えるので、偏った説明があればその場で意見を述べる。黙っていると一方的な技術理解が記録として固まる
Q2出張先の裁判官が勝手に専門委員を選んだりしないんですか?
しません。92条の7のただし書が、証拠調べの場面では専門委員を関与させる決定・取消し・指名(92条の2、92条の5第2項)を受訴裁判所、つまり本体の裁判所に留保しています。出張担当の受命・受託裁判官が引き継ぐのは、すでに決まった枠内の運用だけです。実務のポイント:誰を専門委員に選ぶかは裁判の帰趨を左右します。当事者は指名の段階で、その委員が相手方と利害関係を持たないか(92条の6の除斥・忌避)を確認できる。指名され説明が始まってから気付いても、手遅れになる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 専門委員の説明は裁判の「証拠」になると思われがちだが、実は証拠ではない。専門委員は裁判官の理解を助けるために技術を解説するだけで、その説明自体は判決の証拠資料にならない。証拠としての専門的知見が欲しければ、別途、鑑定人による鑑定が必要になる
- 「出張先の担当裁判官が専門委員のことを全部仕切る」と理解してしまうと、92条の7のただし書を読み損ねる。証拠調べの場面では、専門委員を関与させるか、取り消すか、誰を指名するか、この三つの入口判断は本体の受訴裁判所に留保されている。当事者が異議や忌避を向けるべき相手は、出張担当の裁判官ではなく本体の裁判所だ。問いを立てる宛先を間違えると、主張する場所そのものを失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 92条の7:受命・受託裁判官への職務引継ぎと受訴裁判所への留保 | 92条の2:専門委員を手続に関与させる根拠 92条の6:専門委員の除斥・忌避 |
| 権限の所在 | 日常運用は担当裁判官、入口判断(関与決定・取消し・指定)は受訴裁判所 | 受訴裁判所が関与を決定 受訴裁判所が除斥・忌避を裁判 |
| 当事者の主な関与点 | 出張審理での立会いと宛先(受訴裁判所)の確認 | 関与決定への意見表明・説明期日での立会い 利害関係を理由とする忌避の申立て |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は知的財産事件で技術審査官が裁判官を補助する。証拠ではなく技術理解の補助という機能面で専門委員と近いが、配置は智財裁判所に集中している点が異なる。
韓国の専門審理委員も、専門的知見について説明等を行い裁判所を補助する制度で、日本の専門委員制度と類似する。
米国では技術アドバイザーや特別管理人が裁判所を補助するが、その関与範囲や開示要件は判例法で厳格に統制され、証拠提出を担う court-appointed expert(FRE 706)とは区別される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もしあなたが建設会社として施工不良で訴えられ、裁判所が現場検証を受命裁判官に任せたら? その検証に建築の専門委員が同行するか、誰がそれを決めるのか。あなたの現場が、あなたの知らない専門家の目で技術的に評価されていく
- 特許訴訟で技術説明の期日が開かれる。裁判官の隣の専門委員が、あなたの発明を要約して説明する。その要約が的外れでも、黙っていれば記録上の理解として定着する
- 専門委員の指名通知が届いた。相手方と同じ学会の重鎮だと気付いたなら、忌避を申し立てるか迷う時間は短い。説明が始まる前に動けるかどうかが分かれ目だ
学説
通説:92条の7ただし書は、専門委員を関与させる決定・取消し・指定を受訴裁判所に留保することで、専門委員の人選という審理の方向を左右しうる判断の一貫性と当事者の手続保障を確保する趣旨と解されている。専門委員の説明自体は証拠ではない点でも鑑定と区別される。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正、平成16年(2004年)施行 専門委員制度の新設に伴い、受命裁判官・受託裁判官が手続を担当する場合の権限配分規定として新設。証拠調べ場面の入口判断(関与決定・取消し・指定)は受訴裁判所に留保する仕組みを置いた。なおその後の民事訴訟手続のIT化改正による本条への影響は要人的検証
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:専門委員制度の新設に伴い、受命・受託裁判官が手続を担当する場合の職務配分規定として新設。証拠調べでの関与決定・取消し・指定を受訴裁判所に留保する仕組みを置いた(平成16年施行)。なおその後の民事訴訟手続の IT 化改正による本条への影響は要人的検証。
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