個人情報取扱事業者(その者が法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。第百八十四条第一項において同じ。)である場合にあっては、その役員、代表者又は管理人)若しくはその従業者又はこれらであった者が、その業務に関して取り扱った個人情報データベース等(その全部又は一部を複製し、又は加工したものを含む。)を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
要点個人情報保護法 179 条は、従業者・元従業者が業務で扱った個人情報データベース等を不正な利益目的で提供・盗用する行為を罰する。目的犯であり過失漏えいは対象外。会社にも両罰規定で最大 1 億円。
Q · 退職するときに顧客リストを持ち出したら、辞めた後でも罪に問われるの?
問われうる。元従業者も 179 条の対象
個人情報保護法 179 条は、個人情報取扱事業者・役員・従業者、そして「これらであった者」つまり元従業者までを対象とし、業務に関して取り扱った個人情報データベース等を不正な利益目的で提供・盗用した場合に 1 年以下の拘禁刑または 50 万円以下の罰金を科します。会社を辞めても射程から外れません。さらに両罰規定(184 条)により、会社にも最大 1 億円以下の罰金が科されます。「自分が育てた客だ」という認識と法律の評価は別物です。
退職の日、あなたが担当していた顧客リストをこっそりUSBにコピーする。「自分が汗をかいて育てた客だ」という理屈で。だがその一瞬の行為が、個人情報保護法179条のデータベース提供罪にあたりうる。この罪の恐ろしさは、狙いがあなたのような「内部の人間」に絞られている点にある。個人情報取扱事業者、その役員、従業者、そして退職した元従業者まで。会社を辞めても逃げられない。要件は、業務に関して取り扱った個人情報データベース等を、自己または第三者の不正な利益を図る目的で提供、または盗用したこと。ベネッセ事件で大量の子供の名簿が流出し名簿業者に渡った、あの事件がこの条文を生んだ。個人には1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、そして会社には両罰規定で最大1億円の罰金が科される。
個人情報保護法 179 条は、個人情報取扱事業者およびその役員・従業者・元従業者が、業務に関して取り扱った個人情報データベース等を、自己または第三者の不正な利益を図る目的で提供または盗用する行為を処罰する規定である。「不正な利益を図る目的」を要件とする目的犯であり、過失による漏えいは本条の対象外とされる。
従業者・元従業者が業務で取り扱った個人情報データベース等を、不正な利益目的で提供・盗用する行為を罰する規定です。1 年以下の拘禁刑または 50 万円以下の罰金が科されます。
公訴時効は 3 年です(刑訴 250 条 2 項)。起算点はデータを提供または盗用した犯罪行為が終わった時で、継続的に売却していた場合は最後の行為時から数えます。
不正な利益を図る目的があれば 179 条の盗用にあたりえます。新しい職場の営業で使えば目的が推認されやすく、元従業者でも処罰対象です。会社には別途最大 1 億円の罰金。
違法です。179 条の典型例で、ベネッセ事件がこの条文を生みました。売却した本人が拘禁刑を負い、勤務先の会社も両罰規定で最大 1 億円の罰金を負います。
令和 2 年(2020 年)改正で法人重科が導入され、本罪について法人に最大 1 億円以下の罰金を科せるようになりました。個人の 50 万円以下と桁が違います。
令和 4 年改正で懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化され、令和 7 年(2025 年 6 月 1 日)施行です。179 条の法定刑も懲役から拘禁刑に改められました。
アクセスログ・USB 接続履歴・メール送信記録から追跡されます。これらが立件の生命線で、退職者のログ監査を行う企業では持ち出しが後から発覚することがあります。
179 条は個人情報データベース等の不正提供・盗用を、不正競争防止法 21 条は営業秘密侵害を罰します。顧客データが両方に該当すれば重畳的に問われる余地があります。
「自己又は第三者の不正な利益を図る目的」があれば、179条のデータベース提供罪または盗用にあたりえます。手元に残っただけでは足りませんが、新天地の営業で使えば目的が推認されやすい。業界裏話ヒント: 多くの企業は退職時の持ち出しを黙認しますが、後にトラブルになると一転して刑事告訴のカードを切ります。「持ち出さない」が唯一の安全策です
違います。179条は「不正な利益を図る目的」を要する目的犯なので、過失や不注意の漏洩はこの罪になりません。その場合は個人情報保護委員会の命令違反(176条)など行政ルートで処理されます。業界裏話ヒント: 逆に言えば、目的の有無が有罪無罪の分水嶺。捜査ではメールやチャットで『いくらで売れる』といった発言が徹底的に探されます。証拠に残る一言が命取りになる
はい。両罰規定(184条1項)により、従業者が業務に関して179条違反をすれば、法人にも最大1億円以下の罰金が科されます。行為者本人の50万円以下とは桁が違う。業界裏話ヒント: だからこそ企業はアクセス権限の最小化と退職者のログ監査に投資します。これを怠った会社は、社員一人の暴走で1億円の罰金と信用失墜を同時に負う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 179 条:不正な利益目的での個人情報データベース等の提供・盗用 | — |
| 主観的要件 | 「自己又は第三者の不正な利益を図る目的」(目的犯) | — |
| 過失漏えいの扱い | 目的がなければ不成立(対象外) | — |
| 法定刑・罰金額 | 1 年以下の拘禁刑または 50 万円以下の罰金(法人は最大 1 億円) | — |
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