介護保険法 第115条の48(会議)
クイックジャンプ
- 市町村は、第百十五条の四十五第二項第三号に掲げる事業の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者、関係機関及び関係団体(以下この条において「関係者等」という。)により構成される会議(以下この条において「会議」という。)を置くように努めなければならない。
- 2.会議は、厚生労働省令で定めるところにより、要介護被保険者その他の厚生労働省令で定める被保険者(以下この項において「支援対象被保険者」という。)への適切な支援を図るために必要な検討を行うとともに、支援対象被保険者が地域において自立した日常生活を営むために必要な支援体制に関する検討を行うものとする。
- 3.会議は、前項の検討を行うため必要があると認めるときは、関係者等に対し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。
- 4.関係者等は、前項の規定に基づき、会議から資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力の求めがあった場合には、これに協力するよう努めなければならない。
- 5.会議の事務に従事する者又は従事していた者は、正当な理由がなく、会議の事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
- 6.前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、会議が定める。
この条文の基本情報
会議とは何ですか?
定義会議とは、介護保険法第115条の48に定められた規定で、「市町村は、第百十五条の四十五第二項第三号に掲げる事業の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 介護保険法第115条の48(会議)は、日本の介護保険法に含まれる条文です。
- 介護保険法第115条の48の条文原文は「市町村は、第百十五条の四十五第二項第三号に掲げる事業の効果的な実施のために、介護支援専門員、保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者、民生委員その他の関係者…」で始まります。
- 介護保険法第115条の48は第六章 地域支援事業等に置かれています。
- 介護保険法の公布日は平成9年12月17日です。
- 介護保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 介護保険法第115条の48の前の条は介護保険法第115条の47です。
- 介護保険法第115条の48の次の条は介護保険法第115条の49です。
- 介護保険法第115条の48には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の48 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123 - 本サイト収録
介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第115条の48(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/409AC0000000123/115_48
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点介護保険法115条の62は、市町村に地域ケア会議の設置努力義務を課し、会議が関係者に情報提供を求め、関係者は協力に努めると定める。事務従事者には退任後も守秘義務が及ぶ。
Q · 地域ケア会議って、親の介護で困っている家族にとって何の役に立つの?
担当者一人では動かない関係機関を会議名義で動かせる
介護保険法115条の62により、市町村は多職種で構成する地域ケア会議を置くよう努めます。会議は医療機関・介護事業者・民生委員などに資料や情報の提供、意見の開陳を求めることができ(3項)、求められた側は協力に努めます(4項)。ケアマネジャー個人の依頼では動かない相手も、会議の要請なら動く可能性があります。一方で家族の事情が多職種に共有される回路でもあるため、5項が事務従事者に退任後も続く守秘義務を課しています。
解説
介護の現場には、当事者がその存在をほとんど知らないまま自分の生活が議論される場がある。地域ケア会議である。本条1項は市町村に設置の努力義務を課す。「置くように努めなければならない」であって絶対的な義務ではない、だから開催頻度も中身も自治体ごとに大きく違う。実務上の核心は3項と4項にある。会議は、介護支援専門員、医師、民生委員、地域包括支援センター、時には金融機関や住宅の管理者に対して、資料や情報の提供、意見の開陳を求めることができ、求められた側は協力するよう努めなければならない。つまり、ケアマネジャーが一人で「教えてください」と頼んでも動かない相手が、会議名義の要請には動く可能性がある。親の支援が行き詰まっているなら、この一段の違いが突破口になる。裏返せば、あなたの家庭の事情が専門職の輪に流れ込む回路でもある。だから5項は、会議の事務に関わった者に、辞めた後まで続く守秘義務を課している。
法的な位置づけ
介護保険法第115条の62は、地域ケア会議に関する規定である。市町村は、同法115条の45第2項第3号の事業を効果的に実施するため、介護支援専門員、医療・福祉の専門職、民生委員等で構成する会議を置くよう努める。会議は支援対象被保険者への支援と地域の支援体制を検討し、関係者等に情報提供等の協力を求めることができる。
手順
- 1.地域包括支援センターに相談し記録を残す 親の住所地を担当する地域包括支援センターに相談し、日時・担当者名・伝えた内容を自分でメモに残す。後で会議での検討を依頼するときの土台になる
- 2.行き詰まった時点で会議での検討を依頼 担当者一人では関係機関が動かないと分かった時点で、「地域ケア会議で検討してもらえますか」と明示的に依頼する。退院日などの期限があるなら併せて伝える
- 3.共有してよい情報の範囲を書面で伝える 会議で共有してよい情報と、本人の尊厳に関わるため慎重に扱ってほしい情報を、口頭に加えてメモやメールでも線引きして伝える
- 4.会議後に結果の説明を求める 本条に家族への通知規定はないため、会議後に検討結果と今後の支援方針の説明を自分から求める。納得できない行政処分があれば、別途審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1地域ケア会議とは何ですか?
