前条第二項の規定による通知を受けた者は、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、行政機関の長等との間で、行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約を締結することができる。
要点個人情報保護法 115 条は、114 条 2 項の通知を受けた提案者が、委員会規則に従い行政機関の長等と行政機関等匿名加工情報の利用契約を締結できると定める。審査通過が締結の前提となる。
Q · 役所のデータを事業に使いたい。審査に通ったら、すぐ使えるの?
審査通過後、115 条の契約を結んで初めて使えます
個人情報保護法 115 条により、114 条 2 項の通知を受けた提案者は、個人情報保護委員会規則の定める手続で、行政機関の長等と「行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約」を締結できます。114 条の審査通過は「契約を結べる資格を得た」段階にすぎず、通知は使用許可ではありません。この契約に署名し、116 条の手数料を納付するまでデータは動きません。契約後は 119 条の安全管理措置と 122 条の識別行為禁止を継続して順守する義務を負います。
スタートアップが「行政の保有する交通量データや医療統計を使って新サービスを作りたい」と考えたとき、多くの人は入口で諦める。役所のデータは手が届かないと思い込んでいるからだ。だが個人情報保護法 115 条は、そのための正規のドアを一枚だけ開けている。前条(114 条)の審査を通過し通知を受けた提案者は、個人情報保護委員会規則の定めに従い、行政機関の長等と「行政機関等匿名加工情報の利用に関する契約」を締結できる。つまり、審査さえ通れば、役所の匿名加工済みデータを合法的に事業利用する道が開く。視点を裏返せば、あなたが確定申告や住民異動で役所に出した情報も、特定できない形に加工された上で、この契約を通じて企業の手に渡りうるということだ。個人が特定されない匿名データとはいえ、公的情報が民間で回る仕組みが、この一条を蝶番として動いている。
個人情報保護法 115 条は、行政機関等匿名加工情報の利用契約に関する規定である。前条 2 項の通知を受けた提案者が、個人情報保護委員会規則の定める手続により、行政機関の長等との間で当該情報を事業に利用するための契約を締結できる旨を定め、114 条の審査通過を締結の前提要件とする。開示請求とは異なる、データの継続的利用のための窓口を制度化したものである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関等が保有する個人情報を、特定の個人を識別できず復元もできないよう加工した情報です(個人情報保護法 60 条 3 項)。加工後はもはや個人情報ではなく、本人同意なく利用契約の対象になります。
まず 112 条の利用提案を募集期間内に提出し、114 条の審査に通過して通知を受けます。その後 115 条により委員会規則の手続で行政機関の長等と契約を締結し、116 条の手数料を納めます。
できません。113 条の欠格事由に該当せず、114 条の審査で基準適合と認められた提案者のみが 115 条の契約を結べます。審査では安全管理体制と再識別防止策の具体性が重視されます。
かかります。115 条の契約締結にあたり、116 条に基づく手数料の納付が必要です。手数料額は政令・委員会規則で定められ、対象データの規模等に応じます。
違法です。契約者は 122 条の識別行為禁止義務の名宛人となり、元の個人を特定しようと試みるだけで義務違反に問われます。119 条の安全管理措置違反にもなり得ます。
目的によります。統計の二次利用なら統計法 36 条の匿名データ提供や 33 条の調査票情報提供という別ルートが適する場合があり、115 条より手続が軽いことがあります。
いつでもではありません。112 条の利用提案は、行政機関の長等が公示する「提案の募集」の期間内に行う必要があります。締切を逃すと次の募集まで待つことになります。
医療分野は次世代医療基盤法(匿名加工医療情報法)という別制度が用意されています。カルテ情報の創薬研究利用等はそちらが規律し、115 条とは根拠法が異なります。
誰でも自由に買えるわけではない。まず 112 条の利用提案を出し、113 条の欠格事由に触れず、114 条の審査で「基準に適合する」と認められて初めて、115 条で契約を結べる資格が得られる。手数料(116 条)も別途要る。業界裏話ヒント:審査で実際に効いてくるのは利用目的の公益性や妥当性より、安全管理体制と再識別を防ぐ仕組みが具体的に描けているか。ここを最初の提案書で作り込めているかが、通る事業者と落ちる事業者を分ける。
原則として止められない。適法に匿名加工された情報はもはや個人情報ではなく、本人の同意も不要とされるため、利用を差し止める請求権は用意されていない。守られるのは「あなた個人が特定されないこと」であって「使われないこと」ではない。業界裏話ヒント:ただし役所が持つあなた自身の生の個人情報については、開示・利用停止の請求権が別枠で残る。加工前の情報の扱いに問題があれば、そこを突く。加工後の情報と加工前の情報は法的にまったく別物として扱われる、この線引きを知っているかどうかで打てる手が変わる。
目的によっては 115 条の契約ではなく、統計法の匿名データの提供(統計法 36 条)や調査票情報の提供(統計法 33 条)という別制度の方が適する場合がある。行政機関等匿名加工情報の契約は手続が重めなので、統計利用なら軽いルートで足りることもある。業界裏話ヒント:入口を間違えると、本来もっと軽い手続で済んだのに重い契約審査に何か月もかけることになる。どの制度に乗せるかは、データを申請する前に見極めるのが鉄則。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 115 条:利用契約の締結(データ利用の起点) | — |
| 行為主体・タイミング | 通知を受けた提案者が委員会規則の手続で契約締結 | — |
| 効果 | 契約成立により匿名加工データの事業利用が可能に | — |
| 付随義務・費用 | 116 条の手数料納付+119 条安全管理+122 条識別禁止 | — |
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