要点種苗法 75 条は、登録品種や指定種苗の表示義務(21 条の 2・22 条・55 条)に違反した者を十万円以下の過料に処す。過料は秩序罰で前科はつかない。
Q · メルカリで登録品種の苗を表示なしで売ったら、どんな罰になるの?
十万円以下の過料。罰金ではなく前科もつきません
種苗法 75 条は、登録品種である旨の表示(22 条)、育成者が定めた利用条件の表示(21 条の 2)、指定種苗の品名・生産地・発芽率等の表示(55 条)のいずれかに違反した者を、十万円以下の過料に処します。過料は秩序罰であり、刑事罰の罰金とは異なり前科はつきません。ただし、表示を怠って登録品種を無断で増殖・販売した場合は、育成者権侵害(67 条)として刑事・民事の重い責任が別途生じ得ます。
家庭菜園で増やしたブドウやイチゴの苗を、毎週末フリマアプリで売り始めたとする。その品種が品種登録された「登録品種」なら、種苗法は「登録品種である旨」の表示を義務づけている(第22条)。さらに育成者が「輸出先国や栽培地域の制限」といった利用条件を付けていれば、その表示も必要だ(第21条の2)。種苗を業として売るなら、指定種苗の品名・生産地・発芽率などの表示も外せない(第55条)。第75条は、これらの表示義務を破った者に「十万円以下の過料」を科す条文だ。ここで多くの人が誤解する。過料は罰金ではない。前科はつかず、刑事手続でもない。だが軽く見てはいけない。表示こそが、その種苗が誰の権利の及ぶ品種で、どこまで使っていいかを取引相手に伝える唯一の信号だからだ。シャインマスカットの海外流出が問題になったとき、議論の中心にあったのも、この表示と利用条件の仕組みだった。
種苗法第 75 条は、種苗の表示義務違反に対する過料を定める規定である。登録品種である旨の表示(第 22 条)、育成者が付した利用条件の表示(第 21 条の 2)、指定種苗の品名・生産地・発芽率等の表示(第 55 条)のいずれかに違反した者を、十万円以下の過料に処する。過料は秩序罰であり、育成者権侵害の刑事罰(第 67 条)とは性質を異にする。
行政上の秩序罰で、義務違反に対し裁判所が科す金銭的制裁です。種苗法 75 条では十万円以下と定められ、刑事罰の罰金とは異なり前科はつきません。
登録品種である旨の表示は第 22 条、育成者が定めた利用条件の表示は第 21 条の 2、指定種苗の品名等の表示は第 55 条です。違反すると 75 条の過料の対象になります。
指定種苗を業として販売する場合、品名・生産地・発芽率・採種年月等の表示が第 55 条で求められます。これを欠くと 75 条の過料の対象となります。
育成者が登録品種に付す輸出先国や栽培地域の制限などの条件です。表示が義務づけられ、違反は 75 条の過料、条件を破った譲渡は育成者権侵害につながります。
2020 年改正で登録品種の自家増殖は育成者の許諾制になりました。許諾なく増殖・販売すると育成者権侵害(67 条)となり、過料より重い刑事・民事責任が生じ得ます。
利用条件の表示を外した譲渡は 75 条の過料に加え、条件を破った海外流出は育成者権侵害(67 条)の刑事責任まで重なる可能性があります。
原則 25 年、樹木など永年性植物は 30 年です。期間満了後は誰でも自由に増殖・販売でき、登録品種の表示義務も過料もかからなくなります。
過料は裁判所が非訟事件手続法に基づき科します。決定の告知を受けた日から一週間以内に即時抗告で争うことができます。
違う。過料(本条)は秩序罰で、刑事罰の罰金とは別物だ。裁判所が非訟手続で科すが、刑事手続ではなく前科にもならない。一方、育成者権そのものを侵害すれば第67条の刑事罰(拘禁刑または罰金)が科され、こちらは前科がつく。業界裏話ヒント:「過料だから軽い」と侮ると、表示を怠った事実が後の育成者権侵害訴訟で「悪意・過失」の証拠として使われる。過料単体より、その先の民事責任の方が桁違いに重い。
表示を怠っただけなら第75条の過料(十万円以下)どまりで、刑事事件ではない。だが話が変わるのは「無断で増殖して売る」場合だ。2020年改正で登録品種の自家増殖は育成者の許諾制になり、無許諾の増殖・販売は育成者権侵害(第67条)として刑事罰の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:フリマ運営は権利者からの申告で出品削除に動く。「表示忘れの過料」で済むか「侵害の刑事」に飛ぶかは、その苗を自分で増やしたかどうかで決まる。
農林水産省の品種登録ホームページ(品種登録データベース)で品種名から検索できる。登録番号・育成者・存続期間・利用条件の有無まで確認できる。第22条の表示義務は「登録品種」に限ってかかるので、まずここで該当性を確かめるのが出発点だ。業界裏話ヒント:育成者権の存続期間は原則25年、樹木など永年性植物は30年。期間が切れた品種は誰でも自由に増殖・販売でき、表示義務も過料もかからない。古い品種ほど、調べると「もう自由」というケースが多い。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 75 条:表示義務違反への制裁 | — |
| 制裁の性質 | 過料(秩序罰・十万円以下) | — |
| 前科 | つかない | — |
| 手続 | 非訟事件手続法により裁判所が科す | — |
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