市町村が設置に努める多職種の会議です。介護保険法115条の62が根拠で、高齢者個人への支援と地域の支援体制を検討します。
Q2地域ケア会議の参加者は誰ですか?
介護支援専門員、医師などの保健医療・福祉の専門職、民生委員、関係機関・団体です。事例に応じて住宅や金融の関係者が加わることもあります。
Q3地域ケア会議は誰が開催しますか?
設置の主体は市町村です(115条の62第1項)。実務では地域包括支援センターが個別ケースの会議を運営することが多く、運営ルールは会議自身が定めます。
Q4地域ケア会議の開催を家族から頼めますか?
家族に請求権を定めた規定はありませんが、地域包括支援センターに「地域ケア会議で検討してほしい」と依頼することはできます。依頼した日時と担当者名を記録しておくと安心です。
Q5地域ケア会議の設置は市町村の義務ですか?
条文は「置くように努めなければならない」とする努力義務です。そのため開催頻度や運営の中身は自治体ごとに大きく異なります。
Q6地域ケア会議ではどんなケースが扱われますか?
支援が行き詰まった困難事例、虐待やセルフネグレクトの疑い、退院後の生活調整、8050問題など、担当者一人や一機関では解決しにくいケースが中心です。
Q7地域ケア会議の5つの機能とは?
厚生労働省の整理では、個別課題の解決、ネットワーク構築、地域課題の発見、地域づくり・資源開発、政策形成の5つです。個別事例から地域の施策へつなぐ構造です。
Q8地域ケア会議の結果は家族に知らされますか?
本条に家族への結果通知の規定はありません。結果を知りたい場合は、地域包括支援センターやケアマネジャーに説明を求める必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本人の同意なしに、親の情報が会議で話されることってあるんですか?
あります。厚生労働省の運営マニュアルは本人同意を原則としますが、虐待やセルフネグレクトなど生命・身体に危険がある場面では同意なしの共有が想定されています。個人情報保護法も、法令に基づく場合や本人同意が困難な場合を例外としています(同法27条1項、市町村側は69条)。実務のポイント:ケアプラン契約時の個人情報同意書に「地域ケア会議への提供」が入っているかを見れば、自分の情報がどこまで回る設計か一目で分かる。
Q2会議に呼ばれたら、必ず出ないといけませんか?
4項は「協力するよう努めなければならない」という努力義務で、出席や協力を強制する規定ではなく、拒んでも罰則はありません。3項の要請も同じ性質です。実務のポイント:出席できないときは、断って終わらせず書面での情報提供を申し出る。会議録に「協力を得られず」と残るのと「書面で情報提供あり」と残るのとでは、その後の紹介ルートも行政からの信頼も静かに変わる。
Q3地域ケア会議で決まったことに、強制力はあるんですか?
ありません。会議は検討と調整の場であり、役所があなたに直接下す決定、つまり行政処分ではないため、それ自体を審査請求で争うこともできません。実務のポイント:結論に納得できないとき、争う相手は会議ではなく、それを受けて市町村が出した決定のほう。要介護認定や保険給付に関する処分であれば、都道府県の介護保険審査会への審査請求の対象になる(介護保険法183条、最新の改正状況をご確認ください)。
Q4会議で聞いた話を職場で共有したら、守秘義務違反になりますか?
