要点個人情報保護法 121 条は、行政機関の長等が匿名加工情報を本人識別目的で他の情報と照合することを禁じ、削除情報と加工方法の安全管理を義務づける。義務は受託先にも準用される。
Q · 匿名加工されているなら、役所のデータは誰が何をしても自由なの?
照合による本人識別を禁止し、鍵情報の管理も義務づける規定です
自由ではありません。個人情報保護法 121 条 1 項は、行政機関の長等が匿名加工情報を本人識別目的で他の情報と照合することを禁じます。2 項は、匿名加工情報に加えて削除情報と加工方法を「行政機関等匿名加工情報等」と定義し、個人情報保護委員会規則の基準に従った管理を義務づけます。3 項により、この禁止と管理義務は二次委託・三次委託を含む受託事業者にも準用され、末端のエンジニアまで直接の名宛人となります。
役所があなたの個人情報を「匿名加工」して民間企業に提供する制度が、2021 年(令和 3 年)の法改正で全国の行政機関と自治体に広がった。名前も住所も消してあるから安心、そう説明される。だが本当の防波堤は加工技術ではなく、この 121 条の一行にある。第 1 項は、行政機関の長等に対して「その匿名加工情報を他の情報と照合して、元の本人を特定してはならない」と命じる。つまり法は、技術的に復元できてしまう可能性を織り込んだうえで、復元しようとする行為そのものを禁止した。第 2 項は、匿名加工情報だけでなく、加工の際に削除した情報(氏名や個人識別符号)と加工の方法、この二つを併せて「行政機関等匿名加工情報等」と呼び、個人情報保護委員会規則の基準に従った管理を義務づける。削除情報と加工方法は、いわば復元のための鍵束だ。第 3 項が効いてくるのはここから。この禁止と管理義務は、役所から業務を受託した民間事業者にも、二次委託・三次委託の先まで丸ごと及ぶ。あなたのデータを実際に触っているのは、役所の職員ではなく、名前も知らない下請けのエンジニアかもしれない。その人物にも、この条文は直接届いている。
個人情報保護法 121 条は、行政機関等匿名加工情報の識別行為禁止と安全管理を定める規定である。行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き本人識別目的で当該情報を他の情報と照合してはならず、削除情報および加工方法を含む関連情報を委員会規則の基準に従い管理する義務を負い、その義務は受託業者にも準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政機関が保有する個人情報を、特定の個人を識別できないよう加工し、民間の提案に応じて事業に提供できるようにした情報です。個人情報保護法 116 条の基準に従って作成されます。
加工により特定の個人を識別できない状態になった情報ですが、121 条は他情報との照合による再識別を明確に禁止しており、法的保護の対象であり続けます。
121 条自体は禁止・義務規定で、違反時はまず個人情報保護委員会の指導・勧告・命令の対象となります。命令違反や不正な提供には罰則規定が用意されています。
匿名加工の際に元の個人情報から削除した氏名や個人識別符号などの情報です(109 条 4 項)。加工方法と併せれば再識別の鍵となるため、121 条 2 項が独立に管理を義務づけます。
行政機関等匿名加工情報の提供を受ける提案は、各行政機関が年度ごとに募集期間を公示します。募集期間を過ぎると次の機会まで待つ必要があるため、公表情報の確認が重要です。
自分の情報の取扱いに疑いがあれば、当該行政機関の個人情報保護窓口へ苦情を申し出るとともに、個人情報保護委員会へ情報提供できます。証拠は日付入りで保存しておきます。
121 条 3 項により、二次委託・三次委託を含む受託事業者にも 1 項の識別禁止と 2 項の管理義務が準用されます。契約に条項がなくても法律が直接の名宛人にします。
統計法 35 条の匿名データは統計調査由来の情報を対象とする先行制度で、行政機関等匿名加工情報はその発想を行政保有データ全般へ拡張したものです。根拠法と対象範囲が異なります。
なります。121 条 1 項が禁じているのは結果としての識別ではなく、本人を識別するために照合する行為そのものである。故意でなければ違反にならないという構造ではあるが、その線引きは処理の目的で判断される。業界裏話ヒント:実務で問われるのは、あなたの記憶ではなくログとチケットの記載だ。分析目的をタスク管理ツールに一行残しておくかどうかで、後日「識別目的だった」と推認されるかどうかが変わる
発生する。121 条 3 項は「二以上の段階にわたる委託を含む」と明記し、末端の受託者にも 1 項の識別行為禁止と 2 項の管理措置義務を準用する。契約書に個人情報条項がなくても、法が直接あなたを名宛人にする。業界裏話ヒント:この構造を知る事業者は、受注前に削除情報と加工方法を「そもそも受け取らない」設計を提案する。持たない情報は漏らせない、これが最も安価なコンプライアンスである
その手順書が、匿名加工情報を個人情報に戻す設計図である。だからこそ 121 条 2 項は、匿名加工情報本体と削除情報と加工方法をまとめて「行政機関等匿名加工情報等」と定義し、個人情報保護委員会規則の基準に従った管理を独立の義務として課す。業界裏話ヒント:監査で最初に見られるのは加工済みデータの保管庫ではなく、加工スクリプトが置かれたリポジトリのアクセス権限である。コードは情報だという発想を持てているかで、組織の成熟度が一目で分かる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人 | 121 条:行政機関の長等(+準用で受託事業者) | — |
| 規律の内容 | 識別目的の照合禁止+鍵情報の安全管理 | — |
| 保護対象 | 匿名加工情報+削除情報+加工方法の三点セット | — |
| 委託連鎖への効力 | 3 項で二以上の段階の委託先まで準用 | — |
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