要点種苗法14条は、出願公表後に書面で警告すれば、品種登録後に登録前の無断利用へ実施料相当額の補償金を請求できると定める。請求権の行使は登録後に限られ、出願が拒絶されれば初めから生じなかったものとみなされる。
Q · 品種登録の出願が公表されたら、勝手に苗を増やす業者にすぐ補償金を請求できるの?
登録前は不可。登録後に警告分を請求できます
種苗法14条の補償金請求権は、出願公表後に「出願品種の内容を記載した書面」で警告しておけば発生します。ただし2項により、実際に請求権を行使できるのは品種登録があった後に限られます。公表から登録までの数年間にできるのは、警告書の送付と利用実態の証拠保全です。警告をしていれば警告後の利用者全員に請求でき、警告がなくても相手が出願中と知っていれば請求できますが、その場合は悪意の立証を育成者側が負います。
何年もかけて育てた新品種のいちご。品種登録を出願し、その内容が公表された瞬間、特性も育成の成果も誰でも閲覧できる状態になる。ところが登録が実際に下りるまでには、栽培試験や現地調査で数年かかることも珍しくない。その空白期間に、公表資料を見た業者が勝手に苗を増やして売り始めたら、指をくわえて見ているしかないのか。種苗法14条は、ここに一本の救済を用意する。出願公表の後に、出願品種の内容を記載した書面を示して警告しておけば、品種登録が下りた後、警告後の無断利用に対して補償金(本来受け取るべき実施料に相当する額)を請求できる。警告をしていなくても、相手が出願中の品種だと知って利用していたなら同じだ。ただし、この請求権は登録が下りてからでないと行使できず、出願が拒絶されれば初めから無かったことになる。条件付きの命綱である。
種苗法14条は補償金請求権を定める規定であり、出願公表から品種登録までの空白期間に出願品種を業として無断利用した者に対し、登録後に実施料相当額の支払を請求できる仮保護の仕組みである。育成者権が発生する前段階の暫定的保護として機能し、出願失敗時には遡及的に消滅する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
出願公表から品種登録までの空白期間に、無断利用者へ実施料相当額の支払を請求できる仮保護の権利です。種苗法14条が根拠で、行使は登録後に限られます。
種苗法13条に基づき、出願受理後に出願品種の内容が公表されます。この公表が、補償金請求権と警告の起点になります。
出願品種の特性を明記した書面を、内容証明郵便で送付するのが実務です。口頭やあいまいなメールでは後の立証で争いになります。
本来受け取るべき実施料に相当する額が基準です。相手の販売量・時期・価格の記録があると算定が容易になります。
2020年改正で登録品種の自家増殖は原則育成者の許諾が必要になりました。一般品種や在来種は対象外です。
流出の多くは品種登録の確定前に起き、海外での品種登録もされていなかったため、現地での法的対抗手段が乏しかったのが構造的原因です。
登録品種の海外持出し制限、栽培地域の指定、自家増殖の許諾制などが導入され、新品種の海外流出防止が強化されました。
5項が民法724条を準用し、登録前に利用の事実と利用者を知っていた場合は『品種登録の日』を起算点として消滅時効が進行します。
できません。本条2項により、補償金請求権は品種登録があった後でなければ行使できません。公表から登録までの間にできるのは、警告書を送ることと利用の証拠を残すことです。業界裏話ヒント:登録を待つ間に相手の販売量や時期の記録を残しておくと、登録後の請求額の計算が格段に楽になる。何もせず登録通知を待つだけの人と、淡々と証拠を積む人とで、回収できる金額が大きく分かれる
本条1項は「出願品種の内容を記載した書面を提示して警告」と定めます。口頭やあいまいなメールでは後で争いになるため、内容証明郵便で品種の特性まで明記するのが実務です。業界裏話ヒント:警告を出すと、相手が出願中だと知っていたかどうかを問わず、警告後の利用が補償金対象になる。警告を省くと、相手の悪意をこちらが立証しなければならない。たった一通の有無で、勝てる事件が勝てない事件に変わる
本条4項により、出願が放棄・取下げ・却下・拒絶され、または登録が取り消されると、補償金請求権は初めから生じなかったものとみなされます。既に受け取っていれば返還の問題になります。業界裏話ヒント:相手方の立場なら、登録の見込みが薄い案件では、慌てて払うより登録の確定を見極める戦略がある。請求権は登録という錨が下りて初めて確定する、条件付きの権利だと理解しておくと交渉の足場が変わる
取れます。本条3項は補償金請求権の行使が育成者権の行使を妨げないと定めます。登録前の利用には補償金、登録後の無断利用には育成者権侵害として差止めと損害賠償(準用される損害額推定の規定を活用)という二段構えです。業界裏話ヒント:空白期間と権利確定後を切れ目なく押さえることが要。公表直後の警告、登録後の権利行使、この二つを連続した一本の戦略として設計できる人は少ない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護される期間 | 14条:出願公表後〜品種登録前の空白期間 | — |
| 請求できる時期 | 14条:権利は公表後発生するが、行使は品種登録後に限る(2項) | — |
| 金額の性質 | 14条:本来受けるべき実施料に相当する補償金 | — |
| 遡及的に覆る条件 | 14条:出願の放棄・取下げ・拒絶、登録取消等で初めから生じなかったとみなす(4項・49条) | — |
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