5項は「会議の事務に従事する者又は従事していた者」に、正当な理由のない漏示を禁じ、辞めた後も義務が続く構造です。介護支援専門員には別途の秘密保持義務(介護保険法69条の37、現行効力を要確認)、民生委員には民生委員法15条、公務員には地方公務員法34条が重ねて働きます。実務のポイント:支援目的の範囲内で自法人のチームに共有するなら「正当な理由」に当たりうるが、その線引きを口頭で済ませないこと。誰に何を共有したかを記録に残している人は、疑われたときに一枚で説明できる。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「地域包括の窓口で相談しただけ」。法律から見れば、その内容は3項の協力要請を通じて多職種の会議に共有されうる情報である。この落差に気付かないまま話すと、伝えたつもりのない家族の金銭事情や病歴まで卓上に出る。共有してよい範囲を自分から言葉にしておく人だけが、この回路を制御できる
- 地域ケア会議の存在を知っている人でも、1項が努力義務にとどまることの重さを見落としている。設置しない自由までは想定しにくいが、年に数回の形式的な開催で終える自治体と、個別ケースを月次で回す自治体が同じ条文の下に並立する。あなたの親が住む市町村がどちらかで、使える支援の厚みが変わる
- 「会議に呼ばれたら断れるのか」という問いの立て方がずれている。4項は協力の努力義務を定めるだけで、出席を強制する規定ではなく、拒んでも罰則はない。本当の論点は、断った事実が会議録に残り、その後の多職種連携からあなたの事業所が静かに外れていくことのほうにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 115条の62:多職種による地域ケア会議の設置と運営 | 115条の46:地域包括支援センターの設置 69条の37:介護支援専門員個人の秘密保持義務 |
| 義務の強さ | 市町村の設置は努力義務、関係者等の協力も努力義務 | 市町村がセンターを設置できる旨の規定 秘密を漏らしてはならないという禁止規範 |
| 守秘義務の主体 | 会議の事務に従事する者・従事していた者 | センターの職員等(同条の別項で規律) 介護支援専門員(退いた後を含む) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は長照管理中心が個案評估と照顧計画を担う。多職種会議を独立の条文で制度化した日本型の規定は確認できていない
韓国は地域単位で医療と介護を統合支援する法律を整備した。日本の地域包括ケアを参照したとされる
ドイツは介護保険法上のPflegestützpunkteが相談と地域連携の拠点となる。会議体ではなく拠点型である点が日本と異なる
米国は地域高齢者機関(Area Agencies on Aging)が地域の高齢者サービスを調整する。虐待対応では多職種チームも活用される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の一人暮らしの高齢者が、この半年で郵便物を溜め、真夏でも窓を閉め切っている。親族でもない自分に何ができるのか? 地域包括支援センターへの一報が、会議で扱われる個別ケースの入口になる。通報者の氏名は原則として相手に伝えない運用が一般的だ
- 担当利用者について市町村から「次回の地域ケア会議で検討したいので、ケアプランとアセスメント表を出してほしい」と連絡が来た。これが3項の情報提供要請であり、4項であなたには協力の努力義務が生じる。ただし出す範囲は検討目的に必要な限度まで。契約時の個人情報同意書に会議への提供が含まれているか、送信ボタンを押す前に一度確認する
- 母のサービス担当者会議には呼ばれた。地域ケア会議には呼ばれなかった。前者はケアプランを作る場、後者は市町村が支援体制を検討する場で、本人・家族の出席は法律上の必須要件ではない
- 父の退院まであと5日。病院は「自宅復帰は難しい」と言い、施設は空きがなく、ケアマネジャーは一人で抱えている。この段階で地域包括支援センターに「地域ケア会議で扱えませんか」と投げると、医療・介護・住宅部局が同じ卓に着く可能性が出る。間に合わなければ、退院後の生活を家族の力だけで組み立てることになる
- 民生委員として見守ってきた世帯が、息子の同居を機に様子が変わった。会議から情報提供を求められたとき、あなたの発言は本条5項の守秘義務の網に入ると同時に、民生委員法15条の守秘義務も働く。どこまで話すかの線引きを、あなた一人で背負う構造にはなっていない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 地域包括支援センター(介護保険法115条の46)に相談し、日時と担当者名、伝えた内容を自分でメモに残す2. 担当者一人で止まっていると感じたら「地域ケア会議での検討」を明示的に依頼する3. 共有してよい情報と、本人の尊厳に関わるため慎重に扱ってほしい情報を口頭と書面で線引きする4. 会議の結果を教えてもらえるよう頼む。本条には家族への結果通知の規定がないため、求めなければ何も返ってこない
訴えられた側:情報提供を求められた側(介護支援専門員、事業者、民生委員、家主、医療機関)の手順。1. 4項は努力義務であり強制力も罰則もないが、拒否の事実は記録に残ると理解する2. 会議の検討目的を確認し、提供範囲をその目的に必要な限度に絞る3. 本人同意の有無と法令上の根拠(個人情報保護法27条1項、市町村側は69条)を会議側に確認し、やり取りを保存する4. 受け取った資料は5項の守秘義務の対象。持ち帰り分の保管と廃棄まで決めてから席を立つ
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効の定めはない。守秘義務違反で損害賠償が問題になる場合は不法行為の消滅時効(民法724条、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年)、契約上の責任は一般の消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される。実務上の時間圧はむしろ退院日、要介護認定の有効期間満了日、会議の開催サイクルのほうにある
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)医療介護総合確保推進法 地域ケア会議を法律上の仕組みとして新設し、平成27年(2015年)4月から施行。それ以前は通知・要綱ベースの運用にとどまっていた。ただしその後の改正による条番号の移動の有無を確認できていないため、改正回数は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:医療介護総合確保推進法により、地域ケア会議が介護保険法上の仕組みとして新設された(当時の条番号は第115条の48)。平成27年(2015年)4月施行。現行の第115条の62への条番号移動の時期は要確認
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める